NO.1985 子どもに幸せか、子どもにシワヨセか?!待機児童過去最高。
保育所の待機児童の数が過去最高4万8356人。
厚生労働省「保育所入所待機児童数」(平成22年10月)
01年に保育ママなどの無認可の保育事業を利用している子どもを待機児童の集計から外すようになったから、実際にはカウントされない待機児童(保育所を必用として利用できていない)は、無認可保育所利用者なども含めれば数十万人いるといわれている。厚生労働省はこの度、平成22年10月1日の待機児童の状況を取りまとめましたので公表します。
【待機児童状況のポイント】
○保育所入所待機児童数は48,356人で昨年に続き増加
平成22年10月の待機児童数は前年同月より2,298人増加した。
○平成22年4月の待機児童数26,275人から、22,081人増加(1.8倍)した。
※平成21年の待機児童数は4月の25,384人から10月は46,058人へ増加し1.8倍、平成20年の待機児童数は4月の19,550人から10月は40,184人で2.1倍であった。
東京都が最多で1万1499人。沖縄県が2695人・・・。
横浜市2493人。名古屋市1766人、川崎市1692人、札幌市の1384人・・・。
政府の政策は?
「お金をかけずに規制緩和して、子どもにしわ寄せを!?」である。
大臣:「国と自治体に責任の無いシステムに変えて、企業に参入してもらおう」
官僚:「そのためには、規制を緩めましょう。補助金の使い方も自由にさせましょう」
企業:「よし!それなら参入できるぞ」
ま、詳しく見て見ましょう。
先ずは、上辺だけの新聞報道から。
保育所の待機児童数が最多に 10月現在4・8万人2011/03/08 17:41 【共同通信】
認可保育所への入所を希望する待機児童が2010年10月現在で4万8356人に上り、現在の方式で統計を取り始めた01年以降で最多となったことが8日、厚生労働省の調査で分かった。
19の政令指定都市で全体の30%以上を占めるなど、都市部への集中傾向が続いている。厚労省保育課は、過去最多を更新した原因について「不況の影響で、育児休暇を早く切り上げて職場復帰したり、専業主婦が働かざるを得ないケースが増えた」と説明している。
同省によると、09年10月は4万6058人だったので、前年同月比で2298人増。現行の調査が始まった01年同月と比べ、1万1165人増えた。
政府は保育所の増設を進めているが、「保育所の整備が進む一方で、新たな保育需要が掘り起こされ、供給が追いつかない」(厚労省保育課)のが実情。
10年4月時点と比較すると、1・8倍の2万2081人増。例年、10月現在の待機数は、春以降の出生などを反映し4月時点の2倍前後に増える傾向がある。
政令市や中核市を除く都道府県別では東京都、沖縄県、埼玉県と続いた。政令市別では横浜市が最も多く名古屋市、川崎市なども多かった。
富山、石川、福井、山梨、長野の5県は中核市も含め、待機児童がゼロだった。
「政府は保育所の増設を進めているが、『保育所の整備が進む一方で、新たな保育需要が掘り起こされ、供給が追いつかない』(厚労省保育課)のが実情。」なんて全くのウソ! 政府の言い分を鵜呑みして実態を検証しないメディアのいい加減さ!
結論的に言えば、
①深刻な事態の背景には、自公政権が認可保育所の増設をサボり、予算をカットし定員を超えた子どものつめこみや認可外保育サービスなどで乗り切ろうとしたことが背景にある。
②ところが、「チルドレンファースト(子ども第一)」を掲げて政権の座に着いた民主党が、頂けない。
保育面積や保育士配置など国の最低基準自体の引き下げも検討し「規制緩和」しようとしている。
③公共施設活用による臨時保育所設置などの緊急措置とともに、根本的には認可保育所の抜本的増設以外に道は無いのだ。
更に詳しく見ておこう。
深刻な事態が起きたのはなぜか?
