NO.1458 「事業仕分け」という名の「政治主導」ショー 欺瞞もいいところ
あっとおどろく「必殺仕分け人」!
これお・ぷてらさんの「事業仕分けの欺瞞」で、時事通信の記事を知って、そこまでかと思いつつも、矢張りと合点してしまった。
事業仕分けで極秘マニュアル=財務省の視点を指南-政治主導に逆行・行政刷新会議(時事ドットコム)
政府の行政刷新会議が2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」で、事務局が極秘の査定マニュアルを作成し、民間有識者など仕分け人に配布していたことが17日、明らかになった。
財務省の視点に基づき、仕分け対象事業の問題点を列挙、各担当省庁の主張に対する反論方法まで具体的に指南する内容。政治主導を掲げた事業仕分けが、財務省主導で進んでいる実態が明らかになった格好だ。
事業仕分けは、予算圧縮に向けて国会議員や民間有識者ら仕分け人が、各省庁が要求した事業項目を外部の目を通じ、「財務省には無い視点」(枝野幸男ワーキンググループ統括)でチェックする仕組み。すべて公開で実施され、鳩山政権初の予算編成に当たって導入された。
査定マニュアルは、事業仕分け前に「参考メモ」として仕分け人に配布され、事業ごとに「論点」を提示し、問題点などが個条書きされている。マニュアルに従えば、対象事業に詳しくない仕分け人でも、厳しく問題点を指摘できる仕組みだ。(2009/11/17-15:09)
財務省の主導は明らかだったが、ここまでご丁寧に「脚本」があってのキャスティングだったとは!民主党議員は恥かしくないんだろうか?何が「仕分け人」か。政権の権威にもかかわる失態ではないだろうか。
例えば、厚労省の保育の最低基準撤廃の動きについては、以下で批判したが、
■「NO.1453 「チルドレンファースト(子ども第一)」の公約が泣くばい。」
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1495.html
16日の「事業仕分け」の場で、民間「仕分け人」が、厚労省の保育制度改悪を煽っていた。
ある民間「仕分け人」は、保育の担い手に社会福祉法人が多いことを「厚労省のセクショナリズム(縄張り主義)」などと問題にし、「厚労省は『保育は福祉』と考えているようだが、株式会社を積極的に入れていくかを国民は見ている」と主張した。国民がそんなこと望んでいるものか、言語道断だ。
ところが、厚労省、きっぱり反論するでもなく、「現在、社会保障審議会の少子化対策特別部会で、株式会社の件も含め根本的な議論をしている」とこびて迎合していたではないか。あきれてモノが言えないとはこのことだ。
こうした仕分け作業を「劇場」中継で見せられ、「政治主導」が頑張ってるなと思い込まされる国民というものは、いい面の皮だ。お陰で、世論調査では「政治主導」の評価が高いという。
目を醒まして、この「筋書きのあるドラマ」、財務省の「脚本劇」をよく見ようではないか。どこが「政治主導」か!
「財界主導政治」を覆い隠す役割
民主党は官僚を主敵に祭り上げて、「脱官僚」「政治主導」を説く。その手法の一つががご覧のような「仕分け作業」だ。これおぷてらさんの言うように「欺瞞」もいいところではないか。
その中身は、「聖域はない」といいながら肝心なところに全くメスが入らず、隠されている。すなわち、大企業奉仕の大型公共事業や思いやり予算を初めとする軍事費など。
思うに、「脱官僚」「政治主導」は、自民党政治のがんであった「財界主導政治」を覆い隠す役割を果たすスローガンである。
日本共産党の市田書記局長が記者会見で問題点を指摘しているので、紹介しておきます。
事業仕分け問題で日本共産党の見解 市田、穀田氏会見(09.11.16)
2009年11月17日(火)「しんぶん赤旗」より。
本当の無駄は対象外
市田書記局長 「事業仕分け」問題多い
日本共産党の市田忠義書記局長は16日、国会内で記者会見し、現在、民主党政権がおこなっている「事業仕分け」について「もともとこの問題は小泉内閣の時代に『行政改革推進法』(2006年)によって規定されたものであり、民間人の『仕分け人』には『小泉改革』を推進した人物もふくまれている」と述べたうえで、問題点を次のように指摘しました。
第一は、本当に無駄な事業が仕分けの対象になっていないことです。市田氏は、軍事費を例にあげ、1200億円もするヘリ空母や「ミサイル防衛」など主要な部分は除外し、広報や自衛隊員の募集事業など細かいところばかりを対象にしていると指摘。「思いやり予算」などの米軍関係費についても「仕分け」の対象になっているのは、基地労働者の賃金水準であり、グアムへの新基地建設予算などは対象外だと述べました。優先順位について、国民の批判の強い高速道路の無料化についても「マニフェストに掲げたという理由で事業仕分けの対象外だ」と批判しました。
第二は、効率性の観点ばかりで現場の意見を反映しない乱暴なやり方で議論を進めていることです。市田氏はこうした議論の中で、医療保険について“療養病床にくらべ、一般病床の食費は安いから引き上げるべきだ”“ホテルコスト(食費・居住費負担)も取るべきだ”などの意見が出ていることをあげ、「新たな国民負担を増やす議論がおこなわれているなど問題も多い」と批判しました。
こちらも参考まで、
■NO.1454 小泉構造改革時代以来の手法・「事業仕分け」作業 ほんとの無駄を削っているか?
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1498.html
そりゃ欺瞞もいいところだ!と思ったら



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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.11.18 | | Comments(12) | Trackback(7) | ・民主党政権批判Ⅰ
