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NO.1621 生活保護以下の低所得世帯 厚労省推計(メモ)

 1965年以来の厚生労働省の「貧困調査」。
調査をしたことは一歩前進と評価できる。

      新緑3390

 生活保護基準が定める最低生活費以下の所得しかない世帯が増え、それは働く層にも・・・。
貧困問題の解決はマッタナシ!
しかし民主党政権、全く手が打てていない。社会保障の総合的な戦略が無い・・・!

以下、メモ。

2010年4月10日(土)「しんぶん赤旗」より。

生活保護基準未満の低所得世帯
受給わずか15%
厚労省推計

----------------------------------------------------------

 生活保護基準が定める最低生活費を下回る所得しか得ていない世帯が705万世帯にのぼり、そのうち、実際に生活保護を受給しているのは108万世帯(15・3%)にとどまることが厚生労働省の推計で9日にわかりました。国がこうした調査を行うのは1965年以来です。

 現行の生活保護は受給要件が厳しく、所得が最低生活費を下回っても、貯蓄が最低生活費の1カ月分未満でないと受けられません。この要件を満たす337万世帯に対しても、保護を受けている世帯の割合は32・1%にとどまります。

 また、総世帯に占める生活保護基準未満の所得の世帯(保護受給世帯を含む)の割合は14・7%。母子世帯に限ると74・3%にのぼります。

 推計は、2007年の国民生活基礎調査を使って行ったもの。各地の生活保護基準から個々の世帯の最低生活費を計算し、その世帯の所得と比べました。

 この計算では、最低生活費に家賃分や医療・介護費などが含まれていません。これらを含めれば最低生活費が上がり、それに満たない所得の世帯数はさらに増えます。低所得世帯に対する保護受給世帯の割合はいっそう低下することになります。



2010年5月12日(水)「しんぶん赤旗」

働く世帯1割、生活保護以下の所得
厚労省調査

---------------------------------------------------------

 働いているにもかかわらず、生活保護基準が定める最低生活費以下の所得しかない世帯が389万世帯にのぼり、就労者世帯の10・4%を占めるという推計を、厚労省が11日までに公表しました。そのうち、実際に生活保護を受給しているのは、13万世帯(3・3%)にとどまります。

 会社員や公務員など雇われて働く世帯(2478万世帯)では、生活保護基準以下の所得の世帯が217万世帯、8・8%にのぼっています。そのなかで生活保護を受給しているのは5・2%にすぎません。

 自営業者などの世帯(1272万世帯)ではさらに生活保護基準以下の割合が高く、172万世帯、13・5%に達しています。そのうち生活保護を受給しているのは1・2%です。

 また、働いている母子家庭世帯60万世帯のうち、生活保護基準以下の世帯数は42万世帯(70%)と高い割合となっています。

 調査は、2007年国民生活基礎調査を使ったものです。先月厚労省が公表した低所得世帯数の推計を、就労別に集計し公表しました。

 ただ、この計算では、最低生活費に家賃分などが含まれていません。これらを含めると生活保護基準の最低生活費に満たない所得の世帯はさらに、増えることになります。

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2010.05.13 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1595 「地域主権」法案  自立支援法後の新法にも 制約

 早いもので、今日で4月も終わりです。
なんだか地に足が着かないような4月でしたが、皆さんはいかがでしたでしょうか。

      水玉3300
 さて、これまで、 民主党政権が、「地域主権改革」の名で社会保障への国の責任を放棄しようとしており、それはとりもなおさず、自公政権の「構造改革」の踏襲に過ぎないことを書いてきました。

 ここでは、地域主権改革関連2法案の概要(PDF) をもとにおさらい。

 同法案によれば、「地域主権改革」の定義は「日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」と、一見もっともらしいものです。
 
 「自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、義務付け・枠義務付け・枠付けを見直し付けを見直し」「条例で自主的に定める余地を認め」るとしています。

次のような事項を対象

①施設・公物設置管理の基準
②協議、同意、許可・認可・承認
③計画等の策定及びその手続等改正の対象となる事項

自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、義務付け・枠義務付け・枠付けを見直し付けを見直し例えば、

①’国が決めていた基準に代えて条例で基準を規定=地方の独自性の発揮
②’国の関与を、廃止又は弱い形態の関与へ
③’計画等の策定義務を廃止へ改正後〔改正の概要(例)〕
○児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(児童福祉法)
○公営住宅の整備基準及び収入基準(公営住宅法)を地方自治体の条例に委任
○道路の構造の技術的基準(但し設計車両等の基準を除く)(道路法)
○市町村立幼稚園の設置廃止等に係る都道府県教育委員会の認可は、届出とする(学校教育法)

2.施行日等
①直ちに施行できるもの→公布日
②政省令等の整備が必要なもの→公布の日から起算し3月を経過した日
③地方自治体の条例整備が必要なもの、事業年度単位での施行が必要なもの→平成23年4月1日等○福祉施設の基準について、関係法律の施行の状況等を勘案し、基準の在り方について見直し検討関係法律を一括し改正関係法律を一括し改正(国の基準は基本的に「参酌すべき基準」化)別紙義務付け・枠付けの見直し

 要するに暮らしや福祉の諸政策に対する国の許認可権を地方自治体に移行するというものです。

障害者総合福祉法(仮称)にも制約
 障害者分野の自立支援法の事業に関わる認可権限も自治体に任されることになるでしょう。
例えば施設の居室の床面積やサービス事業の定員、職員配置基準などは、現在は国が基準を定めていますが、都道府県に任せるというものです。

 いま、障がい者制度改革推進会議で、障害者自立支援法廃止後を睨んで、これに替わる総合福祉法(仮称)つくりの議論がすすんでいますが、この議論に制約をかけることになりかねない問題です。

 また、今でも障害者施策の地域間格差が問題になっていますが、さらに格差が広がったり、低基準での事業経営が求められる恐れもあります。たまったものではありません。

日本障害フォーラムでは、原口総務大臣に意見書を提出し、法案の見直しを求めていくそうです。


 「地域主権の美名で、福祉施策に対する国の責任を放棄するな!」と声を大に訴えたいです。

 関連して、2010年4月30日(金)「しんぶん赤旗」より転載します。

「地域主権」法案
福祉施設 環境悪化も
職員数・面積 最低基準守る保証なし

------------------------------------------------------------------

 保育所や特別養護老人ホーム(特養)など福祉施設の設備・運営基準について、政府は、28日に参院を通過した「地域主権改革」一括法案で、国の定める最低基準を撤廃し、ガイドライン化したうえで、地方の条例にゆだねようとしています。

 これには、「地方任せになれば、いまでも低い職員配置基準がさらに下がる」「保育所の子どもの詰め込みがいっそうひどくなる」などの批判が高まりました。政府は、職員の人数や利用者1人当たりの居室面積、人権に直結する基準については、国が示すガイドラインを「地方が従うべき基準」にし、地方に守らせるとして、批判をかわしています。

 ところが、それらの基準を含め、今後国が示すガイドラインが現行の最低基準を維持するものになるのか政府は明言していません。日本共産党の山下芳生参院議員の国会審議での再三の追及にも「省令で決める」としか答えず、国会で責任ある審議ができない状況です。

 一方で、厚生労働省は6月中にも省令を改定し、特養の居室面積基準を引き下げる方針であることが29日までに分かりました。1室当たり13・2平方メートル(約8畳)以上とされている個室の面積について、10・65平方メートル(約6畳)に引き下げる方針です。居室面積は、「地方が従うべき基準」とされています。

 国の基準そのものを引き下げたうえで、それを「地方が従うべき基準」にするというものです。つまり、「地方に守らせる」という基準でも、現行の最低基準が守られる保証がない実例です。

 政府は、山下議員の求めにもかかわらず、省令で決めるという国の「ガイドライン」の中身を国会に示しません。国会審議抜きに、今後、省令で最低基準を引き下げる恐れを強く抱かせます。

 保育所はじめ児童・老人福祉、障害者施設の現在の基準は、面積や職員配置でも、防災基準でも諸外国と比べ劣悪です。そのために、グループホームの火災などで犠牲者が絶えないのが実態です。国が国民に保障すべきナショナルミニマムとして基準を引き上げたうえで、財政責任を果たすことこそ必要です。

 ところが、「地域主権改革」一括法案は、国の責任を投げ捨て、地方任せにします。さらに現行の不十分な国の最低基準さえ、これを機に、引き下げようという動きは重大です。(西沢亨子)

以上、転載。

参考過去ログ:
 ★NO.1593 「地域主権改革」の名で 社会保障への責任放棄
          http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1660.html
 ★No.1594 民主党政権の「地域主権」は、自公政権の「構造改革」の踏襲
          http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1661.html

    
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2010.04.30 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

No.1594 民主党政権の「地域主権」は、自公政権の「構造改革」の踏襲

 前のエントリーNO.1593 「地域主権改革」の名で 社会保障への責任放棄で、「民主党政権がす進める「地域主権」は、自公政権の「構造改革」を踏襲し、これを加速するものと言わなければなりません。」と書きましたが・・・。

     水玉3298

 例えば、「規制緩和」を求めてきたのは、保育事業への参入を狙う営利企業です。

 JPホールディングスは全国で保育事業を展開し、山口洋代表取締役は厚労省の審議会の保育専門委員も務めていいます。
 その山口氏は「首都圏では事務所ビルなどを保育所に改装するケースが中心だが、都市で保育所をつくるには避難階段や2方向への避難経路の確保などの規制が邪魔だ」といって、規制緩和を求めてきました。

 営利企業は田舎の保育所整備などには手を出しませんから、保育所不足・待機児童問題をビジネスチャンスと見て、都市で効率よく儲けるために「規制を緩和しろ!」と言うわけです。
まさに今回の「地域主権改革」一括法案で緩和されようとしている内容そのものです。

 幼い子どもは、自分では逃げられるわけがありません。国は、安全のための基準を定め、防災施設整備のためにお金を出し、幼い命を守る責任があります。
ところが、営利企業の要求どおりに、安全基準を緩和するというわけです。

 これこそ、自公政権の「構造改革路線」そのものではないでしょうか。

 民主党が掲げる「地域主権」は、国の役割を軍事や外交などに、自治体の役割を住民サービスにかかわるものに限定するものだと指摘されています。同党の「地域主権」論は、財界の要望にこたえて自公政権が進めてきた「国と地方の役割分担」論をそのまま踏襲したものであり、自治体の権限は強化されても、「住民自治」とはかけ離れたものになるでしょう。そして、いずれは「道州制」に続くものと思われます。

 そのことを証明する 国会論戦がありました。
「地域主権改革」一括法案の論戦の当事者、日本共産党の山下芳生議員が「きよしのブログ 」 に、書いていましたので紹介します。

鳩山内閣の「地域主権改革」は小泉「構造改革」と同じだ! 2010年04月27日

 4月8日から審議してきた「地域主権改革」一括法案の締めくくりの質疑が総務委員会で行われました。

 きょうは、先日視察した知的障害児入所施設の様子も紹介しながら、職員配置基準など最低基準をなくすのではなく引き上げるべきだと山井厚労政務官に質問。また、保育所の面積基準を地方に条例委任する際、待機児童の多い地域は、他の地域より基準を引き下げることを認める問題をただしました。

 保育所の面積基準の緩和を認める期間はいつまでか問うと、山井政務官は「潜在需要も含めた待機児童解消を図るまでの間と考えている」と答弁しました。

 これは重大です。これ以上保育所はつくらなくていい、子どもが減るまでの間つめこんでおけばいいと言っているようなものではありませんか!民主党には「チルドレン・ファースト」の看板を直ちに降ろしてもらいたい。

 続く、原口総務相との論戦は委員会室が沸きました。

 私は、小泉内閣がまとめた「日本21世紀ビジョン」(05年4月19日)に「地域主権を確立する」「地方分権を徹底し、地域住民が自らの判断で地域における最適な行政を選択できるようにする」とあることを紹介。「どこかで聞いた言葉がすでにここに出ている」と指摘すると、他党委員から「ほう」とどよめきが。

 そこで、「鳩山内閣が『地域主権改革』と称してやろうとしていることは、小泉内閣のビジョンと同じではないのか」と迫ると、原口総務相は、「日本21世紀ビジョン」の当該箇所を見ながら、「私、不勉強でこれ見ておりませんでしたけど、地域主権という言葉はまさに小泉内閣のときにも使われていたんですね。ちょっと、非常にこれまでの議論からすると驚きでございました。たしかにこれどこかで見たような文章だなと…」とポカンとした表情。

 ただ、すぐに「いいものは私たちは取り入れていい」とあっさり認めてしまいました。

 はっきりしたと思います。鳩山内閣の「地域主権改革」は、小泉「構造改革」がめざした方向と同じものです。しかし、貧困と格差を拡大し、地方を切り捨てた元凶こそ、小泉「構造改革」にほかなりません。この路線とキッパリ決別することに、痛んだ国民生活と地方を建て直す道があります。

 一方、自民党もこれまで「地域主権などと言う新語を法律のタイトルに使うのはけしからん!」と一本調子の質問を繰り返してきましたが、まさに天に唾するものだったことが明らかとなりました。

 締めくくりにふさわしい論戦となりました。衆院の論戦で待ったをかけるためにがんばりたいと思います。

以上、転載。
 「いいものは私たちは取り入れていい」・・・。
民主党政権の「地域主権」が自公政権の「構造改革」の踏襲であることを、原口大臣自身が認めた形になりました。


 ・・・余談ですが、
 山下議員は、別のエントリーで、知的障害児生活施設を見学した感想を以下のように書いていました。

「子どもたちの障害の程度は軽度から重度まで幅広い。そのうえ家庭での虐待やネグレクトを受けている子どもも増えています。一人ひとりに向き合い、適切な支援を行うことが求められています。そのためには職員がもっと必要だし、子どもたちが一人になりたいときになれる場所など施設の改善も必要とのことでした。

 国の職員配置基準が何十年も変わらないなど、こうした施設が政治的・社会的に放置されてきたことに胸が痛みました。今回、児童福祉法の最低基準がなくなれば、私たちの社会がいよいよ“豊かな社会”から遠ざかるなと思いました。」


 こういう国会議員を増やしたいものです。

参考;
   ■NO.1593 「地域主権改革」の名で 社会保障への責任放棄
              http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1660.html
   ■NO.1595 「地域主権」法案  自立支援法後の新法にも 制約
            http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1663.html
    
「地域主権改革」の名で 社会保障への責任放棄はゆるされない!

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2010.04.30 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1581 「福祉の人材4万円アップ↑」 応援共同アピールーーー に賛同署名をお願いします。(転載歓迎)

 福祉の仕事というものは、苦労と共に、誇りとやりがいに満ちています。
しかし、財布は満ちてるどころかスッカラカンです。

      mizutamari.jpg
      穀雨の頃とは言え、雨が多いなあ。・・・いえ、昨日まで。
      今日の福岡地方は久々に晴れ上がってきました。


 若い頃、飲み屋のお客さんの前で、ママさんが、
「友さんは○○大学出て、障害者の福祉の仕事ばしよるとよ。感心やねえ。」
と、褒めてくれました。
悪い気はしません。
・・・普通はそれで救われて、自己満足し自己完結しがちです。

 私は、ヘソが曲がっていたので、
「そんなに感心かね?ばってん、給料はたったの○万円ばい。感心な人の給料やろうか?世の中は認めとらんとばい。福祉労働の社会的価値の低さ・・・」
などと、複雑な思いをしながら、福祉労働者の賃金について話したものです。
酒の席で?だからこそ気弱な友さんでも・・・です。

 日本の福祉労働者の賃金・労働条件は劣悪極まりないものです。
未だに、「子守の延長」「障害者の面倒見」「年寄りの世話」の時代の域を脱していません。

 現在の賃金では、生活自体が見通せないのです。
だから、途中で辞めていくし、・・・大体、「男子職員の寿退社」という言葉があるくらいです。
生活のためにもっと稼がなければならないから・・・。
私の場合は、たまたま妻の収入を当てにして「ヒモ稼業」よろしく、やってくることができましたが。

 求人しても、近年は、優秀な人材などには出会えたためしがありません。(問題発言?!)
福祉と介護の現場を支える、福祉労働の量とともに質の改善は喫緊の課題です。

・・・ということで、
 福祉の人材4万円アップ↑応援共同アピール特設サイトより転載・紹介します。(このアピール部分を転載いただければありがたいです。)



「福祉の人材4万円アップ↑」 応援共同アピール
~私たちは福祉・保育に働く職員の月額4万円賃金引き上げを求めます~

 いま、高齢者介護を中心に、福祉職場では人材が確保・定着できない事態が深刻になっています。また、障害者福祉や保育所など児童福祉の分野でも、同様の傾向がみられてきています。やりがいは大きい一方で、賃金が安く労働条件が厳しいことが人材不足の主な要因です。

 現場の状況を踏まえてさまざまな福祉関係者がその改善を求めるなかで、政府は2009年4月に介護と障害者事業所への報酬単価をアップさせました。加算中心の単価アップは実態の改善には遠く及ばず、前政権(麻生政権)によって2009年10月から高齢者介護・障害者福祉職場の直接介護職員に限定する形で、月額1万5千円の改善を目安とした処遇改善交付金(助成金)が創設されました。しかし、同じ事業所に勤めていても事務員や調理員、看護師などはその対象になっていません。また、保育所や児童養護施設など児童福祉関係職場はその対象から外されているなど、ここ数年の課題になっている福祉人材不足(福祉労働者の賃金改善)の解決には多くの課題が残されています。専門性を持った人材の確保は介護だけにとどまらず保育・障害分野でも緊急の課題であり、そのためにも一刻も早い福祉労働者の賃金改善が求められています。

 2009年8月の総選挙によって、「コンクリートから人へ」「国民の生活が第一」などを打ち出した民主党を中心とする連立政権が誕生し、鳩山新政権がスタートしました。しかし、マニフェストで民主党が掲げた「介護人材の賃金月額4万円の引き上げ」は2010年度予算案では先送りされました。また、児童福祉分野では何ら対策が打たれてきませんでした。国民の望む充実した社会福祉・介護を実現するためには、その担い手である福祉労働者の確保なしにはありえません。私たち福祉関係者は、「福祉の人材4万円アップ↑」を求めて、大きくアピールし、協力・共同をよびかけ、その賛同を広げていきます。

・「介護人材月額4万円の引き上げ」の一刻も早い実現を!
・高齢者介護だけでなく、障害者福祉、児童福祉分野など、すべての福祉人材をその対象に!

