No.1573 岡田外相「国外考えられない」? 「海兵隊=抑止力」は幻想 無条件撤去しかない。
「5月決着」に向けて、いや、無条件撤去までしつこく監視しなければならない。
「逆走」から、ほとんど「暴走」ともいえる普天間基地問題。
徳之島「移設」も暗礁に乗り上げている。
いよいよ、無条件撤去しか解決の道は無いと思うのだが、
ここに至っても、「国外は考えられない」という。
「国外考えられない」 普天間移設で岡田外相(東京新聞 2010年4月20日 19時50分)
2006年の日米合意も、「地元がもろ手を挙げて受け入れたわけではない」から、徳之島もいくら反対があろうとごり押しでねじ込むこともできるんだと言わんばかりの傲慢さは論外である。岡田克也外相は20日午後の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について「日本の外にということは考えられない。政府として、しっかりと国内で移設先を決定する」と述べ、社民党が主張する国外移設の可能性を明確に否定した。
政府が移設先として検討している鹿児島県・徳之島については「(反対集会に)あれだけの人数が集まったことは重く受け止めなければならない」と指摘。一方で「『地元の理解』を具体的に定義するのは難しい。(2006年に日米が合意した現行計画も)地元がもろ手を挙げて受け入れたわけではない」とも語った。
岡田氏は、在日米軍が日本の安全保障に不可欠だとし、「国民には日本の平和、安全が何によって確保されているか、ぜひ考えてほしい。根本を忘れると議論は迷走してしまう」と強調。鳩山由紀夫首相が就任前に唱えていた在日米軍の「常時駐留なき安保」に関しては「10年ほど前に今の民主党の安保政策を作った。その時点で完全に消えている」と指摘した。
岡田外相発言の言外には、「米軍・海兵隊の抑止力が、日本の平和、安全を守っている」というものがある。
しつこく、「海兵隊=抑止力」は幻想だと言いたい。
鳩山総理も「沖縄におけるアメリカの海兵隊は、わが国への侵略に対する抑止力としての機能がある」と言っている。
「日本防衛」の任務を持たず
しかし、アメリカの海兵隊というのは、どういう軍隊か。当のアメリカが明言している。
1982年、レーガン政権時代のワインバーガー国防長官は、「沖縄の海兵隊は、日本の防衛には充てられていない」――「日本防衛」の任務を持たないと米上院歳出委員会で文書で証言している。
1991年には、ブッシュ政権時代のチェイニー国防長官が、沖縄の海兵隊が「世界的な役割を果たす戦力投射部隊」――つまり世界的規模で「殴り込み」をかける部隊だと米議会で証言している。
防衛省自身も、「在日米軍及び海兵隊の意義・役割について」は、強襲揚陸艦で上陸し内陸の重要目標に侵攻したり、空母からヘリで内陸の目標を制圧したりする「着上陸」作戦などを挙げて、「わが国への侵略」に対する防衛部隊ではなく、敵地への“殴り込み”部隊であることを認めている。
しんぶん赤旗は、元政府高官や専門家の異論なども紹介している。
鳩山政権が暴走をストップし、「迷路の深み」から抜け出す唯一の道は、「海兵隊=抑止力」論の幻想を乗り越え、普天間基地の無条件撤去の立場に立つしかないのである。元政府高官や専門家が異論
「朝鮮半島有事」や「中台紛争」を念頭に「沖縄における米軍は、迅速な対応が可能」であり、「アジア太平洋地域の平和と安定に大きく寄与」(前出の防衛省資料)しているという主張もあります。
しかし、こうした主張には、日米同盟強化論者の元政府高官や専門家からも異論が上がっています。
内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)だった柳沢協二氏は「沖縄に海兵隊がいなければ韓国を防衛できない問題ではない」「中台(問題)は…軍事的には解決がつきにくいので、ストレートに海兵隊という陸上兵力まで使うというシナリオはなかなか描けない」と指摘。「海兵隊というのは、…この地域の抑止力として、どれだけ不可欠なのか、非常に疑問に感じる」と述べています。(毎日新聞ホームページ)
また、鳩山首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」のメンバーである中西寛京都大学教授も「元々、米国にとって海兵隊の基地が沖縄である戦略的必然性はさほどない」と述べています。(「毎日」2月17日付)
「アジア太平洋地域の平和と安定」のためには、それをつくり上げる外交努力がなによりも大切です。北朝鮮の問題では、「6カ国協議」を復活させ、平和的な解決を目指すべきです。中国の問題でも米中、日中の経済的相互依存関係はこれまでと比較にならないほど深まっています。
「迷路の深み」抜け出すには
しかも、沖縄の海兵隊は、東アジアの紛争に備えて張り付いているわけではありません。イラクやアフガニスタンに恒常的に兵力を派遣しています。
2004年のイラク・ファルージャの住民大虐殺でも最前線に立ちました。加えて、韓国、豪州、東南アジアなどアジア太平洋全域で演習を実施しています。(08年は80回)
沖縄国際大学の佐藤学教授は「海兵隊は地球規模で演習をして回っている。幻想の抑止力だ」と強調します。(以上、転載)
米側は、「移設」案が海兵隊の軍事的要求を満たさない場合は、普天間に居座ると脅しをかけている。
そして、米国防総省は現在、5年に1度の普天間基地の滑走路改修を行っているし、、防衛省は現行案に沿って、キャンプ・シュワブ内での兵舎新築を続けている。
米軍の駐留経費の実に80%を負担している(例えばドイツは20%)日本の気前よさに甘えて、「殴りこみ部隊」=「侵略軍」の居座りなんてもってのほかである。
無条件撤去しかない!
普天間基地問題のもともとの出発点は、1995年9月に発生した米海兵隊員3人による少女暴行事件にある。
これをきっかけに、在日米軍基地の75%を押しつけられ、基地あるがゆえの苦しみを背負ってきた沖縄県民の怒りが爆発し、米軍基地の整理・縮小、とりわけ普天間基地の無条件返還を要求したのだった。
米軍が戦時国際法に反して住民の土地を銃剣とブルドーザーで不法に暴力的に占拠したことが沖縄の米軍基地問題の始まりだ。「移設先」などありえないのだ。米国自身も「世界一危険」と認める普天間基地。
無条件撤去しかありえないのだ。
25日の沖縄県民大会の実行委員会が開かれたことがラジオで流れている・・・。
大成功を願うものだ。
無条件撤去しかない。「基地はお持ち帰りを」と対米交渉を。

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2010.04.21 | | Comments(0) | Trackback(4) | ・普天間基地問題Ⅱ
