NO,1468 「事業仕分け」は、「消費税増税やむなし」への「議論」の始まり。
裏を返せば、それほどに国民は社会保障の充実を求めていると言うことだろう。
小泉構造改革で、雇用も医療も福祉もずたずたにされ、格差と貧困が日本社会を「生きにくい」社会にしてしまった。国民はセーフティネットを、社会保障の拡充を切に願っている。
消費税上げ「容認」が61%…読売世論調査(2009年11月24日19時09分 読売新聞)
民主党政権は、「4年間は消費税は上げない」と約束している。読売新聞社の全国世論調査(14~15日実施、面接方式)で、社会保障制度を維持するため、消費税率引き上げはやむを得ないと思う人は61%で、「そうは思わない」37%を大きく上回った。
消費税率引き上げを容認する人は、前回2008年7月調査の47%から14ポイント増え、同じ質問を始めた04年7月以降で最高となった。
増え続ける社会保障費の財源として、消費税率引き上げは欠かせないという認識が広まっているようだ。
「今後4年間は消費税率を引き上げない」という鳩山内閣の方針で、今の社会保障の水準を維持できないと思う人は62%に上った。(部分引用)
世論は、「社会保障のためには消費税上げもやむなし」だという。
さて、この世論調査に、軍事費や大企業優先の予算を見直し、財界に応分の負担を求めると言う選択肢があったのだろうか?
「民主に注文 社会保障 消費増税で」と注文をつけてきた読売である。誘導的な質問からは、明確な反対の理論的立場がなければ「止む無し」とするのが、この手の世論調査の結果だろう。
メディアも政府も着々と「消費税増税止む無し」へ世論誘導をしているように見える。
8000種もあると言う国の事業の447種が予め取り上げられ、「事業仕分け」が行われている。財務相があらかじめ選定し、細かなシナリオまで提供して「劇場型」で進められている「仕分け作業」。
幾つかの生活や文教関係も含めた事業を「ムダだ!」と特定し、幾ばくかの予算を縮減すると言う。
肝心な無駄遣いである5兆円にも上る軍事費、分けてもアメリカに対して何ら責任を負うものでもない2000億にも上る「思いやり予算」も、殆ど本体は無傷。
この10年間に218.7兆円もの内部留保をためこんだ大企業については、引き下げてきた法人税を元にもどすこともせず、研究開発減税の本体は維持し、大資産家に対しては所得税の増税もせず、上場企業の株式譲渡益や配当に対する税金を優遇している証券優遇税制も、手をつけない。
ムダを削るなら、軍事費や大企業優遇にこそメスを入れるべきでしょう。
峰崎財務副大臣は「聖域なく見直す」と言ったが、口さきばかりである。 峰崎氏は、「所得税、法人税、消費税、そこに大胆に税率を上げるとか手をつけない限り、財源はほとんど出てこない」と述べているが・・・。「財源は出てこない」といいながら・・・、「政治ショー」を自ら認めたようなものだ。そして、その中身は、法人税率の引き上げは検討課題にもならず、、所得税の最高税率引き上げは否定している。
結局のところ、軍事費や大企業・大資産家優遇を「聖域」にして、残った消費税増税で財源確保をするというという発想しかないようだ。
こうして、目に見える「劇場」をテレビに映し出し、蓮舫などが派手に立ち回りを演じるこの「劇場」の結論部分は見えているのではないか?
「どうだ、切るだけ切って見せたぞ!・・・だがわずか数千億だ、やはりここは消費税しかないのだ!」
だまされないこと!
福祉や社会保障のためというのは真っ赤なウソである。
消費税導入以来20年。税収は2009年度予算含む累計で213兆円の見込み。
同時期に大企業などの法人三税(法人税、法人住民税、法人事業税)などの減税が累計で182兆円。大企業をもうけさせ助けるために、庶民からの消費税が回されたのは周知の事実である。
「4年間は上げない」という民主党新政権だが、一方で「基礎年金財源は消費税で」「議論をする」といっており、その議論の入り口が今回の「仕分け作業」というところか?
「事業仕分け」を機にマスメディアも増税の大合唱の恐れがある。消費税のそもそもと狙いを見抜き、反対の世論を大きくし、なんとしても消費税の増税は阻止しなければ・・・!
今日のお薦めブログ:
■「事業仕分け」の対象と方法についての問題」(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
あとは、リンク先でチェックしてください。民主党連立政権による「事業仕分け」ショーは、ありとあらゆる事業が仕分けの対象になっているという印象を与えていますが、全然そうではないということは知っておかなければならないでしょう。
・・・
しかし、必要性の高い事業も廃止になるとしたら、本末転倒です。しかも、「仕分け」の対象になっておらず見直しすらされない事業がたくさんあるのですから、予算全部を見直しているという印象だけ与えて世論をミスリードしていることになると思います。
その趣旨でいくつかの記事のご紹介。
皆さん、だまされたらいかんばい!と思われる方は



「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2009.11.25 | | Comments(3) | Trackback(3) | ・消費税・財源・税Ⅳ