以上


Webサイトから、「福祉の人材4万円アップ↑」応援共同アピールへの賛同者を募っています。
賛同投稿フォームは→http://www.fuku4.net/postmail.html


 私も賛同し投稿しました。
私の賛同メッセージは以下。(字数に制限があり、上手く書けませんでした。汗)

 福祉は人間の未来。若い人たちの初心と夢こそが多くの人々の幸せな未来を切り拓きます。
「経済的その日暮し」でなく自分の人生が見通せてこそ、利用者の人生に、豊かな思いを寄せることができるのです。4万円でも少ないくらいです。


 アピールの転載にご協力いただいた方は、TBでお知らせいただければありがたいです。
よろしくお願いします。

 呼びかけ人のメッセージも紹介しておきます。

   
福祉労働者に4万円の賃上げを!

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2010.04.24 | | Comments(4) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1441 後期高齢者医療制度は公約どおり直ちに廃止を 子ども達を保育所に”すし詰め”にするな

 与党病なのか、「政治主導」はご都合主義か。
焦眉の、後期高齢者医療制度の廃止問題。
昨日久しぶりの休みで、参院予算委員会の中継を見ました。

 1年半前の参議院では、民主党を含む4野党(民主・共産・社民・国民新)共で「廃止法案」を通した。衆院で自公が妨害しなければ、今年の4月から後期高齢者医療制度を廃止して元の老人保健制度に戻していたのに・・・。そして民主党が与党になった今、まるであの時の自公と同じ理由で、即刻廃止は出来ないという。

 あの時の民主党は、「火事を消そうと思っている最中に新たな家の設計図をもってこないと無責任だという議論は成り立たない」と勇ましく追及していたものだが・・・。

 廃止しなければ、来年も再来年も75歳以上の人が新たに差別医療に組み込まれて行き、保険料は上げられていく・・・。

 与党になったら公約違反をする民主党。
「友愛」とか「弱いものの立場に」と、口先で言ってみても、役人が言うとおりに廃止を先送りするこの後退ぶりは、与党病とでも言うべきか・・・。十八番の「政治主導」はご都合主義といわねばならないだろう。

 一方では、60年間続いた保育所最低基準(自民党政治の時代に改善すべきだったものだが)を切り下げるという!待機児童問題を自治体に任せてすし詰め保育で乗り切れというものだ

 秋田市では、待機児童を解消のために市長公舎を保育所にする努力を行っているというのに。



 ということで、要約して書きたいところですが、時間の都合で、2009年11月10日(火)「しんぶん赤旗」を、そのまま転載します。

参院予算委 小池議員の追及


 やめるといっていたものをすぐにやめようとしない一方で、自民党政権も手をつけなかった問題に踏み込もうとしている――。日本共産党の小池晃政策委員長は、後期高齢者医療制度の廃止先送りと保育所の最低基準引き下げという新政権の二つの大問題を、9日の参院予算委員会で正面からただしました。


後期医療 「すぐ廃止」こそ国民の願い

 高齢者が待ち望んでいた後期高齢者医療制度廃止。長妻昭厚生労働相から返ってきたのは、厚労省の受け売りや旧政権とうり二つの主張でした。

 小池氏は「まさか長妻さんの口からそんなセリフが出るとは思っていなかった」と、ただちに廃止するよう求めました。

 1年半前の参議院。野党時代の民主党は4野党(民主・共産・社民・国民新)共同の「廃止法案」の成立に目の色を変え、答弁席に立って自公議員の質問を払いのけていました。賛成多数で可決した同法案は、今年の4月から後期高齢者医療制度を廃止して元の老人保健制度に戻すものでした。

 それが、新政権に座るや廃止先送りの方針に転換したのです。

「時間かかる」は厚労省の言い分
 小池氏 自公政権が退場し、後期高齢者医療制度も退場かと国民は思っていた。なぜ態度を変えたのか。
 長妻厚労相 (システム改修などの問題で)老人保健制度に戻すだけでも2年かかることがわかった。

 「廃止には時間がかかる」というのは、廃止法案の成立を食い止めるために厚労省が必死に繰り返した説明です。小池氏が「長妻大臣は役人に『2年かかります』と言われて、簡単に引き下がってきたのか」と迫ると、議場がどよめきました。

 小池氏は、「何よりも大事にしなければならないのは、一刻も早く廃止してくれという国民の願いだ」と力説しました。

 小池氏は新政権の弁解に、民主党自身のかつての言明も引いて反論しました。

 一年半前、「新しい制度を提案しなければ無責任だ」と野党の廃止法案を批判した自公両党に対して、民主党議員が「(後期高齢者医療制度という)火事を消そうと思っている最中に新たな家の設計図をもってこないと無責任だという議論は成り立たない」と反論していました。

 小池氏 まさに正論だった。いま政府がやろうとしているのは、火事が起こっているときに消そうとするのではなく、新しい家の設計図をまず作り始めようという話だ。

「まず火を消す」原点に返れ
 まず火を消すという立場に立ち戻るべきだ。


 厚労相 新しい制度の話は白紙からではない。6原則を設けている。

 新制度への移行にこだわる長妻氏…。

 第二の理由は、「老人保健制度にも問題がある」というものです。

 小池氏は、老人保健制度は高齢者が現役世代と同じ保険に加入したまま窓口での負担を軽減する仕組みであり、年齢による差別の仕組みとは根本的に違うと主張。日本共産党は、老人保健制度に戻した上で、国庫負担を増やし窓口負担を無料にすることや、高すぎる保険料を引き下げることを提案しているとのべました。

保険料 際限ない値上げ
 「放置すればどういう被害が広がるか」。小池氏は、後期高齢者医療制度の保険料が高齢者の人口増や医療費の増加に応じて2年ごとに際限なく上がると指摘し、東京都広域連合の試算を示しました。新政権が示している「軽減措置」を講じたとしても、来年4月には平均的な厚生年金(211万円)を受け取る単身世帯で少なくとも年に約1万円、夫婦世帯で1万2000円を超える値上げになるのです。

 小池氏 新政権が「国民が第一」の政治を実現しようというなら、なぜ冷たい政治の象徴のようなこの制度をすぐに廃止しないのか。やりましょう。

 鳩山首相 ですから廃止します。75歳で区別するのは信じられない発想だ。

 しかし首相は、新制度ができるまで廃止を先送りにする考えを繰り返しました。

保育所 子守る最低基準廃止するな
昨年は全国でわずか16カ所 増設こそ

 「チルドレンファースト(子ども第一)」を掲げ、子育て支援の夢を振りまいて誕生した鳩山政権。小池氏は、全国共通に国が定めてきた保育所面積の最低基準を、東京など待機児の多い都市部では一時的に下回ることも認める新政権の方針の撤回を迫りました。

 寝返りも打てないような保育所のお昼寝風景の写真を示し、「これが一般的な保育所の実態だ」と述べると、閣僚や委員がいっせいに見入りました。

 現行の面積基準は1948年の制定以来、改善はなし。「食事も昼寝も遊ぶのも同じ場所で」となっており、基準は引き上げこそ必要です。小池氏の求めに応じ、長妻厚労相が読み上げた同省の委託研究報告書(3月)でも「現行の最低基準以上のものとなるよう取り組みを進めることが重要である」としていました。

 小池氏は「新政権になり、いよいよ60年ぶりの基準引き上げかと思ったら、逆の話だ」と痛烈に批判。「地方分権の名で子どもにかかわるナショナルミニマム(全国一律の最低基準)を壊してはいけない。子どもに犠牲を押し付けていいのか」と迫りました。


hoikusyokijyunn


 厚労相 待機児解消に全力で取り組まなければならない。理解していただきたい。

 小池 最低基準は絶対に壊してはいけない最低、最後の基準だ。待機児は詰め込みではなく、保育所を増やして解消すべきだ。

保育所建設


 70年代には年間1千カ所近い認可保育所をつくったこともあるのに、昨年、全国で増えた保育所の数はたったの16。小池氏は、国有地の提供や土地取得への支援など国が保育所整備に本気で乗り出すことや、自治体から「保育予算を確保しにくくなった」との指摘がある公立保育所の施設整備費・運営費の一般財源化を見直すことなどを要求。「子ども手当の財源5・3兆円の一部を回してでも、待機児解消の緊急事業をやるべきだ」と主張しました。

 小池氏が最低基準の緩和方針の撤回について首相に答弁を求めると、福島瑞穂少子化担当相が答弁に―。

 福島担当相 保育所の質はきちっと守る。(緩和は)3年間で待機児を解消できない東京などの一部について、どうかということだ。

 小池 福島さんも6月、参院厚労委員会で「東京であっても児童にとって必要な基準については安易な緩和は問題だ」と述べていた。無責任だ。

 首相も「保育所をすぐに増やせればいいが、簡単ではない」「ナショナルミニマムをできるだけ守りたい」などと基準の緩和を容認。小池氏は「ナショナルミニマムを守ることも、待機児をなくすことも、『できるだけ』ではなく断固としてやらなくてはだめだ」と強く求めました。







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2009.11.10 | | Comments(0) | Trackback(4) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1398 新政府の「貧困率調査」への着手を歓迎する。調査待ちにならず、やるべきことは直ちにやるべし。

 生活保護世帯が8年連続で最多を更新しているという。
2008年度で月平均114万8766世帯。
生活保護を受ける資格のある人が実際に保護を受けている、いわゆる「補足率」は、ヨーロッパ諸国の7~9割に対して、日本では1~2割だという。

  (追記)
     2009年7月速報値によると、生活保護受給者は171万9971人。
     170万人を超えたのは1964年5月以来。45年ぶりのこと。
     不況で失業者が増えたのが主な要因という。

水際作戦」などの申請妨害などで行政が給付を抑制しているからだ。そうした中でも増加しているのには「派遣切りなどによる失業の増加が大きな要因」だという。

         コスモス2909

生活保護世帯が急増=8年連続で最多更新-厚労省(時事通信)

 生活保護受給世帯が2008年度に月平均で114万8766世帯に上り、8年連続で最多記録を更新したことが7日、厚生労働省の社会福祉行政業務報告で分かった。受給世帯数は1993年度から増加傾向が続いているが、08年度は前年度より4万3491世帯増加。昨秋のリーマン・ショックを契機とした世界同時不況で雇用情勢が悪化し、同省保護課は「派遣切りなどによる失業者の増加が大きな要因」とみている。
 報告によると、生活保護を受けた実人数は月平均159万2620人で、前年度より4万9299人増加。世帯類型別では、高齢者世帯が前年度比5.3%増の52万3840世帯、世帯主が障害者・傷病者である世帯が1.5%増の40万7095世帯だった。雇用情勢の悪化を反映し、65歳未満の失業者らの「その他」が9.2%増の12万1570世帯と急増している。(2009/10/07-14:22)


 一方、OECDによると、日本の「子どもの貧困」率は13.7%(平均は12.4%)、7人に一人だという。

 貧困を語るときデータをOECDの調査に求めるのは、日本の政府が貧困の実態を数字でとらえていないからだ。

 反貧困ネットワークの湯浅誠氏は、NHKスペシャルの番組で、以下のように語り、政府に貧困率の調査を求めた。

日本政府はこれまで貧困に向き合ってきませんでした。私は、貧困問題を解決していく「スタートラインに立っていない」と言っていますが、具体的に今、どれだけの子どもが貧困状態にあるのか、国全体としてどれだけの人が貧困状態にあるのか不明です。まずスタートラインに立つために、きちんと日本政府として貧困率を測定する必要があります。貧困率の測定がないまま、子ども手当という政策を実施しても、これによって子どもの貧困がどれだけ減ったという話ができません。ぜひ、新しい政府は、そういうところでも転換してもらいたい。そして、今これだけの貧困があるけれど、様々な政策を打ってこれだけ貧困を減らしてきたというふうに取り組みを進めてもらいたい。

 これは彼らが一貫して求めてきたことである。
 そうした中、政府が貧困率の調査に着手することを表明した。

「貧困率」調査に着手…厚労相、実態把握へ(2009年10月6日18時14分 読売新聞)

 長妻厚生労働相は6日の閣議後の記者会見で、所得の低い世帯の割合や所得格差を示す「貧困率」の調査に着手することを明らかにした。

 子どもを含めた貧困の実態を把握する指標を作り、政府として格差解消や低所得者の割合減少の目標値も設定する方針だ。

 貧困率については、経済協力開発機構(OECD)が各国のデータを公表しているが、日本政府は調査・公表はしていない。厚労相は調査を始める理由について「現状把握ができているのかという問題意識がある」と述べた。

 一般世帯の貧困率と子どもの貧困率を臨時国会までに公表するとう。歓迎したい。しっかりやってもらいたい!

調査さえしてこなかった歴代自民党政府
 貧困の実態をつかむことは、湯浅氏も指摘しているように、貧困をなくす具体的な目標を立て、そのための政策を進めるスタートラインだ。すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条)を保障している憲法を持つ日本の政府として、貧困の実態把握は最低限の責任です。

 ところが、歴代民党政府は1960年代中ごろより貧困調査をサボってきている。それどころか、生活保護を必要とする困窮世帯数の調査さえやってきていないのだ。

 生活保護基準は政府が定義する「絶対的貧困」の水準です。OECDの「相対的貧困」と定義する貧困率(平均所得の半分以下をいう)は、日本は14・9%でメキシコ、アメリカなどに次ぐ4番目の高さであり、子どもの貧困率も加盟国平均を大きく上回っている。

 貧困の様相を覆い隠しながら、生活保護の母子加算や老齢加算は切り捨て、保護の申請さえ「水際作戦」で受け付けない・・・、その一方で、構造改革路線に象徴された大企業の大もうけを応援する政治、この政治の転換こそが求められているのである。

調査待ちにならず、直ちに手を打て!
 新政府が貧困の実態把握に乗り出したことは、国民の暮らしを守る政治への第一歩として歓迎したい。 しかし、それを待つまでもなく、生活保護の母子加算の復活だけでなく老齢加算も直ちに復活すべきだ。

 何よりも、「派遣切りなどによる失業の増加が大きな要因」と認める貧困の根本原因を解決するために、新政権は労働者派遣法の抜本改正を急ぐべきだ。

 もうすぐ冬が来る。
昨年のように「年越し派遣村」などが出来てはならない。
法改正を待たずに出来る、雇用保険の延長や住宅の確保など、緊急の支援策を急ぐべきことは言うまでも無い。


 参考サイト:
   ■キーワード「貧困率」

   ■「国民が主人公」の新しい日本をめざす日本共産党の基本政策より。

(5)貧困の実態を国が把握し、憲法25条の生存権を保障する生活保護に
 日本では、判明しているだけでも年間100人近くが餓死し、「経済的な困難」で自殺する人が後を絶たないなど、貧困の広がりが深刻な社会問題となっています。日本の相対的貧困率は、OECD加盟の先進国中で第4位です。ところが、いま生活保護を受けている人は対象となるべき人の1~2割程度に過ぎないとされています。日本政府は他の先進国ではあたりまえの「生活保護の捕捉(ほそく)率」(生活保護基準以下でくらす人たちのうち、どれだけ保護を受けているか)の調査さえしていません。政府として貧困の実態を把握することは、国民を貧困からまもる政治姿勢にたつ大前提です。貧困の実態調査をおこない、政府が貧困を減らす具体的な目標を策定します。





