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NO.1188 「核密約」問題は「官僚支配」の典型 国会は徹底究明を!

 共同通信が5月31日に配信した、「核密約」の存在を認める元外務事務次官4人の証言について。
こういうのをスクープというのだろうが、メディアの反応はすこぶる悪い。いち早く東京新聞が報じたが、その後は北海道新聞など一部の地方紙が報じただけで、全国紙は”黙殺”する気だろうか?
 ガセネタ?・・・余りの無視ぶりに一瞬不安になり、「共同通信の報道が事実なら」の枕詞が要るのかな?なんて。

 参考過去ログ:NO.1185 「核密約」の存在は明らか 元外務次官らの国会喚問で真相を明らかに!
          http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1214.html

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「官僚政治」批判はどうした?
 ブログ界隈のの反応も悪い。
元外務官僚が、4人揃いも揃って「核密約」文書を見た、引き継いだといい、総理や外務大臣には「役人サイドで選別して」知らせたり知らせなかったりしたという。小渕恵三元総理と橋本龍太郎元外務大臣には知らせたらしい。官僚中枢が重要な国家機密を管理して、総理にも報告しなかったという民主主義国家にとっての大問題。

 これこそ官僚支配の最たるものではないか。
日頃から、「官僚政治打破」を金科玉条の如く掲げる「政権交代」ブロガー諸君が一斉に火を噴くかと思いきや・・・??!!今のところはさにあらず・・・、私は理解に苦しんでいる。今こそ、大きな声を上げるように要請したいものだ。要は、日本の安全と民主政治の根幹に関わる大問題である。

「核密約」とはなんだったのか?
 出来るだけわかりやすく振り返ってみたい。
60年安保の改定の時に、米軍による核持込については日本政府と事前協議をするという取り決めをした。ところがこれにはカラクリがあって、「核持込」といっても二つある。核を固定的に持ち込む、日本に核を据え付ける(イントロデュース)場合は事前協議するが、一時的な寄港や立ち寄り(トランジット)は事前協議の対象としない、というもの。これが「核密約」である。

 63年に核持込疑惑が起こり、時の池田勇人総理が、「核の寄港は許されない、米からの申し出があれば反対する。事前協議が無いから、持込は無い」旨の発言をした。

 これを知ったアメリカでは大騒ぎとなり、
「岸信介総理との約束があるのに、日本の政府は知らないのか」と、当時のライシャワー駐日大使と大平正芳外務大臣の間で再確認をしたのだった。

 以後、度々の核持込疑惑に対する政府答弁は、「アメリカからの事前協議の申し入れが無い。無いということは持込が無いということだ。アメリカを信用している」というものだった。
・・・もともとアメリカの核戦略は「核の所在を明らかにしない」というものだったのだ。

 前述の4人の外務次官経験者の証言は、このことをリアルに勇気を持って明らかにしたものだ。

米公文書館に密約文書
 密約の存在は、1999年のアメリカ情報公開により、アメリカ公文書館の政府文書そのものによって明らかになった。2000年の3~4月ごろ、共産党の不破哲三元委員長がその文書を示し、党首討論で3回、予算委員会などでも追及した。

当時の政府の答弁の特徴は、
① 核密約の存在については過去の歴代政府も否定して来た通り、そのようなものは無い。
② 不破氏が示した「アメリカ政府文書」は性格不明で日本政府は関知しない。(米公文書館から公開されたのに、わからんという)
③ 日米安保条約は日米間の信頼関係の上に成り立っているのだから、アメリカがそんなひどい事をするわけがない。
④ 日本政府自身が持っている文書も調べるつもりはない。

 ・・・逃げの一手だったが、今度の証言は不破氏の追及が的を得たものであったことを証明するものだ。

早速、共産党が追及
2009年6月3日(水)「しんぶん赤旗」

核密約文書提出迫る
井上議員 「国会欺く重大問題」



 核兵器を積んだ米軍艦船・航空機の日本の立ち寄りを黙認した「核密約」(「核持ち込み」の秘密取り決め)を4人の外務事務次官経験者が認めたとする共同通信の報道について、日本共産党の井上哲士議員は2日の参院外交防衛委員会で、「半世紀にわたって国会も国民も世界も欺いてきた重大な問題だ。国会に真相を明らかにせよ」と強調し、歴代次官が保管してきたとされる秘密文書の提出などを要求しました。

 井上氏は、ある次官経験者が、日米政府間の密約を次官らが引き継いで管理し、官僚側の判断で一部の首相や外相にだけ伝えてきた―と述べていることを示し、「議院内閣制をも揺るがす問題だ」と追及。中曽根弘文外相も外務省の鶴岡公二国際法局長も「密約は存在しない」と従来の政府の立場を繰り返しました。

 井上氏はまた、元次官が密約に関する文書が外務省に存在すると証言していることを指摘し、「日本共産党が2000年の国会で米政府が公開した密約文書を示し、同じものが外務省にあるはずと追及したことを裏付けるもの。調査し、国会に提出すべきだ」と要求。中曽根外相は「調査することは考えていない」と拒否しました。

