NO.120 自立支援法・応益負担は許さない!(2)
自立支援法、応益負担はなぜダメか、障害について考えましょう。
4) 生命(いのち)と障害。
次に、障害の一次的レベルとでもいうべき、「機能・構造障害」について考えて見ましょう。
生命と障害の話です。
ひとつの生命は必ず終わります。
(正確には、死は全ての生き物の宿命ではないそうです。死の起源は性の誕生と共にあるらしいのです。生殖の役割を果たして動物は死ぬのです。サケが分かりやすいですが・・・。ちなみに、その後の長い「老い」があるのは人間だけらしい。)
生命のもうひとつの特徴は新しい生命を生み出すことです。
一つ一つの生命は、生命を受け取り引き渡すランナーということです。
こうして、地球上に生命が誕生して38億年。
今、生きとし生きてる3千万種とも言う生き物は、一度たりとも生命のバトンを渡しそびれることなく、今ここに生きているのです。
だから
、‘トンボだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだ、ともだちなんだ‘。
それぞれのランナーが、懸命に自分の命を走り、自分らしい走りをしながら、自分たちらしい形やあり方を選び、創り出し、身に着け、引渡し、多様な進化の形として、今を生きています。
今ここに生きてること自体が、つながり続けてきた生命の奇跡です。
そういう生命体のひとつとしての人間。
私自身も38億年を引き継ぐ生命です。もちろん、陶友の仲間たちも。
私がここに生まれえたのは、生命科学によると70兆分の1の、奇跡の確率らしい。
男子が1秒間につくる精子は千個、女子が一生に4~500個の排卵をする、その中から1対の出会いがある。
そして、各々840万通りの可能性を持った遺伝子の組み合わせが70兆通りだそうだ。
しかも女性は、受精後母親の胎内ですでに四百万個の卵子の元を持っていたらしい。自分が生まれるその前から、次の生命を大切に育んでいたなんて、・・・(改めて尊敬!)!
そうして幾多の危機を乗り越え、生命は生まれた!
しかも高度に精密で複雑な、脳と神経系を持った生命体が、生まれ出ずるまでの幾多の試練の中で、どこも傷つかずに「普通」に生まれる事自体が奇蹟ともいえるのではないだろうか?
羊水の中で育った胎児は、その臓器を一回も試運転することなく,いきなり空気中で稼動させなければならない。
つながる生命の一部に、「機能・形態障害」が起こることはある意味で「必然」とは言えないだろうか。
人間の生命の進化とリレーの過程で「起こりうる出来事」、誰かが「その役割を担わなければならなかった。」と考えるのが自然なような気がします。
人間の生命の名において、「障害は自己責任だ」という論の成り立つ余地があるのだろうか?
5) 共に生きる知恵と「炭鉱のカナリア」
少年の頃を思い出した。知的障害を持つ従妹がいた。祖母が「あういう子は、家中の災難を一人でしょって生まれて来た子じゃ、大事にせんば・・・」といっていた。種子島の田舎の、学もない、決して慈悲深いとはいえない祖母だったが、共同体の「共に生きる」知恵と、命を生み出した母性とがそういわせたのかもしれない。
話を戻します。
仲間たちは、今悲鳴を上げています。(知的障害の仲間は、訳もわからず、悲鳴さえ上げられない!)「炭坑のカナリア」の話をご存知ですか?
その昔、坑夫はかごに入れたカナリアを持って,坑道に入ったそうです。ガスをいち早く感知して危険を知らせてくれたのだそうです。
今、仲間たちは,自立自助、自己責任が押し付けられる、この国にあって、「ここから先へ行っては危ない!人間が行く道じゃない!」と、教えてくれているのではないだろうか?
応益負担に反対するこの運動は、単に、仲間や家族の経済的な負担が大変だから何とかしなきゃという問題を超えた、大きな意味を含んでいると思います。
6) つながる生命=障害は私たちの一部
障害を持つ人たちは、特異な存在ではなく、「つながる生命=私たちの一部」だということ。
生命を受け継ぎ、より豊かな生命を紡ぐために、ともに走るランナーだということ。一人のランナーの役割として「障害」をしょったかもしれない、仲間たちの「いきることの困難」を、この国、この時代に生まれた不幸で塗り固めたら、私たちに、心から笑える明日は来るのだろうか。
応益負担に反対する私たちの運動は、こうして一人障害者問題にとどまらず、人間が人間らしく生きる社会のあり方を問うものとなっていると思います。


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長々と有難うございました。生命って、生きてるってすごいことだと思いませんか。いのちを大切にって、何百回聞くよりも、いのちの営みの事実を知ることが大事かも・・・。
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テーマ:医療・介護・障害制度改正の余波 - ジャンル:福祉・ボランティア
2007.10.25 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・障害者自立支援法Ⅰ
