NO.1378 当たり前の願いのもつ重み
(歩み33)
紙漉き班の仲間たちが、「紙漉き工房がほしい」という。
う~~ん。
その時の想いを、陶友通信 98年2月号(NO.39)より転載しておきます。
当たり前の願いのもつ重み
「何とかいい環境を作らないと・・・」と思っていました。認可され新しい仲間を迎え、色々と試行しつつも。安心して落ち着いて作業に参加するように仲間を受け止められない。職員体制を強め、一人ひとりの不安やオシャベリを受け止め、ともに仕事作りに取り組む中で、少しづつ仲間たちも落ち着き、作業そのものへの取り組みも変わってきました。その中での、「狭い」「うるさい」の声・・・。
私の中には「何とかしなければ・・・」と同時に、「そんな贅沢な、精一杯じゃないか」みたいな気持ちも、正直言ってありました。
「陶芸班のオマケみたい」「自分達の力でやって行きたい」・・・。この声に考えさせられ、自分の未熟さをいやというほど思い知らされました。
その人生の入り口で、或いはいじめに合い、或いは「力が無い」と、現代社会から「働く権利」を奪われ、不安の中でやっとたどり着いた作業所。作業どころじゃあなかった仲間たちが若い職員達と心を通わせ、ともに試み、共に感じ、少しづつこれが自分達の仕事だと手応えをつかんできた。
「オマケはいやだ」「自分達の力で・・・」は、働くことを知った者のプライドであり、自らの尊厳に目覚めた人間としての復権の声というと大げさだろうか。
ナガノオリンピックの青年達たち・・・原田が、舟木が清水が私たちに与えた感動は、個性的に伸び伸びと自分を表現する輝きと、その日に向けた挑戦の日々ではないでしょうか。
私たちも、一人ひとりが自分を信頼し(他人に競り勝つことではなく)、自分らしく伸び伸びと「心の一等賞」を感じて生きて行きたい。障害があろうとなかろうと、この共通の願いに響いたのではないのでしょうか。
この職にありながら「ゼイタク」とか「もっとやることやってから一人前のことを言って」とか思った自分の恥もさらしても、何とか仲間たちの声に応えたい。
この取り組みの中で、仲間たちがもっと輝きを増すと共に、私自身も成長したいと思います。当たり前の人間の願いの持つ重さをきちんと受け止められるように。
それが作業所の存在の意味だったし、陶友の生命だから。
仲間たちの願いはみんなの願い。
皆様のご支援をよろしくお願いします。
こうして、駐車場スペースに紙漉き工房6坪を増築すべく、資金作りが始まったのです。(つづく)
第16回 陶友祭ご案内
~ みんなちがって みんないい ~
・10月24日(土) 11:00~17:00
・10月25日(日) 11;00~16;00(その後、大懇親会)
・場所 工房陶友
〒804-0064
福岡市中央区地行1丁目15-18 工房陶友 周辺地図はこちら
(お問い合わせ)℡:092-771-5517
*仲間の作品展示即売
*ステージ企画
*飲食コーナー
*子どもコーナー
*ミニ・リサイクルバザーコーナー などなど。
お誘いあわせて、是非お越しください。
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2009.09.24 | | Comments(0) | Trackback(1) | ・陶友の歩みと出会いⅡ
