NO.1963 もう、限界です。「これでまも何とかやってきた、仕方ない」という障害者家族の生活の姿
最近、時々妄想します。
私が死ぬ場面です。
私100歳、息子69歳。
臨終です。
私の意識はだんだん薄れていきます。息子はなんとなく不安を感じてはいますが、事態を理解できません。
息子の行く末を案じながら、疲れ切った老人は静かに人生を終わる。
子や孫の将来を気にしたらキリが無いのですが、困難を背負った子を残してあの世に旅立つ親の心境を、今からシュミレーションしているのです。
より良い別れのために。
苦しい人生ではありますが「不幸」とは思いません。
人は与えられた宿命を、いかに生きるかという他ありませんので。
30年以上も先どうなっているかわかりませんが、一日一日を一所懸命に生きるのみです。
上記は、重度自閉症と知的障害のある36歳の仲間の父親が、先日連絡帳に書いていたものです。
(本文の趣旨が父親の本意とぴたり噛みあうとは思いませんが、父親の了解をいただき、記事のツカミに使わせていただきたく転載しました。)
身にしみます。
親なら誰とて、わが子のいく末を案じないものはいないでしょう。
しかし、わが子に障害があるがゆえに、行く末への一縷の希望さえも託すことなく死ぬ日をシュミレーションしなければならないこの人生とは、一体・・・。
最近、親との面談をしました。
多くの親たちは、多少の不安はあっても「現状でよし」としています。4月から在宅支援事業を立ち上げるに当たって、要求を聞いても「今のところは特にはありません」と。自ら「こうして欲しい」という親は皆無に近い状態です。
90歳近い母親が60歳代の息子と暮しています。
母親は息子を知的に「指導」し、息子は体力で母親を助け支えあって暮しています。息子の「家を出てグループホームで自立したい」といった過去の夢ははかなく費え去ってしまいました。「障害年金を持って家を出て行かれたら、困ります」という母親の一言が出た日からでした。息子は買い物や家事といた母親の体力を補う手伝いや、父親が入院する病院に介護に行くことも欠かせません。いつも後ろ髪を引かれるように作業所を早めに出ます。
80歳近い母親が50代半ばの息子と暮しています。
外では大人しく何の問題もなさそうに見えますが、息子は、母親には何かあると当り散らし、家具や家電を壊したり、すきあらば金品を盗み取ったりします。
母親は気が休まらないようです。
そして、休みの日には「どこどこ公園に」「どこどこの海に」とせがみ、母親は体力を振り絞って付き合います。
「そんな時、ガイドヘルプとか利用したらいいじゃないですか?」と聴くと、「そうですね。月に2回ぐらい一緒に外出してくれる人がいると助かりますね」といます。
こちらから聞き出し、提案すれば、そうかそういうこともありかと気がつくようです。しかし、自分では、障害のある息子と暮らすことはこんなものだ、これまでも何とかやって来たんだからこれからもなんとかやっいっていこうと呑みこんでしまうのだと思います。
大変な中、長い間やりくりして来た暮し方やその考え方はそう簡単に変えられるものではありません。そうして、日本中に「これまでも何とかやってきた、仕方ない」という障害者家族の生活の姿があります。
「助けてといえない30代」という話がありましたが、「助けてと言えない障害者・家族」の問題は深刻です。
それは、気がつけば悲惨な介護の実態です。
昨年末、2010年12月6日に、きょうされんが 「家族の介護状況と負担についての緊急調査の結果」(PDF)を発表しました。
2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」報道より紹介します。
93歳母、72歳息子を世話…
障害者、親が介護9割
進む高齢化 体力限界
「きょうされん」調査
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自宅で暮らす障害者の介護を担う人(介護者)の約9割は障害者の親で、うち母親に多くの負担が集中し高齢化も進んでいることが、全国の共同作業所などでつくる団体「きょうされん」の調査でわかりました。
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調査は昨年、きょうされんに加盟する障害者通所施設などで働く障害者を対象に、在宅での介護者の実態などを把握する目的で実施。このテーマでの調査は初めてです。約4120人の介護者が回答しました。「介護」には身体障害者への介助に限らず、知的障害や精神障害にたいする援助や支援なども含みます。
介護者の64%が母親で、父親は25%。介護する母親の半数が60歳以上と、高齢になっても主に介護負担を担っていることがわかりました。なかには94歳の父親が精神障害のある58歳の娘を、また、93歳の母親が知的障害などのある72歳の息子を介護している例もありました。
両親の高齢化が進んでいるにもかかわらず、約半数が居宅支援サービスを利用していないこともわかりました。一方で、介護者の85%が、精神的負担(69%)、身体的負担(52%)、経済的負担(41%)など(複数回答あり)を訴えています。
介護者の64%が負担や不安について書き込みました。「常に支援が必要なため、負担やストレスになる」「親になにかあった時が心配」「親亡き後の生活を考えると不安でたまらない」「親が高齢になったため、精神的・体力的に限界」など痛切な訴えが多く寄せられています。
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自立支援法の欠陥明らか
きょうされんの小野浩政策・調査委員会副委員長の話
高齢の親が子どもをみている状況がこれほどあるのかと驚きました。もはや親の介護負担は限界に達しています。今回の調査は改めて障害者自立支援法の問題や欠陥を明らかにしたといえます。同法はサービス選択の保障や自立の支援を掲げながら、家族介護の実態と負担はまったく解決していません。原因は、応益負担とともに障害程度区分による抑制や支給量制限にあります。子どもが成人に達しても親が支えるものという考え方を法律や制度、行政体質から払拭(ふっしょく)し、サービスをいつでも、どこでも、だれもが利用できるように公的制度として確立することが求められています。
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2011.02.03 | | Comments(2) | Trackback(4) | ・障害者自立支援法Ⅲ
