NO.1138 「仕方ない」のか?・・・解釈改憲ならぬ、憲法スルーによる「壊憲」。
「海賊が出たぞ~!それ行け~!」
国会で議論もせず、国民が関知しないところで、海上自衛隊が遠くソマリア沖に派遣された。
今度は、「あれは国際紛争じゃない」「武器使用も船体射撃も9条には関係ない」と、海賊対処法。
9条が禁じた「武力による威嚇または武力行使」も「交戦権」もスルーだ。
既成事実を作り、それを追認する解釈改憲ならぬ、憲法スルーによる「壊憲」だ。
いや、この国には憲法もいらないってことか?!
更には、P3C対潜哨戒機を出し、ジプチに地上基地を作り航空自衛隊も陸上自衛隊も加わり三軍そろい踏みの参戦だ。
「海賊退治だから、仕方ない」と既成事実を追認するするメディアや世論。
これって、「いつか来た道」じゃないのか?
大きな犠牲と反省のもとに手に入れた平和憲法の精神はどこに行ったのだろうか。
繰り返し何度でも言おう。
海賊対処法案は、「『我が国の経済社会及び国民生活』にとって海上船舶の航行が重要だからこれを守る」(1条)と明記している。「経済社会や国民生活のため」に武力を行使することを認めているのだ。
それはつまり、「国益のため」であり、「お国のため」の武力行使です。
日本国憲法は、「お国のため」の戦争はしないといっている。
日本の企業や、たとえ国民のためであっても、戦争や武力行使はしないというのが憲法の立場だろう。
憲法の立場は、紛争が起きてからそれを武力で解決するのではなく、その原因をなくすために最大の努力をするというものだ。
ソマリア沖の海賊問題には、ソマリアの政府が崩壊し、警察警備活動が出来ない、政治的に不安定で貧困がはびこる、外国漁船が非合法漁業でごそっと近海の魚を「略奪」していったり、外国企業による廃棄物違法投棄で漁場が破壊されたり・・・、それで漁民が食えなくなったり、など複雑な原因があるのだ。
こうした原因に対して、憲法9条を持ち世界第2位の経済力を持つ日本には、経済復興援助や治安回復への援助などさまざまな平和的外交的な対処方法があるはずだ。
暴力は暴力の連鎖を呼び、問題を解決しないのは、この間の事実が証明している。
「国会の事前承認が必要だ」とか、「どこまでなら武力行使が許されるか」という議論では、到底憲法の平和の力は生かせないだろう。
度々紹介してきたように、伊勢崎賢治さんが「9条は日本人にはもったいない!」と言われる所以である。
参院での徹底審議、廃案を求める!
参考:NO.1136 ソマリア沖への自衛隊派兵に反対!「海賊対処法案」を廃案に!キャンペーン中! http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1159.html
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2009.05.08 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・ソマリア沖派兵
