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NO.821 NHKスペシャル 『セーフティーネット・クライシスII  非正規労働者を守れるか』を観た。

NHKスペシャル 『セーフティーネットクライシスII  非正規労働者を守れるか』を観た。(12.25 動画追加)

番組案内はこちら→http://www.nhk.or.jp/special/onair/081215.html

非正規労働者のセーフティネット-日本とオランダの違い1/3


非正規労働者のセーフティネット-日本とオランダの違い2/3


非正規労働者のセーフティネット-日本とオランダの違い3/3


今や労働人口の34.%%、1770万人が派遣などの非正規労働者。すさまじい派遣切りが横行している。

難点①


 高校卒業以来14年間派遣の現場を渡り歩いたAさん(34歳)は、健康保険も雇用保険もなく路上に放り出された。今、手持ちのお金は?と聞かれ、790円を手のひらに載せる。

 「もう一度普通の生活がしたい。部屋があって、テレビがあって、風呂に入れて、仕事もあって・・・」公衆電話から無料求人誌を片手に電話をかけるが、仕事は見つからない。公園には、同じような青年たちが集まっていた。

 Bさんも、日勤とと夜勤を繰り返す派遣。このごろ結婚したが、夫も派遣。
「子どもを生めば、仕事に就けない。夫の12万ではやっていけない。子どもを抱きたいという夢もなくなっちゃいますね」と言う。

 1995年、『新時代の日本的経営』(当時の日経連)で、日本の企業は基幹部分だけを正社員でまかない、その他は非正規でまかなう方針に切り替えた。その意向を受けた政治が、労働者派遣法を改悪し、1999年の原則自由化、2004年製造業に拡大する中で、急速に非正規が増えてきたのだ。

 しかし、健康保険も雇用保険も正社員を中心に組み立てられたもの。非正規労働者の足元にはセーフティーネットは張られていない。一度職を失うと、文字通り路頭に迷うのだ。

 番組ではコメンテーターのやり取りもあったが。正確にはかけないので、印象に基づいて、部分を記録しておく。


  「じつは欧米諸国でも、厳しい国際競争に巻き込まれた企業が“非正規”社員を増やし、問題となってきた。そんななかヨーロッパでは、企業が望む“非正規”化を進めるかわりに、“非正規”社員の社会保障を充実させる「フレキシキュリティ」という新たな発想が生まれた。企業と労働者が譲り合い、社会保障と経済成長を両立させようというこれまでにない取り組みだ。」(番組紹介より)

 
 オランダではあるトラックメーカーの非正規きりをきっかけに、非正規労働者のセーフティーネットをどうするかが、社会的に議論され模索されてきている。
 そして、非正規労働者にも「同一労働同一賃金」の原則を打ちたて、失業にも最大3年間70%保障をして、職業訓練を充実させてきたという。

 きっかけは、「派遣が貧困の温床となっている」と言う認識から。時の首相が、非正規社員にも公正な立場を保障すべく提案した「非正規労働者に社会保障を与えなければ、派遣を規制する」という問題提起。

 派遣が安いと正規も安い、労働者は訴訟を多発し、派遣の存続そのものが危うくなり、企業側は、「国際競争に勝ち向くためには派遣での調整が必要で、企業とて派遣の存在を守らなければ」ということで、これを受け入れてきたそうだ。「確かに保障もなくきるのは問題だ。社会保障負担はやむをえない」が、企業の結論だった。

 今企業の社会保障負担は、スウェーデン 29.7%、フランス 29.25%、ドイツ 21.8%、イギリス 21.15、 オランダ 20.9%、日本 18.6%、アメリカ 15.9%だそうだ。

 「社会保障があれば、派遣は認める」・・・それぞれの歩み寄りによって成り立った「フレキシキュリティー法」。企業には、派遣を使うフレキシビリティーを、派遣労働者には、賃金、社会保障、職業訓練のセキュリティーを、という合意だそうだ。この方法を社会が受け入れることで成り立っていると言う。

