NO.1262 外国人研修生の過労死 「日本では、酷使によって労働者が殺されている」と、ル・モンド が報じる。
「労働はあらゆる富の源泉である」
労働は物質的な富を生み出すだけではなく、人間の発達そのものに主導的役割を果たしてきたはずだったが・・・。
日本語固有の「カローシ」という言葉が使われだして久しいが、過労死は一向に減らず、今や外国人まで「殺して」いる。
外国人研修生らの死亡、過去最多 国に過労死対策要望(朝日 2009年6月22日)
外国人研修・技能実習生に絡む人権問題や訴訟を手がける外国人研修生問題弁護士連絡会は22日、厚生労働省に対し、過酷な労働環境による研修生・実習生の過労死の実態調査と対策の検討を早急に実施するよう申し入れた。
研修生らの受け入れを支援する国際研修協力機構(JITCO)によると、08年度に死亡した研修生・実習生は計34人で、前年度よりも13人増えて過去最多。死因は脳・心臓疾患が最も多く、16人だった。統計を取り始めた92年度から08年度までの死亡者213人のうち脳・心臓疾患による人は67人に上る。
会見した同連絡会共同代表の指宿昭一弁護士は「研修生・実習生の中には、残業が月200時間を超える人も珍しくなく、脳・心臓疾患の多くは過労死だと思われる」と話す。08年度に死亡者が急増した背景について、「景気悪化で給与の高い日本人社員などを解雇した結果、研修生・実習生に過度の負担がかかったのではないか」という。
フランス在住のイル・サンジェルマンの散歩道さんによると、ル。モンド紙が次のように報じているそうです。転載して紹介します。
フランスから見ると、日本の労働条件は驚き以外の何物でもないでしょうね。
Au Japon, le surmenage au travail
tue
LEMONDE.FR : Article publié le 23.06.09
日本では、酷使によって労働者が殺されている
2009年6月23日付
他のアジアの国から日本に研修に来た研修生・技術修習生たちが強要された過酷な労働条件を、ひとりの弁護士が告発した。 それは「強制労働」ともいえるもので1年に16人を死に追い込んだ。
「景気が後退するなかで、企業が安い労働力を得るために研修生・技術修習生を受け入れる事例がますます多くなっている。」 こうした外国労働者の権利擁護ために行動するイブキ・ショウイチは、AFP記者に説明した。 めざましい発展を遂げるアジア諸国の経済に対する、日本の援助計画によって、建物公共工事、農業食品あるいは織物産業の諸部門の日本企業は、研修生を一定の期間日本に迎え入れることが可能となった。それも一般の労働者よりも安い賃金で。
しかしこうした労働者のうち、2008年から2009年の間に16人が心臓疾患や脳疾患によって突然死している。 調査を開始することを行政当局に要求したイブスキ氏によれば、「異常に高い比率」は、彼らが酷使されていたことを示している。 「月に200時間の超過労働を強制された労働者のケースを、私は多く見てきた。」と、この弁護士は告発した。 日本にある研修生を援助する国際組織によれば、同じ時期に他の5人の研修生が労働災害で命を落としている。
最近の統計によると、約17万7千人の外国人、とりわけ中国、インドネシアそしてフィリピンからきた外国人が、この計画の一環として日本で研修生・技術修習生として働いている。 この過酷な労働は移民に関する問題に限ることはできない、それをはるかに超えた日本の労働者という広い領域にかかわる問題なのである。 犠牲者家族の弁護士によると、2007年には約1万人の労働者が、突然に心臓疾患あるいは脳疾患に襲われ、時には死に至るケースもあった。
(注)研修生・技術修習生制度は、発展途上国に対する日本の国際貢献のひとつで、1990年代に制定された。
雇用と労働問題の解決は、政治の中心課題です。
労働者派遣法の抜本改正にとどまらず、人間らしく働くルールの確立が求められています。
舛添要一厚労省が、「企業が労働法規を守らない」と嘆いて見せる一方で、(尤も共産党が国会で追及し指導を求めても、「個別の企業については言及はしない」と言って指導をサボっているんだが・・・)、労働者のたたかいで、改善が前進しています。
→こちらのサイトを参考に。ポラリス 「労働者の反撃は続いています!」
以下もご参考に。
労働者、雇用問題・・・Q&A 知りたい 聞きたい。(赤旗)
人間らしく働けるルールを確立します(日本共産党選挙政策より)
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.07.14 | | Comments(5) | Trackback(4) | ・雇用と労働問題Ⅲ
