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NO.1976 「この1年間はいったいなんだったのかという腹立たしい気持ちでいっぱいです。」障害連 声明

 「障害者基本法の改正について(案)」に対し、重い障害のある当事者の団体が「この1年間はいったいなんだったのかという腹立たしい気持ちでいっぱいです。」と、声明を出しました。

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 障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)は、「障害連は障害の重い人たちが社会の中で人間としての尊厳をもって生きていけるように、
権利と制度基盤の確立を求め運動をしている当事者団体です。
そして、重度の障害者が地域社会で自立生活を送ることができるように応援しています。」

2011年2月17日
障害者基本法改正案に関する声明

障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)
代表 伊藤雅文
事務局長 太田修平



 私たち障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)は、この40年近く、全国の全身障害者を中心とする人たちの権利と生活確立に向け、運動をしてきました。今なお施設で暮らしている仲間や、親元で暮らしている仲間も多くいます。

 障がい者制度改革推進会議はこの1月、第二次意見書をまとめ、差別禁止や障害者の権利の確立、そして谷間をつくらないために、障害の定義を抜本的に見直すなど障害者基本法の改正への提言を、国連の障害者権利条約の批准に向けて、行いました。

 しかし2月14日開催された第30回障がい者制度改革推進会議において、内閣府から発表された「基本法改正概要イメージ」は、差別禁止規定の差別の定義も盛り込まれず、また諸権利の規定も不明確で、障害の定義もほぼ現行通りのものになっていて、到底障害者権利条約の批准に耐えられる内容にはなっていません。私たちは大きな期待を持って、この1年間推進会議の議論を見守ってきました。この1年間はいったいなんだったのかという腹立たしい気持ちでいっぱいです。

 長妻前厚労大臣は、「制度の谷間をつくらない新法をつくる」と明言されていたはずです。にもかかわらず、障害の定義を見直さないとしたら、谷間に置かれた障害の問題の解決は行わないことを意味しています。

 冒頭にも申し上げたように、私たち障害連には施設で暮らしている仲間が多く、無権利の状況に置かれ、個人の尊厳を踏みにじられた生活を余儀なくされている現状がたくさんあります。

 残されている時間は決して多くないかもしれませんが、推進会議の構成員の皆さま、国会議員の皆さま、政府の皆さま、すべての関係者の皆さま、障害者基本法改正が、第二次意見書にしたがって、障害者権利条約の精神が盛り込まれた内容のものとなるように、一層のご尽力をお願い申し上げます。

 
【加盟団体】

船橋障害者自立生活センター
東京清瀬療護園自治会
全国頸髄損傷者連絡会
仰光会
東京都日野療護園入居者自治会
しののめ会
心の灯
静岡障害者自立生活センター
全国脊髄損傷者連合会
どろんこ作業所
東京都多摩療護園入居者自治会
療護施設自治会全国ネットワーク
スタジオI
ピアサポート八王子
特定非営利活動法人 たんぽぽ

【事務局】〒101‐0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8武蔵野ビル5階
   TEL:03-5282-0016 FAX:03-5282-0017

URL:http://shogairen1976.hp.infoseek.co.jp/



 改正案が提示された14日の推進会議や、翌15日の第12回総合福祉部会のレポートもお読みください。(改行等、多少編集しています。)

No.205 2011.2.14(月)

大きく後退
―基本法改正案概要イメージ出る、第30回推進会議―

第30回推進会議、2月14日(月)行われた。冒頭、内閣府の政務官についた園田氏から「これまで民主党の障害者PTの事務局長としてやってきた経験を生かし、いい基本法改正となるように頑張っていきたい」と挨拶があった。

園田政務官の退室の前に森委員が発言し、「2009年に前の与党時代、障害者基本法改正がされようとしたが、権利条約にいう合理的配慮の概念や、差別禁止法への道筋が必要だとして、JDFは見解を明らかにした。今回の改正案が当時のものを下回ることはないのか」と質問した。

 これに対し園田政務官は「そのようなことはない」とした上で、「今日が議論の出発点であり、今後推進会議の議論を政府三役が反映させ、さらには国会での議論となる」とした。

 次に、内閣府斎藤企画官から改正案概要イメージの提起。多くの委員からは「前文がない」「障害の定義が従来通り」「合理的配慮の欠如がない」「差別の定義が曖昧」「権利を具体的に規定していない」「共生は盛り込まれたが、漠然となっている」などの批判的意見が出された。