 例えば訓練は、7ヶ月間25万円と交通費を会社が持つと報告されていた。

 翻って、日本のひとつの事例が紹介されていた。若者が、「今度は絶対正規になる」と、非正規にはつかず、弁護士に相談して生活保護を受給しながら、中古のパソコンを手に入れ情報を探すシーンだった。「保護課からは、バイトでのなんでもとにかく就職しろと攻め立てられるが・・・」

 反貧困ネットワークの湯浅氏が、次のように言っていた。
「生活保護があれば、非正規はNO!と言える。セーフティーネットが労働市場の質を変えていく」と。
「安心があって、チャレンジができる。すべての人々が能力を発揮できる機会があってこそ活力は生まれ、経済も発展する。・・・企業は人への投資も必要な投資だと考えるべきときだ。」・・・などなど。

 東大の経済学者が、「リスクに陥っても、社会が救ってくれるという信頼が必要だ」と。スウェーデン語でオムソーリという言葉があるそうだ。福祉や教育や医療などの総称のようだ。その言葉のもともとの意味は、「悲しみの分かち合い」だそうだ。悲しみも喜びも分かち合う社会を、真剣に模索しなければならないと言うことだ。

 ・・・その跡、社会保障財源について、何とか厚労省副大臣が消費税に値上げについて言及していた。湯浅君の反論は切れが悪かったが・・・、まあ、私もこの辺では疲れていてよく聞いてなかった。

 やっぱり日本と決定的に違うのは政治の自覚と役割だ、と言うのが一番の感想。
この国ではやっと腰は上げたものの、わずかに赤チンでも塗るような発想だ、ビジョンがないし、責任感がまったく見えない。
無能な麻生自公政権には、退場してもらわなければ危機は救われない。

 ・・・かなり主観的で、内容も一部だけだが、秘書課広報室からお知らせをいただいていたので、お礼を兼ねて書いてみた。



ちょっと跡で追記:資本と労働とは、原則的には非和解的なわけだが、現実的には妥協しつつ共存しているわけで、そういう意味では、原則的かつ柔軟な考え方が必要かなあ・・・と、オランダの例も見ながら、この記事の追記部分でも振り返ったところでした。 


 
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2008.12.15 | | Comments(6) | Trackback(11) | ・雇用と労働問題Ⅱ

NO.820 「きらっといきる」の思い出。

  ちょっと古いですが・・・。
こうして喜んでいただくともっと知って欲しくなります。。

 もう10年近く前になりますが、NHK教育番組きらっといきる」で陶友の陶芸班の仲間が紹介されました。

2001年10月26日放送(第107回)
「つくっとっと!僕(ぼく)だけの陶器(とうき)~知的障害者(ちてきしょうがいしゃ)の作業所(さぎょうしょ)・工房陶友(こうぼう とうゆう)の仲間(なかま)たち~」


こんな風にして作っています・・・ということで。
こちらからどうぞ→ http://www.nhk.or.jp/kira/04program/04_107.html

 仲間3人と新幹線でNHK大阪放送局まで一泊で行ったものです。今見ると、実になつかしいものがあります。みんな若かった・・・。

 番組は最初は、友さんが中心になる予定でしたが、カメラを回すと余りにも「キャラが立ちすぎ」で、「周りと調和しない、周りがかすみすぎる」ということで、私はとうとう裏方になってしまいました。それ以来、私には主演男優の口は来ません(笑)。

 このときのディレクターI氏は、「人を撮りたい」と言ってNHKに入った大学でたての若者でした。この作品が彼の始めての全国放送作品でした。このシリーズの中でも大変評判が良く(これはNHKライブラリー保存版になりました)、その後彼は本社に行き、「プロジェクトX」の後番組(なんだっけ、ど忘れした,そうそう『プロフェッショナル 仕事の流儀』 )のディレクターとして活躍している。

 私は最初に、「障害者が一生懸命にやってるという絵は、撮らないでくれ。仲間たちをそういう目でとらえて欲しくない。アホで間抜けでどうしようもないもないところもある、普通に俺たちと一緒や、」とだけ注文しました。彼はカメラをいれずに何日も作業所に通ってきた。夕方、ああでもないこうでもないと酒を飲みながら話した日々が懐かしいです。

