NO.1388 政治資金収支報告 税金(政党助成金)と企業献金頼みは政党の堕落
9月30日、2008年の政治資金収支報告書と政党交付金使途報告書が公表されました。
政治と金の問題、なるべくコンパクトに書きたいんだが・・・。
先ず「東京新聞」だが、
「民主、公約したけれど… 企業献金禁止道険し
(東京新聞 2009年10月1日 07時16分)
衆院選マニフェストで企業・団体献金の禁止を公約した民主党。しかし、2008年の政治資金収支報告書を点検すると、廃止への道のりは険しそうだ。(渡辺隆治)
◆広がらないすそ野
民主党はマニフェストで(1)政治資金規正法を改正し、その三年後から企業・団体献金を禁止(2)当面、国や自治体と一件一億円以上の契約関係にある企業の献金を禁止(3)個人献金を促進するために税制改革を実施-を掲げた。
特定の業者や労働組合との癒着の温床となる企業・団体献金を廃止し、その代わりに「ひも付き」の可能性が低い個人献金を増やす狙いからだ。
だが、すべての政治団体の個人献金の総額は五年連続のマイナスで、一九八〇年以降で最も少なかった。
個人献金が収入全体に占める割合は3・3%で、記録が残る七六年以降最低となった。(以下省略)
民主党へのネガティブキャンペーン?いや、「公約したけれど、仕方ないんじゃない」と、甘やかそうとしているように聴こえる。仕方ないキャンペーン?
幾つかの特徴を拾い上げてみたいと思う。
先ず、自民党は6割以上、民主は8割以上を税金(政党助成金)と企業・団体からの献金に依存しているということ。

自民党は
308億1335万円で最多。うち政党助成金が51・4%(158億4264万円)、企業・団体献金が9・1%(28億円)。総選挙に備えて三菱東京UFJ銀行など大手3行から借り入れた計75億円の借入金を除けば、政党助成金と企業・団体献金の依存度は80%にもなっている。
例えば、三菱、川崎重工などの軍需産業の献金は、防衛相の契約総額の7割(1兆3820億)を占める上位15社で、2億300万円と前年度に比べ9%増となっている。
経団連が、「防衛技術・生産基盤を維持するための適正な規模簿予算の確保。重点分野への集中投資、武器輸出三原則の見直し」などを迫っていたが、そのために「カネで政治を買収」していたことが明らかだ。
民主党は
本部収入142億1279万円のうち83・6%(118億7849万円)が政党助成金で、企業・団体献金は0・9%(1億2138万円)。
個人献金は前年の倍化!とはいっても、わずかに21万2000円で、全体の1%に満たない額だ。共産党の個人献金は4億9000万円だそうだからその2300分の1ということだ。民主党は、総選挙前から、個人献金は「新しい時代における政治活動の重要なエネルギー」などとネットで献金を呼びかけていたが、次年度報告が楽しみ(?)・・・なにせ、草の根での国民との結びつきが無い。苦労知らずに、税金に頼る体質は変わってないだろう。
また、同党は先の総選挙マニフェストで「3年後から企業団体の献金及びパーティー券購入を禁止する」と公約ししたが、その気があるなら、法律で禁止する以前に「受け取らない」と範を垂れるべきだろう。
パーティー券は、利益率は85%という。回数制限もなく、販売先の大半は闇の中、濡れ手に粟だ。これも即刻禁止すべきだ。
政党助成金も大問題
14年間で実に4400億円も交付された政党助成金。08年度分の使い残しは国庫に返納せず、ちゃっかりとため込んでいる。
貯め込み額は、自民、民主など受け取った6党の総額で、07年比2・17倍の112億6497万円。113億円も実際には不要だったということで、総選挙に備え、助成金を“蓄財”したということだ。・・・実はこれが選挙CM垂流しで、電通などの広告会社に(例えば07年参院選で)212億円も湯水のように注ぎ込まれるわけだが・・・。
「官から民へ」などといいながら、政党は国営化かよ!
国民には痛みを押し付け、自分達は楽をする、政党の堕落の始まりだ。自民党の与謝野馨前財務相でさえ、「自ら努力しないで獲得できる政治資金があるのは、政党のある種の堕落を招くのではないか」と言っていた。
当道場は、「憲法違反の政党助成金は廃止を」と訴えてきたが、それ以前にも、「貯金に回す」なんてことは禁止して、「使わなかったら返す」ことにすべきだろう。
そんなことしたら駆け込みで、「キャパクラ通い」が盛んになる?かもね(笑)
民主党は、「無駄を削る」というなら先ずこの政党助成金を削るべきだ。税金にたかって政治を行うことが、「生活が第一」「ムダ削減」とどう整合するのだ?
企業・団体献金も政党助成金も、政党を堕落させ、「政治とカネ」をめぐる感覚をマヒさせる大本だ。
共産党はちゃんとやているわけだから、出来ない事はないということだ。
最後に企業団体献金の禁止について。
「企業団体献金の禁止」は、「脱財界」、「国民が主人公」の政治への試金石だ。
民主党の「企業献金3年後禁止」に対して、民間有識者達が「提言」を行ったようです。
これは予算をともなうものでもなく、やる気さえあればすぐに実行に移せること。「東京新聞」が、「企業献金廃止への道のりは険しそうだ」と書いたことで、「同情的だ」などと勘違いをしてもらっては困る。今回の政治資金規正法の改正提言はの特徴は、民主党のマニフェストを条文化した点にあります。官僚に依存しなくても、直ちに国会へ提案できるようにしたものです。なお、民主党のマニフェストにない部分も私たちが改正すべき部分も条文化しています。
この提言は、9月29日に内閣総理大臣、総務大臣や民主党などに送付しています。
ちょっと長くて転載は控えます。以下のリンクを参考に。
■上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場・・・癒着の構造を断ち切れるか民主党の本気度が試される
■弁護士阪口徳雄の自由発言」・・・民主党のマニフェスト通りの企業・団体献金禁止法を提言
鳩山新政権は、直ちに政党助成金の廃止と企業献金禁止に踏み切ることを求めるものである。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.10.01 | | Comments(4) | Trackback(5) | ・政治と金の問題Ⅲ
