NO.1640 ”抜け穴”をふさげというのに 拡げる民主 労働者派遣法
久しぶりに、労働者派遣法についてです。
それは、審議中の労働者派遣法改定案で「登録型派遣の原則禁止」の例外とされた「専門26業務」をめぐるトンデモ議論。
仕事のあるときだけ雇われる不安定な登録型派遣は、本来全面禁止すべきであることは言うまでもない。
しかし、政府案は26の専門業務を禁止の例外とする“抜け穴”法案。専門業務には派遣期間の制限がない。しかも「事務用機器操作」(45万人)ではパソコン作業が専門業務とみなされ「業務偽装」もまかり通っている。だからこそ、”抜け穴をふさげ!”というのに・・・。
民主党は?
民主党・初鹿明博議員は「誰でもパソコンが使える時代にこれが『専門』でいいのか」とまともかと思いきや、その一方で「介護とか看護とか、ただでさえ人材不足の分野が『専門』に入っていない」と主張。「対象業務を絞り込んだり、新しく広げていったりすべきだ」と、“抜け穴”の拡大をも求めるに至っては、何をかいわんやである。
これに、長妻昭厚労相は「不断の見直し、検討が必要」と同調。原則禁止が施行される3年以内に審議会での検討を約束する始末。専門業務は国会での議論抜きに、一片の政令で決め増やすことができるのだ。アブネ!
専門業務の拡大は日本経団連や派遣業界からの要求。厚労省の政策会議でも、原則禁止されてきた医師・看護師を加えることなどを検討していくことを決めている・・・!!!財界向きにいい顔を作り、労働者の願いに逆行するとんでもない議論だ。
自民党は?
日本共産党の志位和夫委員長の質問(2月8日)に合わせて厚労省が出した「専門業務適正化」の通達と是正指導を攻撃する有様だ。丸川珠代議員は、是正指導に反発する派遣業界の「要望」をとりあげ、「突然、アポイントもなく指導官が訪れ、違法であると決め付けて尋問した。こういう立ち入り調査が認められるのか」と指摘。通達で「事務用機器操作」について「習熟を要するものに限られる」などとしたことについても、「政令を超えた通達だ」などと攻撃し、現行法にもとづく専門業務の「適正化」にさえも反対している。・・・トンデモ以下だ。
社民党は?
政府案に閣議決定で同意した立場だ。不十分だといいながら、立場上とにかく今国会成立をと主張する。
「専門26業務の中には事務用機器操作など業務内容が拡大解釈され、違法に悪用されている実態があり、例外がいくらでも広がる危険性がある」(服部良一衆院議員)。「不十分でも何としても今国会成立を」(照屋寛徳国対委員長)。
日本共産党は?
こちらは明快!使い捨て自由の不安定雇用をなくすために、「専門業務を厳格に絞り込むべきだ」(高橋ちづ子衆院議員の質問)とのべ、大幅な縮小を求めている。
医者や看護師に介護士も?
「仕事があるときだけ雇える登録型派遣の専門業種に指定していい」だと?!専門職らしい待遇もしないで置いてなんということか。こういう、人を相手にする仕事は関係の継続性が大事で、すぐに来てすぐに何かができるという仕事の仕方にはそぐわない職種だ。必要なときに臨時に補うのではなく、いつでも対応できるように十分な人員配置をこそ先ず考えるべきではないか。
改定案は衆院厚労委員会で、他の法案審議が優先され審議再開のメドが立っていないようだが。労働者や弁護士などから、“抜け穴”などの問題点を抱えた改定案の抜本的見直しを求める声が広がっている。各党の態度が問われている。
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2010.05.21 | | Comments(10) | Trackback(2) | ・雇用と労働問題Ⅳ
