NO.1454 小泉構造改革時代以来の手法・「事業仕分け」作業 ほんとの無駄を削っているか?
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”必殺仕分け人”が話題です。
帰省の車中から桜島を望む。加治木町周辺通過中。
父の7回忌法要も無事済ませてきました。
内閣支持率62%、ムダ削減「評価」76% 世論調査(2009年11月15日22時31分)によると、「鳩山内閣の支持率は62%で、前回調査(10月11、12日)の65%からやや下がった行政のムダを減らす取り組みを「評価する」人が7割を超えるなど、内閣の基本姿勢は高い評価を受けている」という。。
「行政のムダを減らす取り組みは「評価」76%、「評価しない」14%。政府の行政刷新会議による事業仕分けが進行中なのも影響しているようだ。官僚に頼った政治を改める取り組みも「評価」が69%で「評価しない」の18%を大きく上回る」そうだ。
果たして、「行政のムダを減らす取り組み」の内容が正しく報道され、十分に理解されているのだろうか。疑問である。(「脱官僚政治」に対する評価も異議ありだが、これは他の機会に譲って・・・)
予算編成の過程が一部でも国民の目に見えるということは、評価できることですが、問題は中身でしょう。以下の記事で、「思いやり予算」にメスが入れられていないことを問題にしたところです。
■NO.1449 「思いやり予算」が「仕分け作業」の対象?「包括的見直し」(鳩山首相)には程遠い
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1494.html
日本共産党佐々木憲昭衆議員が、この手法は小泉内閣の構造改革路線以来の手法であることを明らかにして、「国民の目線から、大企業奉仕・米軍向けのムダを削減し、福祉・教育を拡充する立場でおこなわれているかどうか、これが肝心な点」だと指摘している。同感です。
【09.11.15】「事業仕分け」は小泉内閣が始めた手法だった(佐々木憲昭 「奮戦記」)
鳩山内閣の「事業仕分け」は、これまで見えないところで行われていた財務省と各省庁の予算獲得をめぐる攻防の一端が、国民の目にさらされることとなりました。
情報の開示という点では、確かに一歩前進ですし、天下り先の「むだ遣いをカットする手段」として有効かも知れません。
しかし、国民の目線から、大企業奉仕・米軍向けのムダを削減し、福祉・教育を拡充する立場でおこなわれているかどうか、これが肝心な点です。
「事業仕分け」という手法は、鳩山政権になって初めて出てきたわけではありません。
行政刷新会議の事務局長をしている加藤秀樹氏が代表を務める「構想日本」が推し進めてきたものです。
小泉内閣時代につくられた「行政改革推進法」(2006年)に「仕分け」が、はじめて規定されました。その後、07年08年と経済財政諮問会議で議論がはじまり、08年には自民党内のプロジェクトチームでも「事業仕分け」に着手。ここには「構想日本」も参加していたのです。
民間人の「仕分け人」の選定は、行政刷新会議の事務局長・加藤秀樹が中心になっておこなわれました。そのため、元政府税調会長の石弘光氏や、経済財政諮問会議の審議に携わった川本裕子氏など「小泉改革」を推進した人物も含まれています。
「構想日本」のHPには、事業仕分けの「副次的な効果」として、「職員や住民の意識改革」が挙げられています。傍聴に来ている住民は、「行政サービスには相応の税金がかかること」を改めて認識します、とされています。
事業仕分けは、行政にどれだけ税金がかかるかを気づかせ、「自助努力」と「受益者負担」を納得させる手段として位置づけられているようです。
この「事業仕分け」を通じて、思ったほど「歳出削減」ができなければ、財源をどこから確保するのかという問題が当然でてきます。財源が足りないなら「消費税の増税しかない」という方向に国民の「意識」を変え、自助努力」と「受益者負担」を納得させる方向に誘導することにもなりかねません。警戒が必要です。
少し詳しく見て見たいと思います。
なぜ外国人まで?
先ず、「仕分け人」の人選がだれがしたのか。民間人の「仕分け人」の選定は、行政刷新会議の事務局長・加藤秀樹が中心になっておこなわれたといわれています。そのためか、元政府税調会長の石弘光氏や、経済財政諮問会議の審議に携わった川本裕子氏など「小泉改革」を推進した人物も含まれている。
国民新党の亀井大臣は、「3党連立と言いながら国民新党や社民党の議員が入っていない」と不満を表明し、外国人のモルガン・スタンレー証券経済調査部長が仕分け作業に加わっていることを問題にし、「事業仕分けは権力の行使そのもの。外国人を入れるのはおかしい」と批判した。
仕分け対象の中身は?