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2009.10.09 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1376 「福祉汚職」の土壌は、日本の福祉の「後進性」にある

 どこの業界でもあることだ、と言えばそれまでだが・・・。
障害福祉の「業界」でも、未だにこういう「汚職」が起こっている。
歴代の自民党政治の、福祉行政の貧しさの現われとして、見ておく必要があるだろう。

         彼岸花22851
         いよいよ、近所にも本格的な秋到来です。

 あの、障害向けの低料第三種郵便制度の悪用問題も、官僚が障害者自立支援法成立への根回しとして、議員の口利きを利用してのことであった。

 そして、この事件。

「政治家4人に計1千万円裏献金」全精社協の元職員証言 自民元幹事長も (産経新聞 2009.9.23)

 補助金の不正流用疑惑が浮上している社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協、東京)の会長らが平成19年以降、複数回にわたり、厚生労働副大臣を務めたことがある元衆院議員ら自民党の国会議員4人に計約1千万円の裏献金をした可能性があることが22日、分かった。全精社協の幹部が産経新聞の取材に証言した。裏献金の原資は国の補助金から捻出した裏金とみられる。

 
 この事件の構図は、何も特殊なことではない。
障害福祉に携わる多くの経営者は、貧しい公費の中で日々の経営に苦労し、福祉労働者は低賃金の中で、目の前の障害者やお年寄りのために頑張っている。

 しかし、心ないこういう輩が国民の福祉に対する信頼を掘り崩していくのだ。
なぜ、福祉の現場でこういう事件が起こるのか。そこには日本の福祉の閉鎖性と後進性がある。

ある障害者施設理事長の自殺事件
 1980年代初めのことだった。
私が、福岡県で福祉労働者の労働組合(後の全国福祉保育労働組合)つくりにかかわるきっかけにもなった事件を思い出す。

 ある郡部の障害者施設の理事長が自殺する事件が起こった。
かいつまんでその全容を言うなら、施設に支弁された公費を不正に流用し、地元の自民党政治家に献金していたというもの。当事者の自殺により口が封じられ全容解明には至らないまま幕が引かれたが・・・。

 調査では状況証拠は明らかだった。
例えば、給食材料の業者に通常より高い金額で食材を発注する。差額を、別の口座に「寄付」させ、それを政治献金に回す。100人の入所者がいれば、1日300食、年間では相当な金額だ。
 選挙前になると、「識字教育」として、知的障害者に候補者の名前を書く練習をする。当然保護者・家族にも支持を求める。特別に自覚的な親御さんでない限りは、そのおかしさも批判はしない。子供が「人質」にとられ、「世話になっている」のだ。

無権利の利用者と職員
 当然、職員は何もいえない。家父長的な権力で経営を支配している。奥さんが施設長、事務長は息子とかは当たり前だった。施設の運営に不満でも言えば、即首である。

 当時、建設不況になると、「これだけの土地がある。老人施設を経営したらどれだけ儲かるか。」という、建設・土建関係者からの問い合わせがマジであったと、県の担当課が言っていたが時代だ。

 福祉は公的な事業でありながら、社会福祉法人を作るためには土地や自己資金がたくさん要る。したがって、社会福祉事業を起こすことは「投資」なのだ。

 そして、国の福祉予算・施策が貧しいから、補助金事業などの「奪い合い」が始まる。施しとしての「福祉」を分けてもらわなけらばならない。そこで、政治家の力に頼るわけだ。政治家に口利きをしてもらうためには、政治献金と票を貢ぐしかない・・・。

 そこで、補助金などの公金をあの手この手で流用するのである。
全精社協の手口も全く同じである。

 経営者のモラルは当然問われなければならない。同時に、甘い汁を吸って政治家も。


福祉予算の増額を
 しかし、その摘発だけでは、根深い問題の温床は残ったままだろう。モラルだけで解決するのか。
福祉がその名に相応しく、それを必要とする人々の願いに応えられる必要な予算を保障し、現場で働く担い手・福祉労働者が責任を持ち安心してその仕事に打ち込める条件を作ることこそが、いま切実の求められている。

 精神障害者や知的障害者の場合、特に本人参加が困難な面を持っている。そこに、今回のような事件が起こりやすいという要素もあるのではないだろうかと思う。
精神障害者は長いこと医療の対象として、「隔離」と「社会的入院」(社会参加の場がないから、入院させざるを得ない)政策の対象であった。そして、その実態は今も変わらない。
 そういう意味では、当事者参加をどう保障していくのかも重要な課題だ。


 私は当時、福祉労働者の責任を、自らにも含めて問うた。
自らモノも言えず、経営者の不正を見ぬフリをして、自らの権利にも無自覚で・・・、それで物言えない障害者の権利をどうやって守ることができるのか!?
 ・・・それから、福祉分野の労働組合作りに奔走したのが若い頃だった。


権利としての福祉の確立を
 福祉は、決して「お恵み」でも「施し」でもない。
人間として、その尊厳に相応しく生きる権利だ。
その権利保障に相応しい、国や自治体の公的な施策こそが求められているのである。
そのために、経営者と労働者が、固有の立場を尊重しながら、共に手を携えて利用者と国民の信頼に足りうる仕事をしなければならないのである。
 国民の信頼を掘り崩すような不正などもってのほかだ!


 福祉はすこぶる政治的な課題だが、私は、関係者の政治的関心が余りにも薄いという感想を持っている。このブログで、政治を書くようになった動機もそこにあるのだが・・・。

 福祉と、そこにかかわる私たちは、「憲法的存在」であり、「政治的存在」でありたい。




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2009.09.23 | | Comments(0) | Trackback(6) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.1070 「寝たきり」→「自立」判定は、介護給付削減のため 厚労省内部文書が明かす

 厚生労働省は、介護保険の保険料収入を増やすために被保険者を増やそうとしていた。そのために考え出したのが、障害者自立支援法だった。障害者福祉もいずれ介護保険に統合することによって、現在45歳の被保険者を20歳にまで引き下げる・・・、それが当初の狙いだったが、強い反対に合い統合を断念したかのように言ってきたが・・・。

        らんまn 024

 障害者自立支援法の見直し作業の中で、介護保険への統合をあきらめていないことが伺える。
制度の整合性のために、どんなに強い反対にあっても変えようとしないのが、利用者負担と報酬の日割り制度。そして、今度は「障害程度区分」の問題。

 障害程度区分について、改定案概要では次のように触れている。

 (課題)障害程度区分の名称・定義が、標準的な支援の度合を示す区分であることが分かりにくい。→名称を「障害支援区分」とし、定義についても、障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示す区分であることを明確化。
 ※法律上の規定の見直しと並行して、障害程度区分そのものについても障害の多様な特性を踏まえて抜本的に見直す。
 ※支給決定に当たって、別途障害者を取り巻く環境を勘案することについても、法律上明確化。

 どうもごまかしっぽい。「障害の多様な特性を踏まえて」などと実しやかに言うが、「障害支援区分」・・・「要介護」認定と同じ考えである。この人にはどういう介護がいるか・・・。このやり方で、今、要介護認定が大問題になっている。
 即ち、「寝たきり」の人は移動のための介護は要らないから「自立」と判定されるわけだ。
要介護認定改悪の例を以下に示しておきます。

寝たきり 自立

 詳しい内容は、以下を参照。
2009年3月3日(火)「しんぶん赤旗」
  介護認定新方式 民医連が検証  ヘルパー週10回→3回 生活壊す軽度判定続出 厚労省も認める

2009年3月26日(木)「しんぶん赤旗」
  介護認定 新基準 厚労省見直し 根幹変わらず “実態に合わない”

 そして、これらの改悪は、厚労省が介護給付を切り下げるために行ってきたという呆れた事実を、共産党・小池議員が入手した文書が明らかにしているということだ。

毎日新聞 2009年4月2日 21時26分
 厚労省:介護認定を低く誘導か 共産が「内部文書」を指摘

 2日の参院厚生労働委員会で、共産党の小池晃氏は、厚生労働省が介護給付費の抑制を誘導していた可能性を示す「内部文書」の存在を指摘した。舛添要一厚労相は「初めて見た。どのような資料か、よく調べたうえで答えたい」と述べるにとどまった。

 小池氏が示したのは、「要介護認定平成21年制度改正案」と題した資料で、今年度予算作成の際の概算要求に向けて作られたものとみられ、昨年4月から1年間のスケジュール表も添付されている。

  4月からの改悪は、
(1)利用者への聞き取り調査の項目を82から74に減らす
(2)調査の際に介助が必要と判断する基準を狭める
(3)審査会の役割を引き下げる
・・・などで、認定を軽度化するものだ、そしてその狙いが給付費の削減にあると、関係者から厳しい批判の声が上がっていたものだ。

 これに対し、厚労省は、「給付費抑制の意図はない」と説明してきたところだが、厚労省内で作成された内部文書では給付費を284億~384億円削減できると明記しているという。
 そしてこれはただの文書ではなく、実際に東京北区の介護保険課長がこの文書で厚労省からの指導を受けたことも公の場で発言しているとのことだ。

        証拠資料
 (写真:赤旗より)厚労省の内部文書の「介護報酬改定に係る平成21年度予算要求関係スケジュール(案)」から抜粋

 与謝野経済財政相は、小泉内閣以来の社会保障費削減路線の見直しもやむをえないような発言をしていたが、実際は構造改革路線にしがみつき、いかにして社会保障予算を削減するかが厚労省の仕事になっているということだ。

 由々しきは、舛添要一厚労相が「初めてみた。どういう資料か調査したい」と述べたこと。
所管の大臣が知らぬ間に、官僚サイドで政策が立案、推進されている。
 共産党の調査力はかねてより定評があるが、ここは徹底追及が必要だ。

 話を、障害者自立支援法改定問題にもどすが、障害程度区分が「障害支援区分」になると、例えば「火の取り扱いについて」、「危ないから使わせていません」というと、「支援必要なし」→「自立」となるのである。今でさえ、身体機能中心の程度区分になっているが、潜在的な身体能力や理解力があると見られる場合でも、知的障害者や精神障害者の場合、そもそもその力を統合し管理、発揮する大本に問題がある場合が障害の特徴として見られるわけだ。

 先を行く介護保険制度改悪は、政府がねらう明日の障害者福祉の姿ではないだろうか。

  


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2009.04.04 | | Comments(1) | Trackback(7) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.986 小泉「構造改革」の結末 ②社会保障の連続改悪。

 「お金がないと病気になっても病院にかかれない・・・」
「年金は減らされたうえ、取立ては容赦ない天引き・・・」
「障害が重ければ重いほど負担がかかる・・・」
「年寄りは早く死ねといわんばかりの差別医療がまかり通る・・・」

        早春 001

あらゆる分野で
 社会保障の連続改悪が国民の命と暮らしを脅かしている。
下の表は、小泉内閣以来の社会保障改悪をまとめたものだ。

社会保障改悪

元凶は2200億円抑制路線
 小泉内閣の2002年度から毎年、社会保障費の自然増分のうち2200億円(初年度は3000億円)が削減されてきた。7年間で総額は1兆6200億円に上る。
 抑制の対象は、医療、介護、障害者、母子、生活保護、年金、雇用保険・・・あらゆる分野にわたった。

 医療分野では、表にあげた窓口3割負担化をはじめとした国民の負担増のほかにも、医療費削減のために医師数を抑制してきたために、救急患者のたらいまわしや、妊産婦の受け入れ「拒否」問題など、「医療崩壊」といわれる事態まで引き起こされている。

 また、高すぎる国民健康保険料問題は、158万世帯からの保険証取り上げで、受診抑制や手遅れでの死亡事故も引き起こしている。国民皆保険の基礎はガタガタだ。

 生活を支える最後の命綱である生活保護は、基準が切り下げられ老齢加算や母子加算まで切り捨てられた。

 こうした中で、昨年4月からは「姥捨て山」といわれる「後期高齢者医療制度」が始まった。まさに「年寄りはいずれ死ぬから、医療費にお金をかけるのはムダだ」という制度。国民の怒りは爆発し不服審査請求は1万件を超えているという。

当事者も破綻認める
 こうした中で、国民は、その元凶が小泉内閣の「社会保障費の年間2200億円削減路線」にあることに批判を向け出している。自民党の支持母体とされてきた日本医師会など、医療関係40団体がこの路線の撤廃を決議する事態も起こっている。

 自公政権は、「2200億円削減路線」の転換は認めないものの、19年度予算案では実質削減幅を230億円に圧縮せざるをえない状況まで追い込まれている。

 小泉内閣で厚労相を勤めた尾辻秀久参院議院は、本会議で「乾いたタオルを絞ってももう水は出ない。潔く2200億円のシーリングはなしというべきだ」と述べ、当事者自ら破綻を認めざるをえなくなっているのである。

  関連ログ:(1) N.978 憲法25条体制空洞化戦略としての新自由主義。
        (2) NO.982 小泉「構造改革」の痛み・・・。
        (3) NO.983 小泉「構造改革」の結末 ①雇用のルール破壊。
        (4) NO.986 小泉「構造改革」の結末 ②社会保障の連続改悪。
        (5) NO.989 小泉「構造改革」の結末 ③国民負担増と大企業減税。
        (6) NO.991 小泉「構造改革」の結末④ 「三位一体改革」と地方の切捨て




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2009.03.01 | | Comments(0) | Trackback(3) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.965 社会保障抑制・・・財界・大企業にモノ言う政治を。⑤

 「医療崩壊」「介護難民」・・・政府与党内からも、「社会保障抑制は限界」との声が出ている。
麻生内閣の09年度予算案は、社会保障費抑制を実質230億円に「圧縮」した。
しかし、「シーリングはあくまで維持」するとし、小泉内閣以来の「2200億円削減路線」を変えるつもりはない。

             iroiro 014

 この背景には財界の強い圧力がある。
経過を大まかに見てみよう。
01年3月、森内閣時代の経済財政諮問会議で、厚労省の認識は以下のものだった。
「社会保障給付費を体GDP比で比較すると、日本は欧米諸国に比べてまだ低い」
「社会保障支出の過度の抑制は、経済にも悪影響を及ぼし、ひいては社会保障の安定性にも悪影響を及ぼす」・・・まともである。

 わが国の高齢化率は、ヨーロッパ諸国と比べても高い水準となっているのに、社会保障給付費は、国内総生産(GDP)の17・0%で、イギリス(25・3%)、フランス(29・5%)、ドイツ(29・3%)、スウェーデン(34・1%)よりも立ち遅れた水準にある(厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し」04年5月)。

ところが、この会合で厚労省に釘をさしたのが、当時の奥田日経連会長。
「社会保障の給付と負担の明確な将来ビジョンを国民に示すことが重要だ」
「医療費のキャップについては、総枠を決めておいく努力目標が必要だ。キャップがないと、無限に増えていくことになる。」

01年4月、小泉内閣誕生後の経済財政諮問会議。
奥田氏ら民間議員4人が「概算要求基準の策定に当たって」という文書を提出。
「社会保障については、大胆な制度改革を前提として要求基準を定めること」を要求。
「医療制度改革を中心とした大胆な制度改革を前提に決める必要がある。自然増をそのまま認めるのではなく」と念をおした。

同年8月、02年度概算要求基準を閣議決定。
国民生活関連予算を一律削減し、社会保障については、1兆円の自然増に対を3000億円削り7000億円増に抑えた。
こうして、「社会保障費抑制路線」は3000億円削減でスタートし、翌年から毎年2200億円ずつ削られ、医療、介護、年金を襲うようになった。

切捨て

日本経団連は、社会保障費抑制の徹底と、消費税増税を主張し続けてきた。
その狙いはこれまでも見てきたとおり、法人税を引き下げる財源確保のためだけではなく、さらに社会補償費の企業負担を減らすためであった。

 「奥田ビジョン」(03年1月、「活力と魅力溢れる日本を目指して」)は、
「公的年金の基礎年金部分、高齢者医療・介護の財源については、消費税を活用することが望ましい」と指摘し、「現在、サラリーマンの社会保険料は、本人と事業主とのマッチング拠出が前提となっている。これは、ほんらい、個人が負担するところを、事業主が肩代わりするものだ」として、事業主負担をなくせと迫ってきたのだ。

 日本企業の社会保険料負担は、国際的に見ても非常に低いのが現状だが・・・。
社会保障給付は徹底して減らし、企業負担はできるだけ軽くし、できればなくしたい・・・財界・大企業の身勝手な要求を容赦なく突きつけてきたのだ。

 社会保障の拡充は、家計を暖め、将来不安をなくし、雇用の創出にも役立つ。日本経済と国民の暮らしにとって、まさに目指すべき道といえるだろう。

 この道を阻むのが財界・大企業。ここでも、大企業にモノいう政治、政党が求められている。

 関連ログ:NO.968 財界・大企業にモノいう政治・政党か、いわれる政治・政党か?

