NO.1623 社会保障の原則に立ち返って 社会保障再生を主権者国民の力で
貧困、医療、介護・・・、国民は社会保障の再生を政権交代に託したのでした。
然るに、民主党・鳩山政権はどうでしょう。
子ども手当ては創設したものの、後期高齢者医療制度の廃止は4年先に先送り。65歳以上の国民を強制的に国保に加入させ、現役世代と切り離し格差を持ち込もうとしています。障害者自立支援法は、中途半端に応益負担を残し、労働者派遣法は抜け穴だらけ・・・。介護療養病床の全廃路線は引き継ぎ・・・。
民主党政権は、社会保障に対する総合的な戦略を持たず再生に逆行していると言わなければなりません。
世界人権宣言と社会保障の権利
「すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を有する。」・・・世界人権宣言22条です。
谷川俊太郎の「世界人権宣言」は、平たく次のように言っています。
「第22条 人間らしく生きる
人には、困った時に国から助けを受ける権利があります。また、人にはその国の力に応じて、豊かに生きていく権利があります。」
社会保障の原則に立ち戻り
社会保障は、人間らしく生きるために国が手を差し伸べるために、国の責任によって所得の再分配機能を働かせることと言っていいでしょう。
社会保障における負担の原則は、国民の所得の第一次分配である賃金や所得からの社会保険料に限定されるというものです。したがって第二次分配である社会保障給付(年金や社会サービスの利用)の際に自己負担を求めたりするのは、所得再分配の原則に反するものです。医療費の窓口負担や自立支援法の応益負担などはもってのほかで、財源が無いから自己負担を、応益負担をと言いますが、それは社会保障における負担の原則に反するものです。
負担の原則
第80回ILO(世界労働機関)総会(1993年)は、「社会保障とは、拠出金とか雇用歴に関係なく全ての市民に普遍化された基礎的な社会的援助を提供する」と決議しました。
ところが、日本の「負担と給付」論は、時代遅れもはなはだしい「拠出に対する対価としての給付」論であり、つまりは新自由主義・市場万能論に毒された、社会福祉を準市場で商品化しようとするエセ議論です。
多くの先進国では、医療費の窓口負担はゼロで、お金が無いから病院にかかれないとか、保険証が無いから受診できないなどということはありません。アメリカは例外的に公的医療制度が貧弱で、今オバマ政権が手を打っているところですが・・・。
日本の国民保険証とり上げなどは、政治が命を奪う”世界の非常識”と言わなければなりません。
本来、お金の無い人を医療から排除せずに、国庫負担の充実で国保料減免制度を充実しなければならないというのが社会保障の原則なのです。
「所得の再分配」への政治の責任
「人間らしく生きる」ためには、教育、職業訓練、障害がある人の労働保障、保健医療、社会福祉、生活困窮者への生活保障など、広く人権保障、発達保障も含まれなくてはなりません。世界人権宣言の「社会保障の権利」は、そうした広い意味を含んでいると思います。これらのことを総合的に実現しなければなりません。
そのためには、格差社会の中で一方に生まれた膨大な富裕層や大企業に蓄積された過剰な富に課税し、それを社会保障=所得の再分配機能によって貧困層や低所得層に回すことが求められているのです。大企業の過剰な内部留保を吐き出し労働者の雇用と賃金に回し、第一次分配を高めることももちろん重要です。
これこそが、格差社会の政治が果たすべき仕事です。
しかし現実には、政府も民主党も自民党も「所得の再分配」にはタブーで、口をそろえて「消費税増税で社会保障を」などと、矛盾した理屈で国民をだまそうとしているのです。消費税は貧乏人には重く、所得を逆分配する社会保障に逆行する税制です。こうした政党や政治家では社会保障の再生が出来ない事は明らかでしょう。
主権者の力で再生を
さて憲法25条は、 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と述べています。今こそ国の社会保障再生の責務が問われている時はありません。
国にその責任を迫るのは主権者国民であり、選挙を通じ代表を送り込むことによって成し遂げるのです。
社会保障の原則に立ち返って、その再生を目指す政治の前進・・・参議院選挙の中心テーマの一つです。
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2010.05.14 | | Comments(6) | Trackback(2) | ・2010参院選
