NO.1614 消費税と財源 基本のおさらい
いよいよ民主党もマニフェストを書き換え、大企業向けの法人税減税と抱き合わせで、消費税増税を含めて財政再建の方針を打ち出すようです。
ここで改めて、わかりやすい”虎の巻”を使って「消費税問題の基本」をおさらいしておきます。
5月2日付「赤旗日曜版」見開き特集
「消費税引き上げを求める声が、政界、財界で高まっています。「消費税はみんなで支える税金」「国の財政は赤字だから仕方がない」などといわれています。本当にそうでしょうか。家計簿をつけている主婦の岩田理江さん(29)と一緒に考えてみました。」
「みんなで公平に負担」?
まず言われることが「みんなで公平に負担しましょう」ということです。
下の図をご覧ください。
岩田さんは、夫と1歳、3歳の子ども4人家族。夫の年収は540万円。
年収220万円の独身者と、年収1億円のお金持ちと比べてみます。
消費税の「逆進性」が一目瞭然です。
大金持ちは株式投資や貯蓄に大半を回すが、低所得者は必要な生活費にほとんどを費やします。
「税率引き上げによる消費税の負担率の上昇幅は、低所得者になるほど大きい」は経済の専門家だって認めていること。
しかも、消費税は収入の無い失業者や障害者にも重くのしかかる。湯浅誠氏は、「消費税増税は国家的貧困ビジネス」と批判しています。
まさに、消費税は格差促進税、貧困促進税といわなければなりません。
「福祉のために消費税」?
増税論者達はこぞってこう言います。口当たりがいいですから・・・。
このウソも、この間の政治が事実で証明しています。
下表を見れば明らかな通り、消費税増税後福祉や社会保障は悪くなるばかりでした。
健康保険も、本人の窓口負担は1割から3割へ、国民年金保険料は2倍に、支給は引き伸ばし、老人施設は作らず待機者は2万人から42万人に・・・。改悪につぐ改悪で福祉は後退の連続でした。
では、消費税は何に使われた?
これも、当道場では繰り返し指摘したとおり、下のグラフを見れば、これまた一目瞭然。
4月で21歳を迎えた消費税ですが、その税収は、導入以来、累計で224兆円。
同時期に大企業などの法人三税(法人税、法人住民税、法人事業税)などの減税が累計で208兆円。大企業をもうけさせ助けるために、庶民からの消費税が回されたことがわかります。福祉や社会保障のためというのは「真っ赤なウソ」の証明です。
最近では財界もあつかましくなって、その事実を隠しませんね。自民党も、さらにたけのこ新党のみならず、民主党まで、「企業の国際競争力のための法人税減税」とセットで「消費税増税」を言いますから。
「福祉目的税」という聞こえのいい話も先に見たとおり、消費税そのものが低所得者に重い「福祉破壊税」ですから、論外でしょう。
財源はどこにあるの?
そんな事を言っても、「国の財政が赤字だからといわれれば・・・」となりがちですね。
大丈夫。財源はちゃんとあるのです。
先ずは、政府・民主党も言うとおり無駄を省くこと。ところが民主党の無駄の省き方は、鳴り物入りの「事業仕分け」をしても、微々たるものしか出てきませんね。それは、最大のムダ=「思いやり予算」などの5兆円にのぼる軍事費や政党助成金などのムダに手をつけないからです。そして、「入り」では大企業優遇税制にも手をつけようとしません。
上のグラフ(下)を見ても、大企業の儲けは増えても払う税金は増えていません。
それは、法人税を下げてきたからです。消費税導入前(88年)の法人税率は42%でしたが、今は30%。さらに研究開発減税6000億円など大企業優遇税制も拡充されてきました。
大金持ちも優遇してきました。
88年は、所得税の最高税率は60%だったのが今や40%。庶民の預金利子が20%なのに、株の利益や配当には10%しか税金がかからないというのも不公平な話ではありませんか。
鳩山政権は、「ムダを削る」といい”事業仕分け”をして見せますが、軍事費には一切手をつけず(手をつけないどころか、米軍駐留費関係の負担は自公政権時代ヨリも増えていますから)大企業減税や証券優遇税制なども温存したままです。それどころかさらに法人税を減税しろというわけですから、自民党時代とどこが違うのでしょう。
あるところにはある
そもそも、税金は支払い能力に応じて負担する「応能負担主義」が、税の民主主義の基本原則です。大企業も、高額所得者も負担能力に相応しい負担をしていないのが大問題なのです。
ここに「財界・大企業中心・アメリカ言いなり」という最悪の政治のガンがあり、それは何ら自公政権と変わらないということです。政権交代でも、肝心な中身が同じじゃ国民は救われませんね。
ところで、件の岩田さん。
「日本経団連が言うように消費税を17%にしたら、消費税負担額は年間58万7000円。なんと38万100円も増税になる。夫の一か月分の給料が吹っ飛ぶ」と悲鳴を上げています。
「これではなけなしの貯金を取り崩さないとやって行けない。子ども手当てがたとえ満額出たとしても、児童手当と配偶者控除の廃止と消費税増税でやって行けません!」と。
お宅はどうですか?
自民も民主も煽りあい、たけのこ新党も競い合って、「法人税引き下げ」財源に「消費税増税」の大合唱。いよいよ参院選、こんな政党に任せられますか?
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2010.05.10 | | Comments(2) | Trackback(0) | ・消費税・財源・税Ⅳ