 参考過去ログ:NO.626 日本経団連の「消費税増税提言」を斬る!
          NO.879 財界・大企業が消費税増税に熱心な訳は。
          NO.476 福祉のためなら、ヨーロッパ並みに消費税を上げてもいい?



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2009.02.20 | | Comments(0) | Trackback(4) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.944 公的介護制度の改善は安心と雇用をうみ、経済も発展させる。

  介護保険制度が出来て10年目になる。
あの頃、いろいろ学習会をしながら、「公的保険制度」とは言え、高齢者の負担問題や「要介護認定問題」、あるいは「支える人の問題」など・・・、とても高齢者問題に答えられる制度ではないと判断し、反対したものだ。

 しかし、共産党までも内容には注文をつけつつも「高齢者福祉に公的保険制度を導入すること」自体には賛成をし、なんともがっかりしたものだった。あの時、共産党が反対し通せばどうなっていたかはわからないが・・・。その後改悪につぐ改悪で、介護保険制度は、高齢者の安心には程遠い制度となってしまった。おまけに、「介護保険制度との統合」なる理由で、障害者自立支援法が検討されたといういきさつまで生み出してしまった。

大濠公園と梅 027

 今日の、雇用問題に関して、麻生総理が医療・介護分野での雇用の確保と従業員の待遇改善についてについて触れている。

医療・介護で雇用確保と首相 給与面配慮で雇用増(2009年2月9日 東京新聞)

 麻生太郎首相は9日の衆院予算委員会で、深刻化する雇用問題に対応するため、人手不足が指摘されている医療・介護分野の労働力確保に関し「さらに充実させていく」と述べ、研修や資格取得支援などで雇用のミスマッチ解消を急ぐ考えを示唆した。

 同時に「若い人で介護の仕事に意欲を燃やしている人がいる。給与面などに配慮することで雇用が増える」とも指摘し、介護従事者の待遇改善が必要との認識を示した。(以上、部分引用)

 厚労省自身が、医療・介護分野での雇用誘発効果と経済効果については、これを認めているところだ。

 現今の、介護分野の人手不足は、従事者の待遇が悪いことが最大の原因で、総理の「介護従事者の待遇改善が必要との認識」はまともであり、直ちに実施して欲しいものだ。インドネシアなどから低賃金の外国人労働者を入れることでお茶を濁すなどとは以ての外なのだ。

 従業員問題に限らず、「保険料が高すぎる」「利用料が高すぎる」、あるいは要介護認定基準の変更による、軽度者の介護締め出し問題など、その制度の根本が問われている。

 ここで、共産党が「介護保険10年目を迎えるにあたっての提言」を発表した。

安心して利用でき安心して働けるように
介護制度 抜本見直しを
共産党が提言 市田・小池両氏が会見
(2009年2月10日(火)「しんぶん赤旗」)

「当面の改善とともに、抜本的な改正の方向性を示す性格のものだ」。

 提言は四本柱からなります。

 一つめは保険料・利用料の減免です。低所得者への減額・免除のしくみを国の制度として創設し、将来的には保険料を所得に応じた応能負担とし、利用料を無料にすることを打ち出しました。

 二つめは「介護とりあげ」の是正です。現行の要介護認定制度を廃止し、現場の専門家の判断を尊重することや、軽度者からの介護とりあげの中止を求めています。38万人を超える待機者がいる特養ホームなどの施設については、自治体ごとに緊急五カ年計画をつくり2015年までに整備を進めることを提唱しています。

 三つめには介護労働者の劣悪な労働条件の改善のために、介護報酬を5%以上引き上げ、さらに別枠での公費投入による賃金の月3万円アップなどを求めています。

 四つめに、介護保険だけで解決できない高齢者の問題に自治体が責任をもって取り組むことを訴えています。

 それらを実施するために、現在22・8%にまで下げられている国庫負担割合を計画的に50%に増やすことを求めています。

 市田氏は、介護制度の充実は「安心と雇用を生み出し経済を発展させる」と強調。今後、関係団体に懇談を申し入れ、国会や地方議会の論戦で取り上げていく意向を表明しました。
--------------------------------------------------------------------

介護提言(骨子)
1、保険料・利用料を減免して、経済的理由で介護を受けられない人をなくす
  経済的にたえられない人には負担を求めない/保険料などは応能負担にあらためる

2、「介護とりあげ」「保険あって介護なし」をただす
  要介護認定制度を廃止し、現場の判断を尊重する/ケアマネジャーの支援・育成/軽度者からの「介護とりあげ」をやめる/特養ホームなどの緊急の基盤整備5カ年計画/食費・居住費の全額自己負担をやめる

3、労働条件の改善で、人材不足の解消、雇用創出をはかる

4、高齢者の生活支援や健康づくりに、自治体が責任をはたす
(以上、部分引用)



 なお、雇用・経済との関係については、「提言」の最後を次の文章で結んでいる。

<公的介護制度の改善は安心と雇用をうみ、経済も発展させる>
 介護保険制度で国民の負担が重い最大の原因は、介護保険制度がはじまったときに、それまで介護費用の50%だった国庫負担割合が25%とされ、「三位一体改革」により22・8%(09年度予算)まで引き下げられているからです。日本共産党は、国庫負担割合を、全国市長会と全国町村会も要求しているようにただちに5%引き上げ、さらに給付費の50%まで計画的に引き上げることを求めます。保険料の負担割合を縮小することで、保険料をおさえながら、誰もが安心して利用できる介護制度に改善することができます。

 公的介護制度の抜本的な見直しも、消費税の増税ではなく、生存権の保障、所得の再分配、「負担は能力に応じて、給付は平等に」といった、社会保障の財政論の基本をふまえてすすめます。

 いま、誰もが安心できる介護制度に見直すことは、高齢者の生活と権利を守るだけでなく、介護分野に新たな雇用を生みだし、介護を理由とした離職者を減らすなど、内需を基調とした、わが国経済の民主的発展にとっても重要な効果があります。すべての高齢者の権利と生活を守り、貧困をなくすことで、仕事と雇用をうみだし、経済も発展させていく――これこそ、憲法25条をもつわが国が21世紀にめざすべき道です。



 提言全文は以下から。

介護保険10年目を迎えるにあたっての提言
誰もが安心して利用でき、安心して働ける介護制度へ抜本的見直しを求めます      
 2009年2月9日 日本共産党


 
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2009.02.10 | | Comments(0) | Trackback(5) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.929 「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿 。

     (この記事がNPJ お薦め ブログ」で紹介されました。)  

 昨年末からの「年越し派遣村」の「入村者」約500人のうち、250人以上が生活保護申請をし、数日のうちに保護開始決定を得た。これまでの生活保護行政・・・「住居が定まっていないから」とか「先ずは仕事を探しなさい」とかいって、申請を水際で受け付けず、餓死者まで出してきた・・・を見てきた私たちにとっては、今回の措置は「異例」とも見え、実際、この決定は「超法規的」になされたという見方もある。

成人 001 春めいた日差しの中、日向ぼっこ。

 しかしそれはまったくの誤解であり、この措置は生活保護法の本来の姿を示したものに他ならない。誤解は、これまでの保護行政が法に違反した、いかにひどいものであったかの裏返しでもある。

 例えば、日弁連の「全国一斉生活保護110番」(2006年)の結果を見てみよう。
生活保護を利用していない474件のうち、180人が福祉事務所にいったが申請を拒否されている。その理由は、
① 扶養義務者に援助してもらいなさい・・・46件。
② 65歳までは稼動年齢だから、頑張って仕事を見つけなさい・・・41件。
③ 持ち家を処分しなさい・・・16件。
④ 借金があると保護は受けられない・・・10件。
などだそうで、これらはいずれも申請拒否の理由にはならないものばかりだ。

 「派遣村」村長の湯浅誠氏は、派遣村の取り組みの結果を受けて「生活保護について、これまで”門前払い”などが横行していた。今、支援者らの奮闘もあり、申請・受給を認める事例が広がっている。今こそ、生活保護制度の本来の姿に戻して活用すべき」だ、と訴えている。

この件に関し、共産党志位委員長の衆院本会議での質問に、
麻生総理は以下のように答弁している。
 「職と住居を失い、生活に困窮する方々については、雇用施策や福祉施策により就職、住居、生活などの支援を全力で行っているところだ。これらの支援を行ってもなお困窮する方々については、住居のない方も含め、引き続き生活保護によって適切に支援をいたすことにしている」と。


 では、「生活保護制度の本来の姿」とは、どういう姿なのだろうか?
生活保護問題対策全国会議の声明から学びたい。

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿(2009年1月15日)
以下に引用して、紹介したい。(大字、色文字は引用者)

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

      生活保護問題対策全国会議        代表幹事 尾藤 廣喜
      ホームレス法的支援者交流会       共同代表 後閑 一博
                                同 上  木原万樹子
      首都圏生活保護支援法律家ネットワーク  共同代表 釜井 英法
                                同 上  猪股  正
      生活保護支援ネットワーク静岡      代 表  布川日佐史
      東海生活保護利用支援ネットワーク    代 表  内河 恵一
      近畿生活保護支援法律家ネットワーク   共同代表 辰巳 裕規
      生活保護支援九州ネットワーク      代 表  永尾 廣久
      東北生活保護利用支援ネットワーク    代 表  新里 宏二
      全大阪労働組合総連合(大阪労連)    議 長  川辺 和宏
      しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西   理事長  神原 文子
      派遣労働ネットワーク・関西       代 表  脇田  滋
      自立生活サポートセンターこんぱす    代 表  國師 洋典

 「派遣切り」などで住まいや仕事を失った人たちを支援するため、昨年末から東京・日比谷公園において「年越し派遣村」が取り組まれた。派遣村の「入村」者約500名のうち250名を超える人々が生活保護の申請をし、数日のうちにアパートでの生活保護開始決定を得たことについて、「超法規的な特別扱い」であるとの誤解が一部にあるようである。
 しかし、以下述べるとおり、派遣村村民に対してなされた生活保護の運用は、生活保護法が本来予定する当然の内容であって「特別扱い」などではない。現に全国の多くの自治体では同様の運用がなされている。
 私たちは、労働者派遣法の抜本改正によって「派遣切り」そのものを規制し、脆弱な失業保険などのセーフティネットを充実させるべきと考えている。しかし、今、現に住まいを失った人々の生存を守る制度は現行法上、生活保護法しかない以上、同法の適正かつ積極的な活用によって生存を確保することが切実に求められている。今こそ、生活保護の出番なのである。

「住所」がなくても生活保護は利用できる
 「住所」がないと生活保護が利用できないという誤解があるが、そのようなことはない。
生活保護法19条1項は、居住地のない者については、その「現在地」を所管する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことを定めている。
 したがって、住居を失い、やむを得ず日比谷公園で寝泊まりしていた村民らについて、同公園がある千代田区の福祉事務所が生活保護を実施したのは法律上当然のことである。

生活保護費でアパートや家財道具を確保することができる
 住居のない者は、自らアパートを用意しなければ「居宅保護」(アパートでの生活保護)を受けることはできないという誤解があるが、そのようなことはない。
 生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」と「居宅保護の原則」を宣明し、施設などでの保護適用は例外であると規定している。そして、住居のない者に対しても、生活保護費からアパート等の敷金(保証金)、家具什器費、布団代、被服費などを支給して新住居を確保することができる。

即日でも保護決定はできる
 生活保護法24条3項は、申請から原則として14日以内に決定しなければならないとし、同法25条1項は、急迫状況にあるときは、すみやかに職権で保護を決定しなければならないとしている。
この点については、厚生労働省も2008年3月4日の生活保護関係全国係長会議において、「原則14日以内に保護の決定を行う必要があり速やかに審査を行う必要があるが、その中でも、申請者の手持ち金が限られているなど急迫している状況にあるときは、迅速な保護の決定が求められることに留意願いたい」と注意喚起している。
したがって、派遣村村民のように住居も収入もなく所持金もないか僅少な者から保護申請があった場合には、迅速に保護決定をすることが法の求める本来の姿である。

失業者やワーキングプアも生活保護が利用できる
 「働く能力がある者は生活保護が受けられない」という誤解があるが、そのようなことはない。
働く能力があり、それを活用しようとしても働く場が得られない者は生活保護を利用することができる。したがって、派遣切りなどで職を失った失業者や低収入しか得られないワーキングプアも当然に生活保護を利用することができる。

厚生労働省は、生活保護制度の本来の運用に関し、通知を行うべきである
 以上のとおり、派遣村村民に対する生活保護の運用は「特別扱い」ではなく、法が本来予定する「あるべき姿」である。
 しかし、トヨタ関連の「派遣切り」被害者が多数生じている名古屋市では、住居のない者に対しては施設入所を前提とし直接の居宅保護を行っていない。しかも、同市は、一昨日からその施設も満床であるとして、救いを求めて集まっている多くの住居のない者を寒空に放逐しようとしている。また、キャノン関連の「派遣切り」被害者が生じている大分市は、「まずは安定した住居を確保しない限り保護開始しない」と述べており、滋賀県大津市も、入所枠の限られた施設入所を居宅保護開始の前提としている。
 3月までに8万5000人もの非正規労働者が職を失うと言われている現下の緊急事態の下、とりわけ大規模な「派遣切り」が行われている上記自治体が生活保護の窓口を閉ざせば、自殺や餓死などの悲劇が生じかねない。
そうした悲劇を生まないために、厚生労働省は、派遣村村民に対して実施された生活保護の運用こそ法が予定するスタンダードであることを全国の福祉事務所に通知して周知徹底すべきである。また、各地の福祉事務所は、厚労省の通知を待つことなく、適正かつ積極的な生活保護行政を実施すべきである。
 そのためにも、報道関係や市民の皆さまが生活保護制度に対する誤解や偏見を解き制度を正しく理解していただくよう、心からお願いしたい。(以上、引用)




  関連過去ログ:NO.927 「派遣切り」問題と憲法27条・・・公の責任に触れて。

衆議院本会議での志位委員長の代表質問(09.1.30)




 
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2009.02.03 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.918 介護・福祉現場で雇用の創出を。

NHKのニュースでもやっていたが、何でこうなるのか?!だ。

インドネシア人介護福祉士候補者が着任 全国51カ所で(2009年1月29日 朝日)

 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)により来日したインドネシア人の介護福祉士候補者101人が29日、全国51カ所の施設で働き始めた。今後3年間、補助的な業務をしながら、正式な就労の条件となる国家試験合格に向けて勉強する。


神社 006

 テレビでは、慢性的な人手不足解消のために・・・と言っていた。2人の介護士(候補)のために、受け入れ側の介護施設では介護士さんたちが、インドネシアの言葉や文化の研修もして、受け入れ準備をしたという映像も流されていた。

 外国人労働者の受け入れを、一概に否定するものではない。しかし、現状では、外国人労働者が日本の介護・福祉現場の低賃金構造の”沈め石”の役割を果たすことになる。

 彼女たちは、現場で働きながら3年以内の日本の介護士試験に合格し資格を取らなければならない。大変だ。3ヶ月の研修で、日本語の日常会話は少し身につけていたようだが、なまりの強いお年寄りとは、まったく聞き取れず会話ができなかった。現場では優しく受け入れて欲しいとは思うが・・・。

 問題はそれ以前にある。介護現場での人手不足がなぜ慢性的に起ているのか、そこへの対策がまったくないことだ。日本の介護や福祉の職場は、異常な低賃金で加重労働が蔓延している。それは高齢者介護にしても障害者福祉にしても、国からの報酬が極端に安く、現場で労働条件の改善が進まないからだ。

 働き手がいないのではなく、希望を持って働き続けることができない労働条件が問題なのだ。
いま、輸出頼みの製造業の危機で、雇用も日本経済もがたがたな状況になっており、内需を増やすことが求められている。同時に産業構造の変換も求められている。

 暮らしに密着した福祉や介護の予算を大幅に増やし、多くの若者や希望者が,安心して就業し、国民の看護・介護や福祉要求に応えられるように、その労働条件を改善する事が、緊急に求められている。そして、新たな雇用創出による内需効果も期待できるだろう。


   参考過去ログ:NO.555 なんで「インドネシア人介護士」なのか?

