NO.1512 企業団体献金への新たな抜け道つくり 民主党は乗るべきではない!
経済同友会が「政党による政策本位の政治』の実現に向けて―マニフェスト政治の確立と政治資金のあり方―」という意見書を発表した。
同友会、企業献金原則禁止を提言 シンクタンク向けに限定(2010/02/15 18:36 【共同通信】)
経済同友会は15日、企業・団体による政治献金を原則禁止し、政党が政策立案のために設立するシンクタンクに限って寄付を認めるべきだとするとする意見書を発表した。
資金団体や各地の支部などへの献金は禁止し、企業などが政治家のパーティー券を購入することも認めない。「政治とカネ」をめぐる事件が相次いでいることが背景にあり、同友会は「政党の政策立案能力向上につなげたい」(桜井正光代表幹事)と説明している。
民主党は昨年夏の衆院選のマニフェスト(政権公約)に、企業・団体献金を将来禁止することを盛り込んだ。日本経団連も会員企業が政治献金をする際の参考とする「政党政策評価」の見直しに着手しており、経済界の姿勢は政治資金をめぐる議論に影響を与えそうだ。
同友会は、政党が政治活動をするための資金は党費、個人献金、政党助成金で賄うべきだと主張。政策を練ったり、人材を育てたりするためのシンクタンクを設立するよう政党に促し、シンクタンクへの献金は「企業の社会貢献」として、例外的に認める考えを示した。
意見書を以下に部分転載しておく。
≪本意見書の背景≫
政権交代を機に、マニフェストによる政治の課題、問題点が明らかになってきたこと。
政治資金/献金問題については、民主党マニフェストの「企業・団体献金の3年後の廃止」に対して、7月の経済同友会・夏季セミナーの意見を踏まえ、9月に経済同友会所属企業・全会員に「政治資金に関するアンケート調査」を実施したこと。
(中略)
Ⅱ.今後の政治資金のあり方
個人献金拡充のための取り組みを
経済同友会の立場は、個人献金が政治資金の中心になること。よって、促進のための制度面での改革が必要である(年末調整での所得税還付制度、手続き簡素化、クレジットカードまたはそのポイントによる献金を可能とする制度、少額から寄付できる電子マネーの仕組みなど)。
企業・団体献金は原則禁止、政治インフラ支援の新しい枠組みを
①企業・団体献金の原則禁止
企業・団体献金は原則として禁止すべきである。当然のことながらパーティー券購入も禁止されるべきである。同時に、選挙活動の支援として、企業・団体から人材の派遣を行うことは、事実上企業・団体献金とみなすことができるため、禁止すべきである。
②企業・団体による寄付は政党シンクタンクへ限定
各政党が政党から独立した別法人として設立する政党シンクタンクに対してのみ、企業・団体が寄付をできる仕組みを構築する。政党シンクタンクは、政治インフラとしての「政策研究・立案・調査」および「人材育成」のみの業務を担うこととし、政党シンクタンクから政党への資金の移動を禁止する。また、各政党シンクタンクへの寄付の上限は、衆参両院の議席数と直近の衆参両院の選挙における得票数に基づき規制することも検討に値する。
③政策立案支援機構の設立
政治インフラ整備に貢献するもう一つの方法として、企業や各種団体が資金を拠出して政策立案支援機構を設立する仕組みが考えられる。各政党が民間シンクタンクに政策評価や政策立案を委託したり、外部機関に人材育成を委ねる際には、機構が委託研究費や委託教育研修費を直接支払うことになる。機構が支払う費用は、政党シンクタンクへの寄付と同様に上限を定めることで、公平性を担保することも可能である。
政党の政策立案能力向上に資する政党助成金を
現在の政党助成金は、政策立案補助費として一元管理することとし、その他の政治資金とは区分して処理することを義務付けるべき。さらに、健全な二大政党制を確立するためには、野党の政策立案能力の強化や情報格差の是正が重要な課題であり、一定条件を満たす野党会派に対する補助(日本版ショートマネー)の導入を早急に検討すべきである。
まことしやかに「企業・団体献金の原則禁止」を語り、いろいろと理屈をつけてはいるが結論的に言えば、民主党マニフェストの「企業・団体献金の3年後の廃止」をにらみながら、「新しい抜け道つくりへの地ならし」というところでしょうか。もっと露骨に民主党抱き込み作戦でしょうか?
「政治とカネ」に自浄作用もない今の民主党なら、残念ながら乗ってきそうですな・・・。
この件については、一貫して政治腐敗を追及し企業団体献金禁止に精力的に取り組んでいる上脇博之氏が、財界の悪あがきとしての政党シンクタンクへの企業・団体献金容認論というエントリーで、以下のように触れている。
そうです。民主党は、このような財界の悪あがきに喜んで乗るべきではない!(1)民主党が今の通常国会で企業・団体献金の全面禁止を法制化する可能性が出てきた矢先に、財界の経済同友会が政党シンクタンクへの企業・団体献金を容認する提言を発表し、悪あがきを始めたようだ。
これでは、日本経団連による政策「買収」も事実上引き続き可能になるだろう。
(中略)
・・・しかし、政党の職員を政党シンクタンクに移籍したり、政党の代表らを政党シンクタンクの役員にしてしまえば、政党シンクタンクへの企業献金は、政党への企業献金とほとんど変わらなくなってしまう。
国会議員を全員、政党シンクタンクの研究員などに位置づければ、尚更のことである。
この場合、迂回献金も可能になる。
そうなると、日本経団連による二大政党の政策買収は事実上継続できることになる。
このたびの経済同友会による提言は、自民党を財界政党にとどめ、民主党を財界政党化するための手段を残そうとする悪あがきであろう。
(5)民主党は、このような財界の悪あがきに喜んで乗るべきではない!
総選挙のマニフェストに掲げた企業・団体献金の全面禁止の実現に向けて突き進むべきである!(以上、部分引用)
これまでの経緯にも触れながら、批判しているので是非一読をお薦めします。
財界の悪あがきを封じ込めよう!
と思われたら



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2010.02.18 | | Comments(1) | Trackback(5) | ・政治と金の問題Ⅲ