 井上氏は、「非核三原則という国是にかかわる問題だ。国政調査権の発動も含め、委員会として真相の徹底究明をすべきだ」と提起。

 榛葉賀津也外防委員長は「理事会で協議する」と述べました。(以上、引用)

 国会会期は55日も大幅に延長された。
この延長が、麻生政権の命取りになるように徹底追及を求める。
 日本の自主外交へ、アメリカ言いなり政治の転換点にしなければならない。



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60年安保『核持ち込み』 密約、外務官僚が管理 伝達する首相を選別
  (東京新聞 2009年6月1日 朝刊)

 一九六〇年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した「核持ち込み」に関する密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎氏、小渕恵三氏ら一部の首相、外相だけに伝えていたことが三十一日分かった。四人の次官経験者が共同通信に明らかにした。

 政府は一貫して「密約はない」と主張しており、密約が組織的に管理され、一部の首相、外相も認識していたと当事者の次官経験者が認めたのは初めて。政府の長年の説明を覆す事実で、真相の説明が迫られそうだ。

 次官経験者によると、核の「持ち込み(イントロダクション)」について、米側は安保改定時、陸上配備のみに該当し、核を積んだ艦船や航空機が日本の港や飛行場に入る場合は、日米間の「事前協議」が必要な「持ち込み」に相当しないとの解釈を採用。当時の岸信介政権中枢も黙認した。

 しかし改定後に登場した池田勇人内閣は核搭載艦船の寄港も「持ち込み」に当たり、条約で定めた「事前協議」の対象になると国会で答弁した。

 密約がほごになると懸念した当時のライシャワー駐日大使は六三年四月、大平正芳外相(後に首相)と会談し「核を積んだ艦船と飛行機の立ち寄りは『持ち込み』でない」との解釈の確認を要求。大平氏は初めて密約の存在を知り、了承した。こうした経緯や解釈は日本語の内部文書に明記され、外務省の北米局と条約局(現国際法局)で管理されてきたという。

 文書を見たという次官経験者は「次官引き継ぎ時に『核に関しては日米間で(非公開の)了解がある』と前任者から聞いて、次の次官に引き継いでいた。これは大秘密だった」と述べた。

 別の経験者は橋本、小渕両氏ら外務省が信用した政治家だけに密約内容を知らせていたと語った。さらに別の経験者は「(密約内容を話していい首相、外相かどうか)役人が選別していた」と述べ、国家機密の取り扱いを大臣でなく官僚が決めていた実態を明かした。

 米軍は五三年以降、空母などに戦術核を搭載し日本近海に展開。冷戦終結後は、こうした海上配備の戦術核を米本土に引き揚げた。密約に関しては九〇年代末、その内容を記した米公文書が開示されている。 (共同)

 <核の持ち込み> 米軍による核兵器の持ち込みは、1960年改定の日米安全保障条約第6条(米軍による施設・区域使用)に関して両国政府が交わした交換公文で「装備の重要な変更」に該当し、同条約で定めた「事前協議」の対象になるとされた。日本側に事実上の拒否権を付与する事前協議は一度も行われておらず、日本政府は「事前協議がない限り、寄港も含め持ち込みはない」との見解を堅持。しかし核艦船などの通過・寄港を事実上、事前協議の対象としない秘密合意内容を記した「秘密議事録」(密約)が安保改定時に交わされた。63年には大平正芳外相とライシャワー駐日大使がその内容を確認した。 (共同)





核持ち込み密約、外務次官ら管理 首相、外相の一部に伝達
  (北海道新聞 05/31 17:17)

 1960年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した「核持ち込み」に関する密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎氏、小渕恵三氏ら一部の首相、外相だけに伝えていたことが31日分かった。

 4人の次官経験者が共同通信に明らかにした。

 政府は一貫して「密約はない」と主張しており、密約が組織的に管理され、一部の首相、外相も認識していたと当事者の次官経験者が認めたのは初めて。政府の長年の説明を覆す事実で、真相の説明が迫られそうだ。

 次官経験者によると、核の「持ち込み(イントロダクション)」について、米側は安保改定時、陸上配備のみに該当し、核を積んだ艦船や航空機が日本の港や飛行場に入る場合は、日米間の「事前協議」が必要な「持ち込み」に相当しないとの解釈を採用。当時の岸信介政権中枢も黙認した。

 しかし改定後に登場した池田勇人内閣は核搭載艦船の寄港も「持ち込み」に当たり、条約で定めた「事前協議」の対象になると国会で答弁した。

 密約がほごになると懸念した当時のライシャワー駐日大使は63年4月、大平正芳外相(後に首相)と会談し「核を積んだ艦船と飛行機の立ち寄りは『持ち込み』でない」との解釈の確認を要求。大平氏は初めて密約の存在を知り、了承した。こうした経緯や解釈は日本語の内部文書に明記され、外務省の北米局と条約局(現国際法局)で管理されてきたという。


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2009.06.03 | | Comments(0) | Trackback(4) | ・核廃絶へ

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