   参考記事:人材増やせる介護報酬を 福祉保育労が要請 厚労省と国会議員に(2009年1月27日(火)「しんぶん赤旗」) 

 介護・福祉分野での人材確保に実効ある財政措置や制度改革を求めて、全国福祉保育労働組合(福祉保育労、前田鉄雄委員長)は26二日、中央行動をしました。中央本部役員、高齢者や障害者施設、保育所などで働く50人が参加しました。
------------------------------------------------------------------
 厚労省には、四月の介護報酬改定に関する事項のほか、障害者分野での報酬単価引き上げ、社会保障審議会少子化対策特別部会第一次報告案の“新たな保育の仕組み”の説明などを求めました。

 国会議員には、介護報酬のほか、保育所制度へ直接契約制を導入しないことや障害者自立支援法撤廃、福祉施策拡充を理由に消費税率を引き上げない―などを要請しました。

“賃上げ2万円以上”
 介護労働者の処遇改善と人材確保問題解決に実効ある介護報酬引き上げ・改定を求めた厚労省要請には45人が参加しました。

 要請項目は、(1)全体の介護報酬単価の一律5%以上引き上げで賃上げ2万円以上を実現。そのうえで、必要な加算を実施し、基本給20万円以上、時給1200円以上の賃金実現など処遇改善(2)公費負担増額による介護報酬引き上げ(3)改定を介護従事者の処遇改善に確実に結びつける具体的な改善指標の掲示や事業者への指導の徹底―など。

 政府は介護報酬3%引き上げを決定しましたが、一定条件を満たした事業所への加算増による引き上げで全事業所の収入の底上げにはつながらず、具体的な給与決定は「労使にゆだねる」とされています。福祉保育労など五労組による試算では、2万円の賃上げは実現できない結果が出ています。

 厚労省担当者は、「今回の引き上げは介護労働者の処遇改善、人材確保のための引き上げである」と改めて明言しましたが、各事業者や行政担当者への指導・徹底の具体的方法は答えませんでした。

 女性ヘルパーは、「今回の改定では収入がほとんどアップしない。四月からの要介護度認定方式で軽度に認定される人が三割出ると言われるなか、事業所の経営がますます苦しくなる」と発言。「高齢者介護関連業界では、引き上げ分を給料アップに回すのではなく、赤字補てんや設備投資に回すという話が出ている」「『今回の引き上げで人材が確保され、いい介護が受けられる』と期待している利用者、国民への背信行為だ」などの発言が続きました。

 前田委員長は、事業者や施設責任者、行政担当者への文書による徹底や指導、罰則規定を設けることなどを求めました。





 
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2009.01.29 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.857 福祉介護労働を貧困ビジネスにするな!

 始業は明日からなんだが、「今日できることは・・・」と、珍しく殊勝になり、窯焚きのために職場に出てきた。今日の日付のうちには終わりたいものだが・・・。ちょっと時間があるので・・・。

 めったにTBをもらうことも無い非国民通信さんから、「それは誰のため?」というTBを頂いた。

 非国民というネーミングもユニークだが、彼はニュース記事をオリジナルな視点から縦横に突っ込みまくる、鋭い論者として私も注目するブロガーだ(別に俺が注目したところでたいした話でも無いが・・・)。ちょっとアブナイ発言もあるが実に堂々たるもので小心者の私などは、感心してしまう。

 ところで、今回の突っ込みはこの記事である。
雇用創出は医療・介護重点に…政府がニューディール計画 (読売)

 雇用情勢の急激な悪化に対応して政府が策定する「雇用ニューディール(新規まき直し)計画」(仮称)の全容が31日、明らかになった。

 人手不足が指摘される医療・介護分野の資格取得を支援するなど職業別に雇用創出を図る。失業の急増が問題化している非正規雇用者については、職業訓練にかかる費用の給付と訓練期間中の生活資金支援の拡充に取り組み、労働条件などを巡る権利を守るための法制度の見直しを検討する。(以上、部分引用)


 私が、福祉現場の労働者であり経営者?であるから、「あんた、どう思うんや?」というラックバックだろう。尊敬し一目置く非国民通信さんの呼びかけには応えねばならないだろう。

彼は以下のように言う。

 ただ、こうした雇用政策は誰のためになるのでしょうか? 医療と介護は必要性が高いので、それに従事する人が増えれば社会全体としてはプラスです。それで失業者が減って雇用情勢が改善されれば、政府としても成功と言えそうです。しかし、新たに雇用される人、求職者にとってはどうなのでしょう?

 一部の開業医などは儲かっているにせよ、とりわけ介護分野は重労働と低賃金で知られています。重労働で低賃金の仕事でも、やり甲斐があれば満足できるような博愛精神に溢れた人なら結構ですが、仕事はあくまで手段であり、目的ではありません。生活の糧を得る手段として仕事を選ぶなら、重労働低賃金の報われない仕事は、はっきり言ってハズレです。そんなハズレを雇用の重点政策として押しつけられるとしたら、求職する側は堪ったものではありませんね。

 従業員数を大幅に増やすことで一人あたりの負担を軽減し、公的助成の拡充でも自治体による直接雇用でもどちらでもいいですが、従業員の給与を大幅に引き上げ、楽で儲かる仕事に近づける、その上で介護職員を養成するなら、働く人も幸せになれます。しかし、重労働低賃金の現状を放置したまま、仕事が見つからなくて困っている人に介護職を斡旋するのはどうでしょうか? 立場の弱さにつけ込んで、人がやりたがらない仕事を押しつけるようなものです。

 働く人のための政策なら、ただ雇用を増やすだけではなく、それが求職者にとって魅力的であるようにしていく必要があります。もしそれを怠るのなら、つまり社会的な必要性はあるけれども重労働低賃金で人が集まらない仕事に、仕事からあぶれて選択肢を失っている人を押し込もうとするのなら、それは社会のために個人を犠牲にする政策であり、政府の保身ですらあると言えるでしょう。(以上、部分引用)


 「楽で儲かる仕事」などと堂々と言うところなどは、彼の「らしさ」だ。そして、「仕事はあくまで手段であり、目的ではありません」という下りは、障害のある人たちの労働権保障と発達権保障を仕事とする私は、「労働はあらゆるの富の源泉である」と考えており、多少の違和感が無いわけでもない。
  参考過去ログ:NO.830 派遣切りと憲法。

 しかし、それらは非国民さんの中では折込済み。全面的に賛成!というだけでは、書くこともなくなるからね(笑)。・・・しかし、正にその通り!というしかない(俺言うこと無いやんか)。

 福祉労働者はワーキングプアが圧倒的。
介護員さんが次のコメントを下さった。

29仕事納めで明日まで休み。 北海道なのに非正規労働者故暖房手当支給されず、石油節約の為ほとんど布団の中で過ごしました。 正社員の介護員には申し訳無が休みが多くても困ります。 暖房&光熱費が節約出来ないから 。

 福祉介護職場の労働者の実態について、少し触れておこう。

 福祉職場の6割が20,30代の若者。8割が女性。
 賃金(税込み)は、
正規職員で、
   15万~25万が35.9%。20~25万が25.6%。25万~30万が13.3%・・・10~15万(生活保護基準以下)が6%。
常勤パートでは、
   10~15万未満が7割近く。短時間パートは10万未満が9割。

 25歳~30歳未満の正規職員の4割、常勤パートの5割が
親兄弟世帯と同居の「パラサイトシングル」

 「人手不足」の「忙しすぎ」、「賃金の安さ」から、
「仕事をやめたいといつも思う」「時々思う」が61%。

 正規の55%、常勤パートの90%が「勤続10年未満」で、
短期離職者が多い。

 以上のデータが、アンケート調査の結果、明らかになっている。

現場を担う人たちの像が見えてくる。

それは、30歳未満の若者であり、圧倒適多くが女性。
彼らは、低賃金と仕事の大変さで、働き続けることが困難で、職場に定着せず、経験も未熟。
ひとり立ちした生活が見込めず、いわゆるパラサイトシングルが多い。

 やっぱりというか、残念ながらと言うべきか、
私が経験的、実感的に指摘してきたことが、調査数字で証明されることとなった。

 しかも、この間の、社会福祉基礎構造改革(介護保険の導入や相次ぐ改悪、障害者自立支援法等)で、経営危機が進み、職場のパート化で、非常勤職員は4割を超えた。
     (以上、過去ログ:NO.49 福祉の担い手はワーキングプアより。)


 より労働条件が悪いところに「仕事が無いよりはマシだろう」と流し込むような施策は、人間らしく生きることを保障する福祉や介護の仕事を貧困ビジネスとして固定化するものだ。

 それは、そこで働く労働者のみならず、福祉や介護を必要とする人々をも貧困ビジネスの食い物にする許しがたい「政策」というしかない。

 福祉介護労働者の賃金・労働条件を改善し、しかももっともっと需要は増えるのだから、そこに予算を回して、人が人間らしく生きることを支える「産業」をもっともっと大事にしていくべきだろうよ。それが前提なら、この雇用政策は生きてくるだろう。

 日本の福祉・介護は、赤子の守、年寄りの飯と下の世話、障害者の世話・・・の範囲を超えていない。嘆かわしいことです。憲法が泣きますね。だからこそ、現状を変えるために「俺たちは人間だ!」と、福祉介護労働者も、利用者も一緒になって声を上げ続けたい。

 非国民通信さんのように鋭くは突っ込めないけど・・・、こんなもんでどう?

 


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2009.01.05 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.809 谷川俊太郎の「世界人権宣言」 ・・・60周年記念日に。

 昨日は世界人権宣言60周年。1948年12月10日、第3回国連総会で世界人権宣言が採択された。
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんちで教えてもらった、なかなかわかりやすくていい宣言。紹介します。

クロガネモチ


世界人権宣言

世界人権宣言は1948年12月10日、国際連合で採択されました。第二次世界大戦で起こった悲劇を二度と繰り返さないという反省から、人権が「世界における自由、正義、および平和の基礎である」(世界人権宣言前文より)ということを確認しています。現在の国際人権条約は、この世界人権宣言が目指す社会を実現しようとする努力の成果です。


谷川俊太郎の「世界人権宣言」

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=694

第1条 みんな仲間だ
わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助けあわねばなりません。

第2条 差別はいやだ
わたしたちはみな、意見の違いや、生まれ、男、女、宗教、人種、ことば、皮膚の色の違いによって差別されるべきではありません。また、どんな国に生きていようと、その権利にかわりはありません。

第3条 安心して暮らす
ちいさな子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、わたしたちはみな自由に、安心して生きていける権利をもっています。

第4条 奴隷はいやだ
人はみな、奴隷のように働かされるべきではありません。人を物のように売り買いしてはいけません。

第5条 拷問はやめろ
人はみな、ひどい仕打ちによって、はずかしめられるべきではありません。

第6条 みんな人権をもっている
わたしたちはみな、だれでも、どこでも、法律に守られて、人として生きることができます

第7条 法律は平等だ
法律はすべての人に平等でなければなりません。法律は差別をみとめてはなりません。

第8条 泣き寝入りはしない
わたしたちはみな、法律で守られている基本的な権利を、国によって奪われたら、裁判を起こし、その権利をとりもどすことができます。

第9条 簡単に捕まえないで
人はみな、法律によらないで、また好きかってに作られた法律によって、捕まったり、閉じこめたり、その国からむりやり追い出されたりするべきではありません。

第10条 裁判は公正に
わたしたちには、独立した、かたよらない裁判所で、大勢のまえで、うそのない裁判を受ける権利があります。

第11条 捕まっても罪があるとはかぎらない
うそのない裁判で決められるまでは、だれも罪があるとはみなされません。また人は、罪をおかした時の法律によってのみ、罰をうけます。あとから作られた法律で罰を受けることはありません。

第12条 ないしょの話
自分の暮らしや家族、手紙や秘密をかってにあばかれ、名誉や評判を傷つけられることはあってはなりません。そういう時は、法律によって守られます。

第13条 どこにでも住める
わたしたちはみな、いまいる国のどこへでも行けるし、どこにでも住めます。別の国にも行けるし、また自分の国にもどることも自由にできます。

第14条 逃げるのも権利
だれでも、ひどい目にあったら、よその国に救いを求めて逃げていけます。しかし、その人が、だれが見ても罪をおかしている場合は、べつです。

第15条 どこの国がいい?
人には、ある国の国民になる権利があり、またよその国の国民になる権利もあります。その権利を好きかってにとりあげられることはありません。

第16条 ふたりで決める
おとなになったら、だれとでも好きな人と結婚し、家庭がもてます。結婚も、家庭生活も、離婚もだれにも口出しされずに、当人同士が決めることです。家族は社会と国によって、守られます。

第17条 財産をもつ
人はみな、ひとりで、またはほかの人といっしょに財産をもつことができます。自分の財産を好きかってに奪われることはありません。

第18条 考えるのは自由
人には、自分で自由に考える権利があります。この権利には、考えを変える自由や、ひとりで、またほかの人といっしょに考えをひろめる自由もふくまれます。

第19条 言いたい、知りたい、伝えたい
わたしたちは、自由に意見を言う権利があります。だれもその邪魔をすることはできません。人はみな、国をこえて、本、新聞、ラジオ、テレビなどを通じて、情報や意見を交換することができます。

第20条 集まる自由、集まらない自由
人には、平和のうちに集会を開いたり、仲間を集めて団体を作ったりする自由があります。しかし、いやがっている人を、むりやりそこに入れることはだれにもできません。

第21条 選ぶのはわたし
わたしたちはみな、直接にまたは、代表を選んで自分の国の政治に参加できます。また、だれでもその国の公務員になる権利があります。みんなの考えがはっきり反映されるように、選挙は定期的に、ただしく平等に行なわれなければなりません。その投票の秘密は守られます。

第22条 人間らしく生きる
人には、困った時に国から助けを受ける権利があります。また、人にはその国の力に応じて、豊かに生きていく権利があります。

第23条 安心して働けるように
人には、仕事を自由に選んで働く権利があり、同じ働きに対しては、同じお金をもらう権利があります。そのお金はちゃんと生活できるものでなければなりません。人はみな、仕事を失わないよう守られ、だれにも仲間と集まって組合をつくる権利があります。

第24条 大事な休み
人には、休む権利があります。そのためには、働く時間をきちんと決め、お金をもらえるまとまった休みがなければなりません。

第25条 幸せな生活
だれにでも、家族といっしょに健康で幸せな生活を送る権利があります。病気になったり、年をとったり、働き手が死んだりして、生活できなくなった時には、国に助けをもとめることができます。母と子はとくに大切にされなければいけません。

第26条 勉強したい?
だれにでも、教育を受ける権利があります。小、中学校はただで、だれもが行けます。大きくなったら、高校や専門学校、大学で好きなことを勉強できます。教育は人がその能力をのばすこと、そして人ととしての権利と自由を大切にすることを目的とします。人はまた教育を通じて、世界中の人とともに平和に生きることを学ばなければなりません。

第27条 楽しい暮らし
だれにでも、絵や文学や音楽を楽しみ、科学の進歩とその恵みをわかちあう権利があります。また人には、自分の作ったものが生み出す利益を受ける権利があります。

第28条 この宣言がめざす社会
この宣言が、口先だけで終わらないような世界を作ろうとする権利もまた、わたしたちのものです。

第29条 権利と身勝手は違う
わたしたちはみな、すべての人の自由と権利を守り、住み良い世の中を作る為の義務を負っています。自分の自由と権利は、ほかの人々の自由と権利を守る時にのみ、制限されます。

第30条 権利を奪う「権利」はない
の宣言でうたわれている自由と権利を、ほかの人の自由と権利をこわすために使ってはなりません。どんな国にも、集団にも、人にも、そのような権利はないのです。



世界人権宣言(全文) は続きを読むへ。


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2008.12.11 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.797 励みは「妻、洋子のキス」・・・長門裕之「老老介護」を語る。

 今日も休む。無理できないことはないが、職場は何とかなりそうなので甘えさせてもらうことにした。
寝込むほどもないので、暖かくしてテレビを見ていたら、ワイドショーで次の記事が紹介されていた。
色々思うところがあったので紹介したい。

長門裕之・南田洋子夫妻が今、深刻な「老い」の問題と闘っているという。先日もNO.684 二人の歴史の中で紡ぎ合ってきたもの。 で紹介したところだが。

産経新聞から部分的に引用しておきますので、関心がある方はリンク先でどうぞ。
【ゆうゆうLife】向き合って 俳優・長門裕之さん(74)(上)(産経)

長門裕之
「人間の尊厳を守る」 介護の進化をとげたい

 洋子の記憶がこぼれ落ちているのに気付いたのは、5年ほど前でした。平成15年に撮影した映画「理由」(大林宣彦監督、16年公開)のセリフが覚えられなかったのです。そのころは老化現象だと思いました。尊敬する女優、南田洋子をなんとか取り戻そうと、「老化を克服する努力が足りない」「おまえは大女優なんだぞ」などと叱咤(しった)激励しました。洋子は苦しかったでしょう。いたわりの気持ちが持てたらよかったのに。申し訳なく思います。

