NO.1080 これでも独立国か!グアム「移転」協定採決強行。
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審議入りからたったの3日間で採決強行・・・。
「5月解散」がささやかれている与党が、駆け込み採決に走った暴挙は、決して許されるものではない。同時に採決を容認した民主党も、歴史に重大な禍根を残すだろう。
米海兵隊のグアム移転はもともとブッシュの「対テロ」先制攻撃戦略に基づくもの。西太平洋の中心にあるグアムをアジアと中東全域への出撃拠点とする計画に一環だ。
太平洋における兵力強化の一環として、海兵隊の緊急事態への対応能力を強化することや、その能力をハワイやグアムおよび沖縄の間で再配分することを、2005年10月の在日米軍再編に関する日米合意で確認しているのである。
「協定」は、米海兵隊のグアム「移転」に伴い、米国領内に作る米軍基地の建設費を日本が負担することを約束するという、世界にも歴史的にも前例がない暴挙というにとどまらず、「移転」の条件として沖縄・名護市への海兵隊新基地を作ることセットにした二重にも三重にも許しがたい協定なのだ。
辺野古では計画が持ち上がるや、「基地反対、ジュゴンの海を守れ!」と粘り強いたたかいが続いている。宜野湾市議会では協定反対の意見書も決議された。伊波市長は「新たな負担をもたらすロードマップは、辺野古新基地建設を含めて全てを直ちに白紙に戻して、グアム移転の財政支援を白紙に戻すべきだ」と、主張している。
沖縄の人々の願いを踏みにじる協定を受け容れることは到底許されない。
こうして米海兵隊のグアム移転は、グアムをアジア・中東への出撃拠点とする計画の一部であり、憲法9条を持つ日本がこれに加担し、経費を負担するなどもってのはかといわざるを得ない。これが独立国のすることか。
提出された報告書は黒塗りだらけのもので、61億ドル(約6100億円)の使途も、積算根拠も不透明なものだという。
沖縄から移転する海兵隊だけでなく、よそから来る米空軍や海軍の隊舎を作るとも言われている。移転する海兵隊は8000人といわれているが、実際は沖縄には1万人は確保するとも言われており、実質2~3000人しか移転しない。こうして「沖縄の負担軽減」は詭弁であることも明らかになってきた。
ところで、憲法では、内閣が結ぶ条約は国会の承認を必用としている。
この「協定」は、つまり憲法で言う「条約」である。国会で審議には重大な責任がある。〔内閣の職務権限〕
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
審議は始まったばかりで、わずかな審議でも重大な問題が山積していることが明らかになっている。昨日の衆院外務委員会での採決強行は、国会の責任放棄に等しいといわねばならないだろう。
強行した自公与党の責任を糾弾するものである。同時に、採決を容認した民主党の責任も重大である。
国会で質問に立った共産党赤嶺政権議員は、第二次世界大戦末期に沖縄に上陸した米軍が住民を収容所に囲い込んで基地を建設したうえ、戦後は「銃剣とブルドーザー」で県民の土地を強奪した歴史を切々と訴えた。そして、自らの少年時代の体験をおりまぜ、「米軍は64年間、県民に何の補償をすることもなく、沖縄に居座り続けてきた」と告発し、グアム協定は「沖縄をめぐる屈辱外交だ。日本の財政負担には一片の道理もない」と迫った。
そして、赤嶺氏は「美しい海を破壊する新基地建設をパッケージでおしつけ、グアムでの米軍基地建設まで負担する協定は到底容認できない」と批判した。
この件に関する小沢民主党について一言。
民主・小沢代表がマケイン上院議員と会談し、「軍事力で民を治めることはできない。私どもは賛成できない」と、米のアフガン増派に反対した事が報じられている。
また、普天間飛行場の沖縄県名護市のキャンプ・シュワブへの移設に関しては「地元の反対が大きい。民主党としても懸念を感じている」と指摘したとも伝えられている。
「権力の弾圧と闘う政権交代のリーダー・小沢」信者のあるブロガーが、この報道の小沢発言を天まで持ち上げて、 「今、小沢一郎を叩いて得意になっている「良心」的なる人々は、向後数十年にわたって後悔することになるだろう。ファシズムや植民地支配に抵抗する国民運動というものが、今の日本に当てはまるのかどうか確信はないが、そんな意味合いで、小沢一郎を守らなくてはならない と思う。」とまで述べている。
笑止!
「植民地支配に抵抗する」沖縄県民のたたかいに対して、「地元の反対が大きい。民主党としても懸念を感じている」と言うだけ。実際に目の前で進んでいる国会での審議では、「採決容認」が、当の小沢代表率いる民主党の正真正銘の姿だ。政治は現実の目の前の事実として進行しているのである。
もし彼に「良心」があれば、沖縄県民への裏切りに「向後数十年にわたって後悔することになるだろう。」と、そっくり返してあげたい。
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2009.04.12 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・米軍・自衛隊・安保Ⅰ
