NO.13 「どうせ俺は嫌われ者よ」・・・所長はつらいよ・・・。
食品班の働き者、かごじい。
かごじいは、私が前に勤めていた施設時代からの付き合いだ。
そこをやめて一緒に陶友を始めた、20年近い腐れ縁の付き合いだ。得意技は、おしゃべり。
陶芸班時代は、このおしゃべりが災いしたが、食品班に配属されてからは、本領発揮。気の利いた(時々間が抜けてるが)、いい商売人になっている。
そのかごじいは、私が煙たいのだ。私がいじめるから。
車の横に乗ると、このおしゃべりが、スンとも言わない。そこで、「なんでかごじいは、俺には口もきかんとや?若い女子職員には、運転の邪魔になるぐらい喋るらしいじゃないか!?」という具合に。
きょう、炎天下の豆腐の配達から帰り、遅い給食のテーブルについた。
それは私の左となり。「あんた、なんで俺の隣に来るとや!俺が好かんちゃろうもん!」と、突っ込む。
「もう、またあ、そんなこという」
・・・その左となりには、給食ボランティアの岩田さんがいたのだ。
「ああ、分かった!俺を嫌いな分より、岩田さんを好きな分が勝っとるんか!?ああそうか!分かった!」
みんな優しい人が、それも女性が好きなんです・わかってるが・・
いつもこのようにいじめるのだ。
「どうせ俺は嫌われ者よ、だけん、退職の日を、指折り数えとるんや!」「オシャベリが治らんで困っとった時、オシャベリを生かして仕事ができるごと、食品班を苦労して作った俺の優しさなんか、どうせあんたなんかに分かってたまるかい!」
・・・と、たたみかけていじめる。
「またあ、嫌いて、ゆうとらんじゃないですかあ」
来年は還暦。ますます盛ん。
炎天下にも、雨の中も、「お客さんが待っとるけんが」と、意気揚々配達に出かける。
自分を、必要とし、待つってくれる人がいる。
オシャベリ炸裂、ルンルンのかごじいの横で・・・。
、
「どうせ俺は嫌われ者よ。あんたたちが、幸せそうにしてると、自分の『相対的不幸感』が募るだけ。あんたたちの幸せを、俺の幸せにはできんなあ・・・人間、『共感的に生きる』なんて、むずかしい!」と、わざとため息ついてみせる。
ニコニコ優しくできる柄でもない・・・。
これって、まるっきり作り物のセリフじゃなくて、ある程度の本音を含むので、
結構「所長はつらいよ」
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2007.08.08 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・実践的福祉労働論