内閣府の斎藤企画官はそれらに対し「前文は国民の総意なので、国会で議論するもの」「差別禁止については差別禁止部会で今やっているので、議論の途中である」「合理的配慮の概念については盛り込んだ」などなどと答えた。しかし、圧倒的多くの委員は、これらの回答に納得しなかった。

また、「可能な限りどこで誰と住むか…」という書きぶりが多く目立ち、「可能な限り」については削除してもいいのではないかというのが会議での全体的合意となっていった。

各則では、「インクルーシブ教育についての考え方が明確に示されていない」や、職業においては、「障害者の適正な職種」という考え方はもう古い、さらには精神障害者の強制入院や強制医療を禁じていない、などなどが次々と出されていった。

 さらに、情報保障、非音声言語の言語化について斎藤企画官は基本法では必要ないとした。

 年金等の項目では、「社会参加のため」という理由も付け加えるべきだという意見があった。

 最後に、推進体制の議論に入り、「障害当事者の委員を過半数にすべきだ」との意見に対し、斉藤企画官は「他の審議会などでは例がない」と答えた。また、「市町村についても必置義務にすべきだ」など意見や、総理大臣等の“応答義務”も不明確、などといった発言が出た。

 改正案の中にどれだけ推進会議の意見が、盛り込まれていくか、今後の折衝と運動にかかっている。1年間推進会議で議論してきたものが、どんどん薄められていっている。議論の出発点は、障害者権利条約を批准することにあった。それが今、「権利という用語を入れる場合はどの程度のコストがかかるか、国民的合意が必要だ」という議論になってしまっている。本末転倒である。

 この間の後退につぐ後退は、各省庁の抵抗が強かった、という憶測もあり、真実味を帯びている。

 これから総合福祉法、差別禁止法という改革を行っていかなければならない。それらを目の前に、基本法改正を障害者権利条約の理念に照らし合わしていくものにしていくことが、障害者政策にとって重要な意味を持つ。



No.206 2011.2.15(火)

基本合意を忘れたか
―第12回総合福祉部会、厚労省コメント出す―

昨日に続き重苦しい雰囲気。2月15日(火)、第12回総合福祉部会が行われた。

今日から第2期作業チームに入った。それに先立ち、第1期作業チームの報告書に対する厚労省からのコメントがあった。

コメントしたのは障害福祉部中島企画課長で、総論と各論があるが、この日口頭説明したのは総論部分が中心。

「新法の制定にあたっては他法との整合性や均衡が必要ではないか」「また他の分野では権利法というのはなく、障害者だけが権利法というのはいかがなものか」「財源が限られているなか、その使い道について国民の理解が必要とされているのではないか」「地方分権という国の大きな政策の流れを考えていかなければならない」などと述べ、多くの予算がかかる仕組みについては否定的な見解を示した。

 さらには、障害の定義について機能障害を重視し医学モデルの域を越えない考え方を示した。もし、このままでいけば制度の谷間にある障害の問題は解決しないことは明らかである。


佐藤部会長はこれらのコメントを受けて「大事な指摘と同時に“改革”する考え方が薄い」と発言した。

 また、「自立支援法訴訟の基本合意が交わされているにも関わらず、国の責任というものが明らかにされていない」という意見や、「財政が厳しいと言いながら、精神病院には多くの金がかけられている」などの発言が相次いだ。

これらの委員からの質問に対し、3月15日の次回までに厚労省は文書で回答することとなった。

 昨日の推進会議で、基本法改正で前文をつけなくて良い、また権利規定を設けない、さらには障害の定義をほぼ現状のままで良いとすることなどが内閣府から明らかにされたが、この日の総合福祉法をめぐる議論によって密接な関係が浮き彫りになったのではないか。

 政府・厚労省は、自立支援法訴訟団と基本合意を結び、基本合意の中で、自立支援法について障害者の尊厳を深く傷つけたことについて深く反省し新法をつくる、と明言した。だから今、推進会議での議論があり、総合福祉部会があるのである。またもや、厚労省はその原点を忘れようとしているのか、それとも基本合意自体をホゴにしようとしているのか、という疑いたくない疑いを持たざるを得ない。

次回3月15日(火)。



 
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2011.02.22 | | Comments(1) | Trackback(1) | ・障害者基本法改定問題

NO.1975 障害者権利条約批准には到底及ばない内容  障全協が基本的見解

 14日発表の「障害者基本法の改正について(案)」について関係団体からの厳しい批判・見解が相次いで発表されています。

 改正案は「わかりにくい」と多くの人から聞かれます。確かに法律の文言や表現は一般的にそういう傾向がありますが、敢えて言えば、わかりにくいところにその精神が見え隠れするというものです。「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という切なる願いが出発です。私たちの代表も参加し話し合いが始まりましたが、法案の内容が私たちにわかりにくいということ自体が、問題の所在を暗示してしているのではないでしょうか。・・・ともあれ、みんなで学習!

