NO.1201 「絶対に許さない!」・・・なぜ誤りを犯したのか、取調べの可視化を。
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「絶対に許さない!」・・・怒声がテレビの画面から響いてきた。
足利事件の冤罪被害者・菅谷利一さんの、感情をむき出しにした表情が映し出されていた。
無実の罪で無期懲役で収監され、17年半ぶりに釈放された菅谷さん。この怒りと苦しみはいかばかりのものか。冤罪が晴れた安堵は一瞬であり、思えば思うほど怒りがこみ上げてくるのであろう。
最高検の伊藤鉄男次長検事は10日、記者会見し「真犯人と思われない人を起訴し、服役させたことは大変申し訳ないと思っている」と謝罪した。
これに対し、菅家さんは「警察、検察は私の目の前でちゃんと謝罪することです。裁判官も同じです。絶対に許さない」と語った。
菅谷さんは、密室の取調べで最初は否認していたが、「刑事に髪を引っ張られたり、足を蹴られたり、『早くしゃべって楽になれ』と厳しく追及され」、逮捕から13時間後には自白に追い込まれていた。
密室での取調べが、被疑者を心理的な錯乱状態に落としいれ、判断力も失わせていく「マインドコントロール」であろう事は想像に難くない。
被疑者の人権をふみにじる密室での暴力や威嚇や脅迫、利益誘導・・・、あらゆる手を使った違法で不当な取調べが冤罪を生んでいたことは明らかであり、佐藤博史弁護士は「なぜ誤ったかを明らかにすることが大切だ」と語っっている。
菅谷さんは、「冤罪をなくすために、密室ではなく(ビデオ撮影で)室内を監視して欲しい」と「取り調べの可視化」訴えている。
一方、この期に及んでも、県警の白井孝雄刑事総務課長は9日の県議会文教警察委員会で「(取り調べで)暴行や自供の誘導、強制があったとは認められないと裁判で認定されている」と述べた。事実上無効と認められた裁判の「認定」を持ち出すとはどういう神経か。呆れかえってしまう。
また、取り調べの録画については、「取り調べは容疑者との人間関係を構築し供述を引き出すもの。録音・録画を容疑者が意識すると、それが困難になり(捜査に)支障を来す」と異論を述べた。
麻生総理も、「可視化をすれば冤罪が減るという感じは無い」と平然と述べたのである。
「可視化」は、過去の冤罪被害者が強く求めてきたところであり、国連の国際人権規約委員会がその導入を日本に勧告するなど、国際的にも当然の流れである。
それをかたくなに拒む検察や警察、総理の真意は理解しがたいものがある。
特に「可視化が捜査に支障をきたす」」理由が、「容疑者と捜査官の人間関係の構築に支障をきたす」という言い分にいたっては何をかいわんやである。
違法な自白強要が、捜査手法の柱であることを端無くも物語っているのである。つまり、密室での「人間関係の構築」によりマインドコントロールし、自白させるんだと言っているに等しいのではないか。
冤罪防止のために、改めて取り調べべの可視化を強く求めるものである。
他人事ではない。
これは、自分もそうなるかもしれないであろう被疑者にとってのみならず、これは裁判員制度が始まり、自らも判決に加わるであろう私たち一人ひとりの国民にとっても、重大な問題なのだ。
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2009.06.11 | | Comments(2) | Trackback(4) | ・社会評論Ⅱ
