NO.1338 「財界・大企業中心」政治の転換へ 財界に堂々とモノをいう政党が必用
財界・大企業優先の政治の基本を変えなければ、国民の暮らしも経済も成り立ち行かない・・・・。
これが、この間の小泉構造改革、新自由主義路線の破綻が示す政治の最大の教訓です。
総選挙の争点となっている雇用破壊、「医療崩壊」「介護難民」、消費税増税、日米FTA(自由貿易協定)・・・、これらはいずれも、財界・大企業が震源です。
だから、国民の暮らしと権利を守るためには、財界・大企業にずばりモノが言える政党かどうかが試金石となります。
結論的に言えば、民主党政権ができても財界主導の政治を変えることはできないでしょう。
政権交代を実りあるものにするためには、主権者が投票して終わりではなく、きちんと参加して監視することが大事です。その監視役の代表として「建設的野党」宣言した、財界・大企業にきちんとモノをいう共産党を大きくしておくことです。
では、財界を震源とする悪政を振り返って見ましょう。
派遣の「自由」化を要求
厚生労働省の調査でも、23万人にのぼる「非正規社員切り」。自動車・電機など大企業の横暴を容易にしたのは、労働法制の規制緩和です。
労働者を企業に貸し出して利益を得る「人貸し業」は、戦後、職業安定法で禁じられていました。その例外として、1985年に労働者派遣法ができましたが、対象業務は限定されていました。
99年の改定は、これを建設、港湾、製造業などを除いて「原則自由」にする大改悪でした。反対したのは、政党としては、日本共産党だけ。2003年には、自民、公明などの賛成で製造業への労働者派遣まで「解禁」されました。
労働法制の規制緩和は、総人件費を抑えたい財界の要望でした。日本経団連の前身の日経連が「新時代の『日本的経営』」(95年)で、雇用形態を「雇用柔軟型」など3グループに分類し、労働者派遣事業の「原則自由」化を迫りました。
社会保障を抑制
小泉内閣時代に決められた社会保障費を毎年2200億円(02年度は3000億円)抑制する路線は、医療、介護、年金の連続改悪を招きました。
これも、当時の奥田碩トヨタ自動車会長ら経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)の民間議員4氏が、旗振り役でした。民間議員は会合で、予算の概算要求基準について「医療制度改革を中心とした大胆な制度改革を前提に決める必要がある。自然増をそのまま認めるというのではなく」と念を押しました。
消費税は増税、大企業は負担減
麻生自民・公明政権は、11年度から消費税を増税できるよう、それまでに法整備をするとしています。民主党も「4年間は消費税を上げない」としつつ、「いつかは消費税(増税)のお願いは申し上げたい」(鳩山由紀夫代表)としています。
いまの消費税論議に火をつけたのも、日本経団連です。「奥田ビジョン」(03年)で、消費税率引き上げを提言しました。
大企業の負担を軽くすることとセットで消費税増税を迫っていることが特徴です。
現在の日本経団連会長、御手洗冨士夫キヤノン会長は、日本経団連が求める法人実効税率引き下げの財源を問われ、次のように答えました。
「われわれのビジョン(『御手洗ビジョン』)に2011年までに(消費税を)2%、15年までに3%ぐらい上げると明確に書いてある」(07年2月26日の記者会見)
日米FTA・・・自動車・電機の輸出のために農業を犠牲に
民主党は総選挙のマニフェスト(政権公約)に「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結」(後に「交渉を促進」に表現を変更)と盛り込み、農業に壊滅的な打撃を与えると、強い批判を招いています。
日米FTAも、コメなど農産物と引き換えに、自動車などの輸出促進をはかりたい財界・大企業の要望です。日米財界人会議の共同声明(08年10月)でも、日本経団連アメリカ委員会と在日米国商工会議所の共同声明(09年7月)でも、農業を含むことをうたっています。
政治献金で政治を買い占める
これらの要求を通すために財界は、政治献金で政党を買収し、政治を買い占めてきたのです。
日本経団連は、「政治とカネ」への世論の批判のなか94年に中止した政治献金のあっせんを04年に再開。企業献金の受け取りを表明した自民党と民主党を対象に「政党通信簿」を公表して、財界要求実現を競わせてきました。
民主党は、3年の猶予期間の後、企業・団体献金を禁止するとしています。なぜ「3年後」なのか。日本経団連との語る会で、民主党の直嶋正行政調会長は、次のように述べました。「企業・団体献金を即、全面禁止すれば、我々も干上がってしまう。禁止までの3年間については、ひきつづきご支援をたまわりたい」(09年6月1日)
日本共産党は、
(1)雇用破壊を止め、人間らしい労働のルールをつくる
(2)社会保障を削減から拡充に転換させる
(3)消費税は増税ではなく減税こそ必要、大企業と大金持ちに相応の負担を求める
(4)歯止めのない輸入自由化にストップをかけ、農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて再生産コストを保障し食料自給率を引き上げる
・・・と、国民の願いにそって主張。
志位和夫委員長が昨年12月、日本経団連、トヨタ自動車と相次ぎ会談し、非正規社員の大量解雇の中止・撤回を求めるなど、財界・大企業に堂々とモノを言っています。
これができるのも日本共産党は、いかなる形であれ、企業・団体献金は禁止すべきだと主張し、実践している政党だからです。
暮らしと経済は会の元凶は、自分さえもうければ後は野となれ山となれ・・・の、財界・大企業の自分勝手です。
財界・大企業に堂々とモノがいえる政党こそが必用ではないでしょうか。
財界が次々要求
【雇用の破壊】
日本経団連の前身の日経連は1995年5月に「新時代の『日本的経営』」を発表。雇用形態を(1)幹部候補になり雇用期間の定めのない「長期蓄積能力活用型」(終身雇用)(2)雇用期間の定めがあり、専門分野を担当させる「高度専門能力活用型」(短期勤続)(3)雇用期間に定めがあり、パート・派遣労働者などが主力の「雇用柔軟型」(短期勤続)―の3グループに分類。労働者派遣事業は「原則禁止」から「原則自由」へ変換すべきだと求めました。
【福祉の削減】
小泉内閣時代の経済財政諮問会議(2001年8月7日)。予算編成をめぐり、当時の奥田碩トヨタ自動車会長(日経連会長、後に日本経団連初代会長)ら民間議員4氏は「概算要求基準の策定にあたって」との文書を提出。「社会保障については、大胆な制度改革を前提として要求基準を定める」ことを迫りました。
【消費税増税】
日本経団連は03年1月に提言「活力と魅力溢れる日本をめざして」(「奥田ビジョン」)を発表。消費税率を16%とするケースなどを提示。一方で、「地方税を含めた(法人)実効税率を大幅に引き下げていく」ことや、企業の従業員が「(社会)保険料を全額本人が負担する方法に改める」ことで企業負担をなくすことを提言しました。
【日米FTA】
日本経団連は「最大の貿易・投資相手国である米国とのFTA(自由貿易協定)を検討する」(01年6月の提言)ことを求め続けています。日米EPA(経済連携協定)を「FTAプラス」の協定として追求する日本経団連アメリカ委員会と在日米国商工会議所は、09年7月21日の共同声明で、実質的に「全ての貿易」「全てのサービス分野」を含むとして、農業を含む非関税措置が対象になると明言しています。
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