NO.1053 涙の会見で開き直り 「イチロー選手のような役割を果たしたい」
「今日の同じ名前ですが、(第2回ワールド・ベースボール・クラシックの決勝戦での)イチロー選手のような役割を自分が果たせたら、この上ない喜びと思っておりますが、今後、そういう役割が出来るように頑張って参りたいと思っております。」
民主党代表続投を涙の会見で表明した小沢一郎氏。
これが政権を執らんとする政党の党首だ。日本の民主主義の貧しさの反映でもある。
(2009年3月25日01時29分 読売新聞)
民主・小沢代表 記者会見の全文
この間の記者会見同様、何ら疑惑に応える内容ではない。
まず、秘書の起訴事実に対する認識は以下のようなものだ。
「今日の秘書の起訴の理由を聞きますと、(政治資金)収支報告書の政治資金規正法違反、すなわち収支報告書の記載の仕方についての問題が起訴の根拠、理由とされております。私どもとしては献金を受けた事実はそのまま報告しておりますし、献金をいただいた相手方をそのまま記載するのが規正法の法の趣旨であるという風に理解しておりまして、その認識の差が今日の起訴という事実になったことと思います。」
”形式犯”という認識
小沢氏は、政治資金規正法の記載の仕方の「認識の差」と述べ、あくまで”形式的なものだ”として、起訴事実への反論はいっさいない。これまで多額の献金を受けながら、小沢氏は、相手がどういう団体かなど「せんさくしないのが常識だ」と言ってきている。このような説明に国民は到底納得しないだろう。
この問題は、単なる政治資金収支報告書の記載ミスという「形式犯」ではなく、西松建設から長年にわたり多額の献金を受けた事実を国民の目から覆い隠そうとしたのではないかという重大な疑惑があるのだ。
小沢氏のみならず、民主党の自浄能力も問われている。自ら疑惑を解明し、国民に説明する責任がある。民主党は公共事業受注企業からの献金禁止法案を提出し、マニフェストに掲げて来た経緯がある。党首自らそれを踏みにじったこと、なぜ献金元を隠す必要があったのかなど、疑惑の全容を国民の前に明らかにすることが政党としての責任というものだろう。
そして相変わらず捜査批判だ。
今までの過去の例を見ましても、この種の問題につきまして逮捕、強制捜査、起訴という事例は記憶にありません。そういう意味で、政治資金規正法の趣旨からいっても、またそういう点からいっても、私としては合点がいかない、納得がいかないというのが今日の心境でございます。特に衆院選がまさに秒読みの段階に控えておる今日でありまして、私の責任の重大さを感じると同時に、そういった形での結果につきましては、自分としては納得出来ないという思いでございます。
政治資金規正法の根本精神は、癒着や政治腐敗を防止するために政治資金の収支の公開を通じて政治活動が国民の不断の監視と批判の下におかれるようにすることだ。
公正で厳正な捜査を
捜査当局は、小沢氏に限らず、法の主旨にのっとって、関係した自民党議員も含め公正で厳正な措置をとるべきであり、そうしなければ、「不当捜査」批判も免れないであろう。
捜査の手が及ばないように息を潜めながら、大目クソが鼻クソを笑うような自民党も同罪だ!小沢続投を批判する暇があったら、自ら自浄能力を発揮すべきだろうが!
開き直り
そして小沢氏は、記者の質問いに以下のように答えている。
「私の目標、そして私の夢、政治家としての夢は、日本に本当の議会制民主主義を定着させること、そのためには、本格的な政権交代ということによって主権者の国民のみなさんの議会制民主主義への理解を深める、ということが私はできると。そしてまた、政権交代が本来の民主主義の機能である、このことによってしか、日本に議会制民主主義が定着することはないだろう。そういう思いに立っておりますので、そのことで私が、今日みなさまのご理解のもとで、代表をこのまま続けるということに、ご承認いただいたわけではありますけれども、あくまでも衆院選での勝利を前提に、何事も、私自身、考えていきたいと思います。」「それが私の最後の政治家としての仕事だ」。
政権交代の大義のためには、西松献金問題はたいした話ではないじゃないか、私の政治家としての夢のために仕事をするんだ・・・、なんとも有権者をなめて甘えた開き直りである。
「議会制民主主義」を語る資格なし
法の精神を踏みにじり、”形式的”にうまくくぐり抜け説明責任を果たさない小沢氏に「議会制民主主義」を語る資格があるだろうか。
何よりもカネの力で政治をゆがめてきた企業・団体献金こそ「国民主導の政治」・「議会制民主主義」をゆがめてきた元凶だ。疑惑にふたをするならば国民の政治不信はいっそう募り、国民を政治から遠ざけることになるであろう。
民主政治をゆがめるワイロ
小沢氏の開き直りの根本には、企業・団体献金が、主権者である国民の意志に基づいて行われる議会制民主主義を根幹から揺るがす大問題だと言う認識の欠如がある。
企業も団体も、どんな意味においても主権者などではなく、営利団体だ。それがわいろ性を持つ献金を通じて民主政治をゆがめてきたのがこの間の、「自民党」的政治であり、政治とカネをめぐる問題の本質だ。
最後に、小沢氏は、「企業・団体献金の全面廃止を党の方針としてまとめ、選挙の争点にするという大方針はあるか。」との記者の質問に以下のように答えた。
こういう言葉もむなしいだろう。今日の同じ名前ですが、(第2回ワールド・ベースボール・クラシックの決勝戦での)イチロー選手のような役割を自分が果たせたら、この上ない喜びと思っておりますが、今後、そういう役割が出来るように頑張って参りたいと思っております。それから、企業献金の全廃ということは、これは私、突然言い出したわけではありません。『日本改造計画』の中でも触れておりますし、私自身の持論はディスクロージャーということでありますけども、企業献金にまつわる色々問題があるとするならば、また今回のことも考慮に入れてやるならば企業献金をすべて禁止するという方策しかないだろうと私は思っておりまして、これが民主党の党内の結論になるかどうかは、幹事長を始めみなさんの議論に待ちたいと思っておりますし、これが民主党のみんなの総意と言うことになれば、一つの衆院選の争点になることは間違いないだろうと思っております。
それなら、「前々から言ってきた」のであれば、その言葉に対しての総括は如何にするのか?
そして、他人事のように「民主党のみんなの総意と言うことになれば・・・」などというべきでな無いだろう。
「今まで悪かった」「今後一切止める」「疑惑の金は返す」「公約に掲げてやる」といえば良い・・・簡単ことだ。
イチローも気の毒だ
鳩山由紀夫民主党幹事長は、「官僚主導から国民主権の政治に変えていかなければならない時に、検察に負けてはならない」と、続投表明した小沢氏を結束して支えようと訴えた。「国民主権」に関わる重大な疑惑に正面から答えることもせず、「捜査批判」に議論をすりかえるようでは、国民の理解を得ることも、献金に依存し財界奉仕で国民イジメをする「自民党」政治を打ち破り、「国民主導の政治」を打ち立てることができないであろうことは明らかではないだろうか。
民主党内からも、小沢「降板」の声はくすぶり、世論の批判は厳しい。民主党の投手(党首)を誰がやるかは私が知ったことではない。私は「原監督」ではない。ただ、自らの保身のために「国民主導の政治」や「議会制民主主義」をもてあそぶ事は、世論が許さないだろう。
政治と野球を同レベルで語るつもりは無いが、小沢イチロウに「イチロー選手のような役割」を果たすことは不可能だろう。引き合いに出されたイチローも気の毒だ。
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2009.03.26 | | Comments(9) | Trackback(2) | ・民主党批判Ⅰ
