NO.1208 率直に見て、民主党による「政権交代」は確実だろうが・・・。(追記あり)
最近の世論調査による麻生政権への支持の下落等を見ても、今度の選挙結果、民主党政権が生れる可能性は非常に高い。
現実的な危険
そうなれば、衆院の比例定数の削減は言うだけでなく、実際に実行される危険にあると言うことだ。民主政治はきわめて危険な事態に直面することになる。
衆院の定数が480になったのは2000年。それまでの比例200が自民、自由、公明の3党によって20削られた結果だ。当時の自由党小沢一郎党首は、自民との連立合意で比例50削減を強く迫っていた。
03年以来、一貫して
03年、民主党は小沢自由党と合併した。
民主党はその年の総選挙マニフェストの重点政策に「比例定数を80削減する」と書き、国会にも「80削減法案」と提出した。
04年参院選(岡田代表)、05年総選挙(同)、07年参院選(小沢代表)マニフェストでも同じ方針を掲げ続けてきた。
こうして「比例定数80削減」は、03年以来の民主党の中心政策なのである。
二大政党つくりが狙い
ではなぜ、小選挙区ではなく比例を削るのか。
03年当時、管直人代表は「小選挙区を強める意味を込めて比例を80削減する」と述べている。民意の歪みをいっそうひどくするものだ。
また鳩山由紀夫代表は、根っからの完全小選挙区制論者である。
細川内閣の官房副長官として小選挙区制の導入の先頭に立ち、96年旧民主党結成後も「ていすう500~300の単純小選挙区制」を主張してきた。
そして、「国会議員選挙が実質的な首相公選の場になるような制度設計が必要だ」とし、フランス型の小選挙区制を主張して、「代替機能を持った二大政党ないし二大政党ブロックの形成が前提条件になる」とのべ、「比例定数80削減」の狙いが二大政党作りにあること主張している。
財界の要求
もともと、単純小選挙区制は財界の要求である。
02年に経済同友会は、比例代表を残した選挙制度の下では、結果的に多党制を維持することになり、政策本位の選挙には不十分だと、単純小選挙区制にするように自民、民主に求めてきたのであった。メチャクチャな少数政党排除である。
共産党排除が狙い
そして、鳩山由紀夫氏は96年の旧民主党結成の動機について、当時の政治状況の中では「共産党が一番分かりやすい」ので、「そうあってはならないと思っているので、そのためにも野党を作っていかなければならない」と述べていた。つまり、自民党への批判票が共産党に流れないようにすることが目的だと。
憲法を変えるため
さらに、民主党鳩山代表は九条改憲論者である。
鳩山氏は自身の著書で、祖父の鳩山一郎元首相が小選挙区制導入を試みたと紹介し、その理由を、憲法を変えるには衆参で3分の2以上の賛成が必要であり、そのためには安定した与党をつくらなければらばならなかったからだと、解説してみせる。
憲法改悪でも、消費税増税でも自民、民主は一緒です。こうして見てくると、比例定数の削減は、詰まるところ、憲法改悪や消費税増税に反対する少数政党分けても共産党を締め出し、国会を改憲・増税派だけにして悪政を推進する二大政党制に導くものだということが明らかだ。
悪政から守る防波堤を
さて、最初に、民主党政権誕生の可能性は高いと書いた。
朝日の世論調査では自民、民主に大差はないと67%が答えている。それでも政権交代を求める、というのが世論の特徴である。それほどに、この間の自公政権に対する怒りが蔓延しているのである。
少なくない人々が、ブロガーが民主党を手放しで支持するわけではない、しかしとにかく政権交代は必要だ、悪ければまた監視して行けばいいという。
その監視をどうするのか、悪性への暴走をどう止めるのか。民主主義破壊をどう止めるのか。
そのためには、今度の選挙でしっかりと監視する第3極、防波堤を築く必要がある。
比例は日本共産党へ
日本共産党は、選挙制度は民意を正しく反映するのが一番だとして、比例代表性がもっとも民主的な制度だと主張し、比例定数の削減は議会制民主主義を根本から破壊するものだとに強く反対している。
日本共産党を大きくすることこそが、悪政から国民生活と民主主義を守るしっかりした防波堤を作ることになるのではないだろうか。
「比例は日本共産党へ」で、防波堤つくりと民主的政権実現への道を。
追記:
参考までに、鳩山由紀夫がどんなひどい政治家かは「気まぐれな日々」さんがここにも触れている。
小沢一郎曰く?「担ぐみこしはやはり軽かった!」?
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2009.06.17 | | Comments(8) | Trackback(3) | ・小選挙区制・国会議員定数削減問題Ⅰ
