NO.1239 チッソを救済し、水俣病患者は切り捨てる・・・水俣病幕引きの政治決着は許さない!
新聞は、多少批判的な視点も入れているようだが、ラジオやテレビなどは、あたかも患者救済に役に立っているがごとき報道だ。
3日、水俣病「救済」法案が衆院を通過した。
多くの患者団体が、チッソ救済法であり患者切捨て法だと抗議している。
財界とチッソの強い要望に応えるのか、患者の立場に立つのかが問われたが、結局、自公民ともに財界とチッソのほうに顔を向けたと言うことだ。
同法案は自公民が一部修正しただけで2日に合意。直ちに衆院環境委員会、本会議を立て続けに開催し、十分な審議もなく「政治意決着」よろしく衆院を通過させる異常なやり方だった。
「審議もしないで、被害者の救済ではなく加害企業チッソを免罪する法案を採決したことに怒りを覚える」・・・患者らの声である。
「最大の問題は、すべての被害者を救済することになっていないことだ」
「チッソ分社化」は、補償会社となる親会社と、利益をあげている液晶部門などの子会社とに分けるもの。親会社のチッソが消滅すれば、救済の道が閉ざされ、加害企業の責任が免罪されるものだ。
法案7条は「3年以内を目途」にと救済の期限を区切り、救済の幕引きを打ち出している。
水俣病の幕引きは許されない。
衆院通過前の記事だが参考に紹介します。
2009年7月3日(金)「しんぶん赤旗」
水俣病法案 自公民が合意
チッソ免罪・患者切り捨て
きょう衆院通過狙う
5団体が抗議声明
自民、公明、民主3党は2日、政調会長、国対委員長の会談で、水俣病被害者を切り捨て、加害企業チッソを免罪する「水俣病特別措置法案」について、「チッソ分社化」を盛り込んだ修正案に合意しました。民主党が「分社化」に応じる姿勢に転じ、「分社化」で捻出(ねんしゅつ)した救済費用で一時金を支払うというものです。3党は3日の衆院通過をねらっています。
日本共産党の志位和夫委員長は2日の記者会見で「加害企業の免罪になる内容であり、到底認められない」と強調しました。
水俣病不知火患者会など患者団体やノーモア・ミナマタ国賠訴訟原告団など5団体は2日、「チッソが水俣病の加害責任から逃れることを容認し、被害者の大量切り捨てによる幕引きを行うものだ」とする「緊急声明」を発表し、抗議を表明しました。
修正案は「チッソ分社化」の環境相認可について、同社が「一時金の支払いに同意するまで」と条件をつけましたが、多額の債務がある加害企業チッソの会社清算・消滅などによる責任逃れの歯止めにならないものです。
修正案は、与党案にあった「3年」という期限つき救済が「当分の間」とますます不透明になりました。法案は公害健康被害補償法にもとづく国の判断条件をみたさない被害者の救済を対象としています。手足や全身の感覚障害がある人や、口・舌の感覚障害・視野狭窄(きょうさく)などの症状はメチル水銀が原因である場合が「救済」対象と、一部修正されました。与党は1995年の政治決着の2倍以上に広がるなどと説明していますが、救済される被害者の実数はまったく不透明で、すべての水俣病被害者の救済とはいえない内容です。支給する一時金の額は同法成立後に政令で示すとしています。
2009年7月3日(金)「しんぶん赤旗」
水俣患者 切り捨てだ
雨の中「全員救済へたたかう」「民主、背信だ」
自公民の法案合意に抗議
「加害企業の責任逃れの修正案」「被害者を大量切り捨てにする幕引きだ」。すべての水俣病被害者の救済を訴えて、東京・国会前で座り込んで2週目を迎えた2日。水俣病患者らは、「水俣病特別措置法」修正合意した自民、公明、民主3党に「被害者の声を聞け」と抗議の声を上げました。
「チッソ分社化は許さないぞ!」と書かれた横断幕をかかげて座り込みを続ける水俣病不知火患者会、水俣病被害者互助会、新潟水俣病阿賀野患者会らの患者。雨傘を時折、強い雨がたたきます。
「こんな雨の中、被害者を座り込ませたのは誰ですか? 私たち被害者が救済されることはないのですか」と訴える不知火患者会の大石利生会長。「私たちは、民主党の鳩山党首に面会と説明を求めたのに、何時間も待たされたあげく会えないと追い出された。しかし、私たち被害者は民主党のようにフラフラしていない」と語り、「加害企業のチッソを(法律で)守る幕引きは絶対許さない。一人残らず全面解決するまで、私たちはたたかう」と、こぶしを高くあげます。
水俣病被害者は口々に「民主党には失望した」「修正案は、チッソ分社化で加害企業の責任逃れを許し、被害者を大量に切り捨てる本質が、何もかわっていない」と、あたかも救済対象が広がったように見せかける自民、公明、民主の「修正案合意」の卑劣さに怒ります。
座り込み行動に参加した新潟水俣病阿賀野患者会や水俣病被害者互助会のメンバーも「チッソの責任逃れの立法で、なぜ被害者救済になるのか」と憤慨します。
患者団体を代表して、病の体をおして何度も何度も、国会近くの民主党本部に足を運んだ水俣病患者ら。チッソを免罪する「分社化」容認に豹変(ひょうへん)した民主党に「被害者への背信だ」と強い不信を募らせる一方、「このくやしさをばねに、これからのたたかいが大事だ」と、3日も国会前座り込み行動をつづけます。
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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.07.05 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・政治一般Ⅱ
