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NO.1344 2009総選挙結果報道 海外では?

 総選挙結果が様々に論評されています。
海外の報道はどうしょうか。

 多くが、「変化への渇望」、「政治的大変動」などと歴史的な事柄だと報道しているようです。結果をもたらした要因については、「自民党の長期政権に嫌気」、「自民党支配を終わらせたいという有権者の鬱積した怒り」などと、民主党への積極的支持よりも、自公政権への批判を指摘しているのが特徴のようです。

 以下、2009年9月1日(火)「しんぶん赤旗」よりかいつまんで紹介します。

米国
民主の政策容認より自民党政治への怒り

 ○(ワシントン・ポスト)・・・「今回の結果を招いたのは、民主党の選挙公約ではなく、過去54年のほとんどの期間続いてきた自民党支配を終わらせたいとの、有権者のうっ積した怒りだった」

 ○(ニューヨーク・タイムズ)・・・民主党勝利の要因について、「その政党や政策を容認したというより、保守的な政権与党に対して明確な拒否を示したもの。有権者は景気停滞が続いていることや将来像が描けないことへの非難を示した」
 「(民主と自民の)二つの政党がほとんどの政策で似通っており、大きな転換をもたらすかどうかは不透明な点が残っているからだ」


中国
寄り合い所帯である民主の外交に不安も

 ○(人民日報)・・・「日程上、鳩山首相はまず外交の試験を受ける」と指摘。9月下旬、一連の国際会議のため訪米した際、気候変動、日米関係、アジア外交、世界経済などで「どのような答案を出すかは民主党政権の今後にかかわることだ」

 ○(中国青年報)・・・「民主党内部は種々雑多」と題する解説を掲載し、「外交政策で民主党にはハト派からタカ派、左から右までなんでもあり、矛盾と対立が突出している」

 ○(環球時報)・・・「日本と中国などアジア諸国の相互依存は深まっており、アジアを重視しなければならいことは民主党もわかっている」


アジア
「変化への渇望」呼ぶ日本の政治史を画す

 ○韓国(東亜日報)・・・「『変化への渇望』が呼んだ半世紀ぶりの政権交代、日本の政治史を画す歴史的な意味を持つ」

 ○(朝鮮日報)・・・「自民党54年独走に幕」と述べる一方で、「民主党が歴史問題で日本がこれまで繰り返してきた過ちを断つことができるか注目される」

 ○(KBSテレビ)・・・「日本の侵略や植民地支配を美化し、わい曲した歴史教科書が民主党政権でどう扱われるか注視したい」

 ○シンガポール英字紙(ストレーツ・タイムズ)・・・「不満をつのらせた有権者が政権交代を選んだ。しかし、有権者は喜んでいるわけではない」 
 「経験不十分な民主党に日本の議会政治に新しい夜明けをもたらすよう政権交代を託したものの、それがどうなるかは不確かだからだ」

 ○同国の経済紙(ビジネス・タイムズ)・・・「日本の国民が戦後政治の伝統に反旗を翻し、半世紀以上にわたって政権の座にあった自民党を拒絶した結果だ」

 ○香港(明報)・・・「国民は変化を求めたが、政治や経済の今後の青写真はまだ見えていない」


英国
「まさに日本的反乱」政治体制にショック

 ○英紙(フィナンシャル・タイムズ)・・・「まさに日本的反乱」と題した論評を電子版に掲載。「日曜日の政治転換は、長く先延ばしされてきた戦後日本政治秩序への拒否が頂点に達したもの」と評し、「社会革命を起こす確信も意思もないまま」だが「反乱であったことは確かだ」

 「米占領終了以来最大のショックを政治体制に与えた」
「有権者はこれまでの政治への不満と新しいものにかける意思を表した」

 「目に見えているほどの激動ではなく」「唐突なものではない」
「民主党は急進的な新しい政策というより、所得支援と規制を通じた包括的な資本主義を強調した」「有権者は自分たちの年金・医療、子や孫の雇用を心配し」「ほかの手段で現状維持を図ろうとしたように見える」

フランス
格差拡大に審判下す街中の雰囲気は冷静

 ○フランスの(保守系新聞フィガロ)・・・「野党の大勝利」、「日本の有権者は、変化と同時に、この間の格差・失業などの拡大をもたらした与党に審判を下すことを望んだ」

 民主党が、年金生活者、家族、低所得者への手当を基礎とする「暮らしのための政治」を掲げて選挙をたたかったことを「日本においては革命的なことだ」と指摘。

 また、テレビの政治コメンテーターたちが民主党の勝利への興奮を隠しきれなかった一方で、街中には政権交代を祝う雰囲気は特になく、投票率も前回とさほど変わりないと冷静に分析する一面も。