次に、今回の「事業仕分け」の対象となった447項目(約210~220事業)をみてみよう。
その中身は、「生活関連」も廃止対象にするのが目立つ。
生活関連が見直し
その「見直し」対象は、地方交付税交付金、診療報酬など大所の予算のほか、国民の要求で実現させてきた「保育所運営費負担金」「延長保育事業」など福祉関係の事業や、公立学校施設整備事業、義務教育国庫負担金、国立大学法人運営費交付金などなど・・・。
・地方交付税削減について、横路孝弘衆院議長は、「何を考えているか分からない」、「地方分権の推進に関する決議」(1993年に衆参両院で採択)は、「地方税財源の充実強化」などを求め問題を正しく指摘していると、疑問を強調した。
・入院時の食費・居住費負担(ホテルコスト)について、現在、療養病床に入院している65歳以上の高齢者に特に重い負担を課していることに対し、「若者や一般病床の患者にも公平な負担を求める」方向で見直すべきだとした。これは真逆でしょう。
「民業圧迫」?
・子どもの体験活動を行っている団体を支援する基金や事業を廃止に。「青少年自然の家」などを運営する「国立青少年教育振興機構」は「民業圧迫だ」などの理由で「地方自治体・民間への移管」に仕分け。
・スポーツ予算(59億1400万円)は大幅削減すべき。
大和総研チーフエコノミストの原田泰氏が「生涯スポーツ施設は民業圧迫だ」と述べ、サッカーくじ(toto)への依存を強めるべきだとの意見が相次ぎ、「予算要求の縮減」が多数意見に。
・「子どもの読書というなら『ベネッセ』がある」―。
「子どもの読書活動推進事業」をめぐり藤原和博氏(大阪府知事特別顧問)は学校での「朝の読書は成功している」としつつ、「子どもが一人も借りていない本がある。(古書店)ブックオフにでも売ればいい」と同事業は「廃止」の結論に。
なんだか、「民間で出来るものは民間に」・・・どこかで声高に叫ばれたフレーズが聴こえてくるようです。手法だけではなく、内容も小泉構造改革に似ているのではないか。
本当の無駄には手をつけず
一方で、自公政権時代と同額の概算要求が出されている在日米軍への「思いやり」予算(1919億円)は、基地従業員(日本人)の給与にあてる労務費のみが対象となるだけ。さらには、超大型公共事業や大企業優遇の事業についても、憲法違反の無駄遣い・政党助成金も対象となってはいない。
「仕分け人作業」・・・仙谷由人行政刷新担当相は「徹底した歳出削減、筋肉質の歳出構造を実現したい」と表明し、予算編成の過程を公開の場で見せると鳴り物入りで始まった行政刷新会議の議論だが・・・。
ポーズだけでなく、本当に「公開の場」というなら、民主党議員だけでなく他党の国会議員も交え、国会の場で堂々と議論すればいいのではないかと思うのだが。
もっとも「公開の場」で「国民の代表」が参加できるのだから・・・。
■関連お薦めブログ:「なんという非情な感覚」(sadaoka.net)
行政刷新会議「仕分け」作業。国による「地デジ弱者支援策」もムダ?だという記事です。
「地デジ弱者支援策」というのは、政府が「国策」として進めている地デジヘの移行にあたって、NHK受信料全額免除の約260万世帯など経済的弱者に地デジチューナーを無償支給したり、共聴施設の地デジ改修を補助しようとする国民負担の軽減策です。
・・・・・
民主党は、どう対処するのでしょうか。
しかも事業仕分け人からは、「(生活保護世帯に)車やテレビはぜいたく品」「なぜ、チューナー全額を国が負担するのかわからない」との意見が相次いだといいます。「なぜテレビだけ国がサポートするのか。(11年7月に)テレビが映らなくなったら電器屋に電話するものだ。テレビを見られなくなってもいい」などと暴論を吐く仕分け人もいたというのです。
なんと言う非情でしょうか。
世の中すべてをカネで仕切っていいものか。それでは小泉「改革」のバージョンアップではないでしょうか?(部分引用)
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2009.11.16 | | Comments(3) | Trackback(5) | ・政治一般Ⅱ
