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NO.1554 「国公法弾圧堀越事件」に逆転無罪判決 言論と表現の自由を守る運動の前進  

 画期的な逆転無罪判決です。
3月29日、「国公法弾圧堀越事件」で国家公務員法違反に問われた社会保険事務所職員(当時)の堀越明男さんに対して、逆転の無罪判決が、東京高裁において言いわたされました。

      退院の日3222
      久留米椿 桃太郎 八重咲きは好きではないけど、このピンクというより桃色はいい。

 国家公務員が、職務上の地位を利用して政治活動をすることが許されないことは当然だが、国家公務員といえども主権者であり、その思想信条、政治活動の自由は保障されなければならない。諸外国に比べても、日本は異常に規制が厳しいのである。

 以下、すくらむさんより転載します。

国公法弾圧・堀越事件で逆転無罪判決 - 言論・表現の自由と公務員の市民的権利の確立を

 ※国公法弾圧「堀越事件」の東京高裁逆転無罪判決にあたって、国公労連が談話を発表しましたので紹介します。(ちなみに堀越さんは国公一般の組合員です)

 言論・表現の自由と公務員の市民的権利の
 確立に向け運動を強化する
 - 国公法弾圧「堀越事件」の逆転無罪判決について(談話)-


                     2010年3月29日
                     日本国家公務員労働組合連合会
                     書記長 岡部勘市


 本日、東京高裁第5刑事部(中山隆夫裁判長)は、国公法弾圧「堀越事件」の控訴審で「罰金10万円、執行猶予2年」の一審判決(06年6月29日)を破棄し、逆転無罪とする画期的な判決を行った。

 休日の勤務時間外に職務と全く関係のないビラ配布行為が国家公務員法違反とされ、刑事罰まで科されようとした本事件の無罪判決を歓迎するとともに、弁護団をはじめ支援者・関係各位のご奮闘に心より敬意を表するものである。

 国公労連は2004年3月3日に堀越明男氏が不当逮捕されて以来、公務員労働者・労働組合と革新政党に対する弾圧に対し、萎縮することなくこれを跳ね返すたたかいを全国的にすすめてきた。今回の判決は、こうしたたたかいに勇気と確信を与えるものである。

 中山裁判長は、国家公務員法の「政治的行為の制限」と人事院規則自体は合憲とする一方、最高裁猿払判決(1974年11月6日)が勤務時間の内外や職種を限定していないことについて「不必要に規制が広すぎる」とし、堀越氏の行為は「職務と関わりなく、行政の中立的運営や国民の信頼の確保を侵害する抽象的危険性すらない」との判断を示した。

 そして、刑事罰を科すことは「国家公務員の政治活動の自由にやむを得ない限度を超えた制約を加えるもので、憲法第21条などに違反する」と断じている。

 国公労連は、全体の奉仕者である国家公務員の職務上の地位を利用した政治活動は許されるべきではないが、同時に国家公務員も主権者・国民の一人であり、自らの政治的信条にもとづく行為を一律全面的に禁止される合理的理由は存在しないと主張してきた。

 控訴審では、国公労連や郵産労をはじめ憲法、行政法、刑法、刑事訴訟法、国際法の各分野から10名の証人尋問が行われ、公務員の政治活動を一律全面的に禁止する理由のないことが事実によって証明された。


 国公労連は、国家公務員法第102条が合憲との判断には納得できないが、裁判長が諸外国と比べて広範な禁止規定について「憲法上問題があり、世界標準という視点からも再検討される時代が到来している」と異例の踏み込んだコメントを行ったことはこの間の運動の反映である。

 今回の判決を跳躍台に憲法と平和・民主主義を守り、民主的公務員制度を実現するためにも、ILO勧告に沿った労働基本権の回復と公務員労働者の市民的政治的自由の確立をめざし、いっそう運動を強化するものである。

                                       以上


 つい昨年の11月末には、最高裁で「葛飾ビラ配布弾圧事件」への不当判決が出されたばかりです。

 こうした判決や市民のビラ配布を弾圧する日本の警察・検察の民主主義を踏みにじる姿勢は、国際的にも非難の的となっていました。

国際的「非常識」
 ビラ配布などを含む、言論・表現の自由は、憲法で保障された国民の権利です。
それは国際的にも市民的・政治的権利をうたった国際条約の「国際自由権規約」で、表現の自由(19条)、政治参加の権利(25条)として保障されています。

 自由権規約の実行を監視する機関である国連自由権規約委員会は、葛飾事件や国公法弾圧堀越事件、世田谷国公法弾圧事件など、日本で続発したビラ配布弾圧事件を問題視して2008年10月、日本政府にたいして以下のように是正勧告をおこなっていました。

“政府批判リーフ配布で逮捕を懸念”
国連自由権規約委の日本への勧告(要旨)
 委員会は、公職選挙法の下での戸別訪問の禁止、選挙運動期間前に配布可能な文書図画への制限などの表現の自由および参政権に対して課せられた非合理的な制約につき懸念を有する。委員会は、政治活動家と公務員が、私人の郵便箱に政府に批判的な内容のリーフレットを配布したことで、不法侵入についての法律や国家公務員法の下で逮捕、起訴されたとの報告についても懸念する。

 締約国は、規約第19条および第25条の下で保護されている政治活動および他の活動を、警察、検察官および裁判所が過度に制約しないように、表現の自由と参政権に対して課されたいかなる非合理的な法律上の制約をも廃止すべきである。