歴代政権が、認可保育所を作らず、補助金をカットし、定員以上に子どもを詰め込むなどの「規制緩和」で対応してきたからだ。下表を見れば明らかだ。

2001年からの5年間で増えた保育所利用者数は16万5484人だが、なんとこのうち16万人以上が、定員超過の詰め込みによるものだという。
自民政権下の80年代に「定員弾力化」ははじまった。
小泉政権は、「待機児童ゼロ作戦」をかかげて、毎年、10月以降は上限なしに受け入れることを許容。
民主党政権は、それを改めるどころか、上限をすべて取り払った。
一方で、国は保育所運営費への国庫負担を削り、自治体の保育所建設を難しくしてきた。
70年代は、「ポストの数ほど保育所を」の運動と共に、10年間で8000カ所近く増設された認可保育所だが、01年からの10年間は854カ所しか増えていない。
民主党政権の「新システム」で改善できるのか?
民主党政権の「子ども・子育て新システム」は、 幼稚園と保育所を一体化して新しく「子ども園」をつくるというもの。しかし「子ども園」には、待機児の8割以上を占める0歳~2歳児の受け入れは義務付けないので、待機児童解消の見込みは全くない。
現行制度では、保育所を探す時は、複数の入所希望先を書いて市町村に申し込み、市町村が入所先を決めている。
新システムでは、市町村に保育の実施義務がなくなるため、保育所を探すのも契約するのも保護者の自己責任となる。子どもを抱えて自分で探し回れということだ。
親にとっては、「保育所に入れないのは市場の契約で外れたので仕方ない」(スーパーに米を買いに行ったら売り切れだった)となり、市町村にとっては待機児童を把握する責任も。それを解消する責任もなくなってしまう。つまり、行政から見れば「待機児童はなくなった」ということになるのである。
とんだ待機児童ゼロ作戦である。
さらに、新システムは、営利企業の参入拡大によって待機児童を解消しようとしている。
参入を促すために、保育であげた利益を他事業に回せるようにする。保育事業は人件費の割合が高いので、真っ先に人件費が削減されるだろう。保育労働者の今以上の低賃金・非正規化が進む。
保育施設での死亡事故が増えているが、利益追求で経験不足やモラル低下がおこり、事故が急増するだろう。保育の質を下げないで、認可保育園と正規の保育士を増やし、子どもの安全を守るのは最低限の願いである。
★こちらも参照→http://bit.ly/gknEOM (「よりよい保育を!実行委員会」のわかりやすいビラです)
認可保育所の増設は急務
日本共産党は待機児童解消には認可保育所の増設こそ必要だと要求し、各地で変化をつくりだしている。
ワーストワンの東京都。ここでも小池あきらさんの知事当選が望まれます。東京都知事選に立候補を表明している小池あきら政策委員長は昨年3月の国会で、用地難解消のために未利用国有地を低価格で譲渡、賃貸するよう求めました。東京23区だけでも東京ドーム約130個分の利用可能な国有地があることを示し、政府に「前向きに検討する」と答弁させました。世田谷区では今春、国有地に2カ所の開設が決まりました。
4月に保育所18カ所が新設される神奈川県・川崎市。党市議団は、議会のたびに増設の規模とテンポの引き上げを求め、市の増設計画をリード。福岡市では、党市議団と住民要求で市の姿勢を変えさせてきました。11年度の予算には、定員1100人増の予算が計上されました。
日本共産党は、国の責任を明確にした「保育所整備計画」をつくり、当面1年間で10万人分、3年間で30万人分の保育所を増設することを提言。
年間10万人分の保育所建設、保育士の待遇改善などに必要なのは4000億円です。米軍への「思いやり」予算など年間5兆円近い軍事費のごく一部をあてるだけで可能です。
★今日のつぶやき→http://twilog.org/oowakitomosan
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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済
2011.03.09 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・子どもと福祉・保育・教育
