NO.1564 和解結審報告 障害者自立支援法違憲裁判福岡訴訟
今日(4月16日)福岡地裁において、障害者自立支援法違憲裁判福岡訴訟が和解終結しました。
急きょ、若い職員に傍聴に参加してもらいましたが、150人の中からくじ引きで傍聴できたそうです。
写真はとくいちゃんところから拝借。
ここに、原告3人と弁護士の最終意見陳述を要約して紹介しておきます。
是非、ナマの声をお聞きください。
1.最初に原告になった山下裕幸さん→詳細はこちら
昨年4月1日に、福岡で最初の原告になった山下裕幸さんは、当時の悩みを振り返りながら、家族や多くの仲間たちの励ましで原告として「みんなと闘いを続け、勝利を目指すんだ」と頑張れたことを語りました。
そして、国から「合意」の話あった後、
「福岡でも何度も会議を持って議論しました。
本当のここで和解していいのか。国を信用していいのか。
最後簿最後まで眠れないほど、悩みました。
最終的には、推進会議立ち上げのタイムリミットもあって、和解する決断をしましたが、いまだにこれでよかったかという思いもあります。
今日は、母が仕事を休み、はじめて裁判所にきてくれました。
原告になってから、敷島さんやほかのお母さんたちの話を聞いて、自分も母の思いに気づくことが出来ました。
最後に、この場で、母にありがとうを言わせてください。」
と結びました。
2.平島龍磨さん→詳細はこちら
平島さんは、九州各地に原告となるように勧めにいった話や、1万人の全国フォーラム二に参加し心強かった話を交えながら、
「僕は、自分以外の障害のある方たちのことや、自分が通所している施設以外の実体を知ってとても勉強になりました。障害のある僕でさえ、他の人のことや、他の施設の状況を知らないのですから、障害のない方たちには、是非、いろいろな機会に、障害のある人の置かれている状況を知っていただきたいと思います。」
と訴えました。
「ところで、僕は国と基本合意を結ぶことが出来てホッとしている反面、不安も多々ございます。
まず、低所得者の自己負担を無料にするには300億円が必要と、厚生労働省は発言していたのに。107億円しか確保できなかったことによって、主に精神障害のある方が利用する自立支援医療費が無料にならなかったことです。・・・
次に、是非、日割り制度を月額払い制度に戻して、さらに各施設の予算を支援日制度時代以上に上げて、各施設の運営を安定させてください。そうすることで、僕達障害のあるものが安心して施設で働けるからです。」
と、願いを述べて、和解をもとにいい制度を築き上げていく運動への決意を述べました。
3.敷島篤子さんは、母親の立場から、→詳細はこちら
「政府との和解で終結することになった今、正直言って期待よりも不安のほうがおおいことに気づきます」と切り出しました。
「なぜならば、今の社会の矛盾の中で弱いものに寄り添った姿勢を政府が見せているか、ということを考えると、目先のお金を払うということに終始しているように思えてなりません。
障害者を支えていく新法作りを、私たちの声を聞きながら進めていくとは約束してくださいましたが、それがどう進んで形になるかは、今の段階では何の確証もありません。
であれば、今もって和つぃはこの子を置いて死ぬわけにはいかない・・・という現状に変わりないわけです。」と。
そして心臓が悪い息子さんの行く先を案じながら、新法への思いを次のように語りました。
「私が生きていくうえで、一人ぼっちであるということが一番の苦痛でした。
それでなくとも社会の中で、障害者は入れないよ・・・といったことが多い世の中で孤立してしまう障害者、そして家族のことを考えたら、これから先の新法は、孤立しない、いろんなところでつながっていけるシステム作りを中心において作っていってほしい。」
「子どもに対しての私の願いは、私が新でも大好きな工房まるに通い仲間や世話人の人たちと、一人の大人として、自由で。だけど起立のある生活を送って欲しい。もちろん年とって病気になってもお金の不自由なく、哀しい思い、寂しい思いをせずに生きて行けるような、そんな生活を保障できる、一人ぽっちを作らない新法を作って欲しい。」
4.原告代理人弁護士 久保井 摂さん→詳細はこちら
裁判途中から関わった久保井弁護士にとっては、「恥ずかしながら、これが私にとって初めてまともに向き合う障害者問題」だったそうです。
原告の通う作業所での1日ボランティア体験などを経て、
「一人ひとりが秘めている無限の可能性を引き出す”場”がこれらの施設なのだ。そんなことにも初めて気がつきました」と自身の体験に基づく実感を話した上で、次のように陳述をすすめました。
「自立支援法は、障害のある人たちのかけがえのないこのような場を、いくつも閉鎖に追い込みました。それによってどれだけの仲間が窮地に追い込まれたのか、声を出すことができず、私たちが知りえていない当事者がどれほどいるのか。
法廃止と当面の措置が決まっただけでは、自立支援法によって生じた数々の隙間や傷は埋めることができません。」
久保井弁護士は、「当事者一人ひとりの声を真摯に拾い上げること」の重要性を説き、意見陳述を次のように結びました。
「国には、今後基本合意に基づく定期協議の場で、改めて当事者の声に耳を傾けること、とりわけ実際に現場に足を運ぶこと、そして真に当事者の立場に立つ施策を実現することを求めます。
かつての私のように、未だ多くの人が障害者問題を他人事として無関心でいます。
それゆえに自立支援法が成立してしまったことを。私たちは決して忘れてはなりません。しかし、数々の障害を乗り越え、全国14地域で71名の原告が立ち上がり、訴えた強い思いは予想以上に多くの人を突き動かし、共感するものを増やし、新たなつながりを育てています。
この歩みを持続させ、新法へ、そしていかなる差別も無い社会の実現につなげるために、こに集まったみなさんが、深く関わり続けることを確信して、私の意見陳述を終わります。」
裁判を傍聴したうちの新人職員の報告も、是非お読みください。
「工房陶友スタッフ日記 和解からのスタート」
こちらも参考に ■NO.1562 明日、障害者自立支援法違憲裁判・福岡訴訟が和解
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1622.html
なお、この和解結審を受けて、「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす福岡の会」は、「基本合意文書の完全実施をめざす福岡の会」に発展的に改組します。
結成総会ご案内。
5月15日(土)午後2時~
場所:クローバープラザ・セミナールームB
お問い合わせは、きょうされん福岡支部まで
092-292-5591
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http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
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2010.04.16 | | Comments(0) | Trackback(0) | ・障害者自立支援法2
