NO.1584 歴史を動かす力 「沖縄の心」ひとつに 4.25県民大会
我が家恒例の”次女の誕生記念・家族ボウリング大会」(ばあさんも初参加)を早めに切り上げて、「普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外を求める県民大会」のネット・ライブ中継を見ました。
オダマキに宿る雨露
大会参加者は9万3700人と発表されましたが、ネットでの参加はどのくらいだったのでしょう。
固定カメラで会場の様子がイマイチだったのと、ネトウヨのような書き込みにウンザリではあったが、県民の意思が伝わる歴史的な大会の様子がうかがえました。
超党派で沖縄の心が一つになった 歴史を動かす力
政党の党首としてはただ一人の参加だった日本共産党の志位和夫委員長は、「米軍基地の県内たらい回しに反対しようと、超党派で沖縄の心が一つになった素晴らしい大会だ。必ず歴史を動かす力になる」と意義を強調し、「沖縄の怒りは沸騰点、限界点を超えた。日米両政府はこの声をしっかりと受け止め、応えるべきだ。国内のどこにも受け入れる場所はない」と改めて普天間の無条件撤去を求めたそうです。(時事通信より)
夕方からのニュースなどでは、思ったよりも扱いが軽いようで、今日の日を「歴史的な日」として記録しておきたいと思います。
地元紙が号外や速報を出しています。
「普天間」を国外・県外へ 県民大会に9万人余(沖縄タイムス 2010年4月25日 16時44分)
横断幕で「基地撤去」を訴える参加者=25日午後、読谷村運動広場
「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」(主催・同実行委員会)が25日午後3時から、読谷村運動広場で開かれた。県内外から9万人余(主催者発表)が参加し、日米両政府に、県内移設断念と同飛行場の早期閉鎖、返還を訴えた。「県内移設を断念し、国外・県外に移設するよう強く求める」とする決議案と日米地位協定の抜本的改定などを求めるスローガンを採択した。
1996年に日米両政府が普天間飛行場の返還に合意後、県内移設に反対する超党派の県民大会は初めて。仲井真弘多知事や高嶺善伸県議会議長、翁長雄志那覇市長の両共同代表、普天間飛行場のある伊波洋一宜野湾市長、キャンプ・シュワブのある稲嶺進名護市長、政府案として浮上した勝連沖を抱える島袋俊夫うるま市長らが出席。過重な基地負担の解消や国外・県外移設を訴えた。
会場やその周辺には、高齢者から子どもまで幅広い年代が訪れ、会場までたどり着けない県民で道路は大渋滞となった。県内各地で大会に参加できない県民も統一カラーの「黄色」を身に着け、県内移設反対の意思を示した。
沖縄タイムスの速報PDFをクリックしてご覧ください。
>>1面(785KB)
大きな見出しが躍る
「県内移設を拒否」
「超党派で県民集会」
「普天間返還訴え決議」
>>2・3面(6,87MB)
見開きで図解入りの資料編
「混迷普天間」
「鳩山政権で浮上した移設候補地」
「政権8ヶ月 発言の変遷」
「この国に『普天間』はいらない」
「9割が『県外・国外』」
>>4面(1,69MB)
大きな写真入りで
大会スローガン
・日米地位協定の抜本的改定を求める。
・返還後の跡地利用を促進するため、国の責任で、環境浄化、経済対策などを求める。
・返還に伴う、地権者補償、基地従業員の雇用確保を国の責任で行うよう求める。
大会決議(長すぎて・・・)
・・・で、いろいろ調べていたら!