 勧告では「私人の郵便箱に政府に批判的な内容のリーフレットを配布したことで、不法侵入についての法律や国家公務員法のもとで逮捕・起訴されたことを懸念する」と表明。市民の政治活動を「警察、検察官及び裁判所が過度に制約しないよう」求めています。

 今回の逆転無罪はまさに画期的です。
談話は、

 国公労連は、国家公務員法第102条が合憲との判断には納得できないが、裁判長が諸外国と比べて広範な禁止規定について「憲法上問題があり、世界標準という視点からも再検討される時代が到来している」と異例の踏み込んだコメントを行ったことはこの間の運動の反映である。

 と述べていますが、まさに言論と表現の自由を守る運動の前進を反映しているでしょう。

 以下も参考に。
赤旗配布で2審は逆転無罪 規制は憲法違反 「公務に影響なく行政の中立性侵害なし」と判決 (産経ニュース 2010.3.29 11:17)

 控訴審判決で元社会保険庁職員の堀越明男被告に逆転無罪が言い渡され、「無罪」の幕を手に東京高裁から出る弁護士=29日午前 国家公務員にもかかわらず共産党の機関紙「しんぶん赤旗」を配ったとして、国家公務員法違反罪に問われた元社会保険庁職員、堀越明男被告(56)の控訴審判決公判が29日、東京高裁で開かれた。中山隆夫裁判長は罰金10万円、執行猶予2年とした1審東京地裁判決を破棄、「堀越被告を処罰することは、国家公務員の政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度を超えた制約で憲法に違反する」として、逆転無罪を言い渡した。

 公務員の政治的行為を禁止する規定が、表現や政治活動の自由を保障する憲法に違反するかが最大の争点。弁護側は「配布を職場と離れた場所で休日に行った。公務に影響のない私的な行為で行政の中立性を侵害していない」などと無罪を主張していた。

 中山裁判長は、堀越被告の行為を「公務員であることを明らかにせず、機関紙を配布したに過ぎない。発行や編集に比べ政治的偏向が明らかに認められるというものではない」と指摘。「行政の中立的運営や国民の信頼の確保を侵害するとは考えられない」と判断した。

 また、中山裁判長は政治的行為を禁止した国家公務員法を合憲としつつも「さまざまな視点の下で、刑事罰の対象とすることの当否、その範囲等を含め再検討され、整理されるべき時代が到来している」と付言した。

 1審判決は昭和49年の最高裁判決を踏襲し、「行政の中立性確保のため、公務員の政治的行為の禁止が合理的で必要やむを得ない限度内で憲法上許される」と指摘。「被告は特定政党を積極支援し、政治的中立性を著しく損ねた」として有罪を言い渡した。

 堀越被告は平成15年10~11月、東京都中央区内のマンションなど130世帯にしんぶん赤旗を配布したとして起訴された。


 最後に、「葛飾ビラ配布弾圧事件」の荒川庸生(ようせい)さんの最近のエッセイ「たたかいのリセット」より。

 (前略)しかしながら、気を取り直してたたかいのリセットも必要です。長年の過酷な闘いを強いられている冤罪事件の被害者の方々や、全生涯や命まで掛けて闘わざるを得なかった人々から見ればたかが五年間、たかが罰金五万円の闘いです。ある人からは最高裁なんてそもそもあんなもの、期待できる相手ではない。闘う対象はもっと大きなもの、日本社会の反民主制と後進性なのだと指摘されました。また、弾圧事件には敗北はなく闘って闘って闘い抜いて、社会の進歩とともに最後には勝利するものとも。肝に銘じたいと思います。 そこで、当面の私の主な課題を記します。①裁判中自粛せざるを得なかったビラ配布を再開し、ビラ配布の日常性を守ること。②最高裁判決の不当性を全国に広め、判例として機能させないこと。③国連・自由権規約委員会への文書発言を行い、最高裁判決の誤りを国際的にも認知させることです。
 春遠からじです。ご健康に留意されながら変わらぬご支援をお願い申し上げます。合掌



  
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2010.03.29 | | Comments(1) | Trackback(6) | ・言論・表現の自由

コメント

正義は必ず勝つ

昔から日本共産党には、松川事件のような謀略事件やスパイを潜り込ませたり、活動家を監視したり、箸の上げ下ろしまで見張りをしている。向かい側に部屋を借りて出入りの人物などを詳細に観察したり、電話盗聴などは常習的に行われていた。これは公安に限らず、創価学会も監視・盗聴などは共産党対策と称して行われたものである。
 日本共産党は定められたルール通りの活動をしていても反共主義者や、よこしまな悪意ある集団は、共産党を少しのミスに乗じて、針小棒大に騒ぎ立てて貶めることに専心した。
そしてまた、60年安保闘争の時はニセ左翼集団などが跋扈して、民主的な運動を攪乱する役割を果たした。
 日本は世界一、人権問題と差別問題が劣化した国で、世界でも当たり前の運動、結社の自由、選挙活動の自由が不当に制限されている国家である。その中で、堀越事件裁判は言論の自由を押し広げていく突破口として重要な成果と言えるのではないか。正々堂々のルールで活動をしている日本共産党を何人も残滅することは出来ない。

2010-03-30 火 18:27:34 | URL | くらっち #- [ 編集]

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