障害者基本法改正案に対する基本的見解
2011年2月18日
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会


 本年2月14日、第30回障がい者制度改革推進会議において、内閣府より「障害者基本法改正案」が提出されました。国連・障害者権利条約の批准に向けた最初の法改正であり、来年予定されている新法(障害者総合福祉法-仮称)制定にも大きく影響する法改正であるだけに、関係者の期待と関心をあつめていました。しかし、提出された法案は、推進会議の第二次意見を具現化する努力も認められず、なによりも条約批准には到底及ばない内容といわざるをえません。

 私たち障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)は1967年12月の結成以来、「生きる権利」・「学ぶ権利」・「働く権利」・「政治参加の権利」の4つの権利の旗を高く掲げながら、権利としての施策の拡充を訴え続け、運動をすすめてきました。国連・障害者権利条約の発効は私どもの結成目的とも合致し、心から歓迎するとともに、この条約の批准を行うことで、わが国の障害児者に関する諸制度の水準が限りなく改善されていくことを強く望んでいます。

 新政権樹立後、障害者・家族、関係者の願いや声を真摯に反映させながら、新たな制度づくりをすすめるために設置された「障がい者制度改革推進会議」や「総合福祉部会」での議論に、私たちの声を地域からも反映させるべく努力を行ってきました。

 今回の障害者基本法改正にあたっては、現行法が「この法律は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を増進することを目的とする。」(第1条:目的)とされながら、この法そのものを訓示規定同様の扱いとし、法の精神を軽視してこれまでの障害児者施策が展開されてきたことからいえば、まずは条約の趣旨に沿って、実効性のある法律とすることが不可欠であると考えます。

 しかしながら、改正案は、「権利法としての位置づけは不明確となっている」「障害の定義が従来通りであり、社会モデルやICFモデルの位置づけとのかい離があり、社会的障壁としてくくられている」「差別の定義が不明確で、合理的配慮の欠如が包含されていない」「障害のある女性の規定が組み込まれていない」「障害者政策委員会や都道府県の合議体の機能や役割が不明確」など、第二次意見はもちろん、私たちが願う権利法としての位置づけからもかけ離れたものとなっており、権利条約の批准すら曖昧にされかねない内容といわざるをえません。しかも、同改正法の上程を含め、短期間で結論が求められることは、この間の障害者団体と協力・共同で新たな制度をつくろうという趣旨からも大きく逸脱しているといわざるをえません。

 改めて、当該法改正の趣旨を想起し、「私たち抜きで私たちのことを決めないで」との思いを踏みにじることないよう、真の声を生かした法づくりをすすめられることを強く求めるものです。

 なお、私たち障全協が昨年2月に要望した事項を再掲させていただくとともに、これら事項を今回の改正案に反映して頂くよう、あらためて強く要望します。


【障害者基本法改訂に関する要望】(中間的要望)

1、障害者権利条約の批准を視野に、新たな障害者・児の権利保障を促進するための法として抜本的な再整備を行うこと。
2、「基本法」という性格と法的位置づけ(他の関連法規との関係)について明確にすると同時に、司法救済の具体的な権利として明記すべきであること。併せて障害者に関する法規・施策は、条約の規定に沿った新法の規定に従って制定・実施されなければならないという趣旨を明確に規定すること。また医療・福祉・教育等の制度横断的に総合的保障が行えるようにすること。
3、「障害」の定義は、障害者権利条約の規定を考慮し、障害が態度及び環境の障壁との相互作用から生じるという観点を含め、障害名の列挙規定を行わないこと。
4、差別の定義については、直接差別、間接差別、合理的配慮の欠如、差別の積極的是正措置等に言及すること。
5、障害者基本法に規定されていない事項について、規定を追加すると同時に、同法で規定されている事項で適切でないものについて抜本的見直しを図ること。
①「障害のある子ども(障害のある児童)」の条項を新設。
②「教育」における「インクルーシブで質の高い」教育保障などの責任の明確化。
③「障害者への医療」保障の明確化。
④総合的障害者実態調査の新設(個別団体調査の位置づけも明確に)
⑤政策・計画策定への当事者参加の明確化。
6、障害者施策の策定とその評価は、一般国民との比較可能な障害者の生活実態調査をふまえて行われるものとすることを法律上明記すること。


 
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2011.02.22 | | Comments(1) | Trackback(0) | ・障害者基本法改定問題

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