NO.1103 「修正」で問題は解決しない― ソマリア沖派兵の中止と対処法案の廃案を求める・・・自由法曹団が緊急意見書
うれしいです。ありがとう。
「村野瀬玲奈の秘書課広報室」玲奈さんの「九州から、カナダを通って、ソマリア沖へ。」で、
「海賊対策を名目にソマリア派兵を急ぐ日本政府・与党と、それをふらふらとアシストする民主党に不満をおぼえながら、「安易にソマリア派兵をしてはならない、国会で審議を尽くすべきだ」という意思を改めて表明します。
『大脇道場』の友さんのリクエストと、それにこたえた『カナダde日本語』の美爾依さんの記事にリンクさせていただきます。こういう連携ってブログのよいところですね。」
と、ソマリア沖派兵関連の記事を紹介いただきました。
与党は、今日にも「海賊対処」派兵新法案の特別委員会審議を打ち切り、衆院本会議に上程する動きだ。
政府は、ソマリア沖への海上自衛隊のP3C哨戒機二機の派遣準備命令を出した。
実際の空からの情報収集は海賊だけにとどまらない。浜田防衛相はソマリア沖で活動している米軍に情報提供することを認めている。
米軍はインド洋・アデン湾の海域で、海賊対処だけでなく「対テロ戦争」やソマリアへの軍事介入などを行ってきており、P3C派遣は、この海域で活動する米軍の軍事作戦の全体を支援することになる。
また、日本がP3Cを派遣することによって、ソマリア沖で活動する米軍のP3Cがアフガニスタンの陸上偵察に回される可能性もあり、自衛隊の活動は、「警察活動」どころか米軍の「戦争支援」そのものになる危険性が高まっている。
このように次々に重大な問題が明らかになる中で、十分な審議もせずに採決することは許されない。
「海賊対処」派兵法案 採決容認できない 共産党こくた国対委員長(09.4.22)
こうした中、自由法曹団は、4月21日に「緊急意見書」を発表した。
「修正」で問題は解決しない―― ソマリア沖派兵の中止と対処法案の廃案を求める
http://www.jlaf.jp/jlaf_file/090421somariaokihahei-kinkyuikensyo.pdf
以下が、目次。
はじめに ―― アデン湾と国会でいま
第1 不審船対処と海外派兵の拡大
1 護衛艦の不審船対処・・憲法と船員法の蹂躙
2 P3Cの派遣から「3軍統合派兵」へ・・統合根拠地と共同作戦
第2 委員会審議と民主党「修正」案
1 あけすけな質疑と違憲性・欠陥性の露呈
2 「修正」案と「修正」協議
第3 「修正」案は法案の問題を解決しない
1 法案の本質は変わらない
2 法案の構造は変わらず、問題は解決しない
3 方向を誤った法案と「修正」案
おわりに ―― 派兵中止と廃案を
2009年 4月21日
以下、部分的にコピーしておきますが、是非リンク先で全文をご覧ください。
はじめに ―― アデン湾と国会でいま
・・・これらの問題は、「国権の最高機関」であり、「唯一の立法機関」である国会において、十二分に審議され、解明されねばならない問題のはずである。
だが、委員会審議がはじまったばかりの段階で、政府・与党からは早くも衆議院での採決が叫ばれ、野党第一党の民主党からは呼応するように「修正協議による早期収拾」の声があがっている。また、防衛省は、アデン湾の護衛艦の武力による威嚇を容認し、P3C哨戒機や陸上自衛隊・航空自衛隊の「追加派兵」を強行しようとしている。
これらはいずれも、主権者国民を無視し、国会の権能を自ら放棄するに等しい暴挙と言わねばならない。
本緊急意見書では、こうした事態や国会審議の問題点を指摘するとともに、民主党が持ち出そうとしている「修正」案がなんら問題を解決しないことを明らかにする。
・・・結局民主党の修正案は、自民にも「形式的で意味のない修正」として蹴られる事になったようだ。そして、社民党や国民新党にも受け入れられなかった。おわりに ―― 派兵中止と廃案を
「さざなみ」と「さみだれ」が呉を出航し、海賊対処法案が国会に提出された3月14日から、まだ1か月強しかたっていない。2隻の護衛艦が船団護衛任務についたのはたかだか3週間前、海賊対処法案が審議にはいったのはわずかに1週間前のことである。
このわずかな間に、事態はあまりにも急激に展開している。
日本関係船舶を護衛するはずだった護衛艦は、いつの間にか、船員法第14条というだれも考えていなかった「ロジック」を使って不審船との「会敵」を続け、ソマリアに隣接するジブチにはP3C哨戒機ばかりか、陸上自衛隊、航空自衛隊までもが出向いて「3軍統合根拠地」を設営しようとしている。その重大な問題を審議すべき国会では、法案審議が始まった矢先に採決の前提となる参考人質疑の日程が決められ、「修正」協議が進められようとしている。
いつの間にか海外に軍事拠点が設営され、いつの間にか海外で軍隊が戦端を開き、いつの間にか国民が協力を義務づけられるようになっていく・・「政府の行為によって再び惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」て平和憲法を制定したこの国で、こんなことは断じて許されてはならない。
「3軍統合派兵」にエスカレートしようとしているソマリア沖派兵は直ちに中止されねばならず、それを追認し固定化する海賊対処法案は直ちに廃案にされねばならない。
自由法曹団は、ソマリア沖派兵の中止と対処法案廃案を強く要求する。
2009年 4月21日
編 集 自由法曹団改憲阻止対策本部
発 行 自由法曹団
〒112-0002 東京都文京区小石川2-3-28-201
Tel 03(3814)3971 Fax 03(3814)2623
URL http://www.jlaf.jp/
もともと民主党は「シーレーン防衛」や「国際貢献」で自衛隊を海外に派遣する方針を持ち、この点では自公となんら変わらない。「恒久法の早期整備」も主張している。
「海賊対策」での自衛隊派遣を最初に提案したのも民主党だった。
民主党の「修正」案は、「国会の事前承認」を求めることが中心で、自衛隊派兵そのものでも、武器使用拡大でも政府案に同調したもので、多少の化粧をして事実上政府案をを応援するものだ。
ソマリア沖への自衛隊派兵に反対する「大脇道場!」のエントリー集
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-category-82.html
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
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2009.04.23 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・ソマリア沖派兵