 「もう駄目だ」と思ったのは、共演したテレビドラマの撮影中でした。

 洋子が現場で監督に「影に台本を置いてもいいですか」と聞いたのです。監督は承諾しましたが、そんなことでは世間の評価は落ちてしまう。だから「覚えろ」と言いました。しかし、セリフは出てきませんでした。洋子はそのころから不眠に悩まされていて、お医者さんから処方された睡眠導入剤を飲んでいました。
・・・・・・
 洋子の下の世話には対応せざるを得なくなっていきました。それは、とても複雑で、デリケートな問題で…。最初のうち、洋子は「紙おむつ」という言葉に傷ついていましたから、言葉を選びながら少しずつ近付いていきました。

 介護するときに大切なのは、相手の尊厳を守ることだと思うのです。私でも、介護が必要になったときに「はーい、おしっこに行きまちゅよ」なんて赤ちゃん言葉で話しかけられたら、腹が立つ。優しくしたつもりの言葉で傷つけているかもしれないのです。

 今では「おむつ」という言葉に過敏に反応しなくなりましたが、それでも、尊厳を守るために「おむつ」ではなく「パンツ」と言うようにしています。
・・・・・・
 そんな気遣いが彼女に伝わったら「ありがとう」と言われるはずなのですが、「ばーか」という言葉が返ってきます(苦笑)。その言葉が、私への感謝の言葉だと理解するようにしています。彼女が発する意味が通じない言葉の中にある感情や要求。それを見逃さないようにしています。


【ゆうゆうLife】向き合って 俳優・長門裕之さん(74)(下) (産経)

南田洋子

老老介護の激しい現実 励みは「妻、洋子のキス」

 今、本当に私がほしいのは力です。洋子を軽々と持ち上げる力が残っていれば、楽だろうけれど、その力がない。だから、洋子に体を全部預けられると受けきれないんです。

 私自身、平成7年には解離性動脈瘤(りゅう)を治療しました。以来、血がさらさらになる薬は飲み続けていて、先日、風呂場の備品に左手をぶつけたときには、アザが大きくなってしまいました。

 今年11月上旬、テレビで洋子と私のドキュメンタリー番組が放映された後も、視聴者から「洋子さんより長門さんの方が危なく見える」などというメールや電話が寄せられました。そんな反響には、笑っているしかありません(笑)。「絶対、大丈夫」なんて言えませんから。

 その取材では、入浴の撮影は遠慮してもらいました。しかし、通常は、私が洋子を湯船に入れたり、風呂場で体や頭を洗うのを手伝っています。顔を洗うときに「せっけんがついた手を顔へ」と教えても、必ず頭にあててしまうので、目の前で自分の顔を洗ってみせます。

 背中にお湯を流すときには「お背中を、ながしましげお~」なんて駄洒落を言うこともあります。彼女は笑います。お笑いタレントではなく、私がギャグを言う意外性が面白いのでしょうか(笑)。2人分を洗うため、入浴に2時間もかかります。


 お手伝いさんには毎夜、泊まってもらいますが、私も1時間半おきに起き、洋子の部屋をのぞくようにしています。寝ぼけて足がもつれ、ひっくり返ったこともあります。洋子に「しっかりして」と励まされたことも(笑)。でも、行かないわけにはいかない。私が来るのを期待しているとき、洋子は布団をはいで起きる体勢で待っているのです。

 泊まりの仕事があるときはつらいですよ。心配で仕事先から電話をかけても、洋子は「大丈夫」と言うだけ。つい、現状を聞き出そうと質問してしまうのですが、彼女は言葉を見つけることができません。
・・・・・
 つらいときの救いは、洋子のこびないかわいさです。彼女のしぐさに、胸がときめくこともあります。

 たとえば、「チュー」と言うと、ほおにキスをしてくれるのです。言葉がうまく見つけられなくなった洋子に「ばか」と言われて、「『ばか』と言ったら、チュー(キス)をする」と迫ったことがあるんです。それを喜んでくれて、以来、洋子は「チュー」というと反応してくれるようになりました。この行動には「ワンバカチュー」と名付けました(笑)。

 夜中に私の部屋で、ぼんやりテレビを見ながら塩せんべいをボリボリかじるのも、私の側にいたいからだと伝わってきます。病気も含め、昔とは違うけれど、理屈を言わなくなった洋子がいとおしい。夫婦で寄り添う幸せを感じるようになりました。

 そんな洋子には、私の没後も生活に困らないように暮らしてほしい。だから、住まいは洋子名義にしています。私が先に死んだら、住居を売ったお金で老人ホームに入ったらいい。

 だけど、今は介護する充足感で活性化していて、自分は死なないような気もします。来年からは後期高齢者に属する年ですが、気弱な自分を洋子に見せたくないと思うからか、最近、重い病気にかからなくなりました。

 今まで、女性問題やお金のことで苦労をかけたときに、優しく手を差し伸べて、肩を抱き寄せてくれた洋子の優しさを、私は忘れないでしょう。洋子が記憶を失っても、です。洋子を介護できることには幸せを感じています。洋子のために一生懸命に生きたいという思いが、今の私の元気の源かもしれませんね。


 自分、自分たち夫婦のことに引き寄せて考えるにはまだまだ・・・です。
経済的に恵まれているということへのヒガミがないわけではありません。この国では国民みんなが、その望む介護を受けられるようにはなっていない、・・・そういう事実を差し置いても、長門裕之さんの想いには共感し、献身には頭が下がります。やはり、彼の気持ちひとつの問題というよりも、長い二人の暮らしの中から紡いできた優しさなのでしょう。

 大切なものは大切にしつつ、それを一面的に評価して、介護はかくあるべきという押し付けをメディアはすべきではないでしょう。公的介護の充実の中でこそ、関係者一人ひとりの思いもその花を開かせるのだと思う。

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2008.12.05 | | Comments(1) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.589 介護学生激減・・・介護に責任を持つ政治への転換を!

 この8~10月に掛けて、我が「陶友」(障害者作業所)には、介護福祉系の学生が現場実習に来る。私たちは共に働き学びながら、この学生たちの変化・成長にエネルギーをもらい活力にもしている。
 その介護福祉系の学生が激減している。ご存知のように、低賃金が原因である。残念なことである。

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介護福祉士の養成学校 入学者、定員の46% 背景に低賃金(赤旗)を参考に紹介します。

 学部閉鎖やコースがなくなったという話も聞いていたが、厚生労働省の調査結果が出たらしい。

 介護福祉士を養成する全国の大学や専修学校などへの入学者が減少を続けている。
厚労省が調査を始めた06年度は1万9289人(充足率71・8%)。
07年度には、1万6696人(同64・0%)へと減少。
08年度は、定員数2万5407人に対して入学者数は1万1638人と、過半数割れの45・8%の充足率。

介護学生減る※表題は「介護福祉士養成学校への入学者」の単純ミスでしょう。
(08年4月1日時点の大学、短大、専修学校など国が指定する養成施設434校の調査による。)
定員数がへっているのは、学部閉鎖などによるものだ。

 政府の社会保障費削減路線のもとで03年と06年に介護報酬が相次いで引き下げられた。介護労働者が低賃金と過重労働に絶えられなくなっていることが背景にある。

 05年度に全国で働いていた介護職員は約112万人。
高齢者の増加に伴う、政府による介護職員の増加見込みは、14年には140万~160万人。

 担い手不足は深刻な事態になる。
 
 ここにも自公政権の冷たい政治が深い影を落としている。
社会保障費抑制をやめ、報酬を増やし、福祉や介護で働く人たちの賃金・労働条件の抜本的な改善が求められる。
「介護・福祉労働者に安心して働ける賃金を!」
アメリカべったりで、軍事費を増やす政治から、「軍事費削り、暮らしと福祉予算の増額を!」
財界・大企業奉仕の政治から、社会的弱者に優しい政治への転換を!

福祉労働者がいかに低賃金で大変か、以下の過去ログも参照ください。
NO.566 「仕事止めたい」が55%。
NO.273 若者が希望を持てる、福祉・介護職場に!
NO.49 福祉の担い手はワーキングプア


 介護福祉士とは? 
 介護労働に従事する国家資格者。知識と技術を身につけた専門家として、障害があることで日常生活に支障がある人に対して心身の状態に応じた介護を行うとともに、介護者に対する指導にあたります。





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2008.09.08 | | Comments(2) | Trackback(2) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.566 「仕事止めたい」が55%。

 私は30年近く障害者の施設で働いてきましたが、みなさんに改めて、その職場実態について知って欲しいと思います。

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 日本医労連が全国で6800人の「介護福祉労働者の労働実態調査」結果を発表しました。
事業所の経営難や人員不足→低賃金・長時間過密労動→サービス低下の危険!・・・この悪循環の中で、必至にこの現場を支えているのが、介護福祉労働者です。

・・・でも、介護福祉労働者は、「賃金20万円未満」が43%、「慢性疲労状態」が61%、「仕事辞めたい」は55%。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-08-16/2008081605_01_0.html(しんぶん赤旗)

以下、要約です。

低賃金の実情が浮き彫りに!
 正職員の所定内賃金は、20万円未満が42・9%。介護福祉士平均は月19万4600円、ヘルパー平均は17万5200円。パートの時給は、890円未満が29・4%と最も多く、次いで900~1000円未満21・1%、1000~1100円未満15・2%の順番。


 とにかく安いですね。詳しく自分の給料を明らかにするのはちょっと遠慮しますが、4人の子どもを抱えて、手取り10万以下でやった時代も3年あったし、今では20万円以上ではありますが・・・。大卒同期の友人たちに比べれば・・・(涙)

抱える健康不安
 多くの職員が自身の健康に不安を抱えつつ働いています。不安がある、病気がちなどで「健康でない」と答えた人が過半数(51・2%)。疲れの具合も、翌日に残る、休日を経ても回復しないなど慢性疲労状態の人が61・3%、腰痛や肩こりを訴えた人が半数を超えました。

「サービス」にしわ寄せ
 人手不足や忙しさから現場では利用者の転倒や転落などの事故が起きています。「利用者に十分なサービスが提供できていない」と答えた人は、42・2%にのぼりました。



 こうしたなか、「仕事を辞めたい」と思ったことがある人が、55・3%と半数超!

介護労働実態

「賃金が安い」「忙しすぎる」「社会的評価が低い」・・・、仕事に見合わないわな。

 仕事を続けていくうえでの最大の不安は、「将来の生活」34%、「健康」32%、「事故を起こす」「現在の生活」の順番でした。

 調査対象は41都道府県の6818人、うち8割が女性。年齢は30歳未満、30代、40代、50歳以上がほぼ四分の一ずつ。正職員が65・5%、フルタイムパートが17・3%、短時間パートが10・1%。



 調査したところが日本医労連、まともな労働組合がある職場での話しだということを加味するなら、実態はもっとひどい事が想像できます。 各職場で労働基準法が守られない状態が常態化しています。

更には、労基法違反も
 約三分の二の人が、通常業務の準備や片付け、記録などのサービス残業をしていました。休日の施設行事への賃金支払いが「ある」はわずか25・9%。所定の休憩時間が取れない職場もありました。見回り程度で通常業務でないはずの「宿直業務」で、81%がほぼ通常業務に就いていました。



 私も、わが職員もご他聞にもれる事はなく、低賃金の超過密労働者です。
日々の実践と学習でこの仕事の大切さ、価値を学び、使命感(それは誇りであり喜びなのだが)でやってきたようなものです。私は、止めたいと思った事は無いですが、妻の稼ぎがあったからこそやってこれたというものです。「自分が好きな仕事をして『ヒモ稼業』みたいなものだ」と冗談で言ってますが・・・、冗談ではすみません。

 「こんなに安月給なのは俺たちの甲斐性のせいではない(今風に言えば「自己責任ではない」)、この国の甲斐性が無いからだ。人間を大切にする、福祉の仕事とそれを支える人を大切にする甲斐性のある国をつくろうじゃないか!」・・・いつも職員に呼びかけながら、時々ため息をつくのです。

 福祉労働者の賃金・労働条件は、その国の文化的・人間的進歩のバロメーター。
自公政権の終焉で、人間を大切にする文化国家をみんなでつくろうじゃあないか。


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2008.08.20 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.555 なんで「インドネシア人介護士」なのか?

 昨日、朝のテレビニュースで流れていたが・・・、何でこんな事になるんや。
若い娘さんやお母さん?が家族との別れを惜しみ、抱き合っている風景・・・。

蓮0470


 べつにインドネシア人を排斥しようというんじゃあないが・・・。
インドネシアから看護師の卵来日 海外から初の受け入れ

 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の看護師・介護福祉士の候補者計205人が7日朝、来日した。海外から看護・介護分野の労働者を本格的に受け入れるのは初めて。

 来日したのは看護師候補104人、介護福祉士候補101人(ほか3人が今月末に来日予定)。東京・大阪・名古屋など5カ所の宿泊研修施設で6カ月間の日本語研修を受けた後、病院や介護施設などで補助的な仕事をしながら、国家試験を目指す。

 看護師は3年、介護福祉士は4年の期限内に合格すれば、国内で無期限に働き続けることができる。


日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)によれば、インドネシアは東南アジアの大国で、世界人口4位(2.2億人)の市場であり、原油も近くを通ってくるから、東アジアの「戦略的な要衝」ということだが、それが何で「看護師や介護福祉士候補」の受け入れなのか、真の目的がようわからん。

 他の事と引き換えに先方の要請があるとでもいうのか。
看護師や介護福祉士は、日本にもゴマンといる。しかし、介護労働市場で労働者不足なのは、「身分が不安定で、安い賃金でやってられない」からだ。

介護とはどういうものか
 6ヶ月間の研修である程度の日本語が出来たとは言え、「日本人」に寄り添う介護や看護が出来るのだろうか。生き方も、考え方も文化そのものが違う人の介護がそうやすやすとできるものではない。「豚肉は食べない」という人が、その食事の時どうやって時間を共有できるというのだろうか。介護とは、そういう共に生きる時間を共有する事である。
 言い換えれば、「しもの世話」「食事の世話」・・・最低限の誰でも出来る身の回りの世話に、介護の質を落とさせていくのではないか。

 経済的な関係優先で、人を受け入れ介護労働を変質させる気がしてならない。
食料と同じように、人に関わる仕事は「自給」が基本中の基本なのに、ここには「安ければ買うだろう」という根性が見え隠れする。
今度は「労働力商品のグローバル化」か?
東南アジア人は安くても文句を言わずに働くだろう、か?
まさか病人や要介護者をグローバルに移動させるわけにも行かないだろうから・・・。

 多くの若者や希望者が,安心して就業し、国民の看護介護要求に応えられるように、その労働条件を改善する事が、この国の介護にとっては喫緊に重要な事。
現場での働き手がいないのではなく、希望を持って働けないようにしてしまっているのが問題なのだ。

福祉の世界は、日本ではまだまだマイナーだにゃあ。現場から、頑張らないかん!

国民の願う高齢者介護・障害者福祉の実現を 深刻な人材不足を打開するための緊急提言 
                             2007年12月25日 日本共産党国会議員団


 今日は、遠方より友来たる。
飲み会だ~~~~!





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2008.08.08 | | Comments(7) | Trackback(6) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.544 舛添厚労相、「いい日いい日」と「介護保険料値上げ」発言。

 福岡では35度以上が5日続いているそうだ。さすがに暑いですね。そこに持ってきて政治を語るには暑苦しすぎる!しかし今日はどうしても一言いわないかん。お付き合いください。

水遊び0368
林間に咲くちっとばかり気味わるい花。
ゆりに似ているが葉っぱはまったく別物・・・?どなたか教えてください。

「ウバユリ」だそうです。


 厚労省が「介護の日」を制定したいらしい。
「介護について認識を深め」てもらい、「介護に関する普及啓発」を図るためだそうだが・・・。で、「みんなもよく知られている旧敬老の日の9月15日がいい。915をカイゴと読める」とか「11月11日がいい。いい日いい日だ」とか・・・!あほか、そんな暇と金があるのか!

 介護給付削減のための介護保険法改悪で、軽度者を中心に介護切捨てが進み「介護難民」が増え、介護労働者の低賃金が主な原因で人手不足も深刻だ。これに抜本的な手も打たずに「介護の日」に浮かれてどうするんや!

 旗振り役の舛添厚労相。「遠距離介護」経験を売り物に、大臣にまで上り詰め、今度は「介護保険料を上げるしかない」と発言したようだ。先日は「消費税増税10%まで必要」といったそうだが・・・!
(あのギラギラした上昇志向の男、個人的にも殆ど生理的に好かん!)

追記:決まったらしいですね。下記フォーラムで発表があったそうだ。11月11日、「いい日いい日」だと!日を決めればいいというわけでも無いだろう。いい日いい日と、悪いことを言う。やってることはさかさまだ!