お薦めが見つかりました。これぞ「県民大会」です。
ブログ「くらしの悩み、なんくるないさ!」の山上博信さんが、カテゴリー:4.25県民大会にアップしています。
「ありえない大渋滞」の中、「多数の路線車の貸切りバス」での往路から、大会の様子、・・・「まだ到着する人がいて、大渋滞、大混雑」する復路まで、実に25枚の写真とコメントで20本のエントリーを挙げています。ケイタイから投稿したのでしょうか。
また、こんなエントリーも。
指笛王国が県民大会参加呼びかけ
指笛王国おきなわの垣花国王が下記のとおり県民大会参加の呼びかけをしました。
私も原初メンバーとして合流することにします。
指笛王国おきなわの垣花国王は24日、25日に読谷村運動公園で開かれる「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」について、次のようなメッセージを発表しました。
「指笛王国おきなわは、県民大会の趣旨に賛同し、多くの皆様の積極的なご参加を呼びかけます。指笛のできる方々は、大会場のそれぞれの居場所で、弁士のあいさつ、決意表明、頑張ろう三唱などのとき、指笛を適宜、効果的に吹き鳴らし、大会の盛り上げに貢献しましょう。」
こうして見ると、この大会には単純に9万3700人では片付かない、一人ひとりの想いと取り組みがあったことがうかがえます。その”想い”にこそ心を致すべきでしょう。
このようにして、「米軍基地の県内たらい回しに反対しようと、超党派で沖縄の心が一つになった素晴らしい大会」(志位和夫共産党委員長)を作り上げたのですね。ネトウヨどもの雑音もむなしいものです。
多様な一人ひとりが思いを声に、そして行動にあらわし、それを一つにする時、それは「必ず歴史を動かす力になる」(同委員長)でしょう。
沖縄の皆さんのことを考えるという鳩山総理には、是非、「4.25」に集約された「沖縄県民の心」に思いを致し、「無条件撤去」で、腰をすえて対米交渉に臨んで欲しいものです。
全国紙が社説級では取り上げない中(明日でしょうか)、地元紙の社説が読み応えがあります。
★[歴史の節目に]宿命論と決別するときだ(沖縄タイムス 2010年4月25日 09時55分)
★社説 4・25県民大会/差別と犠牲断つ転換点 結集し首相に英断迫ろう(琉球新報 2010年4月25日 )
「沖縄の心」として”続きを読む”に転載しておきます。
(ほとんど完成していた記事が不意にどこかに飛んで行ってしまい、二度書く羽目になりました。でも、記録にとどめておく価値のある「4.25」だ~~~!!)汗!
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社説 4・25県民大会/差別と犠牲断つ転換点 結集し首相に英断迫ろう(琉球新報 2010年4月25日 )
米海兵隊普天間飛行場の全面返還合意から14年。いまだ返還されず、県内で危険たらい回しの策動に明け暮れる日米両政府に対し、沖縄の人々の憤りが沸点に達した。
読谷村内できょう25日に開催される県民大会は、世界一危険とされる普天間飛行場の国外・県外移設要求を主眼とし、超党派で異議申し立てをする意義深い大会となる。
結集して民意を一段と鮮明にし、連綿と繰り返されてきた沖縄への差別と犠牲の歴史に終止符を打ちたい。
◆「捨て石」の危機再び
沖縄は第2次世界大戦で本土防衛の「捨て石」とされた。多くの住民が地上戦に巻き込まれ、被爆地などと並ぶ大きな犠牲を払っている。戦後は米軍占領下で人権を踏みにじられ、憲法が保障する平和的生存権の枠外に置かれた。
1972年の本土復帰後も広大な米軍基地は残り、戦闘機や輸送ヘリなどの激しい騒音に加え、悲惨な事故、残忍な事件が絶えない。
国土面積の0・6%にすぎない島しょ県の沖縄に、在日米軍専用施設の74%が集中する現状。復帰後に限っても約5500件の犯罪が発生し、うち550件が凶悪犯という実態。理不尽なことこの上なく、主権国家と呼べまい。
戦後の日米同盟は、国民に平和と繁栄をもたらしたとされる。そうであれば、沖縄の人々も恩恵に浴していいはずだ。実際には平和と繁栄を享受するのは本土の人だけで、沖縄は過重な基地負担を押し付けられてきた。
この不平等の構図は、日本の安全保障が沖縄への差別意識と県民の犠牲の上に成り立っている証左であろう。民(たみ)の尊厳を等しく守り抜くことができない、いびつな安保というほかない。
鳩山内閣を含む歴代政権が沖縄に米海兵隊を置く根拠とした「抑止力」の役割にも疑義がある。海兵隊は日本防衛ではなく、有事の際の米国人救出を主な任務としており、これは米側も認めている。
沖縄に海兵隊が駐留するから沖縄を含む日本全体が守られている、と考えるのは幻想にすぎない。それなのに先週の党首討論では、相変わらずの抑止力論だ。
