NO.1196 先立つ子
「杉浦 ひとみの瞳」というブログがある。 弁護士さんが「出会った人やできごとについて、感じたままに。」という。
障害のある人や、犯罪に関わってしまった人たちへの優しいまなざしが感じられる。
・「障がいを持つ子の死は『複雑』」 の重さという記事をTBいただいた。
私が障害者作業所作りに関わりだした20年ぐらい前は、当たり前のようにあった話を紹介したい。ある施設に入居されていた知的障がいのある43才の男性が亡くなりました。病死でした。息子さんを亡くした75才になるお母さんが、施設の保護者会にこられ、ご挨拶されました。
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わたしは、息子を先に逝かせて、見送ってから逝きたいと思っていましたが、実際に先立たれました。知り合いの障がいの子を持つ親御さんから「あなたが羨ましい」と言われて、それは本音だと思ったけど、でもとても複雑な思いでした。あの子は、自分の兄夫婦孝行をしていったのか、と思うと切ないです。・・・(以下、略)
ある知的障害の娘さんが40台半ばで亡くなった。ご両親は、70台半ばで、熱心に障害者運動に関わっておられる方だった。
その葬式に集まられた親御さんたちは、その死を、口々に「親孝行だ」とささやき合ったという。親御さんは、「子どもより1日だけ長く生きたい」という。自分が死んだ後が心配だ。兄弟にも負担をかけたくない・・・、だから、先立つ子を「親孝行だ」と。
世の中にそんなバカな話があるだろうか。「親に先立つのは最大の親不孝だ」というのがこの世の常ではないか。それなのに障害のある人たちの生死については、全く逆なのだ。
そう思わざるをえない親の気持ちは分かりつつも、話を聞きながら「バカ親どもが!」とどうしようもない憤りを覚えたものだった。・・・若かったのかもしれない。
果たして、あれから20年近い。
私も、その「障害者の親」になって16年。
まだ実感がない。娘より先に死んでもいいとか、1日も長く生きたいとか・・・。
ただ、「先に逝ってくれ」とは、思わない。今のところは。
こういうことを考えなければならないこと自体が、今日の社会で障害者が生きることの困難、差別の集約的事実を示している。
何で、障害者は親より先に死ぬことが喜ばれなければならないのだ。
安心して生きることを託せる社会を、と思う。
障害があろうとなかろうと。
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2009.06.07 | | Comments(5) | Trackback(3) | ・障害者福祉いろいろ