豪州
不満爆発させた

 ○(アドバタイザー紙)・・・「ほとんどの有権者は、野党(民主党)の政策を支持したというよりも、与党・自民党への不満を爆発させたように見える」

 ○(オーストラリアン紙)・・・民主党が米国と対等な同盟関係を目指すと主張していることについて、「民主党は、根本的に同盟を脅かすことはないだろう」


 特にコメントするほどの事はありません。妥当なところでしょうか。
一方、ホワイトハウスは早速、「強力な同盟」を期待すると牽制しています。

 「オバマ大統領は日本の新首相と広範な地球規模・地域・二国間の問題で緊密に協力していくことを期待している」
 「強力な日米同盟および緊密なパートナーシップは、新政権の下でさらに発展し続けると確信している」

 さらにこんな報道もあります。
<鳩山代表>「論文」に米国内波紋「アジア寄り?」(9月1日11時50分配信 毎日新聞)

 【ワシントン古本陽荘】米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)などに掲載された鳩山由紀夫・民主党代表の論文がワシントンで波紋を広げている。東アジア共同体の創設を提唱するなどアジア重視の姿勢を掲げ、米国からの「自立」を強調したためだ。新政権は当面、「米国と距離を置く政権」とのイメージをぬぐい去るため、釈明に追われることになりそうだ。

 「日本は中国などとより緊密な関係を築きたいようだ。日米関係は変わるのか」

 「新指導者は米国への従属から脱却したいと言っている」

 8月31日のホワイトハウスの報道官会見では、鳩山論文を踏まえた日米関係に関する質問が相次いだ。ギブス報道官は「どんな政権になろうが日米の強い関係は継続すると信じている」と応じたものの、「鳩山氏がどういう意味で(米国への)従属と言っているのか分からない」と不信感ものぞかせた。(以上、部分引用)

 「米国の利益と相いれない立場を主張したもの」(ヘリテージ財団のクリングナー上級研究員)などと保守系の有識者を中心に反発の声が上がっているそうだ。

 民主党は、今回の選挙では外交政策については殆ど争点にしていませんでした。連立を組む社民党などに気を遣ったともいわれていますが・・・。いずれ、現実政治で焦点になるでしょう。

 対米従属を断ち切り、対等で友好的な日米関係へ・・・、「建設的な野党」・共産党の出番でしょう。
とは言えこの問題は、相当な国民的な議論が必要なようです。強い国民の意思統一がなければ、それに支えられた政府でなければ、アメリカに太刀打ちするのは難しそうです。


 最後に、イル・サンジェルマンの散歩道が、ル・モンド 日本の野党の歴史的勝利を翻訳してくださっています。
 こちらも参考に紹介します。

ルモンド

日本の野党の歴史的勝利
2009年8月30日


 日曜日、日本の国民の大多数が中道的野党に投票した。それによって世界第二の経済力をバックにして、54年のあいだ単独で維持してきた政権に終止符を打ったのである。8月31日(月曜日)に発表された公式の選挙結果をみると、日本民主党が全議席数480にたいし308議席を獲得した。麻生太郎首相の出身政党である自由民主党は、わずか119議席にとどまった。

 すでに参議院では多数派である民主党は、今後他の二つの野党の協力によって議会における絶対的支配権と、みずからの社会改革の意欲的なプログラムを推進するためのフリーハンドを手にしたわけである。勝利報告がなされると、流行の先端を行く六本木にある選挙対策本部のなかは、弾けるような歓声と拍手の嵐で包まれた。

 変化を求めて投票した日本国民は、同時にこの数年のあいだ自由民主党が推し進めた自由主義政策の行き過ぎと、社会格差、失業そして不安定雇用の深刻化を罰したかったのである。自由民主党に対する拒絶は、完膚なきものであった。この党は、陣営内から離脱者が出たことによって1993年から1994年までの間に一時的に政権を手放した。今度は自由民主党を敗北させたのは、選挙民である。

「人々の生活のために」

 日本民主党の代表である鳩山由紀夫(62歳)は、2週間後に召集される新しい国会で首相に指名されることになるが、彼は年金手当、家族手当、生活保護手当などの諸施策に基礎を置く「人々の生活のため」の政策を推進することを約束した。また消費による経済刺激策の信奉者として、教育費の一部無料化、出産手当、高速道路料金の廃止も約束した。日曜日鳩山氏は、日本民主党と共同する二党との連携についてその意向を述べた。

 自由民主党に関して言えば、その衝撃は耐え難いものになる。この党の少なくない幹部が自分の選挙区で敗北し、麻生太郎は総裁を辞任する考えを語った。

アメリカに対してより大きな自立を
 
 ケネディ家と比較される、数代にわたる政治家の家系の裕福な継承者である次期首相は、アメリカとの関係ではより自立した、そしてアジアの方により目を向ける日本像を描き、にもかかわらずアメリカと戦略的同盟を再び問題にする。

 一度も政権についたことのない日本民主党は、戦後最悪の景気後退をなかなか抜け出さないでいる国の指導権をとることになった。そして増税なくして全ての改革を真正面から取り組むこの党の能力を疑っている者もいる。この弱さを自覚している日本民主党は、アメリカに倣って、党出身の大臣とともに非公然のうちに、移行を確かなものにすることを任務とする限定されたプロジェクト・チームを月曜日に指名することになっている。







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