介護保険料引き上げを強調。
 その同じ「福祉人材フォーラム」(27日厚労省、全国社会福祉協議会共催)の席で「介護労働者の待遇改善のための介護報酬引き上げ」発言のようだ。そのために、「天からお金が降ってくるわけではない」「国民の皆さんに努力していただかないといけない」と介護保険料の引き上げを強調した。

 介護保険料は3年ごとの見直しになっており、来年4月が改定の時。現在、65歳以上の介護保険料の基準額は、全国平均で月4090円。これ以上さらに過酷な負担を押し付けるというのか。

 国民を対立させて・・・常套手段である。「介護労働者が低賃金に不満を言うから保険料を上げなければいけない」「保険料値上げは気の毒だから、低賃金も我慢しなきゃあ」という風に。財源はは保険料しか見えないようである。
当面、人材確保に必要なお金は約3000億円といわれている。
 介護報酬を引き上げるための財源は、国民に負担増を強いる方法ではなく、現在25%しかない国庫負担の引き上げなどで確保すべきではないか。そのために財源なら、5兆円にも上る軍事費を削ればいい。イージス艦2隻分だ。あるいは、大企業には研究開発減税で8000億円もおまけしてやっているではないか。<span style="color:#0000ff">・・・財界・大企業優遇、アメリカべったりの政策を国民の暮らし優先に考えれば、すぐに出てくる財源である。

 簡単な話だよ。
簡単じゃないのは、この大企業優遇・アメリカべったり病(まさにこれが新自由主義の主要な政治的症状なのだが)に、自公をはじめ民主まで、共産党を除く日本の政党が、症状に多少の違いはあれ罹患しているということ!そのことが多くの国民の目から隠されていることであり、新自由主義を批判し、自公政権を批判する人たちでさえもその単純な真理を見ようとする勇気がないということ。
 多分、TBいただいたこの人のこのエントリーはそのことをも指摘しているのであろう。

 もしお時間があれば、障害者作業所という現場における福祉労働者の実態について次の過去ログもお読みいただければ幸いです。

    NO.273 若者が希望を持てる、福祉・介護職場に! 
    NO.49 福祉の担い手はワーキングプア
    NO38 金のことを言うと汚いが・・・福祉労働者の賃金はその国の福祉のバロメーター

 フツーにヨーロッパ諸国では、福祉・介護労働者を手厚く大切にし、人材も確保して国民の福祉や介護を支えてている。そういう当たり前の国の姿にしようじゃないかということです。

参考記事:深刻な人材不足を打開するための緊急提言 2007年12月25日 日本共産党国会議員団


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2008.07.29 | | Comments(1) | Trackback(3) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.537 [貧困と格差]を広げたのは?・・・政党が「やってきたこと」を見る。(2)

うだるような暑さですが、稲の花が咲き始めました。
こちらは夏の強烈な日差しをめぐみに、実りの準備を始めています。

稲穂0356(クリックで拡大します。花を見てやってください。)

 貧困格差」が広がった根本原因について。
「それは、労働法制規制緩和による非正規労働者の拡大による「労働所得」の格差拡大と、社会保障連続改悪による再配分機能の低下に求められるのではないか?
ここ10年、これらの問題に日本の政党がどういう態度をとってきたのか検証する価値があるだろう。」ということで、
過去ログNO.536 [貧困格差]を広げたのは?・・・政党が「やってきたこと」を見る。(1)で、「非正規雇用を生み出した、働くルールの破壊は誰がやったのか?」を見てみた。

 今日は、②「社会保障連続改悪について」見ることにしたい。
 
 資本主義社会といえども、「自由競争による負け組は生きるに値しない」ということではなく、社会保障制度による「所得の再配分」(所得がない、低い人には国が公費で生活を支える仕組みを作るというやり方)により生存権を保障するように、知恵をめぐらしてやってきたというのが、世界の流れです。
 しかしここ10数年来、日本では、大企業・財界のボロモウケを応援する自公政治の中で、社会保障がどんどん削られ、国民の生存権が脅かされてきている。
下のグラフは、貧困の指標である生活保護の急増ぶりを示している。
この数字とて、「水際作戦」で生活保護を受けさせない行政の取り組みの中でのことであり、実際の貧困は、生活保護基準以下で暮らすワーキングプア層や安い年金生活の高齢者など数倍とは言わない実態だろう。

激増する生活保護世帯

 さて、下の表を見ながら「格差貧困」に拍車をかけてきた、この10年来の社会保障切捨て政策の実際の主なものを見てみることにしよう。

先ずは介護保険制度について。
 ・97年に制度が導入された。共産党は、当時の法案そのものには保険料負担問題などを指摘し「保険あってサービスなし」になる危険性があると、抜本的改革を求め反対したが、保険制度そのものには「措置制度と公的保険制度の併用」という方向を認めていた。
私は、当時から「措置制度=全額税方式で高齢者の介護を支えるべきだ」と保険制度(保険制度はいったん導入されると、私保険化がすすみ、公は骨抜きにされる危険が高い・・・実際の経過もそうなってきた)そのものの導入には反対だったが、いまでもあのときの共産党は軟弱だったと思う。  

 ・05年5月に介護保険は改悪され、10月施行から要介護認定が変わり軽度の人たちの介護が切り捨てられ、さらには介護施設の居住費・食費が全額自己負担になり、退所に追い込まれる「介護難民」が全国で生まれている。 
 
 自公与党と民主党の賛成で改悪は強行された。自公は「利用者負担の不均衡の是正」と主張し、負担増を当然視。民主党も「あるべき介護保険制度へと一定の前進」と賛成。

介護保険法成立と一体に行われた国民健康保険法の改悪。
 ここで、国保滞納者への「資格証明書」発行を自治体に義務づけた。高すぎる国民健康保険料を払えない人が保険証を取り上げられ、病気になっても病院にかかれなくなっている。「資格証明書」では、病院窓口で治療費全額をいったん支払わなければならないため、お金がなくて病院にいけずに命を失う人も出る深刻な事態だ。

 賛成したのは、自社さ与党と、旧々民主。かれらは問題点を指摘する一切の議論もしなかった。共産党は、「(国保料が)払えないからと罰則を強化して保険証を取り上げるのでは、国民の命を守る政治の責任が果たせるか」と反対した。

★障害者福祉関係では。
・00年の事業法改悪による「障害者福祉の措置制度撤廃」がターニングポイント。
「措置」は行政処分だから本人を尊重することに反するというまことしやかな理由により、障害者福祉への国の責任を放棄した。取って代わり「契約制度」=「支援費制度」が持ち込まれ、「サービスが必要な障害者は、自分で必要な事業者を探して契約しなさい」となった。
 少なくない、サービスや制度にアクセスできない障害者は福祉の谷間に埋没することになってきた。
こうして、「申請主義」(自分から言わないと、行政も誰もどうしてもくれない)が徹底して、福祉サービスからどんどん遠ざけられていくのである。
(各党の態度は表を参照)

・その基本が05年の障害者自立支援法に受け継がれ、「自立」の名によって、障害そのものも「自己責任」とされ、「サービス」にかかる費用に「応益負担」(お金がない人も一律に利用料をとる)が適用された。金のあるなしで、生きることが制限される非人間的な制度だ。

 障害者福祉と自立支援法については、現場に関わるものとして以下のエントリーを是非お読みいただきたいです
    NO.117  自立支援法・応益負担は許さない!(1)
    NO.120  自立支援法・応益負担は許さない!(2)
 障害のある人たちは、特異な存在ではなく、「つながる生命=私たちの一部」だということについて、書いています。私が政治的な発言をする原点でもあります。

母子家庭の支援は?
 母子家庭の生活を支える命綱、児童扶養手当。支給から5年たてば手当を最大半減するという大削減を決めたのが、02年11月の母子寡婦福祉法等の改悪。

 自公与党は「母子家庭の自立促進」のための就業支援の強化をする、として改悪を推進。しかし、就労支援の効果について坂口力厚労相(当時、公明党所属)は、「やってみなければわからない」などという無責任答弁。民主党は、問題点は指摘しつつも、最後は賛成に回った。
 共産党は「母子家庭の生活を保障する国の責任を放棄するもの」と反対。

各法案への各党の態度

 以上、「貧困と格差」にかかわる労働法制と社会保障法制の内容と、各党の態度を見てきた。
政党の言うことだけではなく、実際の行動を見ることは、今日のマスコミ状況からしてますます重要なことだと思う。
 国政に関わる問題は内政から外交と多岐にわたり、それぞれに政党の政策・態度が試されている。
すべてをよく見て考えるほど、私たちもゆとりはないが、それぞれに関心の高いテーマだけでも、事実をよく見てみることが、主権者としての責任ある判断に役立つのではないだろうか。




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2008.07.25 | | Comments(2) | Trackback(3) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.457 福祉最低基準・・・地方分権の美名で国の責任放棄を勧告。

 保育所や老人福祉、障害者福祉の施設には、「最低基準」が設けられています。
例えば、床面積などの施設設備基準や入所定員などの運営基準、職員配置基準等々です。

 それにより、日本全国どこに住んでいても国民が等しく「無差別・平等」に、福祉施策を受けることが出来てきたのです。

下野 016

ヤマボウシ
母屋のベランダから。
街路樹のヤマボウシも今が満開ですね。


 (近年は、基準を緩めながら、あたかも各施設の裁量で競争させ、それによって「サービス」が向上するとする「市場主義」「競争原理」=新自由主義政策が、福祉分野にも持ち込まれてきていますが・・・。)

 まがりなりにも国が直接、最低基準を定めることにより、財政も出動させながら、憲法25条「生存権保障に対する国の責任」を果たす仕組みが出来ているのです。

 この「国の責任」を後退させる勧告が出されました。

 政府の地方分権改革推進委員会が28日にだした、国から地方への権限移譲に関する第一次勧告です。
 そこには、福祉分野での全国一律の最低基準を「見直し」、地方に委ねることなどが掲げられてています。
国民の福祉・生存権にかかわる分野で、国の行政的・財政的な責任を後退させる方向をさらにはっきりと打ち出したものと言わなければなりません。

 国と地方の役割分担については、地方自治体を自治立法権・行政権・財政権を持った「地方政府」に高めることを提唱し、「条例により法令の規定を『上書き』する範囲の拡大」を進めるとしています。
 つまり、国が定める最低基準以下でも自治体が福祉施策などを展開できるようにすべきだ勧告しているのです。

 「重点行政分野の抜本的見直し」の中では、保育所や老人福祉施設などの最低基準のあり方の「見直し」を勧告。
 床面積などの施設設備基準や入所定員などの運営基準、職員配置基準が「全国一律の最低基準として定められている」ことが、「地域の知恵と創意工夫を生み出す芽を摘み取ってしま」う結果となり問題だと指摘しています。
 だから、国は「標準」を示すにとどめ、地方自治体が条例で独自に基準を決定できるようすべきだと言うのです。

 問題のすり替えで、本末転倒ではないでしょうか。  
 あたかも地方の自主性や権限を大事にするといいながら、福祉に対する国の責任をかなぐり捨てて、自治体に丸投げするものです。
 必然的に財政基盤の弱い自治体では、福祉は後退し、国民福祉の地方間格差が広がるのは目に見えています。

生存権及び国民生活の社会的進歩向上に努める国の義務〕
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


 この「すべて国民は」が大事だと思います。
「法の下に、無差別平等に」なのです。
国民はどんな事情でも、どこに住んでいようとも「無差別平等」に生存権を持っているのです。
そしてそれを保障する責任が国にあるということが謳われています。

 勧告は、政府が六月に策定する「骨太方針2008」に反映されるということだが・・・。
勧告どうりにされると、福祉施設運営の中身はますますひどくなる事でしょう。
国の地方切捨てに対する批判を、「地方分権」「権限委譲」などと、まるで地方を大事にするようなきれいな言葉でごまかしながら、国民福祉への責任を放棄する狙いを読み取らなければならないと思います。


下野 006
ヤマアジサイ



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2008.05.30 | | Comments(2) | Trackback(3) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.423 ご近所応援団。

 お隣の宅老所「よりあい」の高齢者が、「認知症」で徘徊し、行方がわからなくなって困ったことがあり、それをきっかけに「○○さんを見守る会」が出来た。
それから数年、一人の徘徊の人を見守る会は今、「ご近所応援団」として広がり活動している。

asa 015


 地域には、生きていくうえでの色々な困りごとがある。
例えば、陶友の仲間でも近所で立小便をしたり、奇声を発したり、奇異な行動を取ったりと、色々と迷惑をかけることもある。それは基本的には、事業所としての陶友の責任には変わりはないが、ひとつの事業所だけでは見守り支えることは困難だ。

 そこで「よりあい」さんが呼びかけて出来たのが「ご近所応援団」である。
今では近隣の高齢者、障害者福祉の事業所や、唐人町商店街、西日本短期大学などが参加し、活動を模索している。

 毎月の定例会で、困りごとを出し合いお互いを知り合いながら、学びあい、何が出来るかを話し合っている。陶友もそこに若い職員が参加し、交流しながら勉強をさせてもらっている。

 私たちは陶友で仲間を囲い込み、守ろうとは思わない。
積極的に地域に出てもらい、地域の人たちに仲間たちを知ってもらい、支えてもらいたいと思う。
毎日商店街に給食の食材をとりに行く係り活動をするのも、毎朝の近所の掃除活動もそうした想いからである。

 近所をリヤカー引いて豆腐などを売り歩く仕事もそういう考えと結びついている。
決してしゃきしゃき上手に商売が出来るわけではないが、お客さんは少しずつ理解を深め「この人たちはゆっくり待てば出来るんだよね」と言ってくれる。
そして「ゆっくり計算してよかよ」と、彼らに合わせて待って下さるようになった。

 この仲間とお客さんの関係は、一方的に仲間がお世話になっているようだが、実はお互い様だと思う。
一人暮らしや、あるいは話題も言葉数も少なくなった高齢世帯のおばあちゃんは、仲間に会い世話を焼くことで、おばあちゃん自信が気持ちよく元気になっているとはいえないだろうか。
そういう「お互い様の関係」を地域から掘り起こしていく取り組みですらあると思っている。

 ちょっと傲慢に聞こえるかもしれないが、障害者は、世話になるだけの存在では決してない。
彼らは彼らの姿を通して、私たちに、地域に、何か大切なものを示して気づかせてくれるのである。

 思えば、人は人とつながり助け合って生きると言う当たり前な姿が、地域からその影を潜めてきている。
そういう当たり前な地域を復活させようと言うのが「ご近所応援団」の活動だとも言える。


 ご近所応援団は、3年目に入った。
先日、陶友通信にこの取り組みを紹介したら、それを読んだ違う地域の民生委員さんが、相談に見えた。
「近所の精神障害者の方が問題を起こし、困って話し合いをしている。この応援団の記事を読んで参考にして、近所でみんなで支えることが出来れば・・・」と。

 NHKの「ご近所の底力」も取材に入ったそうだ。

人が人として認め合い、支えあう暖かい地域を、かつてそうであったように、またみんなで創る取り組みが始まっている。

 その「ご近所応援団」に参加している人たちが母体になって「第3回ふれあい祭り」を開催する。

     第3回ふれあい祭り

       5月24日(土) 10:30~15:30
       西日本短大にて
地図はこの中

 陶友も、出品し販売します。お近くの方は是非お越しください。

asa 005

名まえを忘れた。
葉っぱに切れ込みがあり「キレハノなんとか」だったんだが・・・。
どなたかご存知ありません?


今日の日記
 夕方から応援団ゆうゆうの世話人会。5月17日(土)の総会に向けた話し合い。参加が少ないようで、呼びかけを強めなくちゃ。
 陶芸教室は、最近2人参加者が増えてうれしい。作業所財政に助けになるから・・・。だけではなく新しい人との出会い。
 少しは丁寧に教えるようにしなくちゃね。「土は自分がしたようなるから、自分でやり、土に相談するしかない」と言うだけではね。つまるところはそうなんだが、これじゃ教えていることにはならないか(笑)
少々お疲れの1日。おやすみなさい。


おつきあいありがとうさんです。
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2008.05.09 | | Comments(4) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.339 彼岸だというのに・・・。

 今日は春分の日彼岸の中日。
暑さ寒さも彼岸まで、と言うけど・・・北風が吹き寒い1日でしたね。

 午前中は、法人の評議員会。
補正予算と来年度予算の審議が主な議題でしたが・・・、何処の事業所も大変です。
高齢者部門からの報告を少しだけ紹介します。

 一つは人材確保の問題。
年間、介護職からの完全離職は20%、同業種内での転職は40%だそうだ。原因は、仕事への社会的評価の低さ、低賃金。専門学校も潰れるところが出ていると言う。
 家族会としては初めて、「介護労働者の質が確保できなければ、安心して介護を受けられない」と国に、要望する動きも出ているとのこと。

 関連して、学生の実習受け入れについて。
高齢者施設だけでなく、うちも関係あり。
これからは、「実習指導資格」が必要になるとか。社会福祉協議会あたりが講習するのだろうか。それはそれで、実習の質を高めると言う意味ではよいが。現場は人がいないのに、わざわざ講習に参加するか。もともと、手がかかる実習に対し、受け入れの費用はたったの1日1000~1500円。そんなことまでして実習生の受け入れはしないと言うことになれば、学生の教育はどうなる・・・。

 社会保障費関係について。
負担については、2025年には20歳から60歳の介護保険料負担は、3割アップで41万円になると言う。負担を増やさないなら、給付を抑える。医療費を2割、介護保険を4割削るという計算だそうだ。完全にやっていけない。

 すでに給付抑制では、福岡県の郡部では、「同居者がいる場合は、訪問介護(ヘルパー派遣)は利用できない」と言うトンデモ指導もあるとか。家族の自助でやれと言う。何のための保険制度か!厚生労働省は、「そんなことは言ってない」そうだが、いずれにしても必要なところからでも、抑制は強まっているようだ。

・・・ん~ん、事態は、思ったよりも深刻です。

 ここ数年は、会議で話をしても暗い話ばかりですね。
そんな中、法人としては職員の給料を2年間抑制してきたが、来年度から、常勤非常勤ともに賃金アップの方向で検討している。職員の志気を高め、困難に立ち向かう決意を法人が先頭に立って示そうと言うもので、歓迎だ。・・・それだけ、事業活動で資金つくりに力も入れなければならないということでもある。

 とにかくみんなで力を合わせて頑張るしかないと言うことだ。



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2008.03.20 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.337 思いやる相手が違うだろ! ・・・米軍への「思いやり予算」は全額なくしてしまえ!

