NO.49 福祉の担い手はワーキングプア
8.28付け「金のことを言うときたないが・・・」で
「日本の福祉現場はワーキングプアで支えられている」と書いたが
9.5付け「赤旗」新聞に、表題の記事があった。
福祉人材研究会の「福祉保育労働者の労働と生活の実態調査」から。
いくつか紹介したい。
福祉職場の6割が20,30代の若者。8割が女性。
賃金(税込み)は、
正規職員で、
15万~25万が35.9%。20~25万が25.6%。25万~30万が13.3%・・・10~15万(生活保護基準以下)が6%。
常勤パートでは、
10~15万未満が7割近く。短時間パートは10万未満が9割。
25歳~30歳未満の正規職員の4割、常勤パートの5割が
親兄弟世帯と同居の「パラサイトシングル」
「人手不足」の「忙しすぎ」、「賃金の安さ」から、
「仕事をやめたいといつも思う」「時々思う」が61%。
正規の55%、常勤パートの90%が「勤続10年未満」で、
短期離職者が多い。
以上のデータが、アンケート調査の結果、明らかになっている。
現場を担う人たちの像が見えてくる。
それは、30歳未満の若者であり、圧倒適多くが女性。
彼らは、低賃金と仕事の大変さで、働き続けることが困難で、職場に定着せず、経験も未熟。
ひとり立ちした生活が見込めず、いわゆるパラサイトシングルが多い。
やっぱりというか、残念ながらと言うべきか、
私が経験的、実感的に指摘してきたことが、調査数字で証明されることとなった
しかも、この間の、社会福祉基礎構造改革(介護保険の導入や相次ぐ改悪、障害者自立支援法等)で、経営危機が進み、職場のパート化で、非常勤職員は4割を超えた。
なんとも頼りないもので…。
これで国民は、安心して保育や介護や支援を受けられるだろうか?
厚生労働省は、「他の分野に比べても適切な給与水準を」と、新しい「福祉人材確保基本指針」を定めたが、要は財源確保である。
日本の福祉を、安心して頼れるものにするために、「指針」の実効性を求め、大いに声を上げて行きたい。
(財源論については、次の機会に触れたい。)
最後までおつきあい、ありがとうございます。
よろしければコメントお待ちしてます。
2007.09.05 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・実践的福祉労働論
