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NO.2622 歴史改ざんの亡者たちと慰安婦問題 クリントンの「性的奴隷」発言と日本政府

 問題が「根深い」のは、歴史の事実を直視し真摯に反省しないからだ。

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 先だって開かれた元朝鮮人従軍慰安婦を撮影した名古屋市在住の韓国人写真家安世鴻(アン・セホン)さんの東京のニコンサロンでの写真展では、何らかの力が働き、ニコン側がいったん写真展の中止を表明する事件が起きた。結局は裁判所の仮処分もあり、妨害もありながらも「表現の自由」は守られ写真展そのものは開催されたのだが・・・。

 ここに来て、政府外務省が関る問題が起きている。
アメリカのクリントン国務長官が3月の韓米外相会談で慰安婦について「強制された性奴隷」と発言したと報道されたことに対して、玄葉光一郎外相が米側に「『そういった言葉は違う』という」と発言したそうだ。
 言葉の問題ではない。言葉としてもクリントンの表現は正確だろう。アメリカ言いなりの政府がこういうことにはモノ申すというのも、滑稽ではある。

米国務長官発言は確認中と玄葉外相=韓国紙報道、慰安婦は「性的奴隷」(時事通信)

 玄葉光一郎外相は10日午前の参院予算委員会で、クリントン米国務長官が旧日本軍の従軍慰安婦を「性的奴隷」と表現するよう部下に指示したとする韓国紙報道について、事実関係を確認していることを明らかにした。自民党の川口順子元外相への答弁。
 外相は、米国務省と外務省の間で「性的奴隷」という表現は使ってないとし、「仮にそうであれば、これまでの首相のおわび表明、(元慰安婦支援の)アジア女性基金などの取り組みを説明し、『そういった言葉は違う』と言う」と語った。
 9日付の朝鮮日報(電子版)によると、クリントン長官は先ごろ、国務省高官との会話の中で「慰安婦という言い方は間違っている。彼女たちは『強制的な性奴隷』だった」と述べたとしている。 (2012/07/10-10:14)

 関連する報道は以下の通り。
慰安婦問題は深刻な人権侵害=米国務省 (中央日報2012年07月10日17時05分)

【ワシントン聯合ニュース】米国務省のベントレル報道部長は9日の定例会見で、第2次世界大戦中の日本軍の従軍慰安婦問題について「深刻な人権侵害だ」として遺憾の意を表明した。

 ベントレル報道部長は、同問題に関する聯合ニュースの質問に対して「第2次世界大戦当時、慰安婦女性に起きたことは悲惨だったと言える」と答えた。また、同問題に対する米政府の立場は深刻な人権侵害だということだと強調した。

 ただ、クリントン国務長官が3月の韓米外相会談で慰安婦について「強制された性奴隷(enforced sex salves)」と表現したとされることについては「確認できない」と述べた。

慰安婦:クリントン長官「性的奴隷と表現すべき」(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版)

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クリントン米国務長官

 旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、クリントン米国務長官(写真)が「慰安婦(comfort women)」という言葉の代わりに「強制的な性的奴隷(enforced sex slaves)」という表現を使うよう部下に指示していたことが、8日までに分かった。

 ソウルの外交筋によると、クリントン長官は先ごろ、米国務省の高官から韓日の歴史問題について報告を受けた席で、同高官が「日本軍慰安婦」という表現を使うと「慰安婦という言い方は間違っている。(日本により動員された)彼女たちは『強制的な性奴隷』だった」と述べたという。この高官はその後、性奴隷という表現を使って報告を続けたとのことだ。

 米国はこれまで、韓日の歴史問題に介入しない姿勢を貫いてきた。非公式の場で出たものとはいえ、クリントン長官の今回の発言は、日本政府は慰安婦問題に対する姿勢を変えるべきだという考えの表れとみられる。

李河遠(イ・ハウォン)記者


 日本軍の従軍慰安婦に関する見解は、1993年の河野官房長官談話が、その到達点だ。これとて不十分とは思うが・・・。

慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話

平成5年8月4日


 いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。

 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。

 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。

 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。

 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

 なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。


 侵略戦争とその過ちを認めない歴史ねつ造者たちは、あくまでもこの非道な人権蹂躙の事実を認めようとはしないようだ。しかし、クリントンが言うまでもなく、これは歴史の事実である。

 アメリカでは、学生たちが一番多く学ぶ世界史教科書に、日本軍が当時慰安婦たちを強制動員したと明示して、次の世代に伝えているそうだ。
 「性的奴隷」以外の何物でもないことは世界の認識である。

世界史教科書「日本軍、慰安婦強制動員し、日王の贈り物として提供」と記載

(前略)・・・アメリカ国内の数千校で世界史教科書として使われる「伝統と出会い:過去に対する世界的 展望(Tradition & Encounters: A Global Perspective on the Past)」には慰安婦問題が 比較的詳細に記述されており、日本軍が最大 30万人に達する女性たちを「強制的に組成徴集して(行為を)強要した(forcibly recruited、conscripted、and dragooned)」と銘記 されていることが分かった。

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当時の慰安婦たちの写真まで載せたこの本は、続て「14~20歳の女性たちが`慰安所'と呼ばれる売春施設で性行為を強要された」と明らかにした。日本軍は慰安婦たちを「天皇の 贈り物と言いながら兵士らに提供したし、彼らは韓国と台湾、満州、フィリピンなど東南 アジア各国から(つれて)来たが、80%が韓国出身だった」と同書は記述している。

同教科書はまた強制動員された慰安婦たちが「毎日20~30人の男たちの相手をしなければならず、戦争地域に泊まっていたため、兵士らとまったく同じ危険に晒されて戦争で命を 失った人も多かった」と書いた。

慰安婦たちは「特に逃げようとしたり性病にかかった場合、日本兵士らによって殺された し、戦争が終わる頃には兵士らがこれを隠蔽するために慰安婦たちを大挙虐殺した」と同 書は明らかにした。日本軍が慰安婦を置き始めたのは、南京大虐殺のような不祥事を阻む ためだったし「日本軍はそのような蛮行を避けようと、もう一つの戦争の恐怖を作り出し た」と背景を指摘した。

同書はこれと共に「戦争で生き残った慰安婦たちは深い羞恥心で過去を隠し、家族からさ え村八分にあった」「彼らは戦後も慰安や平和をほとんど得ることができなかった」と痛 みを表現した。・・・(後略)


参考:以下のブログに詳しいので、一読をお薦めします。
「従軍慰安婦」は「慰安婦」ではなく、まさに「強制的な性的奴隷(enforced sex slaves)」だ(Everyone says I love you !)

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 (前略)もう一度言いますが、日本国内の赤線の公娼でさえ、法的に言えば強制的な性的奴隷です。ましてや、「従軍慰安婦」の方々が、強制的な性的奴隷であることは反論の余地がないのです。

 上記の国連人権委員会の最終所見では、日本政府に対し、法的責任を認め、被害者の多くに受け入れられ、その尊厳を回復するようなかたちで無条件の謝罪を行うこと、すべてのサバイバーに権利の問題として適切な補償を行うため法的および行政上の手段を速やかにとること、生徒および公衆に対する教育を行うこと、被害者を貶めたり事実を否定する企てに対し反駁し制裁を科すことを勧告しました。

 玄葉外相が「従軍慰安婦」の性的奴隷性を否定しようとするならば、国連人権委員会に言わせれば、「被害者を貶めたり事実を否定する企て」であって、政府はこれに対して「反駁し制裁を科す」べき行動なのです。(後略)




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2012.07.11 | | Comments(3) | Trackback(1) | ・歴史改ざん許すな

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