NO.1174 「海賊対処」派兵法案 参院審議入り 徹底審議で廃案に!
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今日28日、アフリカ・ソマリア沖アデン湾の海賊対策で、上空から警戒監視をする海上自衛隊のP3C哨戒機2機が、神奈川県の厚木航空基地から現地に向けて出発した。「壊憲」的・なし崩し的に、陸海空3隊の派兵は強行されている。
そしてこれらの派兵を追認すべく、会期末を6月3日に控えた昨27日、「海賊対処」派兵新法案が参院で審議入りした。自公与党は会期延長してもしゃにむに成立を狙っている。
海外派兵の恒久法
この法案は、アフリカ東部ソマリア沖の海賊問題を口実にして、「海賊対処」という名目で世界のどこの公海でも自衛隊を派兵できる恒久法。
また、海賊と見られる船が停船命令や警告射撃、威嚇射撃に従わず接近してきた場合などに船体への射撃を可能にし、自衛隊史上初めて海外での「任務遂行のための武器使用」を認めている。さらに、「保護対象」を外国船舶にまで拡大した。
自衛隊派兵先にありき
「軍を出す、最高のレベルにあるものを出すことが非常に大きなこと」
「これはひとつの国家のメッセージだ」
中谷元・元防衛庁長官の衆院審議での発言だ(4月15日)。
ここに本音がある。議論は初めから「自衛隊派兵先にありき」である。
「任務遂行上の武器使用」をはじめて認める
政府・与党は、初めて海外で自衛隊による「任務遂行上の武器使用」を認めることについて、「海賊対処」は「警察活動」だから「武力の行使に当たらない」と繰り返している。
そして、「海賊対処」は海上保安庁が行うべきだが、「海保保有の艦船では対応できないから自衛隊を出す」と「説明」してきた。法案は、海上保安庁の海賊対処の権限が、自衛隊に「横滑り」(準用)する構造になっている。
しかし、実力行使の程度が一般的な「軍事的活動」よりも低い「警察活動」を理由に、これまでの海外でのどんな軍事的活動よりも武器使用が拡大されるというのは無理な理屈である。
法案6条は「事態に応じ合理的に必要と判断される限度において」、使用できる武器の範囲を規定する以外、何らの「制限」はない。
派遣される自衛隊の護衛艦は、127ミリ砲、76ミリ速射砲、高性能20ミリ機関砲などのほか、対艦・対潜・対空ミサイルや魚雷なども搭載している。
「こうした艦載兵器は、『海賊船』への対処兵器にしては大掛かり(威力が過大)過ぎるもの…相手を一気に撃沈してしまう」と識者は指摘している。
例え、「警察活動」だとしても、自衛隊の海外での武器使用は、政府の憲法解釈のもとにおいても慎重に議論すべきだ。「警察活動」という言葉ですり替え、何の問題もないかのようにいう政府の議論は通用しないのではないだろうか。
民主が追認の姿勢
早期成立を目指す政府・与党に対し、民主党は代表質問で、国会の事前承認を盛り込むことなどで「修正」協議を提案した。一方で「迅速な海賊対処を可能とすることに十分留意」するとして、法案成立への協力姿勢をも示した。
民主党「修正」案は、「自衛隊の派兵」自体にも「武器使用の拡大」そのものにも反対するものではなく、これを追認するものである。
軍隊の派遣で海賊行為は減っておらず、現地の沿岸諸国からも、各国が軍たいてい会を競い合うことへの懸念の声も上がっている。武力では紛争を解決することは出来ないというのが、イラク戦争とアフガン戦争の教訓として世界に広がりつつある。
参院で徹底審議し廃案に
衆院審議では、同法案がソマリア沖の海賊減少の役に立たず、軍事対応の悪循環につながることが明らかになったにもかかわらず、自民、公明の与党がわずか6日間の審議で強行し、この審議日程を民主が容認していたという、残念な経緯がある。
「自衛隊の武器使用」を拡大し、派兵恒久法に道を開く「海賊対処」法案は、参院で徹底審議し廃案にすることを求める。
関連の過去ログを、是非お読みください。
ソマリア沖への自衛隊派兵に反対!「海賊対処法案」阻止!キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1159.html
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2009.05.28 | | Comments(4) | Trackback(2) | ・ソマリア沖派兵
