NO.1501 企業・団体献金の全面禁止が政党助成金増額と引きかえなんて、とんでもない。(追記あり)
政治とカネの問題がまたしても大問題なのだが、問題の根本的解決には企業・団体献金の全面禁止以外にない事は、当道場でも再三述べてきた。
ここに来てやっと動き?があるようだ。
自民党に企業・団体献金の禁止を民主党に先んじて主張するようオススメしている地方紙もある。
企業・団体献金 全面禁止以外に道なし(岩手日報 1・28)
一方NHKによると、民主党が企業・団体献金を禁止の今国会成立を目指すと報道されている。(前略)抜け道を防ぐために不可欠な企業・団体献金の「全面禁止」を、昨年提唱したのは民主党だ。マニフェスト(政権公約)にも明記し、「同規正法を改正し、その3年後から企業・団体の献金およびパーティー券購入は禁止」と約束しているが、具体化の声さえ聞こえてこない。
鳩山首相と小沢幹事長の資金団体をめぐる献金事件で、党全体が沈黙したり身内擁護に走るのは本末転倒。国民にわびて、政治改革の具体化に精力を注ぐべきだろう。
何といっても、共産党を除く主要政党は年間300億円以上の助成金を受け取っている。それで政治の浄化を怠るなら、国民の税金である助成金は返還すべきだ。
「政治とカネ」の問題は鳩山政権だけでなく、国会の自浄能力も問われる。なかでも自民党は国民にどうアピールできるか考えたい。防戦に終始する民主党に先んじて、企業・団体献金の全面禁止を主張すれば国民に「チェンジ」を印象づけることになる。
「敵のエラーだけで勝てない。自分でヒット、ホームランを打たないといけない」(舛添要一前厚労相)。事件の真相追及はもちろんだが、過去の「政治とカネ」の反省も踏まえ企業・団体献金の全面禁止を率先してはどうか。
献金禁止 4月上旬までに法案(NHK 1月28日 15時21分 )
今国会での企業・団体献金全面禁止は大賛成である。政治献金のあり方を検討する民主党の作業チームが初会合を開き、企業・団体献金を禁止するための政治資金規正法の改正案などについて、4月上旬までに取りまとめ、今の国会で成立を目指す方針を確認しました。
民主党は、さきの衆議院選挙の政権公約=マニフェストで、企業・団体献金を禁止するための政治資金規正法の改正に取り組むことを掲げており、小沢幹事長も今の国会に改正案を提出する考えを示しています。これを受けて民主党の作業チームの初会合が開かれ、法改正に向けた主な論点や改正案の提出に向けた日程などについて意見を交わしました。その結果、平成22年度予算案の成立後、いつでも国会に提出できるよう、改正案を4月上旬までに取りまとめ、今の国会で成立を目指す方針を確認しました。また、会合では、企業・団体献金を禁止した場合の対応策として、個人献金やインターネットを通じた献金を拡大するための方法や、政党助成金のあり方などについても議論していくことを決めました。
やっと動き出したかの感だが、しかしよく見ると手放しでは期待できないようだ。
鳩山首相は26日の参院予算委員会で、自民党の舛添要一氏への答弁で、政党助成金の増額について「この議論は慎重にしないといけない。政治に対する信頼回復が先との議論もあろう」とも指摘しつつ、「検討すべきことだ。各党各会派で議論してもらいたい」とのべている。
かねてから、自民、民主内には、「日本には個人献金の文化が無い」とかいう理由で、企業・団体献金禁止を渋る議論が蔓延して来た。
1994年に強行された「政治改革」では、政治腐敗の温床である企業・団体献金は禁止のために、国民の税金を原資とした政党助成制度が導入されたはずだったが、企業・団体献金は禁止されず、温存された。
その結果年間320億円もの税金が一定の要件を満たす政党に毎年交付され(日本共産党を除く)、15年で5000億円にものぼろうとしている。
企業・団体献金はもらい、税金はつかみ取りの政党にだれが個人献金などするものか。「文化の問題」などでは断じてないだろう。
政治腐敗が問題になるたびに、企業団体献金禁止が取りざたされるも、抜け道を作って今日に至っている。
企業・団体献金禁止のために政党助成金の増額するとはもってのほかというべきだろう。これまで、政党助成金は、身内の企業に流したり、政党本部から支部や議員の資金管理団体等に流れ、キャバクラや芸者遊びや飲み食いや、身内のの海外旅行などにも使われてきたことも明らかになっている。労せず掴み取った金など生きるはずが無いのである。
もともと、民主党の企業・団体献金の全面禁止は、政党助成金の増額とセットであり、政党助成金導入に旗を振った小沢一郎氏が「年間1000億程度は、決して高い出費ではない」といっていたことも知る人ぞ知る事実である。
ここに来て、小沢氏や鳩山氏への批判かわしに企業・団体献金禁止を持ち出し、しかも政党助成金増額を狙うなどは、到底賛成できるものではない。小沢氏が、疑惑を自ら晴らすために、やましいことがなかったら堂々と国会で真相を明らかにすべきだろうし、民主党も検察の捜査任せにせず、政党としての自浄能力を発揮することが求められているのは言うまでもない。それが政党と政治家の責任というものだと思うが・・・。
そのれとあわせて、民主党はもっと「攻勢的」に、無条件に企業・団体献金の禁止を今国会に提案し、自民党との違い、政権交代の真意を国民の前に明らかにすべきでは無いだろうか。自民党と一緒に、またもや政党助成金という税金にたかる議論に走るなどとは、国民の信頼からは程遠いだろう。
追記
民主党が今国会に法案を提出する方針について上脇博之氏が詳しくい書いています。
「決断が遅いが、それ自体については、とりあえず歓迎したい!」としつつ、以下の点を危惧すると・・・。
以下、民主党が政治資金規正法改正案を今国会に提出するという!より要点を引用して紹介します。
同感です。(2)法案の提出それ自体は歓迎するが、危惧されることが幾つかある。
それは、第一に、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)による提言を2月中旬に受け取ってから、法案の詳細をまとめる方針だ、という点である。
21世紀臨調は、その前身が民間政治臨調であり、1994年の政治改悪を推進した勢力である。
果たして企業・団体献金の全面禁止を提言するのだろうか?
提言したとしても、政党助成の増額も提言するのではないか?
危惧される。
(3)第二に、それとの関係もあって、政治資金規正法の改正案のとりまとめが3月末または4月上旬にずれ込み、国会に提出するのが早くて4月(!?)になりそうなのが、危惧される。
今の通常国会の会期末は6月16日。
参議院通常選挙の施行との関係で、会期の延長が難しいかもしれない。
したがって、法案を4月に提出するというのは、審議時間を確保する上では遅いのではないかと危惧される。
(4)第三の危惧は、これまでの民主党の考えであれば、企業・団体献金の全面禁止まで3年間の猶予期間を設ける可能性があることである。
しかし、このままでいけば、2013年に施行される次回の衆議院議員総選挙と次々回の参議院議員通常選挙が、企業・団体献金が全面禁止されない状態で行われる可能性が高い。
そうなると、昨年の総選挙での政権公約の意味がなくなってしまう。
総選挙で3年後の全面禁止を公約して圧勝した以上、衆参の選挙が企業・団体献金の放任された中で行われることは、一種の公約違反のようなものである。
無条件に、企業・団体献金の全面禁止こそ政治腐敗の解決の道!
と思われる方は、



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2010.01.28 | | Comments(4) | Trackback(9) | ・政治と金の問題Ⅲ
