NO.1166 政治倫理 自浄努力と小沢一郎・西松献金疑惑問題。(付録)岡田グループ旗揚げ?
「お金を集めて何に使ったのか、分かりやすく説明した方がいい。国民が疑問を持っているとすれば、やった方がいい」
民主党の岡田克也幹事長の言が報道されている。もちろん、小沢一郎代表代行の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関してのものである。(20日、日本記者クラブ会見)
岡田発言は小沢信者とその筋からはまた批判されるのだろうか?それとも波風を立てないようにスルーだろうか?しかも、その後、代表選の打ち上げと称して岡田氏を支持した議員が、前原誠司副代表と野田佳彦幹事長代理、川端達夫副代表らをはじめ60人が集まり、事実上の岡田グループ結成と報じられていることから、ブログ周辺もゴタゴタあるかな?・・・挙党体制も怪しいもので。
それはさておき、どういう脈絡の中での発言か明らかではないが、岡田発言はきわめてまともな発言だ。やはり世論の力が働いていると見たい。しかし、それでも尚、当事者の民主党幹事長発言としては不十分で、依然として民主党自身も無責任であると言わねばならないだろう。
手続き上の問題で法の条文をいじり、「微罪」として逃げることは許されない。国民はその政治家のあり方、倫理を問うているのである。素朴に言えば、「我々は汗水流して働いても、この窮状だ。しかし、政治家は、このような大金を一体何のためにどのようにして集めているのだ、どう使ったんだ、私腹を肥やしてはいないか・・・」という疑問に答えなければならないのである。
小沢氏の開き直りは政治資金規正法の基本精神にもとるものであり、これを不問にする民主党自身も然りである。
もちろん、二階博俊氏をはじめ多くの疑惑議員を抱える自民党も同罪である。
政治資金規正法は、その目的と理念を以下のように謳っている。
(目的)第1条 この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の接受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。
(基本理念)第2条 この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。
2 政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。
しかも、民主党自信の「倫理規則」に照らしても、その責任をあいまいにしたままだ。
民主等倫理規則(部分)
自浄能力を発揮するというのは、こうして自ら決めた手続きを生かし、自党の責任によって調査し、疑惑を解明し説明責任を果たすと言うことだ。画餅にしてはならない。第1章 目的
(目的)
第1条 本規則は、党規約第33条および第34条の規定にもとづき、党員の倫理規範、倫理規範の違反に対する措置および処分、および倫理委員会の運営等、党員の倫理の遵守に関して必要な事項について定める。
第2章 党員の倫理の確保
(倫理規範)
第2条 本党に所属する党員は、次の各号に該当する行為(以下「倫理規範に反する行為」という)を行ってはならない。
一 汚職、選挙違反ならびに政治資金規正法令違反、刑事事犯等、政治倫理に反し、または党の品位を汚す行為
二 大会、両院議員総会等の重要決定に違背する等、党議に背く行為
三 選挙または議会において他政党を利する行為等、党の結束を乱す行為
(倫理の確保)
第3条 常任幹事会は、党員が倫理を遵守するよう努めなければならない。
2 常任幹事会は、党員が倫理規範に反する行為を行ったと思われる場合には、すみやかに調査を行って事実を確認し、必要な措置または処分を行わなければならない。
さらに、党派を超えて国会議員には高い倫理性が求められている。
政治倫理綱領(衆院)(昭和六十年六月二十五日議決)
政治倫理の確立は、議会政治の根幹である。
われわれは、主権者たる国民から国政に関する権能を信託された代表であることを自覚し、政治家の良心と責任感をもって政治活動を行い、いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならない。
ここに、国会の権威と名誉を守り、議会制民主主義の健全な発展に資するため、政治倫理綱領を定めるものである。
一、われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。
一、われわれは、主権者である国民に責任を負い、その政治活動においては全力をあげかつ不断に任務を果たす義務を有するとともに、われわれの言動のすべてが常に国民の注視の下にあることを銘記しなければならない。
一、われわれは、全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない。
一、われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。
一、われわれは、議員本来の使命と任務の達成のため積極的に活動するとともに、より明るい明日の生活を願う国民のために、その代表としてふさわしい高い識見を養わなければならない。
この政治倫理綱領は,「綱領」レベルではありますが,国会法にその根拠を持つものだ。
国会法 第124条の2
議員は、各議院の議決により定める政治倫理綱領及びこれにのつとり各議院の議決により定める行為規範を遵守しなければならない。
行為規範(衆議院)(昭和60年6月25日)
行為規範
第一条 議員は、職務に関して廉潔を保持し、いやしくも公正を疑わせるような行為をしてはならない。
小沢一郎氏や二階博俊氏をはじめ疑惑が持たれている政治家はこれらのルールに則りそのままやればいいのだ。そのままやらないところで疑惑はさらに深まっている。
個人的な観測としては小沢氏は、説明できないから辞任したのだ。
これから裁判が始まれば、ますます窮地に陥り、民主党は次なる”爆弾処理”に奔走することになるだろう。挙党一致で選挙に臨むことが出来るかどうか・・・。「岡田グループの発足」?の動きなども世論が反映しているのだ。
よって、自公政権に塩を送ることになり、国民の期待を裏切ることになりかねない・・・。
それ以前に、スネに傷を持つ二大政党同士が自らの傷を隠すことでお互いをかばいあい、政局に流し込むことによってこれらの重大な疑惑にふたをし、政治不信を拡大再生産することは、民主政治にとって決して許されるべき問題ではないだろう。
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