NO.1073 真っ先に応えるべきなのに・・・。
学生の頃は、夏休みに入ると来る日も来る日も街頭に出たり、団地を回って「原水爆禁止」の署名と募金を集めて回っていた。そして、8月6日の原水禁ナガサキ大会に参加して、盆に帰郷するのが常だった。
世界で始めて被爆したヒロシマやナガサキの人々が先頭に立って、核廃絶を訴え続けて60余年。世界で唯一核兵器を使ったアメリカの大統領ががやっと、核廃絶を口にした。「核廃絶」は誰が言い出そうが、正しい価値ある発言だと思う。
古くなった核のメンテナンスや更新に莫大な金がかかり、経済危機の中の選択だという見方もあるようだ。しかし、唯一の核使用をした核保有国としての反省を表明し、核廃絶の先頭に立つとしたオバマ大統領の決意は高く評価されてしかるべきだろう。
何よりも60年に及ぶ「核拡散」の取り組みが破綻しているのだ。
「俺たちは持つことが許されるが、後から来るものは許さない」という議論は、実践的には受け容れられず、核はインド、パキスタンに広がり、イランや北朝鮮でも核開発の疑惑は深まってきた。
拡散を防止するよりも、核そのものを地球上からなくすという明快な呼びかけこそ、唯一の被爆国・日本国民の願いであり、求め続けてきたものだ。オバマ大統領の呼びかけを機に、核廃絶の世論と運動が世界中に広がり、各国政府、とりわけ核保有国の具体的な取り組みに発展することを大いに期待したいものだ。その道こそが、「北」の核開発の脅威に対する最も有効な「抑止力」となるだろう。
真っ先に、この呼びかけに応えなければならないのは、将に唯一の被爆国・日本である。しかし、麻生内閣は、耳が聞こえないのか、ことの重さが分からないようである。それどころか、自民党内では、「北の脅威」を口実に核を保有すべきだという議論がある。何をかいわんや、である。
自民党の7日の役員連絡会で坂本剛二組織本部長が北朝鮮のミサイル発射に対し、日本も核保有すべきだと述べたと報じられている。
坂本氏は「向こう(北朝鮮)は核を保有している。日本も『核を保有する』と言ってもいいのではないか」と述べ、国連脱退にも言及したという。自民党を離党し、新党みらい、自由改革連合、新進党などを渡り歩き、また自民復党した坂本剛二という男は、一体政治家として何がしたかったのだろうか。
どうも原発利権、ロシア利権が本命のようだと、東京サバイバル情報 ☆一時避難せよ☆さんが指摘している。
典型的な自民党利権政治家である。「国の安全や国民の平和よりも核装備で儲けよう」がスローガンということか。ま、「日本が核武装も国連脱退もできないことはわかっている。ただ、北朝鮮に強く臨むため、例え話をした」と言い訳はして見せたが、本音であろう。
自民党内では、北朝鮮の「飛翔体」発射問題に対して、ロケット発信基地攻撃論や核武装論などがおこっている。
これに対し、次のような発言がある。
「朝鮮半島非核化こそ目的でなけらばならない」
「党内にかつての関東軍のような強硬論が跋扈している。向こうが核武装なら、こっちも核武装という議論が公然と自民党内の会議で言われている。『日本も核武装して北朝鮮に対抗しよう』というのは非常に憂慮すべきだ。逆に北朝鮮の核武装を是認することになる。極端に言えば人類を破滅に導く議論だ。警鐘を乱打したい。」
「日本は、外交の力を大事と考えて対話の努力をしないといけない。六者協議の枠内で、対話と圧力を駆使した柔軟な対応が求められる。」
おお、正論だ。この発言は民主でも、共産でも他の野党でもない。
自民党の山崎拓・前副総裁が、山崎派のパーティーで述べたものだと報じられている。山崎氏は自民党の安全保障政策の重鎮で党外交調査会長も務めている。
自民党を褒めるつもりも、地元福岡のいかがわしい山崎氏を持ち上げるつもりもさらさら無いが、彼がこういうふうに言わざるを得ないところに、自民党政権の安全保障問題、外交不在問題と国民世論の矛盾がある。
今、世界が、核廃絶へ動き出そうとする絶交のチャンスに、唯一の被爆国、9条を持つこの国のあり方が問われているのである。国民も政党も、オバマ大統領の核廃絶の呼びかけに応えて、具体的な行動に出る時だろう。
それに逆行する自公政権を葬らなければならない。
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2009.04.09 | | Comments(2) | Trackback(5) | ・9条・平和Ⅰ
