No.1175 議員定数削減 「違い」を競えば 「同じ」を証明する。
とかく選挙が近づくと、「改革」を主張し受けを狙いたいようだ。
麻生太郎首相が、「厚生労働省の分割」の検討を指示し、自民党内の反対が大きくてこれが頓挫すると、「最初からこだわっていたわけではない」と受け流そうとしている。
しかし、ことはそれだけでは済まず、ブレる総理の統治能力が問われ、メディアでは思ったよりも大問題になっているようだ。動機が不順だと馬脚を現すものである。
さて国会の議員定数削減については、以下のエントリーで触れたが、再度。
No.1172 自民と民主 民意削りを競う
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1199.html
「うちは50人は減らすぞ」と自民党が言えば、「いや50じゃ足りないうちは80だ」と民主党。
衆院の定数削減を比例区でやるというものだ。
さらに、この「叩き売り」はエスカレートぶりを見せている。
民主党の岡田克也幹事長が「衆院だけでは足りぬ、参院も視野に入れなければ」といえば、鳩山由紀夫代表は、「衆院だけ削減すれば済むという訳ではない。衆参あわせて議論することが必要だ」と応える。
方や自民党。
「300を目指して議論すべきだ」(「衆院定数300議員連盟」、太田誠一元農水相)
「衆参を対等合併して、計722人を3割削減した500人の一院制を」(一院制を目指す議連、衛藤征四郎元防衛庁長官)
「私は小泉純一郎元総理とほぼ同じ考えだ。10年後をメドに憲法を改正し、衆参合体した一院制にして中選挙区か、大選挙区が望ましい」(石原伸晃幹事長代理)
・・・盛んである。
そして27日、自民党の党改革実行本部村田吉隆委員長私案が大筋了解された。
「将来の一院制導入も視野に、衆参両院定数722(衆院480、参院242)を、約10年かけて3割程度削減する」というものだ。
自民民主の議員削減競争はこんな動きだが、議員定数の削減は、主権者の民意切り捨てであり、議会制民主主義に逆行するものだ。しかも、比例を切るのは、少数政党の締め出しが狙いでここには保守二大政党の共通した狙いがある。
そしてその本音は、こちらの「化けの皮をはがす森喜朗発言」で紹介されているように、森喜朗元総理発言にある。
「共産党は消えてくれるのは結構だが、衆院を300人にすると言う人たちは、公明党に行って許しを取ってこい」
連立の公明に気遣いつつ、何とか共産党を封じ込めたい、これが彼らの一貫した狙いである。自民党政治に真に対決しているのはどの政党か、どの政党が怖いかを白状するものである。共産党封じ込めの、そのためにこそ、選挙制度をいじってきた70年代からの歴史がある。
さて、その共産党の「赤旗」が、以下の記事で自民、民主両党の議員定数削減競争を、「民意を削ったうえ、消費税増税に道を開こうというものです。」と批判している。
加えて私は、「都合の悪い民意を削り、消費税増税、憲法改悪に道を開くもの」、「二大政党による悪政推進に道を開くもの」であると言いたい。
以下は、2009年5月27日(水)「しんぶん赤旗」より。
民意(比例定数)削ってカネ(政党助成)温存
自民・民主競い合う
自民、民主両党が総選挙の「マニフェスト(政権公約)」に国会議員の定数削減を盛り込もうと競い合っています。自民党が「衆院総定数480を少なくとも50人以上削減すべきだ」(菅義偉選対副委員長)といえば、民主党が「私どもは80減らすと提案している。50じゃ足りない」(鳩山由紀夫代表)というなど、まるで“バナナのたたき売り”状態。これが「身を削る」ことになるのでしょうか。
議員定数削減の理由として、自民党や民主党は、「増税するにはまず身を切る姿勢をみせるべきだ」(伊吹文明元自民党幹事長)「(定数削減などを解決しなければ)消費税増税の議論は国民の理解を得られない」(鳩山民主党代表)などといいます。
「身を切らなければ増税に国民の理解が得られない」というのは、二重三重にごまかしです。
第一に、「身を切られる」のは国民の側だということです。国会議員は国民と国会を結ぶパイプであり、その大幅削減は民意を削ることになり、国民の声が届かなくなることを意味します。日本の国会議員の数は、国立国会図書館の各国調査でも人口比で先進12カ国中、少ない方から二番目で、決して多くはありません。
第二に、自民も民主も本当に「身を切る」ことになる政党助成金にはいっさい手をつけようとしていないことです。
政党助成金は、国民一人あたり年250円、総額319億4100万円の税金を、各党で山分けするもの。憲法が保障する思想・信条の自由に違反し、支持政党でもない政党に、税金が使われる仕組みです。
約320億円あれば、障害が重ければ重いほど負担が大きくなる障害者自立支援法の「応益負担」制度をやめさせることができます。
結局、議員定数削減は、消費税増税に反対する少数政党を締め出し、国会を増税派一色にしかねません。いまの選挙制度で唯一民意を正確に反映する比例代表の定数削減は、少数政党排除を狙った最悪の議会制民主主義破壊です。消費税増税に一貫して反対し論戦を続ける日本共産党を排除すれば、消費税増税への「障害」もなくなります。
自民も民主も消費税増税派という点では同じ立場です。三年か四年か、増税凍結期間に違いはあっても、将来は消費税増税を財源にと公言しています。
消費税は所得の少ない人ほど重くのしかかる最悪の不公平税制。その増税は国民の購買力を奪い、景気をいっそう悪化させ、貧困と格差の拡大に追い打ちをかけることになります。
自民や民主の議員定数削減論は、民意を削ったうえ、消費税増税に道を開こうというものです。(以上、引用)
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2009.05.29 | | Comments(0) | Trackback(6) | ・小選挙区制・国会議員定数削減問題Ⅰ
