NO.1345 小選挙区制が民意をゆがめ「上げ底政権」を生んだ。
ここでは、政策の中身は問いません。
ルールの問題として、数字を見てみます。
衆院選:民主小選挙区、5割の得票率で7割の議席(毎日 2009年8月31日)
民主党の勝利、第一党は間違いありませんが・・・、実際は「獲得議席数の割合(議席占有率)は民主党73.7%、自民党21.3%で、その差が3.5倍だったのに対し、得票率は民主党47.4%、自民党38.7%で差は1.2倍しかなかった。」のですね。衆院選で空前の308議席を獲得した民主党の得票数は小選挙区、比例代表ともこれまでの最多記録を塗り替えた。小選挙区では5割の得票率で7割の議席を獲得したことになり、得票率の差以上に議席数に開きが出る小選挙区制の特徴が顕著に表れた。
民主党は小選挙区で、現在の小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降最多の221議席を獲得した。一方、自民党はこれまでで最少だった03年の168議席にも遠く及ばない64議席と惨敗した。
定数300に占める獲得議席数の割合(議席占有率)は民主党73.7%、自民党21.3%で、その差が3.5倍だったのに対し、得票率は民主党47.4%、自民党38.7%で差は1.2倍しかなかった。得票が1票でも多い候補が当選し、有効投票数の半分以上が「死に票」となることもある小選挙区制の特徴といえ、前回大勝した自民党の「勝利の構図」と全く同じ形になった。(以上、部分引用)
数字をさらに詳しく見て見ましょう。
結論的にいえば、民意は、民主党、或いはそれに社民党、国民新党を加えても過半数は与えていないのです。
上脇博之先生が、「民意を歪める小選挙区制はやはり廃止するしかない!」で、試算を出しています。
以下、要約して紹介します。(詳細はリンク先でどうぞ)
先に結論からいえば、各政党の得票率と議席占有率の乖離があまりにも大きいので、私の従来の立場のとおり小選挙区選挙は廃止すべきである。
小選挙区選挙
政党名 当選者数(人) 得票率(%) 議席占有率(%)
自民党 64 38.6 21.3
公明党 0 1、1 0
民主党 221 47.4 73.7
共産党 0 4.2 0
社民党 3 1.9 1.0
民主党は・・・、5割に満たない得票率で7割を越える議席を獲得したのである。
明らかな過剰代表である。
他方、自民党は・・・、
つまり、4割近くの得票率なのに2割を越える議席しか獲得してはいないのである。
明らかな過少代表である。
比例代表選挙での得票率および比例配分試算
政党名 当選者数(人) 得票率(%) 比例配分試算(人)
自民党 119 26.7 129
公明党 21 11.4 55
民主党 308 42.4 204
共産党 9 7.0 34
社民党 7 4.2 21
・・・この度における小選挙区選挙における前述の民主党の過剰代表と自民党の過少代表は、国民主権主義に基づく国民代表のあり方としては、あまりにも問題である。
憲法が要請する「正確・公正な民意の反映」とは到底いえない。
それゆえ、小選挙区制は廃止すべきである。
・・・新政権はやはり「上げ底政権」である。
それゆえ、民主党は、数を頼りに強引な議会運営を行ってはならない!
・・・国会は、衆議院議員の選挙制度を比例代表制にしたものに改正し、その後、一定の期間を置いて衆議院議員総選挙が行われるべきである。
そうして初めて民意を反映した衆議院になる。
民主党に社民党と国民新党の比例配分試算による議席を加えても、234議席(=204+21+9)にとどまり、総定数の半数(240)には届かない。
一方、自公両党は、比例配分試算では今回の当選者数140(=119+21)よりも44議席多い184議席(=129+55)になるが、総定数の半数(240)には遠く届かない。
これが、民意だということです。
言い換えれば、「民主圧勝」は、小選挙区制がもたらした虚構であり、民意は、拮抗した政治的緊張感をもたらし闊達な議論を求めていると言えないでしょうか。
また、小選挙区制では、風向き如何では、いとも簡単に逆にも転ぶと。
現行選挙制度は改めなければならない。
ましてや、民主党の「比例代表80削減」などは論外です。
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2009.09.02 | | Comments(4) | Trackback(8) | ・小選挙区制・国会議員定数削減問題Ⅰ
