空気が人を育てる。
そりゃ酸素が必要なの 当たり前だろ!?
いや、その、人々の関係が作り出す空気。
雰囲気と言うよりも、やはり空気と呼びたい。
教育学部で出てんだから
それらしい専門用語があるだろうに、
やはり空気と呼びたい。
陶友には
そんな 人を育てる空気がある。
だれでも ありのままを受け入れようとする空気。
みとめあおうとする空気。
はげましあおうとする空気。
共感しあおうとする空気。
助け合おうとする空気。
まだ そうしあえてないかも知らないが
そうしあおうとする空気。
立派な理論で指導援助するよりも
みんなで作り上げてきたこの空気が みんなを育てている。
その空気に触れると
だれもが
自分の中に眠っているもう一人の自分に気づき
自分から
もう一人の自分に会いに行こうとする。
そんな空気が
ここにはある。
そんな気がする。
うん。数年前からそう思うようになって来た。
時々、俺、この空気を汚してるな、と自戒しながら…。
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2007.09.10 |
| Comments(2) | Trackback(0) | ・実践的福祉労働論
10日、臨時国会が始まった。
まだテレビも観てないので、様子は分からないが…。
課題はいろいろだが、まずは障害者自立支援法の抜本的な見直しのために、野党の協力を求めたい。
昨年4月施行以来、心配されていたことが現実になった。
「応益負担」の導入で、施設利用料が払えなくて、やめた人が、厚生労働省の調査でも1625人に上るそうだ。
少ない数?
その陰には、負担にあえぐ数百万の障害者がいる。
彼らにとって施設をやめると言うことは、大げさに言えば生きるしかばねに等しい。
施設が唯一の社会との接点。
社会的に、人間として生きるスタートなのだ。
それを奪われたら、どうやって人間として生きて行くというのか!
また、施設や事業者に支払われる報酬単価の引き下げと、日払い方式への変更は、経営を脅かし、職員の労働条件を悪化し、人手不足を深刻にし、障害者支援体制を維持することさえも困難にしている。
障害者関係者の声と運動に押され、昨年12月政府は1200億円の「特別対策」を打ったが、問題の解決には程遠い状況である。
見直して欲しいことは色々ある。
更には、障害程度区分判定が身体機能に偏っており、知的や精神など障害状況が正しく反映されていないこと。
「精神障害者退院支援施設」は、病院の敷地内での看板の架け替えにすぎず、5万人とも6万人言われる社会的入院の解消には実質なんにも役立っていないこと。
通所施設利用者の半数以上が通う、小規模作業所の移行先となっている地域活動支援センターの補助金は、無認可とほとんど変わらず「法定施設」とは名ばかり・・・などなど。
野党が安定過半数を占めた参議院で、野党が
①「応益負担」を、もとの「応能負担」に戻すこと。
②報酬単価を引き上げ、もとの月払い方式に戻すこと。
少なくともこの2点で一致し、共同して行動し、関係者の声にこたえて欲しい。
実りある議論を求めると共に、
国会の数に依存せずに、数の力を生かすためにも、
現場からの声を大いに上げて行きたい。
2007.09.10 |
| Comments(0) | Trackback(0) | ・障害者自立支援法Ⅰ
バイトの面接に受かって書類がいるという。
本山(仮名)38才。
どこからどう見ても、話していても「知的障害」には見えない。
中学校の特殊学級を出て、理容師の見習いを数ヶ月やったが物にならず、ずっと在宅。
時々家業を手伝い小遣いをもらったり短期バイトをしながら、20年暮してきた。
陶友に来て3年になる。
時々父親の仕事を手伝いながら…。
母親は、心臓の1級障害。父親は現在、交通事故で長期の入院をしている。
複雑な事情で、本人は家庭内一人暮らしである。
常にケイタイを手にし、ケイタイの話題からしか人と話せなかった。今も手放せない。
サイトで競馬などをしているようだ。
あるときから夜のバイトを始めた。ホストクラブの皿洗いだそうだ。
まともにこのようなことを職員に報告するとか相談することはない。ましてや、担当である私には…。
自分の課題を持って人と向き合えないのである。
愚痴るように若い気安い職員にこぼしたことを総合すれば、次のような事情だ。
ケイタイサイトで、スロットの攻略法を買ったらしい。ご丁寧に、金貸業者つきで。
50万円。元利合計で100万近く返さなければならない羽目になり、とても親にはいえない、そこでバイトを始めたと。
なるべく時給が高い、夜のバイトだそうだ。時給1000円。
5ヶ月ほどがんばったが(かなり頑張っただろう、昼は大体、陶友に出てきていたから)、きついからやめるという。
身体はともかく、年下の人からも、馬鹿呼ばわりされるのがたまらないらしい。
一通りの事情をつかみ、いろいろと話した。
サラ金がどういうものか。
金を返せない人に貸したほうが、相手にとってはうまいんだぞ。一生利子に喰らいついて離さないのだから、親に相談したほうが良いと勧めるも、自分で頑張るだけ頑張るといい、今日に至った。
破産手続きも考えられたが、本人が言うとおりにさせた。
「どうしてもの時は、ちゃんと相談するように」と言い聞かせて。
(相談する力がないことぐらいは解っているので、愚痴を拾ったら、次のバイと探しに、ぶつかった。)
あんな世界にいいことあるもんか。あぶく銭で遊ぶ奴から金を巻き上げることを考える連中の中で、大事にされる訳ないだろう。一番弱いものが、憂さ晴らしにいじめられるんだ。
一通り、世の中も教えなければならない。
サラ金からの通知も来て、母親にもバレたが、それどころではないらしく、今度は、工事現場で交通整理をしたりする警備員の仕事らしい。
バイトするぐらいのことできるんなら、陶友は辞めてフリーターでもやれば?たったの1万にも満たない給料のために…。
「ここに来ると気持ちが安らぐ」のだそうだ。
当座の必要な金稼ぎのためには、少々頑張れても…。就職はいやなのだろう。
実際、就職を前提にした実習先を紹介しようとすると、間髪いれず「いいです!」と、断る。
今まで口にしたくないようないやな思いをして、世の中と付き合ってきたのだ。
いや、付き合いきれずに逃げてきたのだ。
とりあえずここで、羽を休める必要があるのだろう。
やっと少しづつ、人と関わるという事もできてきている。
弱い仲間たちには、優しい面も見せるようになっている。
怒鳴られることも、馬鹿にされることもなく、自分の出番もある。
も少し、時間をかけよう。
2007.09.10 |
| Comments(0) | Trackback(0) | ・仲間とともにⅠ
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