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NO.997 内需のカギ「雇用も賃上げも」  山家悠紀夫さん 。

 潮目が確かに変わる報道(NO.996 トヨタ九州 派遣1000人直接雇用へ 更に世論で追い詰めよう。)の次は、しつこく財界大企業の責任に触れるエントリーです。

 山家悠紀夫さんが「内需のカギ『雇用も賃上げも』」と題して、非常に分かりやすい語り口で内需拡大のために何が必要か、話してくれています。これは必読です。「赤旗」より全文転載で紹介します。 

        早春 005

内需のカギ「雇用も賃上げも」山家悠紀夫さん (「暮らしと経済研究室」主宰)に聞く(2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」)

 急激な景気悪化のなか、「外需頼み」から「内需主導」への転換は、切実な課題となっています。では、内需拡大のために何が必要なのか。何をやってはいけないのか。「暮らしと経済研究室」を主宰する山家悠紀夫さん(元第一勧銀総研専務理事)に聞きました。

山家さん

 やんべ・ゆきお
1940年生まれ。第一勧銀総研専務理事、
神戸大学大学院経済学研究科教授を経て、現在、「暮らしと
経済研究室」を主宰。著書に『「構造改革」という幻想』『景気
とは何だろうか』『暮らしに思いを馳せる経済学』など。
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増やすべきは個人消費
 いまなぜこんなに景気が急激に悪くなっているかといえば、アメリカの景気が悪くなって、輸出ができなくなっているからです。

誰も異論ない拡大
 輸出頼りだったということは、裏返せば、内需が弱いということです。アメリカ頼りでは、いつまでたっても景気はよくなりません。内需をなんとかしないといけないと、政府も財界もいいます。内需拡大にはだれも異論がありません。

 内需で大きいのは個人消費と設備投資です。物が売れないときに、設備投資は伸びません。比重が圧倒的に大きく、増やさないといけないのは個人消費です。内需拡大とは、すなわち消費拡大だということです。

 国内総生産(GDP)に占める個人消費の比率は55%、輸出は16%です。だから、消費を1%増やせば、輸出が3%落ち込んでもカバーできます。消費を3%増やせば、輸出が10%落ち込んでも大丈夫なんです。

 個人消費は、小泉内閣いらいの「構造改革」で、ずーっと伸びていません。その背景には、所得の伸び悩みがあります。景気が良くなっても賃金は上がらず、派遣など賃金の安い非正規雇用が増えていきました。

 個人消費を拡大するには、家計の所得を増やすことです。所得を増やすには、賃上げをしないといけません。雇用を維持しなければいけません。首切りをどんどんやったら、所得ゼロの人が増えます。雇用のなかでも、非正規ではなく、もっと安定し賃金も高い正規社員を増やしていかないといけません。

大企業の蓄え十分
 ここまでは、だれも、そうだとなるでしょう。問題は、ここから先です。じゃあ、どうやって雇用を維持するか、賃金を引き上げるか。大企業の側は、景気が悪くなって利益が減っているから、賃上げはできないという。「ワーキングシェア」といっても、労働を分かち合うのではなく、賃金を下げて雇用を維持するのでは、所得は増えません。労働者のなかで、分配を変えるだけですから。

 大企業の利益が減ったといっても、2006年度、07年度に、ものすごく利益を出しています。その半分になっても2000年前後の水準です。

 それと、内部留保をため込んでいます。たとえ赤字決算になっても、つぶれるわけではありません。蓄えは十分にあるという状態です。

 減っても利益があればそこから、利益がなくなっても蓄えを取り崩せば、雇用維持や賃上げに回せます。

 家計から企業に移った所得のシェアを、少し家計の方に戻すことによって消費は増えます。景気が底支えされれば、企業の利益もむやみに減ることはありません。むしろ、長い目でみれば、増えていきます。だから、企業のためにも、いまはたまっているお金を出してでも、ちゃんと家計の所得を増やすことが大切です。

10年の変化

使い道のない内部留保
 大企業の内部留保がどうなっているかというと、大企業としても使い道がないんですね。設備投資に回しても余りが十分にある。使い道がないから、資金運用という形で、お金に稼がせています。しかし、それも、いまは行き先がなくなっています。アメリカは景気が後退し、ほかの国も成長率が低下していますから、海外での投資機会がありません。だから、ほんとに日本の大企業は内部に蓄えたお金の使い道がないのです。

 その内部留保を、賃上げ、正社員化という形で、国内にまわせば、それが家計所得になり、消費になって、企業の売り上げとなり、利益となってはねかえってきます。どんどんいい循環が生まれると思います。

解雇は最後の最後
 ほんとは、日本経団連あたりが音頭をとったらいいんです。企業としては、日本経済を守るために、あるいは自分たちの企業の未来を明るくするために、内部留保を取り崩してでも、雇用を守り、賃上げをやると宣言する。トヨタ、キヤノン、ソニーなど世界的な企業が率先してやる。そんなリーダーシップがあっていいと思うんですね。

 トヨタの経営者も一昔前は「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」(奥田碩トヨタ自動車会長=当時、月刊誌『文芸春秋』1999年10月号)と言ったものです。

 企業が首切りするのは、ほんとに最後の最後でした。利益がなくなったというのではなく、蓄積もなくなり、これをやらないと企業がつぶれるという段階で、はじめて雇用に手をつけたというのが日本の企業の主流でした。雇用は、政府統計でも遅行指数といって、景気が悪くなってから、遅れて雇用が悪くなったものです。

始まりは雇用悪化
 ところが、今回特徴的なのは、まず雇用が悪くなることからはじまったことです。景気が十分悪くなっていないうちから、どんどん雇用が切られています。それが、景気を悪化させ、雇用をさらに悪化させる。悪循環です。

 企業は株主配当を、ここ10年でおよそ3倍に増やしています。株主を重視し、短期の利益を求める。配当を増やすためにも、まず雇用から手をつけ、人件費をカットする。企業の行動が明らかに変わりました。派遣を広範に使えるようにするなど、それを可能にする制度がつくられました。アメリカ型になってきたんですね。

 景気悪化の悪循環を、景気をよくする好循環に切りかえるためには、まず、雇用を守り、賃上げもすることが大切です。

 政府が役割を発揮して、ルールをつくることも重要です。最低賃金を引き上げ、非正規雇用を原則禁止に近い状態へもっていって、正社員を雇うようにさせる。同一労働同一賃金にする。それで、自動的に賃金は上がるんです。税制面でいえば、生活必需品の消費税率を引き下げるなど、家計を応援する減税をすることです。 聞き手 渡辺 健 (以上、引用)





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2009.03.03 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・雇用と労働問題Ⅲ

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