NO.568 かばったと見るのは、正しくない。
今日は職員研修でみな出払っているので、作業所は臨時休業。 (前略)この日、長い髪を後ろで結い、グレーのトレーナーにジャージー姿で入廷した島村被告。裁判長の問いかけに、小声で答え、うつむきながら落ち着かない様子だったが、検察側が長男の供述を紹介すると、あふれる涙をこらえることはできなかった。
私は、窯詰めのために出勤。ツヨシ君とジュン君に助手で休日出勤してもらった。
ツヨシ君は、意気揚々と弁当も買い込み、お母さんからの差し入れももって出勤。
自閉症のジュン君は、機嫌が悪い。「3連休」がインプットされていたので、頭ではわかって自分から出てきたものの、心まですっきりしないのである。
ジュン君は、窯詰めのときは作品の絵付け作業に欠かせない。・・・ともかく終わった。それなりに気を遣うものである。せっかく出てきたのに、やりがいを感じなければいけないから、作業のペースやいろいろ気を遣い自分のペースでやるわけにもいかない。
・・・ともかく終わった。ツヨシくんのお母さんの差し入れの饅頭でお茶をして「お疲れさん、さようなら」。
しかし、しばらくしてジュンクンが汗をかきかき引き返してきた。
「友さん,片付けます!僕が片付けます!」
お茶のあと、やかんやお湯飲みをそのままにしていたのが気になり、かなり行ってから引き返してきたのである。自閉症の「こだわり」はこうして厄介なものである。「まあ、いいか」が出来ないのである。彼はいつも、きちんと片付けたイメージがあり、そうしないどうしても落ち着かないのだ。ご苦労な性格である。
やかんと湯のみ3個、お盆に載せて片付けて安心したようだ。「友さん、おつかれさまでした。」と、元気に帰っていった。
一息入れて、窯詰めの最後の仕上げに備えている。
さて本題だが、ネットをのぞいていてたまたま気になるニュースに出会った。
若い母親の育児放棄で、幼児3人が置き去りにされ、幼子が脱水症や低栄養で餓死した。
6歳、捨てられてもたたかれても母をかばった 埼玉(朝日)
6歳のお兄ちゃんは、2歳の弟妹の面倒を見るように言われていたが、自分がちゃんとできなかったから全部ボクが悪いと言ったそうだ。
「ママが作ったシチューやカレーが大好き」という長男。母親が去った感想を検察官が聞くと「我慢できなかった。さびしかったよ。何度も電話したけど全然出ない」と答えたという。
ゴミが散乱する部屋で出来合いのパンやハンバーガー、お菓子を買い与えられる日々。「残っていたご飯を食べようとしたら腐っていた。冷蔵庫もないから」。当時2歳の妹と弟を一生懸命笑わせようとしたが、長女が笑っても、「弟(健太ちゃん)はずっと泣いていた」という。
健太ちゃんの死を目の前にした島村被告は「お前はクビだ」と長男を平手で一発たたいたという。それでも長男は「本当に全部ボクが悪い。面倒みろと言われていたのに、全然お菓子とかあげないで」と母親をかばったという。
なんとも、かわいそうで気が重くなるニュースだ。
子どもを養育する力も無いのに産むだけ生んで!・・・孤独で追い詰められたとは言え・・・いや、この母親についてのコメントは今日のところは控えよう。
問題にしたいのは、「6歳、捨てられてもたたかれても母をかばった」と見る見方である。
「・・・そう言った」事実から「母親をかばった」と結論付ける見方は、子どもを理解しない見方だと思う。
結論的にいえば、この見方は短絡的で間違いではないか、ということである。こう言うタイトルだと、読者の心に響き関心も引くかもしれないが・・・。
「育児放棄」は、ネグレクトという立派な虐待である。幼児期のこういう虐待の場合、長期にわたると子どもの感情や思考を病的にゆがめ、ひいては脳の器質的な変容(脳が縮むなど・・・)までも引き起こす事が報告されている。
そしてこのような場合でも、彼らは親のことを悪く言うことは殆ど無い。虐待されればされるほど、「そうあって欲しい親の姿」を求めるのではないだろうか。
この子は、捨てられても叩かれても、それでも尚母親をかばったのではなく、そう言うことしか出来ないようになっていた、そういう思考パターンが自分を守るために必要なものとして作られていたという事だと思う。早期に丁寧な養育・療育がなされなければ、人格障害を引き起こしかねない状況まで追い詰められていると見るのが妥当ではないかというのが、私の見方である。
児童相談所が専門的に対応するだろうが・・・。
もちろん少年がそこまで追い詰められていない事を望むが、お涙ちょうだい的に扱うのは報道のあり方としてはいかがなものかと思った一件である。
報道に触れたみなさんはどう感じているのだろう。
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2008.08.23 | | Comments(6) | Trackback(1) | ・社会評論Ⅰ