 NHK福岡放送局の福岡発地域ドラマ「いつか逢う街」の演出を手がけた後、東京に「栄転」でした。

 ここで名前も出ているからいいか。石田涼太郎君。元気かな?
凄く忙しそうで、行き違いばかりだったが、「陶友は自分の原点です。」なんて嬉しいことを言ってくれ・・・、何かにつまづいたときに、時々ふらりと酒を下げてやってきてくれました。色々人生のことを語り合ったものです。ついでに例の「慰安婦報道」も批判したりして・・・。

 そんな中で生まれた「きらっといきる」でした。
・・・ああ、懐古調になってきた。歳かなあ。


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2008.12.15 | | Comments(7) | Trackback(3) | ・仲間とともにⅡ

NO.819 お知らせです。ドキュメンタリー宣言「高知白バイ事故の真相」、無料動画配信中!

 お見逃しの方はこの期間に是非どうぞ!

テレビ朝日「報道発ドキュメンタリー宣言」、無料配信中です。
約45分間です。

アンコール配信動画決定!!皆様からご投票いただいた結果、
今回「なぜ私が収監されるのか 証拠捏造?えん罪の可能性…高知白バイ事故の真相」を
配信することに決定いたしました。下記の期間中、全編ノーカットで無料配信いたします。


<無料動画配信期間>12月15日(月)14時~12月22日(月)24時

こちらからどうぞ→http://www.tv-asahi.co.jp/d-sengen/story.html



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2008.12.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・マスコミ・テレビ・新聞Ⅰ

NO.818 労働組合の出番だ。

 労働組合活動を退いて久しいため、最近の組合事情には疎くなってしまったが。
二つの興味深い記事が目にとまった。

「大企業の非正規大量解雇、許されない」高木・連合会長(アサヒコム)

連合と言えども闘わざるををえない、率直に言ってこういうことかという印象だ。

鷺④

正規と非正規の対立
 1990年代半ばから、企業は経営戦略の中にコスト削減の位置づけを高め、雇用の調整弁として非正規雇用を進めてきた。そのために政治に介入を強めし、労働の規制緩和を進めてきたのである。すなわち労働者派遣法の度重なる改悪を推し進め、1999年には派遣の原則自由化、04年には製造業にも枠を広げた。労働者の3分の2が、派遣や期間と言う不安定労働者が生み出されてきたのだ。

 かつての非正規は、たとえば主婦のパートや出稼ぎなど、不十分ではあるが他に生活基盤を持つ労働が主流であったが、今日のそれは、その立場を失うと明日からは食っていけない労働者であることが特徴となってきた。

 かつては、経営者も正社員は社を支え、家族を支えるものだから「終身」守らなければならないとする「雇用の論理」を持っていた。今日も、形式的には正規社員の雇用は守りながら、一方で準備してきた調整弁のコックをひねり、正社員との矛盾を表面化しないようにしている。

 この路線と協調してきたのが連合の路線だ。この間、非正規を守る取り組みはしてこなかった。

 高木会長は、非正規労働者の解雇について、派遣法改悪などを許してきた責任を認めながら、次のように言う。

「あってはならんことだ。一番頭に来ているのは、トヨタ自動車やキヤノンなど、中小に比べて体力のある大企業が、次々と非正規の人たちを大量に減らしていることだ。満期を待たずに中途解約する例も多い。数カ月の雇用すら継続できないほど、切迫しているのか。御手洗冨士夫・日本経団連会長は会見で「苦渋の選択」と言ったが、「苦渋」の中身が全く伝わってこない。

 非正規の人に対しても、経営者が解雇回避の努力を尽くしたかどうかなど、正社員と同様な整理解雇の原則が適用されるべきだ。ただ、非正規の人たちに自分でそれを交渉せよというのは酷だ。企業の労働組合がそれは言っていかねばならない。自分たちが切られる立場になった時にも同じ武器で闘うのだから。」

