NO.1492 みんな政治的に利用したがっている。
もうこの話題は落ち着いた様子ですが、一言。
昨日市内を右翼の宣伝カーががなり立ててパレードしていました。
「天皇制」があるかぎり、みんな政治的に利用したがるのではないでしょうか。
絶対主義的天皇制の威光を借りて権威付けをする・・・、そういうこと自体が、憲法の精神に反し時代遅れなのですが。
今回は、先ずは中国が天皇を政治的に利用したかったのでしょう。
天皇との会見は1カ月前までに決めるという慣行があったということですが、中国側の申し入れに民主党政権がその期限を過ぎての申し入れにOKを出しました。そのことに対して自民党から「政治利用だ」と批判が上がり、喧々囂々の中、中国の習近平国家副主席が来日し、天皇と会見しました。
民主党小沢幹事長が、批判に対して、「憲法をよく読め!」と気色ばみました。
そこで私も憲法を改めて読んでみました。
「外国の大使及び公使を接受すること」はあるものの、外国の賓客との会見は、国事行為の中には含まれていません。そういう点では小沢発言は外れですね。でも、あのニラミに記者諸君も黙り込んでしまいました。〔天皇の権能と権能行使の委任〕
第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
〔天皇の国事行為〕
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
今回の場合は、憲法に厳格に定めた「国事行為」以外の「天皇の公的行為」ということになりますが、そういう場合も、政治的性格を持たせてはならないと言うのが憲法の精神でしょう。小沢さんこそ、憲法の精神を読み込むことが必用ではないでしょうかね。
こうして、政府が関与したことによって、政治的性格を与えてしまったというところでしょうか。そして、自民党もこれを政治問題として取り上げることによって政治利用したと言えるでしょう。もっとも、前原国土交通相によると、名前は伏せていますが自民党の総理大臣経験者からの依頼だったとしていますが、中曽根康弘元総理でしょう。だとすれば自民党は批判の矛先をどこに向けるべきか、困ったことでしょう。
そして、右翼が久々にネタが出来たとばかりに、この寒い中、街宣車でガナリ立て最大限の政治利用をして民主党政権攻撃をしています。
中国側が、「天皇陛下に会見を」と申し入れがあったときに宮内庁の判断と対応で終わればよかったところを、「今、中国にはいい印象を与え、いい関係をつくらねばならない」と判断した民主党が慣行の枠を外して「内閣の承認」を与えた。そこで、ヤバイと考えた自民党がかみついた。中国側に民主党の点数が上がるからヤバイ!程度の党略的なものでしょうが・・・、そんな経過のようです。
「国事行為」に「公的行為」、「私的行為」・・・厄介ですね。
宮内庁によると、「天皇の公的行為」とは「公的な性格を持つ行為」で、「国政の権能にわたらないよう、国事行為に準じて内閣の助言と承認を受ける」と定義していているそうです。しかし、実際はこの定義はあいまいで、時の内閣の判断にゆだねられているのです。だから今回のような問題が起こるのでしょう。
天皇制があるかぎり、「天皇の政治的利用の問題」は避けられないということでしょうか。
この憲法にも規定されていない「天皇の公的行為」を、厳密に規定する必要があるということでしょう。
美智子皇后が明らかにした所によると、天皇家では毎年憲法記念日には憲法の勉強をするとか・・・。
彼らもまた色々大変ですね。一般人では無い不自由さと共に生きねばならない。私人として見れば同情したくなります。
天皇制、天皇家という特別な身分をなくせばいいのに・・・
と思われたら



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2009.12.18 | | Comments(13) | Trackback(14) | ・政治一般Ⅱ
