NO.1097 再び、カルデロンさん一家の問題について。
再び、カルデロンさん一家の問題について。
私のような情に流されそうなタイプのおじさんにとっては、この問題は法律では割り切れないようなナイーブな問題を含んでいますが、でも法治国家ですから法に基づいて考えないといけないんでしょうね・・・。
過去ログ:NO.1089 国と大人たちによるいじめと子どもの権利条約 (カルデロンさん一家の問題について)に、つぎのコメントをいただきました。
なるほど仕方ないかなとも思いましたが、少し調べてみました。両親が初めから偽造旅券で不法入国していたことが悪質とみなされて両親は許可されず子供だけ許可された、と理解しています。もしも不法入国でなく不法滞在(期間超過)だけだったら、一家揃って特別許可をもらえたかもしれませんが。
やむを得ない処分と思います。
不法入国も不法滞在も不法であると言うことには異論はありません。不法ですものね・・・。
しかし「在留特別許可」はその不法を前提に、不法滞在者、不法入国者の中で特別な事情があると判断された人に与えられるもののようです。
そして、それを求めることは違法行為でもなければ脱法行為でもないということです。
そういうことで、蕨市市議会が全会一致でカルデロンさん一家の在留特別許可を求める意見書を採択したという経緯があるようです。
何処かのサイトで以下の記述がありました。(コピー保存した時に、サイトを記しておくのを忘れてしまい、真っ青ですが、お許しを。)
この場合は、つまり、四 その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。に基づいて「どうか,そこのところをよろしくお願します。」という話だったのではないでしょうか。「『在留特別許可』とは、出入国管理及び難民認定法(入管法)では、退去強制事由(入管法24条、例:オーバーステイ、不法入国等)に該当する外国人であっても、その外国人の事情を考慮して、法務大臣はその在留を特別に許可することが出来るとされていますが、この許可のことをいいます。簡単に言うと、オーバーステイや不法入国した外国人が特別に許可を得てビザを取得することです。
そして、この『在留特別許可』の法律的な根拠は出入国管理及び難民認定法(入管法)50条1項4号です。
第50条 法務大臣は、前条第三項の裁決に当たつて、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。
一 永住許可を受けているとき。
二 かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。
三 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
四 その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。」 (以上、引用)
だったら、「不法ではあるが、事情も考慮して検討しましょう」と、法治国家を傘に、がちがちの処分をしなくても良かったんではないか・・・というのが、私の思いです。特に娘さんの願いのことを考えれば。
この辺は、民族排外主義者は別として、それぞれの”思い”の違いが出るところでしょうか。
この記事には、フランス在住のイル・サンジェルマンの散歩道さんから、以下のコメントもいただきました。
フランスではサン・パピエ(滞在許可証のない人)を支援する運動体もいくつもあります。今まさに、日本人の権利に対する意識が問われているのです。ひとり残された少女を励ますどころか、精神的に追い詰める行為を見て、私も日本人として恥ずかしさと憤りを抑えることができません。過去には多くの日本人も外国へ移住し、その国に受け入れられてきました。偏狭なる心を捨てて、こころ豊かな国際人となろう!
そして、トラックバックいただいた村野瀬玲奈の秘書課広報室の記事に、次のサイトが紹介されていました。
●法学館憲法研究所 「不法滞在外国人」ってどんな人?
外国人や難民に関する事件を精力的に手がけている若い弁護士さんの記事のようです。一部紹介しておきます。
それにしても私がまず言いたかったのは、「どんな意見があるにしても、一人取り残され心細い思いをしている少女を大人がよってたかっていじめるようなことは恥ずべきことではないか」と言うことでした。いまの社会には、外国人にとって在留資格は日本における全ての権利の淵源であり、在留資格を持たない不法滞在外国人には一切の人権が認められないかのような空気があります。しかし不法滞在とは法的には単に「在留資格がない」ということにすぎず、それ以上の意味はありません。在留資格を規定している入管法は、もちろん憲法の下位にありますから、外国人に対する人権保障は在留資格の有無によっては差別されないのが原則です。また、入管法は運転免許について規定する道路交通法や、生活保護法、国民健康保険法、その他多くの法律との間に一切の優劣の関係はありません。ですから、在留資格が法律上の要件となっている場合を除いて、「在留資格がないから権利が認められない。」という言い方は明らかに誤っているのです。
しかも、在留資格の有無は非常に重要なことのように思われがちですが、実は全然本質的なことではなく、極めて政策的な事柄なのです。ちょっと乱暴な例かも知れませんが、自動車運転免許の取得年齢を20歳以上とするか18歳以上とするかというのと基本的には変わりません。(以上、引用)
・・・難しい問題を含みますが、今後も関心を持って考えて行きたいと思います。
今日のところは、以上です。
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2009.04.21 | | Comments(3) | Trackback(1) | ・社会評論Ⅱ
