NO.286 比べられないこと、比べていけないこと。
障害を持つ人たちの作業所で働いていると、ついつい、
「みんな○○君みたいだったら、もう少しは楽なのに・・・」と考えてしまうことがあります。
「あの事業所は大変だ、あそこはまだまだ良いよな」とか。
ついつい、無意識のうちにどこかで比べてしまうのです。
一時も目が話せない仲間や、しょっちゅう関わる必要がある仲間・・・、障害の程度や様相によって関わり方は、違ってきます。
いきおい「手がかかる仲間」に、エネルギーが使われるのも、事実です。
ある障害児心理学者が、次のように言っています。
「人の悩みはさまざまで、小さな悩みだと思い『あなたは、まだまし』なんて言うと、『先生は解ってくれない』と相談してくれなくなります。違いはあっても、悩んでいる事実と、解決したいと願う気持ちは共通ですから」と。
若いころ、子供の教育相談を担当し、親たちと正面から向き合ってきた経験からのお話です。
そして、実践上大事なのは、
「個々の人間の悲しみや悩み、喜びに相対評価はありえないと言う観点に立つこと」だと話しています。
ん~ん。
日々の大変さに、ついついと言い訳しながら、大切な物を削り落としているのかもしれないと反省させられました。
人間一人ひとりの命や人生の尊厳は、かけがえのないもので、比べるようなものではない、と頭でわかっているつもりでも、日々は、どんなに危ういか。
私たちは、暮らしの中で日常的に「比べる」ことに、慣れっこになっています。
比べることは、思考の始まりで、当たり前のことではありますが、
「比べられないこと、比べてはいけないこと」も、あります。
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2008.02.04 | | Comments(5) | Trackback(0) | ・実践的福祉労働論
