NO.118 トノの美感覚の法則
トノ(33男、自閉症・重度知的障害)には、およそ世間の常識からは、見当もつかないような行動がある。
地下鉄に乗るとき、空席があるのに満席のところへ行き、席を空けることを強要したり・・・。
その度にお父さんは、状況を調べ、お詫びと理解をお願いにの回ったり、大変な努力をされている。
そうやって彼の活動範囲を守らねば、家に閉じ込めておけと言うことになるからだ。
さて、連絡帳でおもしろい報告があった。
名付けて「トノの美感覚の法則」としよう。
昨日の地下鉄乗車時、
入り口付近に空席があるにもかかわらず、満席のところに行き、
座っている女性に指差し「トノ!」と叫んだそうである。席を譲って、と。
一方、殆ど空席のときにも、わざわざ他人のすぐ隣に行き密着して座るらしい。
若い女性でもムクツケキおじさんでも、、お構いなしに・・・。
お父さんは、その鍵を解きました。
物を並べるのにこだわる彼の行動パターンをヒントに。
「彼にとって、0%か100%が美しいのです。中途半端に開いている席は美しくない。
だから満席のシートを選ぶのです。
逆に、すべて空席から始まるときは、端から順につめていくので、最初の客の隣に着席する。」
これが彼のルールだと。
「これらの行動の背景にあるのは、『赤の他人は物と同じ』です。
人としての関心はまったくない。
トノにとって、家族や陶友の仲間、職員など、気心の通じた人だけが『人間』として認知されているのではないかと思います。」
自閉症の人は、おのおの自分なりの行動の法則をもっています。
人はみんな持ってるのだが、彼らの場合、常識の範囲を超えてるので理解しがたいだけです。
「このように本人の行動をよく観察し考察し理解する努力は、絶対に欠かせません。」と、叱咤され激励も受けました。
私は、連絡帳に次のように書いた。
「なかなか興味深い分析です。脱帽です。かなり正しいと思います。
参考にさせていただきます。
『0%か100%が美しい。』・・・『美しい』がいいですね。
ありますね、そういう美の感覚って言うものが・・・。」


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2007.10.24 | | Comments(4) | Trackback(0) | ・仲間とともにⅠ
