NO.1352 民主党「上げ底政権」による、「比例定数80削減」には断固として反対する。
今回の選挙結果を実証的に検証しながら、小選挙区制が民意をゆがめる反民主主義的な制度であり、これを改正すべきだと少なくないブロガーや識者が指摘し、民主党の「比例80削減」に反対する声が上がっている。しかし、民主党はかたくなにこの方針を変えないという。
比例削減方針変えず=岡田民主幹事長(時事 2009/09/07-00:18)
民主党の岡田克也幹事長は6日夜のNHK番組で、同党が衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた衆院議員の比例代表定数80削減について「比例中心だと第3党が主導権を持ち、かえって民意がゆがめられる。若干の比例を残し、ダイナミックに政権が代わる小選挙区を中心にした制度がいい」と述べ、あくまで削減を目指す考えを示した。
比例定数の削減には、同党と連立政権に向けた協議をしている社民党が反対しているが、岡田氏は「(削減は)多くの国民の共感も得ており、簡単には変えられない」と強調した。
47%の得票で74%の議席
今回の総選挙で、民主党は小選挙区で221議席(議席占有率73・7%)を獲得したが、得票率は47・4%(3348万票)にすぎない。同党の得票率で小選挙区定数を比例配分すると142議席となり、79議席も“水ぶくれ”していることになる。
逆に、自民党は得票率38・6%(2730万票)で議席占有率21・3%(64議席)、日本共産党は得票率4・2%(298万票)で議席はゼロ。

一方、比例代表(定数180)での得票率は民主党42・4%、自民党26・7%、日本共産党7%。これに対し議席占有率はそれぞれ48・3%、30・6%、5%。
小選挙区制よりもはるかにましではあるが、ブロックに別れ定数が少ないため、多様な民意を正確に反映するという比例代表制本来の利点が損なわれている形となっている。
2009年9月7日(月)「しんぶん赤旗」によると、
小選挙区での投票総数7058万票のうち「死票」の合計が3270万票、それは投票総数の46.3%にのぼり、全国の300の小選挙区のうち87選挙区では過半数が「死票」になっていると報じられている。
例えば東京では25選挙区のうち12選挙区、大阪では19選挙区のうち10選挙区で「死票」率が半数を超えており、特に高知1区では「死票」率が67・5%に達して全国最高。当選者の獲得票は有効投票の3分の1以下。秋田3区(62・6%)、東京4区(62・5%)、山梨2区(62・4%)、神奈川4区(62%)でも「死票」率が6割を超えているそうだ。

仮に衆院総定数(480)を今回の総選挙の各党比例票で配分した場合は以下のようになる。
民主党 42.4%→204議席(-104)
自民党 26.7%→128議席(+9)
公明党 11.5%→55議席(+34)
日本共産党 7%%→34議席(+25)
社民党 4.3%→21議席(+14)
みんなの党 4.3%→21議席(+16)
国民新党 1.7%→8議席(+5)
投票総数の約半分が「死票」となるほどに、小選挙区制が民意をゆがめる選挙制度だということが改めて明らかになった。
「国民のための民主政治」を語る民主党である。
ゆがんだ選挙制度による「水ぶくれ政権」、「上げ底政権」による、「比例定数80削減」には断固として反対する。
仮に百歩譲って「正しい政策」を実施するにせよ、こうした制度を容認し、更に改悪するという政党には「民主政治」を語る資格は、最早ないといわねばならない。
民主党が自民党的強権政治を変える意思があるなら、選挙制度を公正なものにし(当面中選挙区に戻すなり、比例代表に重きを置いた制度にするなり・・・)、真に国民の参加の元で政治を国民のものにする努力こそが求められているのではないだろうか。
政党支持の如何にかかわらず、民主主義の基本としての議論が待たれる問題として、ここにしつこく改めて提起したい・・・です。
9・8追記:この件に関しては憲法学者の上脇博之氏も、系統的に書かれているので是非参照されたい。
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2009.09.07 | | Comments(4) | Trackback(8) | ・小選挙区制・国会議員定数削減問題Ⅰ