谷垣禎一自民党総裁が「抑止力を維持するなら、選択肢は極めて限られてくる」と現行計画の履行を迫ると、鳩山由紀夫首相が「沖縄からあまり遠くまで海兵隊を移すのは、物理的に必ずしも適当でない」と応じたりする。そこには犠牲という論点が抜け落ちており、国民不在の同盟論議と言わざるを得ない。
◆民意に沿う決着こそ
冷戦終結から20年。日米関係はもはや軍の論理優先ではない。人々の尊厳を大切にする観点から再構築する時代だ。平和と繁栄が日本全体に行き渡るにはどうすべきか。国民こぞって知恵を絞り、一つの地域に過重負担を強いる構図と決別したい。
残念ながら鳩山政権は、沖縄の民意を踏まえた形での普天間解決策を示せていない。この間、表面化している移設案はいずれも県内移設を軸に進められており、県民に失望感を広げている。
普天間問題は5月末の決着期限をめぐる攻防が政局となる気配だ。それもおかしい。沖縄からすれば5月末に「決着」しても、中身が民意に沿わないものであれば、何ら問題の解決にはならない。
沖縄を再び捨て石とするような「決着」をされては、県民は収まらないだろう。普天間飛行場は国外・県外に引き取ってくれ。それが県民の叫びであり、切なる願いだ。衆院選、名護市長選の結果や県議会での全会一致の決議は、過酷な体験を教訓とする県民の譲れない一線でもある。
県民大会は沖縄の基地問題の転換点となるだろう。首相には大会で発せられる声を正面から受け止め、英断を下してもらいたい。全国の人々にも沖縄の思いを受け止め、共に考える契機としてほしい。
[歴史の節目に]宿命論と決別するときだ(沖縄タイムス 2010年4月25日 09時55分)
圧倒的な基地負担が沖縄の宿命であるはずがない。
国による不合理な押し付けを拒否し、きょう、県内各地から多くの住民が県民大会に集う。
米兵暴行事件に抗議して開かれた1995年の10・21県民大会以来の島ぐるみ運動だ。仲井真弘多知事をはじめ41市町村の全首長(2人代理)、政党、各種団体、市民が一丸となって米軍普天間飛行場の県内移設に反対の意思を表明する。
「県外・国外移設」の可能性を十分に追求しない政府の不誠実な対応に抗議し、党派を超え世代を超えて「県内移設ノー」の意思を示すのは初めてである。その波紋は大きく広がるだろう。基地沖縄の宿命論に終止符を打つときだ。
米兵暴行事件への対応策として、橋本龍太郎首相は「米軍の兵力構成について継続的に米側と協議する」との総理談話を発表したが、実現しなかった。小泉純一郎首相は2004年10月、普天間について「県外、国外の両方を考えていい」と発言したが、その8カ月後、「自分の所にはきてくれるなという地域ばかりだ」とあっさり撤回した。
鳩山由紀夫首相が「最低でも県外」と公言したことで県民の期待はかつてなく高まった。
普天間問題を考える上で最も重要な要素は、政権交代によって生じた住民意識の変化である。急浮上した辺野古修正案であれ勝連沖埋め立て案であれ、県内移設はもはや不可能だ。歴史の歯車を後戻りさせるようなことがあってはならない。
政府はこれまで沖縄の「地理的優位性」を強調し、米軍基地の必要性を主張してきた。台湾海峡に近く、北朝鮮から適度な距離にある、と政府関係者はいう。
しかしその論に具体性は乏しい。沖縄駐留の海兵隊は約2000人の遠征隊を動かす編成で、任務は紛争地での自国民救出など限定的だ。
海兵隊を運ぶ艦船は長崎県佐世保に配備されている。朝鮮半島情勢が悪化したとき、船は佐世保からいったん南下して沖縄で隊員や物資を載せ、再び北上する。北朝鮮を警戒するのなら九州中北部に海兵隊を集約させたほうがよっぽど合理的だ。
海兵隊はアジア太平洋で広範に活動しており、絶えず日本をガードしてくれていると考えるのは都合のいい思いこみだ。「日米同盟=基地提供=沖縄」という固定観念は事実を直視しないために起きる幻想にすぎない。
戦後日本は経済復興を優先した。安全保障については米国に多くを委ね、米軍駐留をすべての前提としてきた。それが外交・防衛の原則となり、「同盟管理」さえ間違えなければ日本は安心だと信じ込んできた。
米軍がらみの事件事故で地位協定の問題が浮上し、それが主権にかかわる内容をはらんでいても、同盟が傷つかないよう沖縄だけの出来事として切り捨てられる。成熟した民主主義社会で、このような負担の不公平を放置し続けることは許されない。
「アメとムチ」によって基地移設を押し付けられる地域は、住民同士の対立感情が深まり、崩壊の危機にさらされる。環境汚染が指摘されても地元自治体に基地内立ち入り調査の権限はない。
基地問題は沖縄問題という地域限定の問題なのではない。この国のあり方が問われているのだ。
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2010.04.25 | | Comments(6) | Trackback(4) | ・普天間基地問題Ⅱ
