NO.1536 メディアが煽る「政界再編」とみんなの党
最近のメディア報道について。
「政界再編」キャンペーンが始まっている。
ユキヤナギ ありふれてはいるが白き小さき・・・好きな花
鳩山邦夫氏、新党結成に意欲「覚悟は完全にできている」(朝日 2010年3月14日19時17分)
鳩山邦夫氏は、「政界再編の起爆剤になる」と自民党を離党したそうだ。自民党が、反省もなく旗を取り替えても国民の支持を得ようはずがないだろうに・・・。これなどは、たいしたことはないにしても、みんなの党の持ち上げぶりはたいしたもんだ。自民党の鳩山邦夫元総務相は14日のフジテレビの番組で、新たな政党の結成に言及し、「覚悟はもう完全にできている。自民党は賞味期限切れ。古臭いしがらみを持っており、出直さないといけない」と強い意欲を示した。結成の時期については「少なくとも参院選を堂々と戦えるタイミングだ」と述べた。
先の選挙では、国民が自公政権の構造改革路線に厳しい審判を下したのだった。
しかし、鳩山政権は口先ではこれを否定しながら、現実的にはきっぱりとこれを転換することができないでいる。そうした中で支持率の凋落傾向が続いている。
構造改革路線に審判を下した国民の圧力によって、鳩山政権が縛られているのである。
しかし、例えば保育や福祉分野では、構造改革路線をこの政権が更に先に進めていることを 「NO.1531 鳩山政権の保育・福祉政策の底流を問う。」で、先に書いて批判した。
それでも尚、正面から構造改革路線を推し進めることは難しい立場にある。
そういう状況の中で、マスメディアが財界要求に基づく構造改革路線の推進のキャンペーンを、あの手この手で行っているのが今日の実態だ。あからさまな消費税増税キャンペーンや旧態依然とした「大企業が栄えれば国民経済も良くなる」という構造改革型「成長戦略」路線など、鳩山政権が国民の圧力の下で言いにくいことを繰り返し主張してきている。
そうした中、世論調査なども踏まえ、「民主党も自民党も駄目だ」として、「政界再編」キャンペーンが始まっているように思う。
政権交代という経験を通じて、国民は様々な新しい政治的経験を重ね、そして新しい政治の方向を見出していくだろう。そうした過程での有害なメディアのキャンペーンへの批判は、避けて通れない問題である。
自民が駄目,民主も駄目と言い、みんなの党を持ち上げるが、一体どこが違うと言うのだろうか。
みんなの党支持率急上昇 「小さな政府」明確だからというインタビューで渡辺喜美・みんなの党代表は次のようの答えている。
「小さな政府」といい「成長戦略」といい、先の総選挙で審判された構造改革路線への固執を謳っているに過ぎないのである。――民主党や自民党との違いは何でしょうか?
渡辺 我々は、主張が非常に明快です。「政権交代+政界再編」と選挙前から言ってきました。政権交代後は、徹底した「国家のリストラ」を行う、バラマキはさせないということを言ってきました。そういうことを言っている政治勢力はみんなの党しかなくなってしまったんですね。
自民党が「小さな政府」路線を捨ててしまい、民主党も自民党も「大きな政府」路線、つまり国家介入を広げていくという社会主義路線に傾いているわけです。それに対して我々は「小さな政府」を志向して、将来につけを回さないと主張しています。なおかつ、経済のパイを膨らませていくための「成長戦略」を明確に打ち出している。そういう明快なところが支持を集める要因になっているのだと思います。
政治・政策の中身の検証もなく、みんなの党を持ち上げるメディアの姿勢はいかがなものだろうか。
当道場では、「NO.1534 とんでもない!みんなの党が民主批判層の受け皿、「第三局」となる傾向?」で、「みんなの党なんて、とんでもない!」と書いた。
最近のテレビシーンでのみんなの党の実像を「しんぶん赤旗」がまとめているので、参考に紹介しておきます。
2010年3月15日(月)「しんぶん赤旗」より。
メディアが持ち上げる みんなの党
「構造改革」路線に固執
公務員削減など競い合い
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貧困と格差を拡大させた「構造改革」路線に総選挙で国民がノーの審判をくだしたもとで、マスメディアが財界の要求にこたえて、「構造改革」推進のキャンペーンをすすめるとともに、「政界再編」をあおる姿が目立ちます。
たとえば、フジテレビ系「新報道2001」(7日)では、「政界再編の行方を左右する」として、政党党首としては、みんなの党の渡辺喜美代表だけを呼んで、同党が掲げる「脱官僚」などの主張に沿って民主、自民の代表らと討論させました。
みんなの党を「民主でも自民でもない第三極」などと持ち上げ、同テレビ報道局政治部長が「民主党の支持率が下がり、自民党も受け皿になれず、みんなの党が受け皿になっている。今選挙やると与党は過半数が難しいので、みんなの党が与党に入るのではないかとささやかれている」と水を向けました。
渡辺氏は「ブレないところが支持されている」などと自画自賛。「民主は公務員人件費2割削減といっていたが生ぬるい」「(『小さな政府』路線を)自民は捨ててしまい、民主も投げ捨てた」と主張しました。国民がノーを突きつけた「構造改革」路線を新たな装いですすめようとする点で突出しています。
これに対し民主の細野豪志副幹事長は「給与を下げ、出先機関も少なくする」「新しい公共ということで民間に担ってもらう」と発言。自民の菅義偉元総務相も「(小さな政府路線から)揺り戻しになっているので党内で主流にしていく」とのべ、公共サービス切り捨てや公務員削減を競い合いました。
TBS系「サタデーずばッと」(13日)では渡辺代表をメーンゲストにしたコーナーを設け、「政権交代したが、自民党と同じで閉そく感があるから(みんなの党が)支持されている」「国家を徹底してリストラする」などと語らせました。
番組のなかで日本共産党の小池晃政策委員長が、同氏の著書を紹介して、貧困と格差を拡大させた小泉「構造改革」路線をさらにすすめようとするものだと指摘。渡辺氏は「デフレ経済が原因だ」とごまかし、「構造改革」路線は正しかったと居直りました。
自公政権による「小さな政府」路線で医療や福祉など社会保障が削減され、公務員数も先進国の中で最も低い水準の国となっています。「小さな政府」路線は、公的責任を民間に丸投げして起きた耐震・食品偽装事件などにみられるように百害あって一利なしです。
くしくも、「自民でも民主でもない」といいながら両党と大差ない政治姿勢が浮き彫りとなりました。フジ系番組では、「小さな政府」「脱官僚」への賛否を尋ねたところ、同党と民主、自民、公明の代表がそろって支持。パネルには4者が横一列に並び、司会者も「対立しているようで共通項がみられる」とのべました。「第三極」といっても、破たんした「構造改革」路線に固執するのでは新しい政治の展望は開けません。(深山直人)
やっぱり、みんなの党なんてとんでもない!メディアは政治の中身を検証するべきだ!
と思われたら



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2010.03.15 | | Comments(2) | Trackback(1) | ・マスコミ・テレビ・新聞Ⅱ