民主主義とは、国民が主人公だということ。
少しだけでいいのです。一緒に考えてください。


 在日米軍への「思いやり予算」というのがある。
あの在日米軍への特権を認めた日米地位協定でさえ、基地の提供以外の駐留経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」とうたっているのに、それに反してまで、特別協定を作り予算化しているものだ。

 思いやり予算 

 政府が「思いやりの精神」(金丸信防衛庁長官=当時)と称し、一九七八年度から予算案に計上を始めました。在日米軍基地で働く従業員の労務費のほか、▽基地内の施設や家族住宅などの光熱水料▽米軍厚木基地などで実施されている夜間離着陸訓練(NLP)を硫黄島で実施するための訓練移転費▽施設建設費―から成ります。二〇〇八年度政府予算案では、総額で二千八十三億円に達します。在日米軍の特権を定めた日米地位協定でさえ、基地の提供以外の駐留経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」(第二四条)と明記しており、この規定にも違反する支出です。


 その中で、基地従業員の人件費分が1463億円。
その職種を聞いて驚きだ。
基地のカフェのカウンターアテンダントにコック、バーテンダー、ボウリング場やゴルフ場の職員、宴会係マネージャーに観光ガイド・・・遊覧ボートの艇長?

詳しくはこちらを参照→しんぶん赤旗

 この「思いやり予算」は、もともと地位協定上からも政府は説明ができずに、1987年に特別協定にしたもので、当初は「暫定的、限定的、特例的な措置」と説明したもの。当初は、労務費の一部(社会保険料の事業主負担など62億円)でしたが、翌79年度には、施設建設費の負担をはじめ、その後も高熱水費や訓練移転費や労務費(基本給)にまで増やして来た。

 2008年度予算案では総額2083億円が計上されている。
政府はここ数年毎年、社会保障関係予算の自然増分を2200億円削減してきているが、ほぼそれと同じ額だ。高齢者には「いずれ避けられない死を迎えるんだ」と、後期高齢者医療で搾り取りいじめて、障害者には自立支援法の「応益負担」で搾り取り・・・、いったいどこを、誰を思いやってるんだ!

 あの沖縄では、「米兵犯罪は基地があるから」「米軍は出て行け」って言ってるのに、「思いやり予算」をつけて、「どうぞいつまでもいて下さい」という政府の姿勢は、到底認められないと、怒りが高まっている!

 去る1月15日に、高村外相とシーファー駐日米大使が調印し、5回目の延長に入る特別協定。政府はこの国会承認のために衆院での審議入りした。こげな馬鹿なことを許したらいかんばい!

 これまでの30年間で、なんと5兆円なり!
さらに政府は、「おもいやり予算」だけでは物足りず、沖縄海兵隊のガム移転などの米軍再編費用も3兆円も出す腹だ。世界中みわたしてもこんな国はない。

 今、財政が厳しいからと、お年寄りや障害者を始めとした社会保障関係の予算を削りに削ってくる政府。なんてことはない。あるところにはある。これらのお金を、国民の福祉や暮らし医療に回せば、十分にやっていけるのである。年間5兆円に上る軍事費。無駄遣いばかりの道路特定財源(なんか、アロマセラピーにミュージカル・・・、5年間にタクシー券だけでも5億円?そうそうこちらからも米軍住宅建ててやってたね)・・・。

 軍事費や無駄な大型公共事業を削って、国民の福祉と暮らしを守る政治に転換を!
んなのも難しいことでもなんでのない。国民一人ひとりが考えることができるかどうか。
思いやり予算」なんてペテンみたいなことは、すぐにでも止めさせようじゃないか!主権者であるはずの国民が思考停止するから、こんなバカな政府をいただかなきゃならないんだ。

国の政治が思いやるべきものは、いったい何なんだ!?
 

あっちから見てもこっちから観ても、ひどい政治だが、よく考えれば、何が問題かは見えてくるものです。
民主主義とは、国民が主人公だということ。
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2008.03.19 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.326 健康問題は自己責任だろ!?

先日の健康診断の記事に、次のコメント。

 こんばんは、健康診断無事終了ですね。後期高齢者医療制度の導入と合わせて、これまでできていた健康診断が3月いっぱいでできなくなると聞いてます...。
 
 金のないものや高齢者など弱いものは、切り捨てて行く医療制度。「シッコ」にだんだん近づいて行く。福祉制度の改悪は、どこまで続くのか。暗い気分なっていきます。

2008-03-10 月 21:48:51 | URL | まめかぜ



次のように返してやったよ。

メタボ検診。

まめかぜさんへ。

これからは、メタボケンシンさ。
健康管理は国民の義務。努力義務違反の病人は、自己責任。そういう病気の人は、自分で負担して治療しなさいね。
生活習慣病の糖尿病なんかは、保険診療から外しますよ。生活習慣が悪いのは、あんたの責任でしょ?!
えっ?後期高齢者医療
年よりはどうせ死ぬんだから、高い金かけて医療を施す必要ってあるの?もう、人に迷惑かけてかけてまで生きながらえて、何が嬉しいの?
自己責任で、自立自助しなさいよ!お金ない人は観念するのみね。
お上に甘えるんじゃないの。

弱肉強食、これって自然の摂理よ。みんな自由に競争しながらそれぞれの生き方を自己責任で作る。

新自由主義の時代ですよ。自由、すばらしい響きじゃないか。しかも新しい・・・。
甘えんなよ!

2008-03-10 月 23:48:17 | URL | 友→まめかぜさんへ。

追記。
おい、後期高齢者医療では終わらんよ。
次は、メタボ医療制度を考えてるけどお!
メタボの連中だけの保険制度。
もちろん、保険料は高いよ。その原資だけでやるよ。
ずんだれて健康の自己管理もろくに出来ずに、病気になった奴を、何で国が面倒見る必要があるんだ?税金からの持ち出しはなしの、自立したメタボたちだけの保険制度。

そのうちに10年ずつ区切りながら、年代ごとにでも作るか。

ま、そんなことをしながらながら、民間の保険会社が上手な保険制度を作ってくれるでしょう。
自由競争がサービスを良くしていくから・・・、競争原理って奴。

「シッコ」?シッコだろうがウ○コだろうが良いじゃないか、怠けたり能力ない奴は、いらないのよ。

皆責任感を持って頑張れば、力強いいい社会が出来ると思うけどお。
どうよ!



自公政権(じこせきにんと読む)の政府・厚生労働省の本音を、わかりやすい日常語で言ってみたまでよ。
何も難しいことは言ってない。それでどうなんだ?国民の皆さんよ。ってとこだろうに。
こんな政権をまだ続けさせる気?

ちなみに「シッコ」って、マイケルムーアのドキュメンタリー映画。
公的医療保険制度のないアメリカの、病的な医療事情。
命の沙汰も金次第、って奴さ。
以下、過去ログです。参考にぜひどうぞ。

NO.61 SICKOを観て・・・「この道 進入禁止!」・・・そのⅠ

NO.62 SICKOを観て・・・「この道 進入禁止!」・・・そのⅡ


本音をわかりやすい言葉で言ってみる。自公政権をまだ続けさせる気かい?
はあーるよこい、はあ~やくこい
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2008.03.11 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.280 ある地方の暮らしの実態。

気がつけば、もう2月ですね。
皆さん、おはようございます、。
今日も、生き辛さの話ですが・・・。

きょうされん(共同作業所全国連絡会)福岡支部の「支部ニュース」に、Hさんが地域の情勢報告を書いている。ご本人と編集者の承諾を得て、ここに紹介します。

11月に入って、私の住む筑豊地区でも、社会保障各分野(医療高齢者介護障害者支援児童福祉生活保護年金等)の関係者が集まって、各市町村長と懇談した。

私も地元川崎市長との懇談に参加したが、
「医師の来手がなく町立病院の小児科が閉鎖されたままだ」
「介護保険料は日本一高いのに、認定基準の改定で介護が打ち切られた」
「後期高齢者医療制度の創設で、来年度以降75歳以上の高齢者は、保険料を毎月6000~8000円、年金の中から天引きされる。しかも病気が重く(多く)医療費が沢山かかる人は、医療費に上限があるために、その範囲でしか医療が受けられない」
・・・などの驚くような訴えが、なされた。

障害者支援については、「応益負担への独自軽減措置」をお願いしたが、
町は「交付税、補助金が大幅に削られ、委譲された税収はわずか。赤字債権団体に陥らないためにも、町独自の施策は出来ないが、実態調査はしたい」との回答。

旧産炭地のこの町は、全国でも生活保護受給率が1番高い地域であるが、高齢加算の廃止で、生活が成り立たない受給者も出ている。

命を削るような施策は、医療高齢者介護生活保護等の社会保障全般で、国の隅々まで進行し、筑豊のような脆弱な地域ほど、その影響は深刻である。
(中略)
「障害者自立支援法」の問題は、社会保障施策全般の流れの中の問題であり、それに抗する運動は、「国民の生存権を守る」運動をも意味している。
自分達に降りかかってきた火の粉を、自分達で振り払うのは当然だが、一方で他の社会保障分野の人たちとも力を合わせ励ましあう事も、今1番大事な時期ではないかと思う。


地方における暮らしと自治の実態の一部です。

あの道路特定財源などは、一般財源化し、地方交付税補助金として地方を支える財源として使ったらどうだろうか。
福岡県でも田舎に行くと、「何でこんな所に、こんな立派な道路が必要なのか?」と言うところが、色々あります。
自民党の族議員が、見え隠れする?いや、丸見え?



地方自治と暮らしを守るために、
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2008.02.01 | | Comments(5) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.277 年金問題、不親切な窓口対応を改善。

ちょっと前の事ですが・・・。
ねんきん特別便」をめぐって、こんな事がなされていたそうです。

「特別便」を受け取り、社会保険庁窓口に相談・確認に来た人に対する窓口対応が、問題になり、1月21日に改善の「事務通達」が出たようですが・・・。

12月18日時点では、
「個別の記録に基づいた誘導は行わない事」とし、
働いていた事業所の確認では、「『あ』が付く会社じゃないですか?」とか、誘導するように聞いたらいけません。
働いていた期間についても、
「○○年ごろ働いていませんでしたか?」という確認の仕方は、するな。」
所在地についても、
「何区、何市とか、誘導して聞くな」
とメールで指示していたようです。

いわゆる窓口対応に関する「裏マニアル」の内容です。

年金記録を確かめて、受給資格のある人がきちんと年金をもらえるようにしようという、昨年最も大きな問題となった、「ねんきん特別便」の取り組みでの、窓口対応

厚生労働大臣は「記憶を思い出す”よすが”を提供する」と言っていたが、こういう対応がなされていたなんて。
これって、不親切ではすまない問題じゃないでしょうか。

関係する資料が、あったので、     
     参考にどうぞ→http://harita.jp/repo/info/s/20080123pensionmanual.pdf


又ボチボチ再開します。
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2008.01.30 | | Comments(3) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.202 「宙に浮いた年金」は、「消える年金」へ。

もうすぐ、待望の5000カウント。5000カウント目の方、是非とも一言コメントを!
・・・お願します。記念に手作りの陶器でも差し上げたいのだが・・・。




解決すると言ったかな」と、福田狸がとぼけた。
誤解があったんだろ」と、舛添厚労大臣が開き直った。

5000万件の「宙に浮いた年金」の名寄せ作業で、4割に当たる1975万件の照合が困難な事が明らかになった。
つい1ヶ月前には、3~5%ぐらいだろうと厚労省はたかを括っていたが・・・。

追及されると、

「全て行き先を確定すると言う事まで説明したつもりはない」(町村官房長官」と開き直り、
「3~5%は、私の勘」で言ったもので、照合の結果「記録が結びつくと思われる方には、お知らせする」と言っただけだ(舛添厚生労働大臣)と、これまたごまかす。

だから初めから、全ての年金加入者に記録を送付して、国民の協力の下に、記録の修正作業を進めるべきだと言っただろう!!


はあ~!!

今まで、何て言ってた?!



参院選公約では

参院選直前(7月5日)

安倍晋三首相「最後のお一人に至るまで、すべて記録をチェックし、保険料をまじめに払っていただいた方々に正しく年金をお支払いしていく」「1年以内に名寄せを行い、突き合わせをおこなう」(通常国会終了後の記者会見)

■安倍改造内閣発足後(8月28日)

舛添要一厚生労働相「最後の一人、最後の1円まで頑張ってやるということを公約として申し上げました」「まさに公約を果たしたい」

それが一転

福田康夫首相「解決するといったかな」(12月11日)

町村信孝官房長官「選挙中ですから、ある程度こう、簡略化して物をいってしまっているところが確かにあった」(同)

舛添厚労相「3月が終わればすべて年金問題がばら色の解決ができて、全部終わっているという誤解があったんだろう」(同)


選挙の時は、適当にごまかし、泣き寝入りさせようと言うのか。
選挙の最大の約束事を、平気で反古にしようとする。

年金問題をきちんとできるかどうかは、政治の基本中の基本。
能力以前の、うそと開き直りの政権は、腐りきっている。

公約違反の内閣は、退陣せよ!
特に、舛添なんかは。
介護体験を売り物に、ギラギラした上昇志向の俗物だ!
テレビに、出てた時から、胸糞悪くて、好かんかった!



読んでいただきありがとうございました。
2つのお願い
1)よろしければ、一言でもコメント頂ければとても嬉しいです。
(右下Commentsをポチッとどうぞ。小さくて見にくいですが。)
2)沢山の人に読んで欲しくて、ブログランキングに参加中です。
ほんとに腹立つことです。なんか、気分を害したでしょうが・・・。
おかげで、「福祉・ボランティア」ランキングトップに、返り咲きました。
怒りの意思表示に、 

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2007.12.13 | | Comments(4) | Trackback(1) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

NO.115 こんなバカな話があるのか!厚生労働省!

今NHKニュースで!

厚生労働省が、OBに年間数百万円渡し、労働組合の動向などを調査させていた!

こんな事あり得なーい!クソッパラが立つ!
会計検査院の調査によると、過去6年間だけでも10人のOBに、合計1億8000万円。
調査費の名目で渡していたとの事。領収書も無く、調査報告書も無い、使途不明金。
開いた口が塞がらない・・・!

1人年間300万平均。福祉労働者の多くは年間200~300万だぞ!
腹立つ!


関係者に聞くと、「組合関係者との飲食やタクシー代に使った」とか。
労働組合と言うものは、その主張はオープンだし、何の調査が必要か!
調査名目で、OBに小遣いを税金から流してやってると言うことだ!
予算の横領と言う点でも、自由と民主主義への挑戦という点でも、許せん!
あーあーあーあ!腹が立つ!!

障害者には、予算が無いからと負担を強いておいて、このザマ!
そういえば、あの誰だっけ、バカな奴の名前はいちいち覚えてないが・・・
自立支援法成立の実質的責任者をしていた、厚生労働省の元企画部長も、法案審議の最中に大阪の社会福祉法人の理事長から数百何円もらっていたが・・・。

こいつら、人を踏みつけて、私腹を肥やしやがって!
なんか、必殺仕置き人でもやりたいぐらいだ!
この腹の虫、なんとかしてくれー!




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2007.10.23 | | Comments(3) | Trackback(0) | ・福祉・社会保障全般Ⅰ

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Author:友さん
軟弱オヤジの「硬派道場」へ、ようこそ。障害者作業所所長やってます。福祉や政治、日々の思いを気ままに…。
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なお、気が弱いので「道場破り」はお断り。
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