 
 実際、この間正規労働者の雇用を守ることが、非正規の拡大につながってきたという構図のなかで、正規労働者と非正規労働者は対立の構図に押し込まれ、正規労働者は公務員と共に「既得権益にしがみつくもの」という激しい社会的指弾を浴びることとなる。

 資本の攻撃の前に、労働者はあえなく分断されてきたのだ。
ではその間正規労働者はどうだったのか?かろうじて雇用は守られたとしても、労働環境どんどん悪化した。職場での責任が増し、労働量は増え、精神的不安定さが増す一方で、労働分配率は抑えられ、収入はいっこうに増えないどころか減ってきている。正社員が、政府と会社の雇用政策と連合にも守られていると信じてきたら、その間に労働条件はどんどん悪くなってきた。その正社員の労働条件の悪化が、非正規社員の労働条件のさらなる引き下げに利用されてきた。

 「正社員でさえももこれだけ厳しいんだから、非正規の雇用条件が下がるのは仕方がない」・・・分断は、こうして切り下げ競争に利用されてきたのだ。正社員が経営者に同調することに自らの保身の道を見出す中で、非正規社員を負け組として突き放してきた結果は、自らの足元を切り崩すことであった。分断と対立はお互いを不幸にしてきたのだ。連合は、この分断支配に協調してきたといわなければならないだろう。

 今回の高木会長の発言は、こうした過ちを認めたものとして評価できる。
だが、実際の春闘方針は心許ない。
8年ぶりの、賃上げ要求を掲げ、正社員とパート賃金アップと掲げて「賃上げも雇用も」が当然で、「優先順位はつかない」と言うが、激しい派遣切りの嵐の中で 「派遣切りをやめよ!」と正面から掲げて動いている様子は見えない。

――労使協調路線の浸透で本当の意味で闘えるのでしょうか。

 今は経営側に「色々言っているが、突っぱねていれば息切れして妥結する」と高をくくられている。正社員がそこまで追い込まれていないのか、論理的にも経営側に飼いならされたのか。嫌がることもやらないのに組合の主張をのませることはできない。

とは言うが・・・。

 そうした中で、単産は・・・。
正社員賃上げ原資、非正規に回せ 全国ユニオン春闘方針(アサヒコム)

 連合傘下で、非正社員らが個人でも加入できる労働組合の全国組織「全国コミュニティ・ユニオン連合会」(全国ユニオン=組合員数約3300人)が13日、09年の春闘方針をまとめた。相次ぐ「派遣切り」など非正社員の人員削減に対抗するため、正社員と非正社員の共生を目指す「緊急ワークシェアリング」を掲げ、「正社員の賃上げ原資を非正社員の雇用確保に充当する」ことを求めていく。

 新たなパイの理論と言うべきか。混迷は続いているようだ。

 見過ごすことのできない矛盾が噴出す中、労働組合のあり方もまた問われている。試行錯誤が続くとはいえ、労働組合の出番であることは確かだ。

追記(12・15夜):以上書いておいたら非国民通信さんから「微妙な見出し」というTBをいただいた。

 で、「正社員賃上げ原資、非正規に回せ」だそうです。この見出しではあたかも、非正規雇用中心の労組が財界や御用学者の主張するところに従って、会社の取り分は聖域として手を出さず、代わりに隣の正社員に八つ当たりを始めたかのような印象を与えてしまいます。私が日頃から、そういう事態を懸念していたが故に、過敏になってしまっただけかも知れませんが。新聞記者の意図はどうなんでしょう。まぁ今回はあくまで原資は雇用側に求めるわけで、普通の正統派路線です。賃上げの代わりに休暇が増えるなら、正社員にも悪い話ではありませんし。そもそも、元が働き過ぎなんですから。

と言う趣旨。

 ん~~ん、なるほど。私の読みが、ちょっと硬直しすぎていたかもしれない、現下の情勢で正規・非正規の団結を追求する柔軟な要求の立て方と評価するのが妥当だろうか。


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2008.12.15 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・雇用と労働問題Ⅱ

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