NO.1371 鳩山新政権の船出 「いいところ」と「悪いところ」 記者クラブ開放せず
鳩山新政権がスタートし、メディアもあれこれと報道が盛んだ。
こちらも色々と書きたいことがあって、絞りきれないという「迷走」状態だ(笑)。
確かに、思っていたよりも「新しい歴史の始まり」を感じさせるというのが率直な感想だ。
ずばり言って、民主党は自民党政治の本質ともいえる「財界本位」、「対米追随」の姿勢を根本的に転換する立場には至っていない。
しかし、「自公政権との対決」の中で、自公政治の悪いところを変える政策も掲げてきた。いわば、「いいところ」と「悪いところ」を併せ持つ「過渡的」な性格を持つ。
したがって、こういう旧態依然とした財界からの要求も突きつけられている。
早速、深夜に閣僚の記者会見があり、
「いいところ」が現れている。
具体的なことでは先ず、
岡田克也外相が薮中三十二外務事務次官に、核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約について、外務省内にある資料を調査し、今年11月末をめどに調査結果を報告するよう命令した。
岡田氏は外務省内で行った会見で「密約の問題は、外交に対する国民の不信感を高めている。事実を徹底的に明らかにし、国民の理解と信頼に基づく外交を実現していく必要がある」と表明した。また、来週に米ニューヨークで予定されている日米外相会談で、米側に密約調査について説明する考えも明らかにした。
長妻昭厚労相は、 「年齢で区分した後期高齢者医療制度は、廃止する。」とキッパリ表明した。
川端達夫文部科学相は、高校教育を実質無償化を「来年4月から実施する方向だ」と述べた。
千葉景子法相は、 「取り調べの可視化はきちっと進める。」と明言した。
・・・何よりも、これらの国民の願いにたった政策・「いいところ」を、きちんと実施させていくことが重要だろう。それは、何よりも国民の運動と世論にかかっている。
一方、早速「どうしたんだ!」という「悪いところ」が!
民主党は記者クラブを廃止するといっていたが、しょっぱなの総理就任記者会見から記者会見は開放されなかった。
記者クラブ制度があるのは、日本ぐらいのものらしい。
以下の動画では、かつて記者会見をオープンにすると明言した民主党の記者会見での、鳩山代表、小沢代表(当時)の会見動画も紹介されています。
★「オープン性を高めていく必要がある。・・・マニフェストに書くまでも無いこと。・・・全ての方に公開するということは変わらない。・・・官邸に入っても自由にどうぞ」(鳩山)
★「日本はもっとオープンになるべき。ディスクロージャーが大事だ。・・・自民党幹事長時代から言っている。・・・どなたでも会見にはおいでください。この考え方は変わりません」(小沢)
・・・リアルな公約違反だ。
1-6民主党 記者クラブ開放の公約を反故に 神保哲生 x 上杉隆
以下は、ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)の「国民主権の世の中をつくる」という会見自体が国民主権に反しているというお話… から部分転載。
ビデオジャーナリストの神保哲生さんは、
【鳩山政権の会見が出だしからオープンにはならないことが決まってしまいました。
では、なぜ記者会見がオープンでなければならないのか。
もちろん世界の常識だからと言ってしまえば、それまでですが、重要なのはなぜそれが世界の常識なのか、です。
特定の社だけが入れるのはフェアじゃないとか、営業妨害とか、新規参入ができなくなるとか、記者クラブ所属の記者が取材をしなくなるからとか、いろいろなことが言われていますが、その核心的な部分はあまり議論されていないような気がします。
記者会見がオープンでなければならないわけ。それは、会見の出席に制限があると、記者会見が真剣勝負の場にならないからです。特定の社だけを相手にする記者会見を許せば、記者会見が政治権力とメディアの真剣勝負の場にならないばかりか、両者の関係が癒着と堕落の温床になることが、最初からわかりきっているからです。】
と本質的な批判をしている(http://www.jimbo.tv/commentary/000573.php)。
冒頭で述べたとおり、国民主権を標榜する舞台設定がすでに国民主権を侵しているわけだ。
元NHKディレクターの池田信夫さんは、
【深刻なのは、この閉め出しを決めたのがクラブだけではなく、官邸の意向でもあるらしいということです。『週刊朝日』編集長の山口一臣氏によれば、大手紙の経営者が「新聞、テレビなどのメディアを敵に回すと政権が長く持ちませんよ」などといって民主党を脅し、平野博文官房長官は周辺の記者に「記者クラブ開放は俺がつぶす」と言っていたそうです。これが事実だとすれば、首相の約束を官房長官が破ったことになります。
記者クラブは、韓国が盧武鉉政権時代に廃止した今、世界中で日本にしか残っていない奇習です。「スペースがない」などというのは理由にならない。新しい官邸の会見場は広く、クラブ加盟社はカメラマンや助手を入れると1社5人以上も会見場に入っており、しかも9割以上の記者は何も質問しない。内閣記者会を解散し、普通の国のように政府がチェックして記者証を発行した記者はすべて参加できるようにすべきです。
これはメディアだけの問題ではありません。こんな簡単な改革もできない政府が、数兆円の無駄使いを官僚の抵抗を排して削減できるとはとても思えない。このままずるずると既得権との妥協を重ねると、ネット世代を味方につけて改革を実行するオバマ政権とは逆に、これまで民主党を応援してきたウェブメディアも離れるでしょう。】
と指摘している(http://agora-web.jp/archives/749649.html)。
最初が肝心、民主党に抗議のメッセージを伝えるためにも、神保さんや池田さんのブログの記事を多くの方に伝えましょう!
「小泉劇場」や「政権交代」報道を見るまでもなく、報道の問題は、きわめて重要な問題。
特に高度に発達した情報化社会では、民主主義の基本に関わる問題である。
今からでも遅くはない。
先ずはすべてを国民の前にオープンにすることだ。
そのために記者クラブの廃止は、試金石となる。
神保哲夫氏の「記者会見をオープンにするのは簡単なことですよ」を読むと、
記者クラブは「任意の親睦団体で」すから、「そのために記者クラブの廃止は、試金石となる。」は訂正する必要があるようです。
「そのためには、政府の記者会見はフルオープンにするべきでしょう。」
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
応援よろしくお願いします。 ランキングー



- 関連記事
-
- NO.1420 二人の経済人 鳩山政権を語る (2009/10/29)
- NO.1417 鳩山首相所信表明 民主党政権の課題と不安が浮き彫りに (2009/10/27)
- NO.1409 「マニフェスト教条主義に陥ってはならない」 概算要求について (2009/10/19)
- NO.1389 政府の審議会が「休眠状態」・・・「脱財界政治」へ 抜本改革のチャンスに (2009/10/02)
- NO.1371 鳩山新政権の船出 「いいところ」と「悪いところ」 記者クラブ開放せず (2009/09/17)
- NO.1364 「自殺予防週間」・・・自殺予防は新政権の大きな課題・試金石 (2009/09/14)
- NO.1359 鳩山、志位党首会談 今後への実りに期待したい。 (2009/09/11)
- NO.1356 連立政権政策合意の全文 国民参加で前進を (2009/09/10)
- NO.1355 「国家戦略局」を考える。 (2009/09/09)
2009.09.17 | | Comments(1) | Trackback(5) | ・民主党政権批判Ⅰ
